« ChatGPTの爆発的なブームの観測法としてのGoogle Trends (Part1) | トップページ | 観光とメディア(その2) »

観光とメディア(その1)

2023年5月22日 (月) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア社会コース助教の鈴木です。

今週は『観光とメディア』についてお話ししようと思います。

 

その1では前段として「なぜ観光が重要なのか?」についてお話しします。

ただし、ここでの視点はお客さんとしてではなく、観光客を増やそうとする誘致者の視点です。現在日本は『観光立国』を目指しています。観光立国とは観光産業を主要な産業として国の経済を支える1つの基盤とすることです。同じように『観光立県』を目指す地域も多く存在します。ではなぜ多くの人々は観光客を増やそうとするのでしょうか?

 

結論を先に言ってしまうと、「地元のお客さんが減っているから、外からお客さんを連れてくる」ためです。地元のお客さんというのは人口のことで、東京など一部を除く多くの地域の人口が減少していることはみなさんご存じだと思います。人口(お客さん)が減ると、それに伴って地域のお店や企業も撤退・倒産などで減ってしまいます。これにより、住民にとっては消費者として買い物をする場所が減り、労働者としても働く場所が減ることになるので、その地域に住む理由がなくなり、さらに人口が減少するという負のスパイラルが始まってしまいます。

 

これを食い止めるための手段として観光が注目されています。人口が減っても日常的に観光客が訪れてくれれば、お客さんの数は減らないので、お店や企業の撤退・倒産を食い止めることができます。そして、観光客は単に地域のお客さんの数を増やすだけでなく、その質にも注目が集まっています。観光庁によると、地域住民1人が年間で消費する金額を、観光客は数十人が1回旅行するだけで消費するとされています。具体的には、23人の観光客が宿泊旅行をすることで住民1人の年間消費額を消費すると言われています。外国人観光客にいたっては、たったの8人で住民1人の年間消費額を消費すると言われています。つまり、地域で消費される金額は

外国人観光客8人の数日 = 地域住民の1

という関係になり、地域にとっていかに観光客が優良なお客様であるかがわかると思います。こうした理由から国や日本の各地域は観光客を増やそうと様々な取り組みを行っています。

 

※もちろんこれはお金を稼ぐという視点であり、観光客が地域にマイナスの影響を与えることもあります。しかし、今回はその点は置いておいて、「トータルで見るとプラスの方が多い」と考えてください。

 

参考文献

観光庁:観光を取り巻く現状及び課題等について,https://www.mlit.go.jp/kankocho/iinkai/content/001461732.pdf

ビジネス」カテゴリの記事

« ChatGPTの爆発的なブームの観測法としてのGoogle Trends (Part1) | トップページ | 観光とメディア(その2) »