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ハイブリッド配信を活用した中高大連携プロジェクト始動!!

2023年7月24日 (月) 投稿者: メディア社会コース

▶︎高大連携の背景

高校と大学が一緒に教育プログラムに取り組む「高大連携」が盛んに行われています。なぜなら、社会の多様化に伴い、学部学科も多様化しており、高校生が大学に入学してからミスマッチが起きないようにするのが理由の一つです。しかし、高校と大学のスケジュールは大きく異なりますし、移動するには時間や費用がかかります。そこで、ハイブリッド配信を活用した連携プロジェクトを試みることにしました。

▶︎ パンデミックを乗り越え、ようやく実現

今回連携したのは立教女学院の中学生と高校生の皆さんです。ハイブリッド配信でこれまでに4回実施し、のべ40名以上に参加していただきました。2年前に立教女学院の高橋先生が私のアプリ「Vocagraphy」をテレビで知り、ホームページから連絡をいただきました。パンデミックの影響でこれまで実施できませんでしたが、2年経ちようやく実現しました。障害者支援について生徒さんに伝えたいという先生の熱い思いが私にも伝わりましたし、私もこれから将来を決める若い世代の皆さんに取り組みを知って頂くことを心待ちにしていました。

▶︎ 聴覚障害について知る機会を

授業は中高生が終礼などを終えて集まることが出来る夕方から開始し、下校時間までに終わるようにしました。1時間ちょっとの間に行うタイトなスケジュールですが、ハイブリッドだからこそ可能になります。大学生はちょうどゼミで集まる時間ですので、いつもと変わらないスケジュールで参加できました。お互いに負担が最小限にするのも継続するポイントだと感じました。

授業のタイトルは、「サイレント・コミュニケーション体験と情報工学による聴覚障害支援」です。私たちの日常に音が溢れていますが、それらの音が聞こえなかったり、聞こえにくかったりする聴覚障害をもつ人々もいます。ジェスチャーや手話で会話をし、音声を使わないコミュニケーションを体験し、聴覚障害への理解を深めるのがねらいです。また、情報技術を使った聴覚障害支援方法についても学び、テクノロジーを活用した共生社会の実現について考えます。

▶︎ ハイブリッド授業の様子

手話を教えて頂くのは、いつも研究室の演習講師として大学生に手話や聴覚障害のことを教えている及川澄志先生です。及川先生自身も聴覚障害の当事者で、ろう学校や自分で経営する学習塾で子どもたちに勉強やプログラミングを教えています。普段は聴覚障害児やその保護者と接することが多い及川先生ですが、大学で教えるようになり、聴覚障害のことをほとんど知らないきこえる人たちに、聴覚障害のことを理解してもらう機会が増えたと思います。今回のように、聴覚障害に興味を持った中高生の皆さんに話をする機会は、多様性のある社会を作る上でとても重要だと考えています。

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写真:手話の指導をする及川澄志先生

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写真:ハイブリッド授業の様子

▶︎ 8月には高校生がキャンパスへ!

さて、このプロジェクトはオンラインでの交流だけが目的ではありません。実は、8月に高校生がキャンパスに来て、研究室で大学生と一緒に最後の授業を受けます。オンラインで実施するのは少し難しい「難聴体験」や、学生とのディスカッションを行う予定です。

詳しくは、後日大学のホームページでご報告したいと思います。そして9月以降も中高生と大学生の交流を深め、多様性のある日本のミライを作るために学んでいく予定です。

 

【関連記事】対面とオンラインの両方で行うハイブリッド授業を活用して、多様性に対応する教育の仕組みを実現したい!

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

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