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ライトノベルにおける好感度変化をヒロインの性格・特徴ごとに統計調査

2023年3月19日 (日) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア技術コースの松吉です。昨日に続き、本日も私がブログ記事を書きます。

 

2023年3月6日に開催された映像表現・芸術科学フォーラム2023という研究発表会で松吉研究室から発表したもう一つの研究について紹介します。卒研生の塚田さんが以下の研究タイトルで外部発表してくれました。

 

塚田さんの研究テーマは、ライトノベルにおける好感度変化をヒロインの性格・特徴ごとに調査することです。ライトノベルに限らず、主人公とヒロインが登場する作品では、ストーリーが進むにつれ、主人公に対するヒロインの好感度が変化します。既存の人気ライトノベル15作品に登場するヒロインを時間をかけて人手で分析し、ヒロインの性格・特徴ごとに、時系列に沿った好感度変化を統計分析しました。作品全体を対象にすることは研究時間の都合上できませんでしたので、今回は文化祭に絞って研究調査を行いました。

 

この調査結果を見やすく表示するためのシステムも開発しました。このシステムはブラウザー上で動作します。システムのスナップショットを以下に示します。(クリックで大きい画像が表示されます。)

Tsukadaheatmap

今回扱ったヒロインの性格・特徴は26種類です。この性格・特徴ごとに分析結果を確認することができます。ブラウザー上部の性格・特徴の単語をマウスでクリックするだけで、分析結果が左上に表示されます。単独の性格・特徴だけでなく、「おとなしい」かつ「やさしい」のような組み合わせでも分析結果を見ることができます。ブラウザー内の領域は横に3つに分かれていますので、3ヒロインの結果を横に並べて確認することができます。このような比較ができるのは実用上便利です。

 

分析結果はヒートマップで可視化されています。ヒートマップの一番上がストーリーの冒頭であり、ヒートマップの一番下がストーリーの結末です。色の濃さを使って、上から順に時系列に沿った好感度変化を可視化しています。赤系列は「好感度上昇」のヒートマップです。赤が濃い所は「好感度上昇」イベントが起きやすかったことを表します。その右の青系列は「好感度下降」のヒートマップです。青が濃い所は「好感度下降」イベントが起きやすかったことを表します。15作品に登場する47人のヒロインを調査することにより、このようなヒートマップを作りました。

 

分析結果のヒートマップは、ライトノベルの制作支援につながると考えています。例えば、登場するヒロインの性格・特徴を決めた後、ヒートマップの色が濃い所に好感度上昇・下降イベントを配置すれば、誰でも手軽に物語のプロットを制作することができます。マンネリのストーリーを避けるために、色が薄い所にわざとイベントを配置するという使い方もできます。

 

松吉研究室に限らず、作品のストーリーについて統計分析を行っている研究室は本学メディア学部に多いです。ストーリー分析に興味がある方はぜひメディア学部の各研究室の研究活動を調べてみてください。

(文責: 松吉俊)

 

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