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観光における情報行動の変化(その1)

2023年12月18日 (月) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア社会コース助教の鈴木です。

今週は『観光における情報行動の変化』についてお話ししようと思います。

 

情報行動とは「人間が情報とかかわる行為」のことを指します。人間が情報とかかわる際には基本的にメディアを利用することになりますので、情報行動≒メディアの利用と考えてもらってもかまいません。今週のブログでは観光行動を旅マエ・旅ナカ・旅アトに分類した上で、各段階における情報行動を過去と現在を対比しながらお話ししていきます。

 

その1では旅マエの情報行動についてお話しします。旅マエにおける主な情報行動は受動的な情報への接触、能動的な情報の検索と各施設やサービスの予約です。みなさんはこれらの時にどのようなメディアを利用するでしょうか。「旅行に行きたい」という欲求が湧くタイミングはどのような時でしょうか。いくつかの調査において、SNSが旅行に興味を持つきかっけとなることが報告されています。また、旅行先について情報を検索する際にもSNSが利用されていることが示されています。つまり、近年ではSNSが旅マエにおいて重要なメディアであると言えます。またSNSが普及する前には、各施設の公式HP等のオフィシャルな情報にも触れながら、ブログやインターネット掲示板等の消費者発信の情報源(ソーシャルメディア)が重宝されてきました。

 

それでは、インターネットが普及する前の人々はどのように情報に接触し検索していたのでしょうか。インターネットが普及する前には当然ソーシャルメディアも企業のHPも存在しません。この時代に人々に影響を与えていたのがマスメディアです。特にテレビは自分自身が意識せず受動的に情報に接触する媒体として、旅行意欲を刺激していました。そして、テレビ番組を見て旅行に行きたいと思い、情報を検索する際には雑誌やパンフレットといった紙媒体が利用されていました。しかし、これらを入手するには店頭まで足を運ぶ必要があり少し手間がかかります。また、紙媒体にはスペースの制限や広告主等との利害関係もあるため、必ずしも求める情報が掲載されているとは限りません。

 

以上のような過去の状況を踏まえると、インターネット、ソーシャルメディア、SNSの普及は旅行に関する情報への接触機会を増やしたと言えます。また、能動的な情報の入手を容易にしたことに加え、手に入る情報の量も格段に増加させました。これにより従来では観光客が訪れることのなかった地域にも観光客が訪れるようになり、売上や交流人口の増加といった観光による恩恵を受けることができています。

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