アニメ制作の未来のために
2023年2月13日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース
メディア学部の三上です.
普段はゲーム開発の授業や研究の発信が多いですが,今回はアニメに関する発信です.
本年度は一般社団法人日本動画協会が実施する,令和4年度 経済産業省 『コンテンツ海外展開促進事業(アニメーションのデジタル制作に対応した効果的な人材育成に関する調査)』の検討委員会の委員長としてアニメ制作の未来を考える一人として参加しています.
メディア学部ではアニメといっても「CG」の色が濃く,プロジェクト演習でも3DCGをトレーニングしています.近年は3DCGを手描き風に表現する技術「トゥーンレンダリング」(セルレンダリング,トゥーンシェイディング,セルシェーディングとも呼ばれます)を活用して,いわゆるアニメと見分けがつかない表現をする技法もあります.
これらの技法を生かし3DCGのみで制作されるCG作品(いわゆるフル3DCG作品)や手描きのアニメと組み和される作品(現在ヒット中の作品のほとんどが組み合わせています)があります.
今日はCGではなく,いわゆる「作画」の話題です.
私は長らく,手描きアニメーションにおけるコンピュータ利用(ディジタル化)の支援のために,「プロフェッショナルのためのディジタルアニメマニュアル」という書籍をアニメ制)作会社の方々と編集してきました.1990年代終盤から,それまでのセルでの着色とフィルムへの撮影に対し,コンピュータ上での仕上げ(彩色),撮影(合成)が普及し始めました.それまでの技法,経験を新しい基盤の中でどのように再現していくのか,拡張していくのかに多くに時間が必要になり,その支援のためにフィルムでのアニメーション制作とコンピュータのアニメーション制作を比較するマニュアルを作成しました.
実は当時から議論になっていたのは,「作画」でした.2000年代初頭のディジタル化では,キャラクタを描く作業は「紙」に鉛筆使って描き,それをコンピュータにスキャンする方式がとられていました.当時から液晶ペンタブレットや液晶なしの板タブレットを用いて,直接コンピュータ上で作画することは可能であり,少数ではありますが採用しているスタジオもありました.
2015年ごろより,このコンピュータ上での作画の普及が広がり始めてきました.
再び,制作手段の変化を受けて,アニメ制作スタジオがどのように対応していくのか?,課題は何か?先進する企業はどのようにしているのか?業界標準の必要性は?など議論が必要になってきました.
そこで,取り組むようになったのがこの取り組みです.
事前申し込み制ではありますが,制作スタジオの経営者やクリエイターの方と意見交換をしながら,アニメ制作の将来に向けて研究者として大学の教育者としてどのようなことができるのか常に考えています.
もし興味がある方がいれば,下記のサイトからぜひ概要を確認いただき申し込んでいただければと思います.
(締め切りは2月15日(水)13:00です)
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