NICOGRAPH発表紹介: ドラムパートの作曲が楽になる
2022年12月22日 (木) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の大淵です。
少し前の話になりますが、11月の4~6日に開催されたNICOGRAPHという学会に行ってきました。会場は、金沢の郊外にある北陸先端科学技術大学院大学(通称JAIST)です。学会自体は対面とオンラインのハイブリッド開催だったのですが、私の研究室からは全員が対面で参加しました。私自身、最近はずっとオンライン学会が続いていたので、リアルな学会は2年ぶりです。その中から、当研究室の発表を紹介しようと思います。
大学院生の山本悠太さんは、「リズムパターンデータベース整備のための自動ラベリングの検討」というタイトルで発表しました。コンピューターを使って曲を作るときに、ドラムパートをどうやって作るかというのは、初心者にとっては結構悩ましいことです。例えばスネアひとつ取っても、個々の楽器ごとに音色は様々です。ドラムを構成するいろんな楽器について、そうした音色を決めたら、今度は打音のパターンです。同じ4拍子でも、単純に「タン、タン、タン、タン」と叩くこともあれば、「タン、タタタン」と叩くこともできるし、いろんなパターンが考えられます。
こうした音色やパターンは、楽曲制作ソフトのデータベースとして大量に用意されているのですが、問題は、自分のフィーリングにあったものをどうやって見つけるかです。そこで山本さんは、自然言語処理技術を使って、どんな言葉を入力しても、それに近い音色とパターンを見つけてくれるシステムを作ることにしました。
こうしたシステムを作るのはなかなか壮大な目標ですが、そのためにまず必要なのが、音色やパターンをいろんな言葉と結び付けたデータベースを準備することです。今回の発表は、その点にこだわり、特にパターン同士の類似度に基づくラベル付けの方法を提案しました。システム全体の完成までには、他にもやらなければならないことが沢山ありますが、まずは着実な一歩を刻んだという感じです。
「研究紹介」カテゴリの記事
- 映像表現・芸術科学フォーラムにて卒研生が優秀発表賞を受賞(2019.03.17)
- 自由な言葉でライブパフォーマンスをアレンジする(2019.03.16)
- 先端メディア学II(2年生)の学生が人工知能学会の研究会で発表(2019.03.15)
- 映像表現・芸術科学フォーラムでの発表(2019.03.10)
- ゲームの学会?!(2019.03.07)