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メディア専門演習「ネットワーク構築」

2023年6月 5日 (月) 投稿者: メディア技術コース

皆さんこんにちは。

今日はメディア専門演習「ネットワーク構築」テーマの紹介をしたいと思います。

このテーマは1年次後期科目「インターネットシステム入門」で学修するコンピュータネットワークの仕組みをより深く体験的に理解するものです。インターネットは、簡単に言うと小さなネットワーク同士が「ルーター」という接続装置で相互に接続された集合体です。一般にキャンパス内などのネットワークもこれと同じ仕組みで作られています。

この演習ではエンタープライズ(企業や事業者)向けのルーター実機の設定を行い、実際に配線をして演習室内で小さなネットワークの相互接続を行い、仕組みを理解します。第3回の演習でグループ単位で初めて実際のネットワークを構築しました。

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インターネットで通信をする際データは送信側で「パケット」と呼ばれる単位に分割されて送り出され、いくつかのルーターを経由して宛先(受信側)まで届けられます。ここでいう「通信」とはデータのやり取りを行うことを意味します。したがって、PCやスマートフォンでどこかのホームページを調べたり、買い物をしたりするのもすべて通信です。

この時、複雑に相互接続されているネットワークでは宛先までの道筋(「経路」といいます)は複数存在することが多いので、そのうちのどれを通ってパケットを送るのが良いのかの判断が必要になります。コンピューターネットワークでは、ルーター同士が情報交換を行って「経路表」をそれぞれ作り、それに基づいてパケットの中継を行っています。何を基準として最適な経路を判断するか、ルーター間の情報交換をどう行うか、経路表をどうメンテナンスしていくかなどのルールをまとめたものを「ルーティングプロトコル」といいます。

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第4回の授業では経路が2つ考えられるネットワークを全グループが協力して作りました。そしてRIPと呼ばれるルーティングプロトコルを実行するようにルーターを設定し、理論で考えられる最適経路と実際が一致するのかの確認実験を行いました。第5回は同じネットワークにおいてルーターのルーティングプロトコルのみをOSPFというタイプに変更して挙動がどう変わるのか、やはり、事前に予想し実際の挙動を確認しました。グループ内では役割を分担し、毎回役割が変わるようにすることで全員が一通りの体験をできるようにしています。

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この演習でやっていることは技術的ですが、インターネットの仕組みをよく知ることは、メディア学部の様々な分野で役に立ちます。なぜなら、今後もインターネットと無縁でいられる分野というのはほとんど考えられないからです。基本の仕組みをよく理解しておくことは、社会に出てから学生の間に勉強はしなかったような応用や新しい技術の知識が必要になった場面でもその理解をスムーズにしてくれます。

(メディア学部 寺澤卓也)

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