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念願のVocagraphyワークショップは、やはりハイブリッド配信でした

2022年12月29日 (木) 投稿者: メディア社会コース

ことばを楽しく覚えるアプリ「Vocagraphy」をリリースしたのは、ちょうどコロナ禍に入った2020年の3月でした。当初から使い方を説明するためのワークショップを開催したかったのですが、なかなか対面での実施が出来ませんでした。今年の夏、感染状況は決して落ち着いている時期ではありませんでしたが、ようやく対面とオンラインのハイブリッド形式での実施が実現しました。

⑴愛媛で開催されたハイブリッド・ワークショップ

最初のワークショップは、2022年8月上旬に愛媛県松山市で開催しました。参加したのはいつもお世話になっている言語聴覚士の石田先生と、難聴児をもつ保護者の皆さまです。代表の方など数名は会場にお越しいただき、他の方はオンラインで参加していただきました。

Img_2751写真1:愛媛で開催されたワークショップの様子

8月は東京の新型コロナ感染者がこれまでで最も多くなっていた時期でしたので、実施して良いのかどうか迷う時期でした。しかし、外出制限などはありませんでしたので、私や参加するスタッフは事前に検査をするなど、十分な感染対策をして実施することにしました。始めて難聴児をもつ保護者の皆さんに直接お会いして、アプリを開発した経緯や詳しい使い方を説明することが出来たことは本当に嬉しく思います。

⑵日本聴覚障害者コンピュータ協会のハイブリッド講演会

9月上旬には、聴覚障害のある方々が中心となって活動をしている日本聴覚障害者コンピュータ協会が主催するハイブリッド講演会に登壇し、「Vocagraphy」を紹介しました。

Dscf2330写真2:ハイブリッド講演会の様子

この講演会は聴覚障害のある方が多く参加されるので、十分な情報保障をする必要があります。コロナ禍にそのノウハウが構築されたようで、多くのスタッフの方が関わり、会場には多くの機材が設置されています。オンラインの画面は四分割し、①登壇者、②スライド、③手話通訳、④文字通訳が表示されます。手話通訳は途中で交代しながら進めるため必ず2名で担当します。文字通訳も数名で交代しながらタイピングをします。会場にもそれらの画面が複数のプロジェクターで表示されています。

私も、情報保障をしているスタッフの方々のことも考えながら、いつもより少しゆっくり、分かりやすく話すように心がけました。

▶︎まとめ

対面のみやオンラインのみのイベントと比べて、ハイブリッド配信イベントには多くのメリットがあります。一つ目は、対面で参加可能な人は顔を合わせて話ができることです。2つ目は、会場に来ることができない遠方の方でも参加できます。3つ目は、自宅など静かな場所で聞けることや、自分が見たい情報(スライド、手話、文字など)を居場所に関わらず確実に見ることができる点です。会場ですと座る場所によって見え方が変わってしまいますし、聞こえ方も変わります。

これからも、ハイブリッド配信を活用することで、多様なニーズに対応したイベントが開催されると良いですね。

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

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