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ゲームデザインの演習

2023年9月11日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

コンテンツコースの特任准教授の安原です。

メディア学部ではプロジェクト演習の「ゲームデザイン」のためにゲームエンジンの「Unity」を教材に使っています。現在Steamなどで販売されているゲームの約半数以上が「Unity」によって作成されています。また学習が比較的容易で、多くの初学者が「Unity」でゲームを作成しながらプログラムを学ぶことができます。大学に入った時にはプログラムのことが何も分からなくても、3年生になるまでには各自が自分でゲームのプロトタイプを作成できるようになり、パッケージレベルの質の高いゲームを作れるようになる学生も現れます。この「ゲームデザイン」の演習では、ゲームのアイデアを考えることに時間を割くことはしません。毎回、1つの小さなギミックのプログラムを紹介します。それを使って1つの「あそび」を考えてもらい、次の週までにゲームとして実装してくる、というスタイルの演習を行っています。デザインとは「設計」であり、一つのギミックをどのようにヒトに提供すれば、ヒトの心を動かすことができるのか、を自分なりに設計して、それを「Unity」上に実装して参加者たちにプレゼンします。自分の「デザイン」を実装して動くものにしたものを第三者的視点から評価してもらい、自分で伝えられたと感じる点、そして問題点を確認する工程を繰り返すことで、より良いデザインとは何か?を自らが内面的に追求する気づきと実践の場となるように努めています。

毎期、最後の授業はそれまでに使った数種類のギミックを、自由な発想で組み合わせ、ヒトにおもしろいと感じてもらえるゲームを作り、参加者全員であそんで、好きなゲームに投票するコンテストを催します。これは成績とは関係なく、純粋にどのようなゲームが人気を集めるのか?という経験となる、実践の教育です。得てして頭では最善と思っていた緻密な設計が、単に「複雑さ」や「あそび難さ」と捉えられたり、逆に単純でシンプルなゲームが圧倒的な人気を博したり、と実験室と実社会での受け入れられ方の違いを感じることができる機会です。このコンテストの上位入賞者には、いろいろなイベントで集めたり、ご厚意で提供していただいたりしたグッズ、ステッカーを賞品として用意しています。これもとても大切な意味があることなのですが、それはまた次の回に書きます。


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