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2022年11月

ゲーム技術に関する学会発表紹介(1)

2022年11月30日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の渡辺です。こんにちは。

11月4日から6日にかけて、NICOGRAPH2022という学会が開催されました。私の研究室からは、1件のフルペーパー口頭発表、2件のショートペーパー口頭発表、7件のポスター発表として採録されました。これから数回に渡って、それらの研究を紹介したいと思います。

1件目は、修士2年の柴山叶さんの研究を紹介します。題目は「バトルロイヤルゲームのアイテム探索におけるマルチエージェント移動経路最適化」というもので、フルペーパーとして採録されました。この研究は、大人数で対戦する「バトルロイヤルゲーム」というジャンルでのアイテム収集を効率的に行うことを目的としています。一人のプレイヤーがアイテムを収集する場合の理論としては「巡回セールスマン問題」と呼ばれる問題を解く理論が適用できますが、複数人のチームで効率的に収集する場合は「配送計画問題」と呼ばれる問題を解く理論が必要となります。現時点で提唱されている多くの理論は「確実に全てのアイテムを収集する」という前提で理論が構築されていますが、バトルロイヤルゲームでは必ずしも全てのアイテムを収集する必要はなく、一定の時間内に収集を切り上げないと不利な状況になってしまう場合があります。そのため、「ある程度のアイテムを収集し、短めの時間で探索を完了する」という前提が最適なのですが、その条件を満たす理論というのは提唱されていません。柴山さんの研究は、そのような前提の効率的なアイテム収集を実現するためのものです。

Shibayama

アイテム収集経路算出の様子

2件目に、修士2年の吉田涼真さんの研究を紹介します。題目は「NPCの行動の最善手探索に関する研究」というもので、ショートペーパーとして採録されました。ゲームAIの理論の一つに「ゴールベースAI」というものがありまして、これは目的達成を保証する手法として近年注目されています。ただ、現時点では大ざっぱな行動しか実現できておらず、一般的な行動への適用には莫大な計算量が発生するという問題があります。吉田さんの研究は、彼はこれまで研究してきた経路探索を高速化する理論をゴールベースAIに応用し、より精緻な行動においてゴールベースAIの適用を実現するというものです。まだ現時点では研究が萌芽段階であったためフルペーパーには至りませんでしたが、アイデアの秀逸さが評価され、「優秀論文賞(ショートペーパー)」を受賞しました。

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ゴールベースAIの概念図

 

(メディア学部教授 渡辺大地)

 

W杯対ドイツ戦勝利のインパクトは大臣辞任の約145倍(PART2)

2022年11月29日 (火) 投稿者: メディア技術コース

新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる全国唯一の健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインしたり、多くの人たちに役立つ健康改善するための健康アプリを制作するための研究を行っている研究室です。

中学校・高校とずっとサッカー部でひたすらストイックに練習してきた身としては、今カタールで実施しているワールドカップサッカーは4年に一回の眠れない夜・睡眠不足の日々が続きます。2022年11月23日に日本のA代表がドイツのA代表に勝利するという快挙を成し遂げました。シドニーオリンピックで日本代表がブラジルに勝ったのではと記憶されている方もいらっしゃると思いますが、こちらはA代表でなくU22代表なので、世界中の評価は相当に差があります。

試合内容をレビューする報道メディア的なアプローチもありますが、ここでは日本勝利のインパクトをSNSを活用して定量的に調べてみました。そのインパクトとの対比において、先日のブログにて、大臣辞任というバッドニュースは、Yahoo!リアルタイム検索による直近30日間のデータでは、ツイートのピークは11月2日の約2700ツイートで、感情グラフは流石にほぼネガティブで99%もの割合でした。

一方、11月23日深夜の対ドイツ戦の勝利の分析をしてみました。キーワードとして、まず、ドイツ+日本+サッカーとして30日間のツイートグラフを確認したのが以下になります。

ツイートのピークが約2万8千件となっていて、約10倍です。これではタイトルほどのインパクトありませんね。そこでキーワードをいくつか変更してみました。
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次にヒットしたキーワードが「勝った」です。先ほどの2万8千件よりは10倍以上増えて、約28万5千件です。これで105倍です。人間の心理を考えると、ずっと試合を見ていて、試合終了時に出る言葉は、日本を応援している日本人としては素直に「勝った」という言葉がでますよね。でもこれでも145倍までは到達していません。


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そして、最後に最もインパクトが大きかったキーワードを見つけました。それは「ドイツ」です。なんとツイートのピークは39万2千件です。大臣辞任に比べて145倍のインパクトでした。

これまでの3パターンを分析すると、日本がドイツに勝って喜んだ人は、どのような言葉をツイートするでしょうか?「ドイツ」に「勝った」とか、「ドイツ」に「勝利」とか、でしょうか。念のために「勝利」というキーワードも同じツイートのピークのタイミングに18万5千件ものツイートがありました。

こういった試行錯誤することは、データサイエンスという学問分野で今世界中でAIとともにあるいはAI以上に注目されています。

 

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W杯対ドイツ戦勝利のインパクトは大臣辞任の約145倍(PART1)

2022年11月28日 (月) 投稿者: メディア技術コース

新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる全国唯一の健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインしたり、多くの人たちに役立つ健康改善するための健康アプリを制作するための研究を行っている研究室です。

中学校・高校とずっとサッカー部でひたすらストイックに練習してきた身としては、今カタールで実施しているワールドカップサッカーは4年に一回の眠れない夜・睡眠不足の日々が続きます。2022年11月23日に日本のA代表がドイツのA代表に勝利するという快挙を成し遂げました。シドニーオリンピックで日本代表がブラジルに勝ったのではと記憶されている方もいらっしゃると思いますが、こちらはA代表でなくU22代表なので、世界中の評価は相当に差があります。

試合内容をレビューする報道メディア的なアプローチもありますが、ここでは日本勝利のインパクトをSNSを活用して定量的に調べてみました。そのインパクトとの対比において、先日、大臣辞任というバッドニュースがありましたがまずそのインパクトを調べてみました。ツールはtwitterの投稿内容を分析しているYahoo!リアルタイム検索です。直近30日間のデータでは、ツイートのピークは11月2日の約2700ツイートです。それに加えて感情グラフという、ポジティブな内容なのかネガティブな内容なのかもわかります。大臣辞任は流石にほぼネガティブで99%もの割合です。

続いて、本題のワールドカップサッカーの日本対ドイツ戦の結果のツイートを分析してみます。
つづく

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第4回シナリオ執筆に役立つ小理論

2022年11月27日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆に役立つ理論」と題し、知っておくとシナリオの内容が良くなる知識やポイントを簡潔に紹介していこうと思います。

今回取り上げるトピックは・・・

「登場人物その4『犠牲者』」です。

「主人公」「敵対者」「協力者」と挙げて紹介してきましたが、今回4番目に挙げる「犠牲者」の役割をもった登場人物がそろえば、とりあえずはシナリオの「ストーリー」を大きく動かす存在の登場人物は揃ったといっていいでしょう。

では「犠牲者」に求められる役割とは何か?

それは主人公が目的を達成するためのきっかけとして支払われる対価、コスト、損失、となる要素を担うことです。

もっともわかりやすい例の一つとして「勧善懲悪モノ」のシナリオを挙げる挙げるなら、主人公が悪を成敗するきっかけとなって敵対者に殺されてしまう存在が該当します。

例えばそれが自分の両親だったりするなら、殺されてしまう主人公の両親は「犠牲者」であり、両親を殺害した者は「敵対者」であり、主人公の仇討ちを手伝う仲間は「協力者」となり、ストーリーの大まかな構図が整うわけです。

逆に言うと、これら4つの役割がそろっていないことには「何も起きない」ためストーリーが動き出しません。

少し注意が必要なのは、今回紹介した「犠牲者」は主人公が同時に担うことも可能である、という点です。

例えば「主人公が敵対者にいじめられたので、協力者の力を借りてリベンジを達成する」という勧善懲悪ものがあったとすれば「主人公は犠牲者でもある」ということになります。

観客に「犠牲者」の存在を強く印象付けることが、シナリオの発端では特に重要で、それなくして最後まで作品を観てもらうことは不可能と言っても過言ではありません。観客の関心をひきつける「犠牲者」を工夫しましょう。

第3回シナリオ執筆に役立つ小理論

2022年11月26日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆に役立つ理論」と題し、知っておくとシナリオの内容が良くなる知識やポイントを簡潔に紹介していこうと思います。

今回取り上げるトピックは・・・

「登場人物その3『協力者』」です。

登場人物の役割のはじめに『主人公』、次にその比較対象として『敵対者』を挙げましたが、今回挙げる『協力者』は主人公を肯定、同調する形で比較される役割を持った登場人物になります。

協力者もまた名前の印象から、主人公を助ける「味方」を思わせる存在に思う方が多いと思いますが、必ずしもそうではありません。

重要なポイントは主人公の持っている「考え方、主張、哲学」などに「賛成、肯定、同調する立場にいること」が大事なので、家族、恋人、友人などはその役割を担うことが多いですが、必ずしもそういった設定や関係性の登場人物が「協力者」になるとは限りません。。

まとめると「協力者」に求められることは何か?

それは「敵対者」同様に、シナリオを読む人間と、そのシナリオに基づいて制作されたコンテンツを享受する観客のために「比較対象となる」ことです。

前回取り上げた「敵対者」が、主人公とは異なる主張をすることによって、主人公の存在を際立たせたように、協力者は主人公の主張に同意することで主人公を際立たせる存在なのです。

主人公の考えや主張が特徴的で、そこに「敵対者」が現れたが「どっちの考えに自分は共感できるだろうか」と考えてみても、まだ決めかねる場合はあるでしょう。しかし、そこに「協力者」が現れたらどうでしょうか。

母数が少ないとはいえ、数の上では、「2対1」で主人公は勝ち越せる算段がたつわけで、主人公側に分があるように見えてきます。

シナリオライターたるもの、そういった駆け引きも作品を楽しませる「しかけ」として活用したいものです。

第2回シナリオ執筆に役立つ小理論

2022年11月25日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆に役立つ理論」と題し、知っておくとシナリオの内容が良くなる知識やポイントを簡潔に紹介していこうと思います。

今回取り上げるトピックは・・・

「登場人物その2『敵対者』」です。

前回は、登場人物の役割のひとつめとして『主人公』を挙げましたが、今回ふれる『敵対者』は、文字通り主人公と対を成す役割を持った登場人物になります。

名前の印象から、主人公と戦いを繰り広げる「敵」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

重要なポイントは、主人公の持っている考え方、主張、哲学に対して、まったく違う考え方、主張、哲学を持っていることです。

当然、主人公とは食い違う言動を取ることになるので、結果として争うことになり「敵」として認識されやすいですが、別に殺し合いをしなければいけないとか、そういうことではありません。

では「敵対者」に求められることは何か?

それは、シナリオを読む人間と、そのシナリオに基づいて制作されたコンテンツを享受する観客に「主人公の比較対象になる」ことです。

『主人公』という登場人物は、何らかの行動原理をもって作中で活動するわけですが、その具体的な言動は、必ずしも主人公に自分を重ね合わせている観客の、普段の言動と一致するとは限りません。ゆえにその価値観を評価するために比較対象が必要になるのです。

作品によっては主人公の考えや主張が突拍子もないものだったりして、観ている側も常識では理解が出来ない場合があります。しかし、そこに「敵対者」がいることで、「どっちの考えに自分は共感できるだろうか」と考えることができ、ようやく理解のきっかけを得ることができます。

なんの比較対象もない、普段は全く触れることもないような考えの登場人物に、観客は共感できません。「敵対者」は主人公を理解するためにも、重要な役割なのです。

第1回シナリオ執筆に役立つ小理論

2022年11月24日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回から「シナリオ執筆に役立つ理論」と題し、知っておくとシナリオの内容が良くなる知識やポイントを簡潔に紹介していこうと思います。

今回取り上げるトピックは・・・

「登場人物その1『主人公』」です。

登場人物はストーリーを進める上でシナリオには欠かせない存在であり、その中でも『主人公』は中心、中核となる存在です。

特に意識しなくてもシナリオの執筆者は、直感的に「この登場人物を主人公にしよう」と考え、決定していると思います。

しかし、それだけではシナリオを読む人間はもちろん、そのシナリオに基づいて制作されたコンテンツを享受する観客は、その登場人物を『主人公』として認識し、感情移入してくれません。

せいぜい「一番目立っているなぁ、一番場面に映っているなぁ」としか思ってくれません。ではいったい主人公には何が求められるのか?

それは「シナリオの発端で主人公がどんな考えや主張を持っていて、シナリオの結末で何を達成するのか明確にすること」です。

『主人公』という登場人物を通じて、観客は自分を投影して作品を観ます。いわば『主人公』は観客たちの分身です。

ゆえにその人物の原動力や行動動機をハッキリと理解できるようにする必要があるのです。

なんとなくシナリオライターは、主人公に特徴的な設定として、特殊な能力や才能、珍しい職業や地位をつけたがりますが、それを考えるのは「主人公が何を達成するのか」決めてからにすべきでしょう。

2022年度の卒業研究「プロダクトデザイン」のメンバーも全員、採択アイデア決定

2022年11月23日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

卒研「プロダクトデザイン」のスケジュールは、10月はアイデアスケッチのディスカッションを経て月末に採択するアイデアを決定となります。現時点、無事に対面での卒研ゼミも実施できており、今年度も順調に全員が採択案を決定しました。

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これから約一か月間は3Dモデラーで形のディテールや美観なども調整しながらのモデリング作業になります。プロダクトデザインプロセスにおいては、各人の得意なことが異なります。これからはPCに向かう個人的作業が多くなるのですが、ゼミでのモデリング経過についての意見交換は続きます。3Dモデラーでのモデリングでも各自の個性がでるので対面ゼミでの意見交換がクオリティ向上に役立つからです。

そして、余力のあるひとは3Dプリンタでの具現物としての形状確認も行います。プロダクトデザインの場合は、たとえ縮小モデルでも具現物があると、提案物の訴求力は高くなりますので。

メディア学部 萩原祐志

オンライン型「バーチャルオープンキャンパス」(11/14〜1/14)のご案内

2022年11月22日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

皆さん、こんにちは!

現在、オンライン型「バーチャルオープンキャンパス」が開催中です。

バーチャルオープンキャンパスでは、大学説明や入試説明、各学部の研究紹介コンテンツ、VR360コンテンツなどの動画を公開しています。視聴いただくと、大学や学部の特徴や学びの成果を知ることができます。本イベントは2023年1月14日(土)までの期間限定ですので、お申し込みはお早めに。

メディア学部は今回新たに以下のような学生の研究紹介動画を制作しました。これらの動画は、このバーチャルオープンキャンパスに参加することでご覧いただけます。
[お知らせ]12月8日(木)から、バーチャルオープンキャンパスに申込みされなくてもメディア学部ページで下記の最新動画を視聴いただけるようになりました!(まとめてご覧になりたい方はこちらから)


メディアコンテンツコース
「食べ物のプロシージャルモデリング」NEW
「煙シミュレーションの高解像度化」NEW
「音楽要素のインタラクティブな視覚表現」NEW

メディア技術コース
「健康メディアデザインによる集中力向上アプリの提案」NEW
「長時間の同一姿勢を解消する椅子」NEW

メディア社会コース
「地元名物のシティプロモーション戦略」NEW
「若者と推し活」NEW
「人生やりくりゲーム」NEW


学部紹介や各コースの教員による模擬授業の動画もご覧いただけます。多彩な動画を通して、メディア学部の特色と最新の情報をキャッチしましょう。高校1・2年生の参加も大歓迎です!

なお、昨日のブログでは、来場型で開催される「プレ入試」(12/4・12/11)についてお知らせしましたが、このバーチャルオープンキャンパスでは、12月12日(月)からはプレ入試の模擬試験問題および解答・解説冊子を公開します。オンラインでも入試対策ができますので、この機会をぜひご活用ください。


(メディア学部 伊藤謙一郎)

プレ入試[来場型]開催(12/4・12/11)のお知らせ

2022年11月21日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

皆さん、こんにちは。

12月4日(日)に八王子キャンパス、12月11日(日)に蒲田キャンパスで駿台予備学校による「プレ入試」が開催されます。

実際の入試さながらの雰囲気の中、過去問を踏まえて作成された試験問題に挑戦できます。
いずれの日も、午前に模擬試験、午後に駿台予備学校講師による解答解説を行います。

また「入試個別相談」コーナーでは、大学職員・在学生が入試のほか、勉強の仕方、大学生活について皆さんの質問にお答えします。
実際にキャンパスを歩いて施設をご覧になると学生生活がイメージしやすくなると思いますよ。
お昼には、八王子キャンパスでは学食弁当、蒲田キャンパスではお弁当をご用意しています。

入学を目指している方、本学に関心を持っていらっしゃる方は、ぜひこの機会をご活用ください。

プレ入試は定員制で、定員になり次第、申込み締切となりますのでお早めに!


(メディア学部 伊藤謙一郎)

先輩からのメッセージ⑦ 心が折れない程度に、適度な就職活動を!

2022年11月20日 (日) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回の連載最終回の今日は、Kさんの就活体験記を紹介します。
自分のメンタルも大切にしつつ、適度に就活を進めることはなかなか困難ですよね。
面接ではつらい経験もしたようです。
Kさんはそんな就活をどうやって乗り切ったのでしょうか。
 
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私が就活を始めた時期は4年生になる前の3月です。
殆どの企業が一斉にエントリー募集を始める時期で、マイナビの合同説明会に参加したりもしました。
私の周りは、既に早期選考で内定を貰っていた人もいましたが、6,7月までは就活をしている人が多かったです。
そして、平均的に10社受けて、内定を貰った企業は5社以下ぐらいでした。
私の場合は3月から7月まで、10社受けて内定をいただいたのは2社でした。
殆どが最終面接前で落ちた結果になりました。
面接は落ちるものだと割り切って、心が折れない程度に就活していくのがベストだと思います。
 
勘違いしないで欲しいのは、インターンに参加したからといって、内定が貰える訳ではないということです。
1次選考免除や早期選考ができる特典があるだけで、結局は相手の企業が欲しい人材に当てはまっていない限り、
簡単に切り捨てられます。
私の友人の場合、とある大企業(だれもが知っている会社)のインターンは、エントリーシート、
ポートフォリオ(作品提出)、面接3回を経て、枠を勝ち取ったこともあって、
内定もらえるものだと意気揚々としてましたが、いざ就活が始まった2次面接であっさり不合格になり、
モチベーションが下がり、心が折れてしまいました。
早期選考を全て不合格になる人は少なくなく、出鼻をくじかれることもあります。
モチベーションのコントロールを大切にしてください。
 
とにかく、たくさん受けることも大事ではありますが、疲労困憊にもなりかねないので、適度にした方いいと思います。
私の場合は、インターンに参加した企業は計7社で、その内応募したのは5社でしたが、内定を貰ったのは1社のみでした。
就活を始めると、時間と共にだんだんモチベーションが下がっていきます。
大体は、6月に内定を貰い始めて、そこで終わらせる人が多いと思います。
ズルズル続けるのではなく、早期に決着をつけるといいと思います。
 
面接は数をこなしていくしかないと思います。
私はよく、インターネットサイトの掲示板にESや面接内容がまとめられているサイトを見ていました。
同じ内容を聞かれることは全くもってありませんでしたが、その企業の求めている人材や、雰囲気、
メリット・デメリットなど企業研究にもなりますのでお勧めします。
ただ、退職理由の掲示板に書かれていることは鵜呑みにしなくていいと思います。
そのレビューや評価を見て、この企業で5年、10年働き続けることができるビジョンが見えるかどうか、
吟味する情報の一部として利用すると良いと思います。
 
面接では、きついことを平気で言われたりします。
私は「若々しさがない」「冷静すぎて、ドライな人間ですね」などと言われました。
逆に面接に慣れ過ぎて、緊張せず、坦々と聞かれた質問に答えてしまうと、「ドライな人ですね」といわてしまいます。
何よりも30、40代の面接官の方々に「22歳にしては落ち着き過ぎていて、若々しさがない」と言われた時が、
個人的には心に刺さりました。
私の友人の場合、逆にフレンドリーに、常に笑顔で面接を受けていたら「ペテン師みたいだね」と評価され、
不合格になったようです。
あえてそういった発言をすることで、どう答えるかを判断していますので、めげずに面接をこなしてください。
 
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面接官にもいろいろな人がいるので、あまり相性の良くない人や、少し意地悪な人に当たってしまうと、
傷つけられるようなことを言われることもあるかも知れません。
そういう場合は、Kさんも書いていますが、「面接は落ちるものだと割り切る」ことも大事だと思います。
忘却力をフル回転させ、嫌なことはさっさと忘れて次に向かいましょう。
 
バブル崩壊後の就職氷河期世代だった私も就活には相当苦労しました。
メンタルもやられましたし、体重が激減してトカゲみたいに痩せてしまいました。
それでも何とか自分を立て直して根気強く頑張っていると、そのうち縁のある会社が現れるようになりました。
就活は自分自身と向き合うイベントでもあります。
これから就活を始める皆さん、是非頑張ってください。
 
ではでは、今回の連載はこれで終わりです。
この一週間どうもありがとうございました。
またこのブログでお会いしましょう!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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先輩からのメッセージ⑥ 困ったら迷わずキャリアコーオプセンターへ!

2022年11月19日 (土) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回は森川研Oさんの就活体験記です。
最初は一人で頑張っていたようですが、かなりの苦戦を強いられたようで…。
そんな時は、誰かの助けを借りるべし!
Oさんは一人では気付けなかったことに気付けたそうです。
 
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私が就職活動をしていく際に非常に助けられたのが、
就活エージェントやキャリアコーオプセンターなどの支援サービスです。
 
私が本格的に就活を始めた時期は、4年生の4月後半でした。
初めは自分一人で就職活動を行っていたのですが、
なかなか選考が進まず10社以上エントリーシートや一次面接で落とされてしまうことが多々ありました。
このままではだめだと思い、就活エージェントを利用し他人からの目線を用いて自己分析を行いました。
それにより自分では気づきにくい強みや、面接時の自分の見せ方などを学びその成果あってか内定を取ることができました。
 
就職活動を通して周りから見た自分の印象を知ることは自己分析や面接対策に非常に重要だと感じました。
また面接を何度も行っていく中で、自分の強みやエピソードを自信持って話すことができるようになり、
苦手だった面接になれていくことができました。
面接がうまくなるためには回数をこなすことが一番いいと思いました。
 
昨今の就職活動は面接や説明会がオンラインで行われることが多いため、
応募のハードルが下がり様々な会社に応募することができたように思います。
今後、就職活動していく学生は様々な会社に応募して面接の経験を積むことが内定への近道になると思います。
応援しています。
 
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キャリアコーオプセンターは皆さんの就活を助けてくれる強力な味方です。
そんな味方が近くにいるのに、利用しない手はないと思います。
困ったことや、活動に行き詰まりを感じたら、迷わず利用してみてください。
Oさんのように、突破口が開けるかも知れません。
 
一番良くないのは自分一人で抱え込んでしまうことです。
これは就職してからも同じなのですが、
仕事や責任を自分一人で抱え込んでしまうと、どこかで無理してしまったり、
ストレスを抱えることになってしまったりします。
誰かに相談したり、お願いしたりできるようになると、いろいろなことが楽になると思いますよ!
 
明日は今回の連載の最終回です。
どうぞお楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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先輩からのメッセージ⑤ あがり症の私が面接を突破できた理由

2022年11月18日 (金) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回は“昔からあがり症だった”というIさんの就活体験記です。
皆さんの中にも、人前だと緊張してうまく喋れなくなる人がいるのではないでしょうか?
是非この体験記を読んで、あがり症克服の参考にしてください!
 
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私が就職活動を始めたのはインターンシップを除くと2月から3月だった。
今ではもっと早く始めるべきだったと感じる。
周りの状況などを見ていても、遅くても3月からは始めるべきだと思った。
 
私は、IT業界につきたいと思っていたため、2、3月に学内セミナーを受け、
約15社に説明会や本エントリーの応募を行った。
最終的に実際にエントリーしたのは10社程度だった。
今では、かなり少ない応募数だと感じる。
内定をもらえて本当に良かったと思う。
 
応募したうち試験を突破できたものから面接が始まった。
私は、昔からあがり症のため面接やプレゼンテーションが苦手だった。
そのため、入念に面接の対策を行ったが、本番はずっと緊張していた。
しかし、回数をこなしていくと段々慣れていき、最後の数回の面接はリラックスして受けることができた。
面接の対策はいかに実戦を経験するかであると、この時身をもって実感した。
また、最近の面接官で圧迫面接をしてくることはほとんどなく、基本的に緊張をくみ取ってもらえるため、
程よい緊張感をもちながら何とかなるの精神で臨むのが一番であると感じた。
 
最後に、就職活動のコロナによる影響についてである。
オフラインで行った面接はたったの一回であったため、コロナの影響はすごく受けていると感じた。
しかし、この影響はあがり症の私にとってはありがたいものだった。
面接がオンラインであることで面接に早く慣れることができた。
しかしデメリットとしては直接行って企業を見られない点が挙げられる。
ただ、内定をもらった会社には社内見学をお願いすることでこの問題は解決できるため、
総合的に見てメリットの方が多かったと思う。
 
就職活動を通して思ったことは、動いてみないとわからないことが多いということだ。
早めに動き、実戦を通して改善していくことが、一番効率が良いとわかった。
 
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Iさんのあがり症克服の秘訣は、
 
① しっかり面接対策をすること。
② 実戦経験を積むこと
③ 「何とかなる」の精神で臨むこと
 
だとわかりましたね。
私もこれが最善の方法だと思います。
面接で普段の自分を出せるようにするためには、面接という「場」に慣れるしかありません。
その前段階として念入りに準備する必要があります。
そして、成功しても失敗しても、今後の自分のためになると思って、腹を決めることです。
少々うまく行かなくても、また次に頑張れば良いのです。
気を楽にしていきましょう。
 
ではでは、明日の体験記もお楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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先輩からのメッセージ④ 面接を重ねて得た気付き

2022年11月17日 (木) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
就職活動には面接がつきもの。
面接を制する者は就活を制すると言っても過言ではありません。
でも、面接でしっかり自分の言いたいことを簡潔に言えるようになるまでにはいろいろな体験が必要で…。
今回体験記を寄せてくれたSさんは、事前準備の大切さを教えてくれています。
 
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就活を始めた当初は面接で何を聞かれるのか、
いつまでにどのような準備をしておけば自分が安心して取り組めるのかがわからなかった。
そのため、いざ面接本番になって面接官から準備していないことを聞かれると、
焦ってしまい言葉に詰まったり思うように話すことができなかったりした。
面接は何度体験しても、その都度面接官が異なるため気持ち的に慣れることはなかったが、
流れや緊張感などは何度も面接を受けるうちに慣れるようになった。
そして、内々定をいただけるようになった頃には、
最初の頃と比べて自分の気持ちを自分の言葉で話せるようになっていたと感じる。
 
このような体験を通じて、何事も事前の準備が大切だと気づくことができた。
例えば、就職活動を始める前に自分がやりたいことについて考える時間を取ったり、
興味のある企業がある場合にはできるだけ早めにその企業について調べたりすることが重要だと感じた。
また、やりたいことや就きたい職業が決まっていない場合でも、
焦ることなく他の企業の採用試験を受けながら、
採用試験の流れや面接でよく聞かれる質問などの情報を集めておくと、
よりよく就活に取り組むことができるのではないかと考えた。
加えて、就活中はスケジュール管理が大変になるが、無理をせず、
活動の合間にある程度の休息を取ることで活動や集中力も長続きし、
最終的には満足のいく結果になるのではないかと思う。
 
これからは社会人となるが、何事も早めに取り組めるように、
事前に不安なことやわからないことなどを信頼できる人に聞いたり、自分でも調べたりしたいと思う。
 
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面接でガチガチにならないようにするためには、
経験を重ねるのが一番です。
様々な企業の、様々な面接官と相対し、その場の流れを読んで応対できるように努力する。
そういう経験を重ねるうちに、段々と面接に慣れてくるものだと思います。
Sさんが書いているように、事前にその企業の研究をしっかりしておくことも非常に重要です。
面接官としてはやはり、この会社で一緒に働きたいと思える学生を取りたいわけですから、
中にいる人の目線で企業研究をしてみましょう。
自分のやりたいことだけでなく、会社がどういう人材を求めているのかを見極めることも大切です。
 
とは言え、自分を追い詰めることはありません。
息抜きもしっかりすること!
力は入れるよりも抜く方が難しいんですよね。
適度な抜き方も覚えてくださいね!!
 
明日も引き続き先輩の就活体験記です。
 
(メディア学部 森川 美幸)

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先輩からのメッセージ③ 挽回せよ!出遅れた就活体験記

2022年11月16日 (水) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回は高校時代からタレント活動をしていた、少し異色の経歴の持ち主・M.K.さんの就活体験記です。
彼女は女優として成功することを目指していたので、自分に就活は無縁だと思っていたようですが…。
さて、どんな経験をしたのでしょうか?
 
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メディア学部のブログを閲覧いただきありがとうございます!
19年度入学のMちゃんです。
この記事では私から、就職活動についてのお話をさせていただきます。
 
題して、
挽回せよ!出遅れた就活体験記
 
私は高校生のときに東京のタレント事務所に所属して大学4年生の現在も活動を継続しています。
大学入学当時は「私は演技でご飯を食べていくから就職活動なんて無縁だわ~」なんて思っていました。
そんな調子で3年生前期に入り就活をサポートするための授業が始まり、
 
3年の夏休みでどれだけ 
自己分析・企業研究・インターンへの参加ができるかが
スタートダッシュの決め手!!
 
と言われてもあまりやる気が出ず…
女優業の方も深夜のショートアニメや地方ラジオなど細々と活動していましたが、大きな案件には書類審査すら通過しない状態でした。
 
しかし、夏休みが始まった直後のこと、
アニメ好きなら知っている!?
某有名音楽系コンテンツのミュージカルキャストオーデションに参加が決定したのです!
 
これは千載一遇のチャンス。
私は夏休みをこのオーデションのために費やすことにしました。
 
オーデションのための努力はまたの機会にお話するとして、
結果は……落ちました(まぁ受かってたらこの記事書いてないのでお察しなのですが)。
 
このころ結果を受け取ったころには、後期授業も始まっていて周りの学生は面接などにも参加しているのが多数でした。
これではいけない…けど努力の仕方も良くわからない…ということで活用したのが
 
DODAキャンパスです!
 
来るもの拒まず全力投球!お声がけのあった企業様の説明会はとりあえず参加して、企業様と私の共通部分を徹底分析。
はじめはあまりうまくいかなくて、結局初めてのインターン参加は3月でしたが、そのインターンで転機が!?
個人ワークとグループワークにて、これまでの演技の勉強や少ないながらの現場経験が活かされ、双方で最優秀賞をいただきました!
最優秀賞の景品が選考過程をパスして最終面接へご招待、というもので、
ほかの方々が書類を書いたり一次面接等々を受けている間に、最終面接に絞った対策や練習を行えたのがアドバンテージになって無事内定を獲得しました!
 
結局、この記事で何がお話したかったかといいますと…
 
好きなことすればいい!!!
 
皆さんは、大学生になったら「より良い就職のために頑張らなきゃ」とか「今のうちに遊ぶぞ」とか、いろいろな考えや志を持っていると思います。
そのどれもが役に立ちます!就職活動でもそれ以外でも。
演技の勉強の中でも、演技力以外にもハングリー精神だとかコミュニケーションだとか、ほかの人より1㎜でも秀でてる部分を作れたし、ずっとゲームしてる子も遊園地に行きまくってる子も多趣味で広く浅くいろんなことをかじってる子も、
 
大好きなことに全力なら
副産物的に(就活に限って言えば)強みが出てきます!
 
その強みを見つけられるかは自己分析次第、企業様とマッチさせられるかは企業研究次第。
でも、「私は遊んでばっかりだったから強みなんてないよ…」なんて状況は到底あり得ません!
 
どんな経験でも、自分の強みになるのだから、限りある大学生生活を有意義に楽しく!過ごしていただきたいです。
 
ここまで読んでいただいてありがとうございます!
 
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タレントとしてメジャーになる夢は今のところ叶っていないようですが、
そのために努力したことは就活にも大いに役立ったようですね。
そう、無駄なことなど何一つないのです。
自分には誇れるものなど何もないと思っているそこのあなた!
何か好きなことが一つでもあれば、きっとそれは就活に役に立つ「ネタ」となるでしょう。
そしてどんな経験も「ネタ」になります。
是非自分の過去を掘り起こすと同時に、新しい経験を楽しく重ねてくださいね!
 
明日も先輩の就活体験記が続きます。
 
(メディア学部 森川 美幸)

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先輩からのメッセージ② 早期選考のススメ

2022年11月15日 (火) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回は、一般職で内定を得た森川研4年生・Aさんからのメッセージです。
3年生の時、森川研代表としてメディア学部の研究計画発表会に参加し、見事学部長賞を獲得したAさん。
彼女はどんな就職活動をしたのでしょうか?
 
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3月1日は就職活動の情報が一斉に開示される日です。
私が就職活動を終えた日はその1週間前くらいだったと思います。
 
私は、集中力ナシ・やる気ナシ・強みもアピールポイントもナシな学生です。
でも、学校の授業のおかげで、就きたかった一般職で内定をいただくことができました。
 
私の就職活動のモットーは「人の役に立つ仕事、営業事務の職種に就きたい」、
裏モットーは「なるべく早く終わらせる!」でした。
就活が終われば自分の趣味や好きなこともできるし、勉強に時間を費やすこともできます。
上で書いたように、集中力もなかったので「短期集中・友達よりも早く終わらせてやる」の気持ちで、
3年生の9月頃から早期選考について考え始めました。
 
早く内定をもらうだけでなくやりたいことができなければ意味がありません。
一般職は「これができなきゃだめ、経験や知識がないといけない」職種ではないのかなと思います。
しかし、企業研究をしていくと、それぞれの企業の中で一般職の立ち位置や重要視されるポイントが違うことがわかります。
そこを自分と重ねて、会話の中でアピールすると面接官の方が興味をもってくれることがあります。
実際、面接でメディア学部の授業の話をしたら、興味津々で話を聞いてくださり話が弾んだことがありました。
 
一般職を目指している人がどれくらいいるかわかりませんが、少しでも参考になれば嬉しいです。
この大学で学んだことはどんな企業・職種でも皆さんの背中を押してくれると信じています。
就活にあまりやる気が出ない人も、早く終わらせて楽になりたい!の気持ちからエンジンがかかるかもしれないので、
一度手を動かしてみてはいかがでしょうか。
 
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Aさんは私の目から見ると全く「集中力ナシ・やる気ナシ・強みもアピールポイントもナシな学生」とは思えませんが、
ご本人的にはそういう評価だったのですね。
でも、だからこそ(?)、大変なことは早く終わらせてしまおうという強い気持ちを持てたのかも知れません。
そして早く終わらせるために、ちゃんと企業を研究をし、面接でのアピールの仕方を工夫し、見事内定を勝ち得ました。
狙いを定めてからの戦略は見事ですよね。
Aさんの話によると、メディア学部の授業の話は面接官との話題を盛り上げるために非常に役立ったようです。
真面目に授業を受けていたからこそ、面接の場で話せたのだと思います。
皆さんも是非、Aさんのようにしっかり授業を受けて、面接の場で語ってみてくださいね!
 
それでは、明日はSさんの就活アドバイスをお届けします。
今度はどんな体験記が聞けるでしょうか?
お楽しみに!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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先輩からのメッセージ① 挑戦するなら今!

2022年11月14日 (月) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
私のブログでは、その年、私の研究室に所属している4年生に執筆してもらった記事を紹介しています。
今回も現4年生に、工科大の後輩や、工科大を目指している高校生に向けて、大学時代の思い出やアドバイス、就活体験を記事にしてもらいました。
というわけで今日からの1週間は、7人の学生のメッセージを掲載します。
トップバッターはMさんです。

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在校生と工科大を目指している受験生に向けて、微力ながらも何かアドバイスを届けることができたらと思います。
私は2019年に入学した大学4年生です。
大学1年生の頃は普通に通学し、普通に授業を受け、普通に友達とご飯を食べてという大学生活を送っていました。
1年生の春休みが始まり、友達ともどんどん色々なところに遊びに行こうとしていた頃、コロナが流行し始めました。
家からほぼ出られず、友達との予定も無くなり、新学期が始まったと思いきや授業は遠隔体制ということで、
思っていた大学生活を送ることが困難になりました。
その代わり空き時間が増え、様々なことに挑戦する機会ができたと思います。
私はこれといったことに挑戦したり独学で何かを勉強したりしなかったため、今となっては少し後悔しています。
学生でいられるのもあと少しと思うと、これをやるには少し時間が足りないな?と感じることがあります。
何気なく過ごしていても、大学生の4年間はあっという間に過ぎていきます。
学生のうちは、社会人よりも何か新しいことに挑戦することができる機会が多いと思います。
「面倒くさいからいいや」や「あとからでもできる」ではなく思った時に何か行動してみると、今までとは少し違う選択肢が増えると思うので、後悔しないよう、是非沢山のことに挑戦してみてください。

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今の4年生は1年次だけコロナ前の、いわゆる“普通の”大学生活を送り、
2年生からコロナのためにこれまでと全く違う大学生活を送ることを余儀なくされた世代です。
2020年前期はすべての授業が遠隔となり、ステイホームが叫ばれて外出することもままならなくなりました。
多くの皆さんがまだあの時のことを覚えているでしょう。
Mさんはそんな中にあっても、逆に時間ができたことをチャンスと捉えたようですね。
自分では満足のいく挑戦ができなかったようですが、だからこそ、後輩たちには時間があるうちにいろいろなことに挑戦して欲しいのでしょう。
今できることは今やってみる。
Mさんが書いているように、将来の選択肢を増やすためにも、是非後悔のない「今」を過ごしてください。
未来の自分を作るのは、他でもない今の自分なのですから。
 
明日からは森川研卒研生たちの就活体験記をお届けします!
お楽しみに!!
 
(メディア学部 森川 美幸)

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卒業論文を書こう (3)備えあれば憂いなし

2022年11月13日 (日) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

一昨日、昨日と、卒業論文の書き方の話をしてきました。ここから先は内容の話になりますが、それは各分野各テーマで違うでしょうから、指導教員の先生や先輩などに相談してもらうことにして、ここではもう一つ大事な話をしておきます。バックアップです。

「マーフィーの法則」という言葉をご存知でしょうか。科学的な裏付けがあるわけじゃないけど、言われてみるとそうだよなと思ってしまう皮肉な経験則を指す言葉です。「○○あるある」という言い方をした方がわかりやすいかもしれません。で、ほとんどの大学教員が感じているであろう法則が、「4年生のパソコンは卒論提出直前に故障する」というものです。

実際問題として、学生の多くは入学時にパソコンを買うので、そこから4年というのは、ぼちぼち故障してもおかしくない時期です。加えて、4年生の前期ぐらいまではあまり使われていなかったのが、卒論が佳境に入ってくるに従い、いろんなアプリやいろんなデータを詰め込んでパンパンになってしまうということもあります。そして、卒論提出の3日前ぐらいになって、「パソコンが突然壊れて、書きかけの卒論のデータが全部なくなってしまいました~」なんてことになるわけです。

そうならないためにも、卒論のデータは必ずバックアップを取っておきましょう。USBメモリや外付HDDなどにコピーしてもいいし、Google Driveなどのクラウドを利用するという方法もあります。GitHubなどのバージョン管理システムを使える人なら、それでバックアップを取れるようにしておけば完璧です。

何があっても安心な状況ができたら、さあ論文を書きすすめましょう。

卒業論文を書こう (2)図を書こう

2022年11月12日 (土) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

卒業論文の書き方、昨日は「謝辞と目次と参考文献リストを書いてしまおう」という話をしました。さてこのあとはいよいよ中身に入ります。何から始めましょうか。

次にやることのお薦めは、何か図を貼り付けることです。図がなければ表でも構いません。実験とか調査とかをした人は、その結果をまとめたものがあるはずです。研究室のミーティングなどで見せたものがあるかもしれません。とにかくそれを論文に貼ってしまいましょう。

貼れる図が無いという人は、何でもいいので図を作りましょう。物やソフトを作った人はその構成図、調査をした人は調査対象の概要を示した図、実験をした人は実験装置の図など、何か書けるものがあるはずです。パワーポイントなどを使い、とにかく図を作ってみましょう。フリーのイラスト素材なども役に立つかもしれません。データがある人は、Excelのグラフ作成機能を使ってグラフにするのもいいでしょう。

図ができたら、次はその図の説明文を書きます。このとき、何かカッコいい文を書こうと思う必要はありません。図を見てわかることを、ただそのまま書けばいいのです。グラフであれば、「結果を図1に示す。横軸は○○、縦軸は○○である。実線は△△の値、点線は□□の値を表している」のような感じに。システム構成図であれば、「システム構成図を図1に示す。最初の○○部では○○を行い、その結果を△△部に送る。△△部では△△を行い、その結果を□□部に送る」のような感じに。いずれの場合も、書いてあるものをそのまま説明するだけなので、わりと簡単に文章が出てくると思います。

この作業を繰り返してページが埋まっていったら、文章を書くこと自体がだいぶ気楽に感じられるようになるはずです。(明日に続く)

卒業論文を書こう (1)書き始め

2022年11月11日 (金) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

11月も終盤になり、4年生の皆さんは、そろそろ卒業論文を書き始める頃だと思います。私の研究室でも、卒論執筆にあたっての注意点などをいろいろ伝えることが増えてくるのですが、ここでは、研究分野に依らず多くの人に当てはまりそうなちょっとしたアドバイスを書いてみようと思います。

まずは書き始めです。さあ卒業論文を書くぞというとき、多くの人は「はじめに」から書き始めます。研究の意義を示す立派な文で始めようと思ったところで、良い書き出しが思い浮かばず、そのまま1時間ぐらい悩んでやめてしまうというのが、執筆が進まない典型的なパターンです。

実は、「はじめに」の書き出しというのは、卒業論文の中でも最も書くのが難しい場所の一つで、こんなところから書き始めるのは全く得策ではありません。ではどこから書き始めましょうか。私のお薦めは「謝辞」です。謝辞というのは、論文の末尾に、「研究を指導してくださった○○教授と、研究室の皆さんに感謝します」みたいなことを書くものですが、人の名前を書いて「感謝します」というだけなので、何も悩まずに書くことができます。研究室の先輩の卒論を見て、ちょっとだけ名前を入れ替えるぐらいでも大丈夫です。たぶん5分もあれば書けると思います。

それでも「謝辞」が完成するだけで、なんとなく論文執筆が一歩進んだような気がしてきます。この状態は、1文字も書けていない時に比べると、精神的にはずいぶん楽になるはずです。気が楽になったところで、次は目次を完成させましょう。もちろん、目次を作るということは、本文の章見出しや節見出しも書いてしまうということです。この段階では、各章や各節の中身は空白で構いません。ここまで来ると、これといった文章は書いていないのに、ずいぶん論文っぽくなってきたはずです。

そのあとで、参考文献リストを作ります。これまでの研究で参考にした論文や書籍などを、とりあえず適当にリスト化します。削除するのはいつでもできるので、とにかくリストっぽいものを作ってみるだけで構いません。

ここまで来れば、もうかなり作業がはかどってきた雰囲気になっているはずです。さて、このあとようやく内容に関わる部分に取り掛かりますが、それについてはまた明日。

CG画像作成処理の最終段階「トーンマッピング」

2022年11月10日 (木) 投稿者: メディア技術コース

 2年次後期の講義科目「CG数理の基礎」では、コンピュータグラフィックス(CG)技術を学ぶ基礎となる概念を勉強します。基礎なので、3次元CGの話題は少ししか出てきません。
 
 第7回授業「ディジタルカメラモデルと投影変換」はその数少ない3次元CGの話題です。授業冒頭では、3次元CGの処理(1枚のCG画像を作成する処理)は写真撮影手順と類似点があることを説明しました。以下のスライドです。
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 この授業では事前に資料を公開し、履修生から質問を受け付けて、授業中にはそれらを紹介し回答します。ここのスライドでは3つの質問がありましたので私の回答とともに紹介します。
 
 【質問】
 
 屋外なら太陽があり、室内ならライトがあるように、写真を撮るときに元から光源がある場合が多いと思います。その場合、光源に合わせてカメラの位置や向きなどを調整するため、手順2と手順3の順序が入れ替わると考えました。そこで質問なのですが、三次元CGにおいて、1~5の手順の順番が前後することはあるのでしょうか?
 
 【回答】
 
 質問の答えはYesです。前半でおっしゃる通り、場合により2と3は入れ替わることがあるでしょう。
 
 状況によっては1のうち「モデルの配置」もその順番の前後に入ってくるでしょう。
 
 ただし、4と5はそのままですし、1のうちの「モデルをつくる」もやはり一番最初です。
 
 【質問】
 
 カメラを設定してから光源を用意するのはどういった意図によるものなのでしょうか。先に設定したカメラの画角の中で、被写体が特に綺麗に写る位置に光源を配置するためでしょうか。
 
 【回答】
 
 一つ前の質問でもあるとおり、カメラの設定と光源の用意は場合により順番は変わります。実写の話で説明すると、カメラ設定が先で光源設定が次、というのはスタジオでの写真撮影を想定した場合です。
 
 自然光での撮影や照明条件が固定の室内だと、光源が先でカメラが次、ということになります。
 
 屋外の撮影であっても、人間の被写体にレフ版で光を当てる場合はカメラが先で光源が次、と言えそうです。これは質問の後半でおっしゃっているケースですね。
 
 【質問】
 
 5番の画像の調整の際にはどのような処理を行うのですか。
 
 【回答】
 
 あまり難しい話ではなく、意図通りの画像になるように明るさやコントラストの調整処理を行います。具体的な技術は次回授業で紹介します。
 
 より発展したトピックとしては「トーンマッピング」が、CGの処理の最終段階での画像の調整処理です。
 
 本講義では触れませんが、特に実写のような現実感のあるCGの描画処理で使われる技法です。各画素の輝度を計算する途中は実数計算を行います。輝度の値の範囲は0から数万あるいは数億にもなります。
 
 このような画像はHDR(High Dynamic Range)画像と呼ばれます。ただし、最終的なCG出力画像は輝度がRGBそれぞれ[0,255]の範囲(LDR, Low Dynamic Range)に収まる必要があります。
 
 最終段階では必ずHDRをLDRに変換する必要があるのです。このときの処理がトーンマッピングです。明るさやコントラストの調整はもちろんなのですが、どの部分がより細部まで見えるようにするかの調整がトーンマッピングの設定では必要です。
 
 もちろん設定内容によっては、明るすぎて真っ白に見えてしまう部分(白トビ)や暗すぎて真っ黒に見えてしまう部分(黒ツブレ)ができてしまいます。それは仕方ないことですし結果的に現実味のある画像ができます。
 
 欲張って画面全体がなるべく細部までわかるようにトーンマッピングを設定すると、全体的にコントラストが弱く平板でメリハリのない印象を与える画像になってしまいます。
 
 【質問回答は以上】
 
 最後の回答で説明したHDR画像に対するトーンマッピングの例を紹介しましょう。
 Photo_20221118120401  
 「CG数理の基礎」としては発展トピックですが、実は「メディアのための物理」という別科目の教科書で紹介しています。この教科書から抜粋しました。右の図(b)が画面全体が見やすくなるように処理した結果です。画像を区分けした部分画像ごとに異なるトーンマッピングを施しています。

参考書籍:
大淵, 柿本, 椿, 「メディアのための物理 ーコンテンツ制作に使える理論と実践ー」, コロナ社, 2022年4月.

メディア学部 柿本正憲

メディア専門演習「ネットワーク構築」の紹介

2022年11月 9日 (水) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。

今回は私の担当しているメディア専門演習「ネットワーク構築」について紹介します。インターネットはすでにインフラになっていて、皆さんもスマートフォンやPCを使って毎日利用していると思います。すでに「利用している」という意識もないかもしれません。インターネットの仕組みは講義でも学修しますが、実際にどうなってるの?というのはなかなか体験的に理解する機会がありません。そこでこの演習では、実際に本格的なルーターなどのネットワーク機器を用いて演習室内でネットワークを作ります。演習室内でインターネットを再現することはできませんので、実際には小規模なLANをいくつか作って相互につなぐなどの演習を通して理解を深めます。

演習は個人作業とグループ作業の両方があります。初回には演習室PCの外付けSSDへLinuxをインストールし、演習ではLinuxを利用します。

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写真はグループ作業が始まって2回目の時の演習の様子です。細長い机の上にある大きな薄い箱がルーターです。このころはまだ、分担して進めていてもお互いに自分のやることが完全には理解できていないため、なかなかうまく動きません。理論的な理解の差が手順や設定の差となっても現れトラブルが続出しますが、回を重ねるごとに分担を入れ替えることでメンバー全員の理解が深まり共通的になっていきます。そして、自分たちでトラブルシューティング(問題の原因発見と解決)ができるようになっていきます。

演習も後半に入り今後はVLANなどの技術も入ってくることで複雑さを増しますが、わかると面白い!と思ってもらえる演習にしていきたいと思います。

(メディア学部 寺澤卓也)

プロジェクト演習「IoTプロトタイピング演習」の紹介

2022年11月 8日 (火) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。

たびたびプロジェクト演習の紹介をしていますが、今回は「IoTプロトタイピング演習」というテーマについて書きたいと思います。このテーマはマイコンボードやクラウドサービスなどを利用して、「あったらいいな」や「これってできるかな」を実際に作ってみるという演習です。

段階を踏んでいくつかのマイコンボードを使っていきますが、先日、初歩段階としてSONYのMESHというIoTブロック製品を使用した制作の発表会を行いました。MESHは同じ大きさのブロックの形でボタンやセンサーが用意されていますが、今回はGPIOブロックというハードウェア拡張ができるブロックを用いてモーター制御を行いました。

一人目の作例は「めざまし」です。通常の音による目覚ましではなく、写真に見える回転する腕の先の手がペタペタと顔をたたくことを想定したものです。iPadに表示されているのがMESHのプログラムです。MESHではこのようにブロック同士を線でつなぐという作業と、ブロックの設定をすることでプログラミングを行います。少し専門的に言うとイベントドリブンなプログラミングです。すなわち、何か起きたら(ボタンが押される、人が来る、時間になる、など)→ 何かやる(モーターを回す、LEDをつける、など)という形でプログラミングを行います。iPad側の機能を使って音を出すこともできますが、今回はそれは使いませんでした。

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2つ目の作例は卓上の掃除ロボットカーです。某社のふき掃除をしてくれるロボット掃除機の卓上版です。身近にあるものですぐに試作してみる(プロトタイピング)のがこの演習ですので、割りばしや紙コップ、画用紙、食器用スポンジ、ストローなどを活用しています。本体部分の下にあるスポンジで掃除をするわけですが、それを引っ張る車輪がやや空回りしてしまっていました。模型用の車輪を使った方がよかったかもしれません。本体上部に見えているのがGPIOブロックとそれを利用する基板、ブレッドボード(穴だらけの白い板)の上に斜めに乗っているのが人感センサーのブロックです。これにより、人を検知すると止まるようになっています。

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MESHはこれで一区切りつけ、今度はmicro:bitによるプロトタイピングに挑戦します。v2.2のキットが入手できたので、できることが増えているはずです。こちらもまたレポートできればと思います。

(メディア学部 寺澤卓也)

付箋にメモして覚えておく

2022年11月 7日 (月) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

しばらく前に書いた「プログラミング入門」の変数の話の続きです。

授業で変数の説明をするとき、私はよく付箋を例に挙げます。(ポストイットと言った方がわかりやすいかもしれませんが、ポストイットは登録商標なので、以下では付箋と呼びます)

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プログラム上で何かを覚えておくとき、1つの変数で覚えられることはそんなに多くありません。付箋一枚に、数値とか文字とかを一つだけ書いておくようなイメージです。書くのはもっぱら鉛筆で、後から消しゴムで消して書き換えることもできると思ってください。付箋にはいろんなタイプがあるように、変数にもいくつかのタイプがあって、何を覚えておきたいのかによって使い分けます。

では、もっと沢山のことを覚えておきたいときはどうしたら良いでしょうか。例えば、何千文字もある文章とか、何百個もある数値データとか、さらには文字とか数値とか関数とかをまとめてパックしてしまったものとかを覚えておきたい場合です。そういうものはとても付箋には書ききれないので、コンピューターの中を探して、沢山のことを書いておいても大丈夫な用紙を見つける必要があります。でも、そんな場合にも、付箋には重要な役割があります。それは、どの用紙に書いたのかをメモしておくという役割です。使ってないノートを見つけて数千文字の文章を書いておいたとしても、いざそれを使いたいときに、「どこに書いたんだっけ?」となってしまっては困りますね。そこで、付箋には「本棚の3段目のノート」のように書き、他の付箋と一緒に保存しておけば良いというわけです。

この「書いた場所をメモしておく」という考え方は、プログラミングの世界では「ポインタ」と呼ばれ、プログラミングの勉強に挫折しがちなポイントの一つとして知られています。付箋を使ったこんな例え話が、少しでも皆さんの理解の助けになれば幸いです。

研究紹介:恋愛リアリティショーにおける心理的距離の可視化

2022年11月 6日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

昨日に引き続き、NICOGRAPH2022でのポスター発表の紹介です。
今日は中山和さんの研究の紹介です。
中山さんは初めての学会発表ですが、早いうちにポスター発表のやり方を掴みうまく説明をしてくれていました。

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隣同士だったので昨日と同じ写真ですが、それぞれ学外の方にしっかり説明してくれています。

中山さんの研究は、恋愛リアリティショーにおける心理的距離の可視化というテーマです。
心理的距離、という名称を使っていますが、学術用語ではなく比喩的な表現の意図が近いです。
俗っぽい表現になってしまうので研究タイトルにはしませんでしたが、好感度とか親密度という方が近い表現です。

バチェラージャパンという、Amazonプライムビデオで配信していた恋愛リアリティショー形式の番組についての分析・可視化です。
バチェラージャパンは、一名の男性と多数の女性による恋愛リアリティショーで、基本的に女性が代わる代わるアプローチをしていきます。
それらのアプローチをエクセルにまとめつつ、時折ある男性側からのアプローチなども記録していきます。

この分析で得られたアプローチの種類や回数を使い、力学モデルでのグラフ描画を行ってみました。
女性男性問わず、弾き合う性質を持つ円の形で表現し、アプローチの数だけ間にばねを繋いでいきます。(男性側の行ったアプローチであれば6倍繋いでみています)
登場人物同士は弾き合う力で離れようとしつつ、アプローチ回数分繋がったばねによって引っ張られることで、力同士の釣り合う形で静止するような動きをします。

配信の話数ごとにアプローチの情報を適用し、釣り合った時の登場人物間の距離(男性と女性陣との距離)や配置が実際に配信を観て感じる距離感になるかを検証します。
主観を排した検証方法はまだ実現できていないですが、少なくとも番組を観て、分析をしている中山さん自身の印象としてかなり近いものにできているようです。

今後は分析方法の修正や繋ぐばねの数の再検討、他のシリーズの情報を入力しての比較などすることがいっぱいです。
今後の発展が楽しみです。

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研究紹介:長編の物語における登場人物の行動と場面の可視化

2022年11月 5日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

昨日の記事で書いた通り、石川県で開催されているNICOGRAPH2022に参加しています。
今回は先端メディアゼミナールⅡを受講していた三名がポスター発表として参加しました。

今日は飯田琴美さんの研究の紹介です。
飯田さんはこれまでに紹介した(記事1記事2)通り、一年後期からずっと受講してそれぞれの成果で毎年度学会発表をしてくれています。
今回で三度目ですが、これまではリモート参加だったので現地での発表は初めてです。
現地は初めてということで緊張している様子もありましたが、発表が始まると見に来た方にしっかり説明してくれました。

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今回の研究は、長期間の連載をしている漫画作品を題材に、登場人物の行動を分析し可視化する方法を検討しました。
連載が長期化すると登場人物の数が多くなり、それぞれの人物の行動を代わる代わる描写していると人物ごとの登場頻度が下がってしまいます。
すると、前回の登場からどれだけ経ったかや、前回登場時にどこで何をしていたかなどの情報が曖昧になってしまうことが起こりえます。

これを整理するため、「ONE PIECE」や「BLEACH」、「名探偵コナン」を題材に、各登場人物の登場時の行動をエクセルで分析しました。
分析にあたり、列方向に時系列(物語の進行)を取り、行方向に登場人物を列挙する形を取りました。
しかし、常に同じ登場人物同士が一緒に行動するわけではないため、ある場面で一緒に行動していた人物同士が遠く情報が把握しにくいという問題が発生しました。

そこで、登場人物について何行目に記載するかを固定せず、物語中で描写される度に一番上の行に移動して表示するという方法を検討しました。
これによって、ある時点で一緒に描写された(同じ行動を取っていた)人物同士が近づき、またこの入れ替えを描写ごとに行うことにより、しばらく登場していない人物が下の方の行に移動していく形になりました。
エクセルではそのような行の並び替えは行いにくいため、エクセルで分析したデータをもとに上記のルールで表示位置の変更を行うシステムの試作を行い、手法の有効性の確認を開始しました。

今回はその分析方法と情報のまとめ方についての発表がメインで、試作プログラムについてはこれから改めて仕様の検討と実装という形です。
今後の発展が楽しみです。

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出張先での夕暮れ

2022年11月 4日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。
11月に入り、すっかり日が落ちるのが早くなってきました。

本日から開催している芸術科学会の大会、NICOGRAPH2022に参加していますが、今日は発表の話ではありません。
私の関係での発表は、明日土曜日に予定されています。そちらの報告はまた改めてする予定です。

NICOGRAPH2022ですが、今回は石川県にある北陸先端科学技術大学院大学というところでの実施となりました。
コロナ禍以降、遠方の学会には不参加かリモート参加をしてきたのですが、今回は現地で参加しようと思い久々の出張をしています。

学会に参加中の夕方、室内のある展示を見終え、時計を見ながら部屋の出口に向かいました。
16:58分ごろだったかと思います。歩きながら「もう17時か、外は真っ暗だな」と思いました。
本学は5限の授業が17:05から開始しますが、その前の休み時間中くらいに真っ暗になります。
ちょうど先日、5限開始直前に窓の外を見ていたので記憶に新しかったこともあり、時計を見て外の様子を想像したのでした。

ところが、実際に外に出るとまだ明るいのです。もちろん夕方で日は落ちてるのですが、西の空が赤いだけでなく空全体がまだ明るくて驚きました。
その時の空の様子を写真に撮っています。時刻としては17時0分14秒だったようです。

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どうして・・・?と思いましたが、よく考えてみれば普段とは違う場所にいるのでした。
八王子では17時には日は落ち切って真っ暗ですが、石川県はそこよりも約240Km西にあります。
日本は国内で時差をつけるほど広くはないですが、それでも北海道と沖縄では太陽の運行に1時間以上の差があります。
普段よりも遠く西の土地にいるならば、その距離分地球が自転するまではまだ日が落ち切っていないことになるわけです。(正確には日没後の薄明の時間ですが)

ちなみに、その後10分程度ですぐに真っ暗になってしまいました。秋の日はつるべ落としとはよく言ったものです。
ちょうど17時直前に時計を見ながら外に出たことと、つい先日の記憶があったのは運が良かったです。
もしも外に出たのが17:10ごろで、それで外が真っ暗でもこのことには気付けなかったのではないかと思います。

久々の出張で遠方に来ましたが、思わぬ形で遠方にいることを実感できました。

第22回シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点(あな)

2022年11月 3日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点」として、定期的に私が何度も遭遇してきた「シナリオの欠点(あな)」について書いていこうと思います。今回取り上げるトピックは・・・

「ライター自身が好きだからこそ発生したシナリオの欠点(あな)」です。

東京工科大学メディア学部でシナリオを執筆する授業、演習においては、習熟度にもよって作品のスケールやボリュームの大小に差はありますが、最後にシナリオを完成させて提出する場合が多いです。

事前の既存作品分析や、マーケティング調査、そのうえで考案した企画書の内容に基づいてシナリオを執筆する実践的な課題ですが、どんなテーマ、コンセプトでシナリオを書くかは本人が決めて書くことになります。

実際のシナリオライターがそのように自由な設定でシナリオを書くことは稀ですが、だからこそ学生の頃にイチから自分の希望する題材でシナリオを書く経験は貴重かつ重要なものとなるはずですし、その後の進路によってはどこかへ持ち込み、売り込みをする機会もあるでしょう。

さて、自分でテーマを選んでいいとなると、多くの人は「自分の好きなジャンル」を選んでシナリオを書こうとします。
そして「自分の好きなジャンル」なら簡単に筆は進む・・・かというとそうではありません。
いざ提出された課題のシナリオを見てみると、「自分の好きなジャンル」だからこそ見落としていると思しき「シナリオの欠点(あな)」があったりします。

例えば「恋愛ジャンル」のシナリオは、提出される数も多い人気のジャンルです。

こんな性格の人が近くにいたら楽しいだろうと思わせる性格のキャラクター、こんなロマンチックな経験ができたら嬉しいだろうというシーン、ゆくゆくは恋人関係となるであろう二人のために考えられたロマンチックなエピソードなど、「恋愛ジャンル」はライター自身の個性を存分に反映できるジャンルと言えるでしょう。

しかし、思い入れが強すぎるのでしょうか。

肝心の「二人の人間が互いに恋愛感情をいだくに至ったきっかけ、経過、決め手」が明確に書かれておらず「なんとなく登場人物同士が、長い時間いっしょにいたら、恋してたので、どっちかが告白して結ばれた」というシナリオが、わりとよくあります。

恋愛の形やスタイルは人それぞれですし、現実の生活におけるリアルの恋愛というものは「明確なきっかけ、経緯、決め手」なんて無いものかもしれませんが、シナリオはテレビドラマや映画など、一定の放映時間のなかで観客を楽しませる時間芸術作品のために書くものなので、リアルな恋愛を書くことよりも、観客が見終わったときに満足できる恋愛を描かねばなりません。

「恋愛ジャンル」が好きなシナリオライターだからこそ「リアルな恋愛」を描こうとして、最終的にその作品を享受する観客を楽しませるポイントを見誤り、「シナリオの欠点(あな)」になってしまった、というところでしょうか。

今回は恋愛ジャンルを一例として挙げましたが、他のジャンルでも「自分がそのジャンルを好きすぎて、自分以外も楽しめるに違いない」と思いこんでしまう事例は多々あります。好きな題材ほど、冷静かつ客観的に見て、シナリオを書きたいものです。

第21回シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点(あな)

2022年11月 2日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点」として、定期的に私が何度も遭遇してきた「シナリオの欠点(あな)」について書いていこうと思います。今回取り上げるトピックは・・・

「既存ジャンルの前提知識に依存しすぎたシナリオの欠点(あな)」です。

インターネットの普及や、SNSの浸透によって、個人の創作物を簡単に発信できるようになった昨今、完全オリジナルジャンルの作品を主張するのは難しくなったというか、ほぼ不可能で「たまたま目にしていないだけで、すこし探すと、どこかに似たような作品がある」となるくらいには、自分の作品の独自性を示すのが困難だったりします。

ただ、裏を返せば、それだけたくさんの人が気軽に創作活動ができるようになった、ということですし、独自性を示すのが難しい、というのも、考えようによっては、好むジャンルを明確に持ったファンをターゲットにしやすい、ということでもあります。

今でこそ気軽に楽しめるようになった「ライトノベル」なども、かつては「ファンタジー小説」などと呼ばれていた時期があり、そもそもアニメや漫画のタッチを活かした表紙や挿絵が用いられるのが珍しく、それらに適した内容が「中世ヨーロッパ風の舞台で展開する剣と魔法の物語」ぐらいしかジャンルとして存在していませんでした。

今となってはアニメタッチ、漫画タッチの表紙で刊行された小説は書店にずらりと並んでいますし、「剣と魔法」のようないわゆるファンタジー要素は特に珍しいものでもなく「定番」の要素として、広く認識されています。

しかし「定番」となったからこそ陥りやすい「シナリオの欠点(あな)」があります。

ここまで「定番」と何度も言っていますが、実のところ何をもって「定番」なのかは、明確な定義がありません。「定番」を認定する機関なんてありませんし、そもそも誰か特定の人(達)が「我々が認めたものが『定番』である」などと主張しても、世間は認めてくれないでしょう。

ゆえに、定番の作品を書く人も、書かれた作品を享受する人も「定番」の前提知識によって、作品の認識が大きく変わってきます。

いまや剣と魔法のファンタジー要素は珍しくない、と前述しましたが、これも「前提知識」がどのような情報なのか、によってそれらを用いた作品は受け取られ方が変わってきます。

例えば「魔法」と聞かされた人は、どんな事象を思い浮かべ、どんなことまで許容できるものでしょうか。

RPGに代表されるゲームなどの影響もあって「魔法」使いが、炎や冷気、風や雷を自在に繰り出し、敵とバトルを繰り広げる様は「定番」と認識されているかもしれません。

しかし、仮にそういったゲームをプレイしたことのない人が、そういった場面をシナリオから読んだとき、炎や冷気、風や雷を自在に操る登場人物を瞬時に「魔法」使いとして認識し、理解して、さらにはその登場人物の言動に共感できるか、というと、かなり難しいでしょう。

「そんな前提知識もない人は、そのジャンルの作品に触れようとしないだろう」と思うかもしれませんが、まさにその認識が「シナリオの欠点(あな)」となりがちなのです。

「炎や冷気、風や雷を操る魔法」は、とても単純かつ極端な例で、冒頭でも述べたように、自分の作品の独自性を示すことが難しくなった昨今、「炎や冷気、風や雷を操る魔法」をあつかうだけでは、なかなか注目を集めるのが難しく、評価も得にくいため、今や「魔法」と一言でいっても、どんどん多様化、複雑化しています。

そこで『あれもこれも「魔法」としておけば、どんな能力だろうと伝わるだろう』と油断すると、読者や観客はおいてきぼり感、疎外感を食らって、一気に作品全体への興味が失せてしまいます。

現実には存在し得ない力や能力が展開される作品に人気があることは、今さら言うまでもないですが「このくらいは前提知識としてあるだろう」と勝手に思い込んで、不親切な作品にならないよう、気をつけたいものです。

第20回シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点(あな)

2022年11月 1日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆未習熟者の作品に共通して発生する欠点」として、定期的に私が何度も遭遇してきた「シナリオの欠点(あな)」について書いていこうと思います。今回取り上げるトピックは・・・

「登場人物や世界観の説明を頑張りすぎたシナリオの欠点(あな)」です。

仕事にせよ課題にせよ、シナリオを書くことになって、実際に書き進めていくためのモチベーションの源泉となることの一つは、自身のアイディアを作品内で実現することでしょう。

クライアントからの様々な発注条件があって、シナリオライター自身が思いついたことや組み込みたいことをシナリオに全て書き込めるわけではありませんが、それでもその制約のなかで、なんとか自身のやりたいことを記述していくことは、やりがいのある作業ともいえます。

特に、登場人物や彼らが活躍する世界観については、並々ならぬ情熱をもってシナリオに盛り込もうとする人が多いです。

フィクション作品、架空の出来事を描くとなれば、シナリオライターは全ての生みの親とも言える存在ですから、実際に作品を展開する要素となる登場人物と世界観は、いわば自分の子供のようなもの。大事にしようと思うのは自然なことです。

しかしながら、その情熱や思いが強すぎるのも問題で、やもすると「シナリオの欠点(あな)」になってしまいます。

架空の内容、つまりは現実ではない内容や情報を理解してもらうためには、説明が不可欠です。たとえ直近の、さらに身近な地域を舞台にしたとしても、架空の世界で、実在しない人物を描くとなれば、それらの存在を実在しているかのように認識して貰う必要があります。

そして、そのための「説明」は情報を一方的に押し付けるだけでは意味がありません。もっと具体的にいうと、シナリオ上にたくさん書けば説明を理解してもらえる、というわけではないのです。

特にシナリオ執筆未習熟者に多いのですが、作品の冒頭で登場人物と世界観の情報提供に時間を費やし過ぎて、シナリオを読む人や観客が「飽きてしまう」ことを想定できないシナリオライターがいます。

ライター本人の心情としては「じっくり時間をかけて登場人物と世界観を説明して理解してもらえれば、その後の展開がとても魅力的に思ってもらえるハズだ!」といったところですが、残念ながら、本人のそういった思惑とは裏腹に、多くの人はそこに至る前に「飽きてしまう」のです。そして一度そうなってしまうと、再びそのシナリオに興味を持ってもらうことは、ほぼ不可能です。

いわば、シナリオの冒頭から欠点(あな)があいていて、そこから先に進んでもらえない、といったところでしょうか。作品の理解に必要な情報は簡潔にまとめつつ、優先順位の高いものから厳選して提供し、「飽きてしまう」ことがないよう、シナリオは書いていくべきでしょう。

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