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第5回シナリオ執筆に役立つ小理論

2023年1月 6日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「シナリオ執筆に役立つ理論」と題し、知っておくとシナリオの内容が良くなる知識やポイントを簡潔に紹介していこうと思います。

今回から3回にわけて「プロット」について取り上げてみます。

「プロット」は、シナリオを執筆する前にされる、シナリオより短い文章です。

「あらすじ」「シノプシス」「梗概」などと呼ばれることもありますが、おおむねシナリオを執筆する前のたたき台として作成され、作品を一緒につくるスタッフと内容を共有するためのものとして認識されています。

東京工科大学メディア学部ではこの「プロット」を段階的に作成、文字数を徐々に増やしていく「段階的シナリオ制作手法(Bi-step writing)」を教えています。今回はその1つ目を紹介します。

「段階的シナリオ制作その1『S(ショート)プロット』」。

『S(ショート)プロット』は、その名の通り、短く60文字前後で書くプロットです。

60文字では、ほとんど具体的な内容はわかりません。
映画「バックトゥザフューチャー」を例に挙げるならこの程度の内容になります。

『過去に飛ばされた主人公が
協力者を得て、元いた時代に戻るための条件と問題を解決し
現代に帰還を果たす話』(51文字)

多くの人は、これだけを聞かされても「よくあるタイムスリップものだろう?」と思うだけでしょうが、それがSプロットを作る目的になります。

まずは「要するにどんなストーリーなのか」をスタッフが把握できるように作るプロットだからです。

「男女が出会い、問題や障害を乗り越えて、結婚する」なら恋愛もの。
「探偵が事件に遭遇、調査と推理の末、真犯人をつかまえる」ならミステリーもの。

そんな風に、ひと言程度で作品の内容を把握できるようにするためのプロットです。

えてしてシナリオを書く人は壮大な構想を持つがゆえに、「要するにどんなストーリーなのか」よくわからない相手に、自分の構想を話してしまいがちです。

わざわざ言うようなことでもない、と思わずスタッフが理解できるようにSプロットを作ることはとても大事なことなのです。

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