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第2回シナリオ執筆に役立つ小理論

2022年11月25日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆に役立つ理論」と題し、知っておくとシナリオの内容が良くなる知識やポイントを簡潔に紹介していこうと思います。

今回取り上げるトピックは・・・

「登場人物その2『敵対者』」です。

前回は、登場人物の役割のひとつめとして『主人公』を挙げましたが、今回ふれる『敵対者』は、文字通り主人公と対を成す役割を持った登場人物になります。

名前の印象から、主人公と戦いを繰り広げる「敵」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

重要なポイントは、主人公の持っている考え方、主張、哲学に対して、まったく違う考え方、主張、哲学を持っていることです。

当然、主人公とは食い違う言動を取ることになるので、結果として争うことになり「敵」として認識されやすいですが、別に殺し合いをしなければいけないとか、そういうことではありません。

では「敵対者」に求められることは何か?

それは、シナリオを読む人間と、そのシナリオに基づいて制作されたコンテンツを享受する観客に「主人公の比較対象になる」ことです。

『主人公』という登場人物は、何らかの行動原理をもって作中で活動するわけですが、その具体的な言動は、必ずしも主人公に自分を重ね合わせている観客の、普段の言動と一致するとは限りません。ゆえにその価値観を評価するために比較対象が必要になるのです。

作品によっては主人公の考えや主張が突拍子もないものだったりして、観ている側も常識では理解が出来ない場合があります。しかし、そこに「敵対者」がいることで、「どっちの考えに自分は共感できるだろうか」と考えることができ、ようやく理解のきっかけを得ることができます。

なんの比較対象もない、普段は全く触れることもないような考えの登場人物に、観客は共感できません。「敵対者」は主人公を理解するためにも、重要な役割なのです。

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