動いて見える?
2022年12月20日 (火) 投稿者: メディア技術コース
今、世間では映画「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」が公開されて臨場感云々の話題が盛り上がっているようです。2009年の前作は3D映画ブームの先駆けとなりましたが今回はどうでしょうか。
さて、臨場感の話の延長として人間の視覚システムの情報処理の特性で生じる〝勘違い〟な動きの錯覚を紹介しましょう。
私たちがモノが〝動いている〟ことを〝認知〟するとき、網膜上の外界からの視覚刺激のパターン変化を感じ取っています。目から入った情報は瞬時に脳に送られているわけではなく、外界の光景が脳に送られて認知されるまでの時間遅れは一般的に50~300ミリ秒の間と言われています。
その時間、脳が外界を認知するまでに、情報の統合が行われます。「モノが動いている」と認知する場合は、ある物体が〝時間が経つこと〟で〝ある場所〟から「移動した」という情報が検知されるわけです。すなわち「前になかった部分」に「何かが出現した」という情報、あるいはその逆の現象が観測された場合、〝動いた〟という認識が生じます。ちょっと説明が回りくどいですが…。
これを利用すれば、動いていないのに〝錯覚〟で動きを見せることも可能になります。キーとなるのは〝画像の輝度の変化〟です。簡単に画像を並べて例を作ってみましょう。
①画像を用意する
②画像をネガポジ反転する
③方向付けをするために、元画像の輪郭線のコントラストを一定方向に変化させた画像(エンボス加工)を用意する
④3と逆方向のエンボス加工画像を用意する
⇒ ①→③→②→④→①…のように画像を切り替えて表示する。
作例左 円の画像
作例右 どこかの大学の画像
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