第3回シナリオ執筆に役立つ小理論
2022年11月26日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース
みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。
今回も「シナリオ執筆に役立つ理論」と題し、知っておくとシナリオの内容が良くなる知識やポイントを簡潔に紹介していこうと思います。
今回取り上げるトピックは・・・
「登場人物その3『協力者』」です。
登場人物の役割のはじめに『主人公』、次にその比較対象として『敵対者』を挙げましたが、今回挙げる『協力者』は主人公を肯定、同調する形で比較される役割を持った登場人物になります。
協力者もまた名前の印象から、主人公を助ける「味方」を思わせる存在に思う方が多いと思いますが、必ずしもそうではありません。
重要なポイントは主人公の持っている「考え方、主張、哲学」などに「賛成、肯定、同調する立場にいること」が大事なので、家族、恋人、友人などはその役割を担うことが多いですが、必ずしもそういった設定や関係性の登場人物が「協力者」になるとは限りません。。
まとめると「協力者」に求められることは何か?
それは「敵対者」同様に、シナリオを読む人間と、そのシナリオに基づいて制作されたコンテンツを享受する観客のために「比較対象となる」ことです。
前回取り上げた「敵対者」が、主人公とは異なる主張をすることによって、主人公の存在を際立たせたように、協力者は主人公の主張に同意することで主人公を際立たせる存在なのです。
主人公の考えや主張が特徴的で、そこに「敵対者」が現れたが「どっちの考えに自分は共感できるだろうか」と考えてみても、まだ決めかねる場合はあるでしょう。しかし、そこに「協力者」が現れたらどうでしょうか。
母数が少ないとはいえ、数の上では、「2対1」で主人公は勝ち越せる算段がたつわけで、主人公側に分があるように見えてきます。
シナリオライターたるもの、そういった駆け引きも作品を楽しませる「しかけ」として活用したいものです。
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