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ゲーム技術に関する学会発表紹介(2)

2022年12月 1日 (木) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の渡辺です。こんにちは。

前回の「ゲーム技術に関する学会発表紹介(1)」に続いて、NICOGRAPH2022で発表した研究を紹介したいと思います。

3件目は、修士2年の栗原亨輔さんの研究を紹介します。題目は「VRでのピンポイント近接攻撃の補助に関する研究」というもので、ショートペーパーとして採録されました。この研究は、VR格闘ゲームを対象としています。VRゲームでのコントローラーは、通常のゲームコントローラーのようにボタンやレバーによるものではなく、加速度センサーなどにより腕の振りがそのままVR空間に反映されます。そのため、VR空間内の特定箇所に攻撃をする場合などは、より精緻な操作が求められてしまいます。本研究では、剣の振り下ろしなどのモーションに対し、攻撃部位から多少外れた場合でも命中するための補正を実現しています。どの部位を攻撃しているのかを認識するため、アイトラッカーなどを利用していることも特徴です。

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ピンポイント近接攻撃の概念図

4件目は、修士2年の我彦拓磨さんの研究を紹介します.題目は「お察し行動をするチームワークAI」というもので、ポスター発表として採録されました。FPSゲームの中には、チーム戦を前提としているものが幾つかありますが、その際にチーム員をAIが担当するケースがあります。そのような場合、味方AIにプレイヤーがどのように作戦意図を伝えるかというのが問題になります。人間プレイヤー同士の場合、ゲーム中に用意されている「ピン」を用いて伝達をするのですが、その際にピンがどのような意味を持つのかをボイスチャットで伝達しておく必要があります。しかしながら、AIの場合は言葉で伝える事はできません。この研究では、ピンによる指示をAIがどのように解釈したのかをプレイヤー側が判定し、AIがその判定を学習してよりプレイヤーの意図に沿った伝達を実現するというものです。

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お察し行動AIの概要図

 

(メディア学部教授 渡辺大地)

 

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