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「音楽創作論」での作曲(その1):部分動機の作成

2023年1月23日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

私が担当している授業「音楽創作論」で毎年恒例になっている作曲のご紹介です。
(完成した曲を先にお聴きになりたい方は、第4回の記事からご視聴ください)

今年度は「ド」を開始音とする部分動機の作成を授業での課題にしました。

112名の学生からさまざまなフレーズが寄せられ、履修生が互いの楽譜を確認し合いました。その後、74名による投票の結果、最多の4票を獲得したTさんの部分動機が選ばれました。Tさんが作成した部分動機を紹介しましょう。

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Tさんの部分動機を選んだ学生たちのコメントです。

動機を形成するうちの最初の部分動機ということで落ち着きがあるものを作成してしっくりきたため選びました。音高の跳躍が少ない、低音で固めてある、ドミソの和音であるという点で安定感や安心感の演出があり、盛り上がる動機の前に最適だと思いました。また、王道の安定感の中に付点四分音符が入ることで小さい変化を生み出す工夫にも魅力を感じました。この後に音が跳躍して、細かい音符の多い部分動機を繋げコントラストを演出したいなと思いました。
作者のコメントにもあるような盛り上がる前の静かなイメージが表現されており、弾いてみた瞬間にこの部分動機に続く、次の部分動機が想像できたから。
ゆっくりとしたメロディや、既定のドより低い音を使うなど、自分が作ったものとは雰囲気が違った部分動機であり、続きが気になったから。
シンプルな音符で、次に繋がる部分動機が考えやすいと感じたから。またコメントの盛り上がる前の静かな音をイメージして作られていて、次に繋がる部分動機は高音を使って跳躍させて、明るい雰囲気の曲になるのではないかとイメージできたから。


次の課題は、Tさんの部分動機に続く第2の部分動機の作成です。作成の方法は次の3通りです。

 ・Tさんと(ほぼ)同じ部分動機を作る【a】
 ・若干変化させた部分動機を作る【a´】
 ・全く異なる特徴をもつ部分動機を作る【b】

授業でアンケートをとったところ、以下のように6割以上の学生が【a´】を選びました。


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この課題には100名の学生が取り組みました。その結果、選ばれた第2の部分動機については次回(その2)のブログでご紹介しましょう。


(メディア学部 伊藤謙一郎)

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