« 「おいしい」と「おもしろい」 | トップページ | 博多うまかもん紹介 »

ゲームの新たな試み

2024年4月12日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部特任准教授の安原です。


オープンキャンパスでよく親御さんから質問されることに、「ゲームの悪影響」に関することがあります。

つまり、子供に何か悪い影響があるのではないか、と心配をされているわけです。


一般的にはゲームをやり続けても、それが原因でいわゆる「行動障害」にはならない、むしろゲームをプレイすることは学齢期の知能の上昇に寄与しているという研究結果があります。


ビデオゲームは報酬を得られることで、その行動を「強化」する構造を持っています。

例えば、何かの「嫌なものを倒す」という行動したことで何かの「報酬」を得て、「嫌なものを倒す」ことを、自分が得することだ、とゲーム内でのルールを「学習」していきます。

同じく、「嫌なものから逃げる」という行動をしたことで、「助かる」という「報酬」を得て、「嫌なものから逃げる」ことを良いことだと「学習」していきます。


そのゲームをおもしろく感じてプレイし続けると、だんだんと上手に「嫌なものを倒す」「嫌なものから逃げる」ことができるようになります。


問題とされるのは、これが実生活の強力なストレスから逃れるために薬物を使用したり、ギャンブルのように間歇強化される仕組みで報酬として生活に必要な金銭を得られるような体験をしてしまう時です。


「ゲーム障害(GamingDisorder)」という状態は、ゲーム時間が衣食などの日常生活よりも優先順位が高くなり、生活自体が立ち行かないままのの状態が明らかに1年以上続くことで診断されます。

その場合は周囲の人の協力や、ギャンブルから遠ざけつつ、根本的なそのストレスの原因を取り除くことが、そのヒトを回復させるために必要になります。


一般的にゲームでのギャンブルは日本では違法ですから機会はほぼないのですが、そのような体験を持たぬよう、近づかせないように周囲のヒトたちも気を付けるべきだと思います。



現在はむしろ、ゲームの「学習効果」のポジティブな側面をヒトのトラウマなどの治療に活用する試みが盛んに行われています。


ニュージーランドでは、精神科医に何を言われても拒絶するうつ傾向の患者に、ロールプレイングゲームを行わせ、ゲーム内で村人を助けて感謝される体験(報酬)を繰り返し行わせることで、こころを回復させていく治療の研究が行われていて、ゲームが患者に処方されています。


ゲームの仮想現実の世界で得られる成功体験により、不意の不幸や、災害などのトラウマを負ってしまったヒトの心を癒すことが可能だと実証されているのです。


このように現在はヒトの日常生活に溶け込んでいるゲームの活用手段、応用などに「ゲームデザイン」の知見は役立っています。

これを機会にゲームのポジティブな側面とともに歩んでいく社会の在り方に興味を持っていただけるととてもうれしいです。

« 「おいしい」と「おもしろい」 | トップページ | 博多うまかもん紹介 »