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音波の正体

2023年10月11日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

今年の後期から、2年次科目「音声音響メディア処理論」を担当することになりました。基本的な授業構成は、前任の相川先生が作られたものを踏襲していますが、自分なりに工夫できそうなところがあるかを考えながら、毎週の授業を行っています。

初回の授業は、「音とは何か」という話から始めました。一般的な大学の授業では、「音とは空気の疎密波である」と説明します。疎密波とは、空気の密度が低いところ(疎)と高いところ(密)とが、相互作用しながら伝搬していくものです。密度に着目した波なので、密度波と言うこともあります。ところが、高校の物理では、「音は空気が縦(進行)方向に振動しているものである」ということを中心に教えるので、空気の密度ではなく変位(最初にいた場所からどれぐらいずれたか)に着目することが多いです。このような考え方を変位波と呼びます。疎密波と変位波は、互いに微妙に異なるものの、どちらも間違った考え方ではなく、きちんと定式化すれば問題はありません。

ただ、二つの考え方が混在していることは混乱の元であり、特に音の反射を扱うときなどは、注意をしないと勘違いをしてしまいがちです。実際、大学入試の物理で出題ミスが起きるのは、たいてい音波の分野に関する問題だというような印象があります。私の授業でも、学生さんが混乱しないように、この部分は特に時間をかけて丁寧に説明しています。

音は目に見えないので抽象的な説明が多くなりますが、PCを使った動画なども活用して、少しでもわかりやすい授業になるよう工夫していきたいと思っています。

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