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研究紹介:恋愛リアリティショーにおける心理的距離の可視化

2022年11月 6日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

昨日に引き続き、NICOGRAPH2022でのポスター発表の紹介です。
今日は中山和さんの研究の紹介です。
中山さんは初めての学会発表ですが、早いうちにポスター発表のやり方を掴みうまく説明をしてくれていました。

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隣同士だったので昨日と同じ写真ですが、それぞれ学外の方にしっかり説明してくれています。

中山さんの研究は、恋愛リアリティショーにおける心理的距離の可視化というテーマです。
心理的距離、という名称を使っていますが、学術用語ではなく比喩的な表現の意図が近いです。
俗っぽい表現になってしまうので研究タイトルにはしませんでしたが、好感度とか親密度という方が近い表現です。

バチェラージャパンという、Amazonプライムビデオで配信していた恋愛リアリティショー形式の番組についての分析・可視化です。
バチェラージャパンは、一名の男性と多数の女性による恋愛リアリティショーで、基本的に女性が代わる代わるアプローチをしていきます。
それらのアプローチをエクセルにまとめつつ、時折ある男性側からのアプローチなども記録していきます。

この分析で得られたアプローチの種類や回数を使い、力学モデルでのグラフ描画を行ってみました。
女性男性問わず、弾き合う性質を持つ円の形で表現し、アプローチの数だけ間にばねを繋いでいきます。(男性側の行ったアプローチであれば6倍繋いでみています)
登場人物同士は弾き合う力で離れようとしつつ、アプローチ回数分繋がったばねによって引っ張られることで、力同士の釣り合う形で静止するような動きをします。

配信の話数ごとにアプローチの情報を適用し、釣り合った時の登場人物間の距離(男性と女性陣との距離)や配置が実際に配信を観て感じる距離感になるかを検証します。
主観を排した検証方法はまだ実現できていないですが、少なくとも番組を観て、分析をしている中山さん自身の印象としてかなり近いものにできているようです。

今後は分析方法の修正や繋ぐばねの数の再検討、他のシリーズの情報を入力しての比較などすることがいっぱいです。
今後の発展が楽しみです。

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