「音楽創作論」での作曲(その2):動機の作成
2023年1月24日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース
メディア学部の伊藤(謙)です。
前回からの続きで、「音楽創作論」での作曲に関する第2回のお話です。
Tさんが作成した部分動機に対して、a´(若干変化あり)となる第2の部分動機を100名の学生諸君が作ってくれました。その中から97名による投票で最多の5票を得たMさんの部分動機が選ばれました。その部分動機は次のようなものです。
Mさんの部分動機を選んだ学生たちのコメントを紹介しましょう。
a(第1小節の部分動機)の高音を使わず盛り上げるというイメージを維持したまま、音の動きを変えてリズム感を作っていたのが良いと思ったから。 |
aの落ち着いた部分動機から、急にテンポや音の高さが大きく変わったりせず、リズムを感じたため、aに合うと思った。 |
元の部分動機のイメージを崩さないまま、盛り上がりが生まれておりとても面白いなと思ったため。 |
4拍目にシンプルに変化が付いていて良いと思ったから。 |
部分動機と変化もありつつアピールポイントの盛り上がりを失わないようにというものもあってよい印象だったから。 |
これによって、Tさんが考案した部分動機(①)とMさんが考案した部分動機(②A)を組み合わせた次のような動機が出来上がりました。最も得票数の多かった動機ですので、この動機はサビのメロディに使うことを作曲前から決めていました。
さて、サビの核となるフレーズは固まりましたが、続く第3〜4小節の第2動機も考える必要があります。つまり、第1動機を【A】とした場合、部分動機の組み合わせと同様、動機を【A+A】【A+A´】【A+B】のどの組み合わせにするかということです(※これによって4小節から成る「小楽節」という単位でのフレーズが出来上がります)。
Mさんの部分動機を選んだ5名の希望を見てみると、【A+A´】が3名、【A+B】が2名でした。これを受けて【A+A´】の動機の組み合わせによる小楽節の作成に取りかかりました。実際にどのようなフレーズになったかは、(その4)での私のピアノ実演でぜひお聴きください。
ところで、ある程度の長さを持ちつつ、まとまりのある曲にするにはサビ以外のメロディも考えなければなりませんね。
これについては次回(その3)のブログでご紹介します。
(メディア学部 伊藤謙一郎)
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