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言葉の使い方

2023年9月20日 (水) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア学部の寺澤です。今日は言葉(日本語)について最近感じていることを書こうと思います。私は大学教員として文章を書くことは仕事の一部ですが、日本語の専門家ではありません。ですから、これは個人的な考えという域を出ない話だとあらかじめご承知おきください。

「日本語の乱れ」というのはたびたび聞く言葉です。言葉は人々が日常使うものですから、新しい単語や表現が生まれたり、元の意味から使われ方や意味自体が変わるものが出てくるのはある意味自然なことです。歴史的にもそのように変化してきた言葉はたくさんあるそうです。

最近の例だと「課金」でしょうか。元の意味は「お金を課する」つまり、お金を徴収する側が使う言葉です。しかし、今ではゲームなどでお金を払うことを課金と呼ぶケースが増えていて、かなり市民権?を得てきているようです。「いいえ」という意味の「大丈夫です」もよく聞きますね。「いいえ」とはっきり言うときつい印象だという考え方なのでしょうか。

ほかにも「ぜんぜん」(ぜんぜん~ない、という否定の使い方が多いですが、「ぜんぜんOKです」でも通じてしまいますね)、「適当」(その場や状況、条件に最も合った、という意味ですが、「テキトーに」つまり、あまり深い考えなしに、という意味合いでも使われますね)など、いろいろあります。「真逆」は正反対という意味で使われますが、これも2000年代以降の表現だそうです(*1)。

*1)https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20230601_8.html (NHK放送文化研究所、文中で三省堂国語辞典第8版に記載があると書かれています)

場や相手、文章の性質などによって適切な言葉使いは異なりますが、これらも崩れてきていますね。原因についてはいろいろな説があるようですが、複合的なものではないでしょうか。ただ、言葉はコミュニケーションの手段である以上、相手に自分の考えや気持ちがちゃんと伝わらなければ意味がないと思います。これまで挙げた例も年代(世代)によって違和感の感じ方が違うようです。相手や場によって使い分けるのがよいのでしょう。また、言葉使いでその人のことが判断されるのは普通のことです。レポートや論文の文章、就職活動の面接での言葉使い、初対面のビジネスの相手との会話などの場面で、相手が期待しているのと違う言葉使いは、落胆につながってしまう可能性があります。お互いさまではありますが、どういうときにはどういう言葉使いというある程度の枠があることは意識しておくとよいと思います。

(メディア学部 寺澤卓也)

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