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最先端のARやVRの制作の前に①クレショフ効果

2022年10月17日 (月) 投稿者: メディア技術コース

新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる全国唯一の健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインしたり、多くの人たちに役立つ健康改善するための健康アプリを制作するための研究を行っている研究室です。

最近、プロジェクションマッピングやAR・VRの活用において多数のCG映像作品を見ることが増えてきました。そこで今回はその際に役に立つ映像テクニックあるいは心理学的効果として有名なクレショフ効果について紹介します。

Wikipediaによると、
「クレショフ効果」とは、映像群がモンタージュされ、映像の前後が変化することによって生じる意味や解釈の変化のことをいう。一般に映像の意味や解釈は、ほかの映像とのつながりのなかで相対的に決定されていく。本効果は、映画的な説話論の基礎である。

実験として、本効果のもつ意味論的伝染を強調するために、レフ・クレショフは、科学的経験(認知心理学)を開発した。クレショフは、ロシアの俳優イワン・モジューヒンのクローズアップのカットを選び、とくに無表情のものを選んだ。モジューヒンのカットを3つ用意し、3つの異なる映像を前に置いた。

第1のモンタージュでは、モジューヒンのカットの前に、スープ皿のクローズアップを置いた。 第2のモンタージュでは、スープ皿のかわりに、棺の中の遺体を置いた。 第3のモンタージュでは、棺の中の遺体のかわりに、ソファに横たわる女性を置いた。それぞれのシーケンスを見た後で、俳優(モジューヒン)があらわす感情を観客は述べなければならなかった。その結果、観客は、第1では空腹を感じ、第2では悲しみを感じ、第3では欲望を感じたと答えたのである。

とあります。実写映像出身者はこのクレショフ効果をきちんと学修していて、このをクレショフ効果をしっかりと活かしたカット割りを制作に取り入れています。端的に伝えたい意図を明確に鑑賞者に与えることができ、ナレーション不要です。これは言語不要とも言い換えることができます。つまり世界に通じる映像制作手法であると言えます。

このクレショフ効果を活かした作品制作は万能なので、知っているとより効果的な映像作品を制作できますね。

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