江戸の和算のたしなみ(1):和算とは?
2023年2月27日 (月) 投稿者: メディア社会コース
本日から7回に渡り、パズル的な問題を交えつつ和算についてのお話をします。和算というと、江戸時代の算術のことを差すことが多いです。ただ、実際に和算という言葉が使われるようになったのは、開国後の明治時代以降とされています。いま私たちが学校で学ぶ算数や数学は、欧米由来のものです。いわば、洋算とも言えます(実際にはそういう言葉はありませんが…)。その“洋”に対して“和”が使われるようになりました。似たような例は、和食、和服、和書、和室…など、多々あります。しかし、これらの用語が明治以降に誕生したとはいえ、時代を遡って日本古来のものに対しても“和〇”という表現が使われるようになりました。
では、和算の起源はいつと捉えるのがよいのでしょう。実際には江戸時代よりも前にも、日本で行われていた算術の記録は多々残されています。しかし、中国やインド、朝鮮などの大陸由来のものが多少アレンジされたものが中心だったので、和算は日本独自の工夫や着想が窺える江戸時代の算術あたりを差すことが多くなりました。
さて、うんちくだけで終わるのも忍びないので、最後に江戸時代に実際に出題された簡単な和算の問題を出しておきます。中学校レベルの平面幾何の知識で解けますので、頭の体操がてら、是非ともチャレンジしてみてください。次回は、この問題の答え合わせと併せて、江戸における和算の位置づけと算額について話をしたいと思います。
【問題1】下図のように、大きな直角三角形の中に大中小の正方形と大中小の円が接しています。ここで、大円の直径が9cm、小円の直径が4cmであるとき、中円の直径は何cmでしょう。
文責: メディア学部 松永
(2023.02.27)
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