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研究紹介:登場人物間の絡み可視化における分類困難な事例の分析

2024年5月22日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。
遅ればせながら、3月に行われた学会の芸術科学フォーラムでの発表について報告です。

今回は2件の発表をしてきました。どちらも登場人物の絡みの可視化に関する内容です。
絡みの可視化は、以前に発表してから期間が開いてしまいましたが、少しずつ改良を重ねてきた内容です。

アニメや映画などの作品において、登場人物同士が一緒に居た場面の抽出をします。
俗語的ですが、登場人物同士が一緒に居たり何かをしていることを「絡む」と表現することがあります。
冒頭のシーンから順番に、登場人物のうち誰が描写されているかを記録していくことで、「よく一緒に居る人物」を抜き出す試みです。

そして抽出した絡みの情報を、力学グラフという方法を使って可視化していきます。
よく一緒にいる登場人物同士、つまり絡みの多い登場人物同士が近くになるような可視化結果が得られます。
次の図は『美女と野獣』の絡み可視化結果です。

Karami1

ベルと野獣を中心に、ルミエール・コグスワースをはじめとする家臣達が近くに集まっています。
家臣たちの中でも特に絡みの多い上記二人が近くに来て、ポット婦人とチップは少し離れた位置になっています。
町の人たちは、終盤では城に集まり交戦しますが、それまでは町の人たち同士の絡みが中心のため城のメンバーとは離れた位置に来ています。

このように、絡みの情報を入力として力学モデルでの可視化を行うと、登場人物間の距離感のようなものを出力できます。
ただし、絡みの情報を抽出するという分析過程において迷う場面が生じることがあります。
前置きが長くなってしまいましたが、それが今回発表した研究のテーマです。

私の担当している先端メディアの科目で、色んな作品で絡みの可視化をしてみようと学生さんと共に分析をしてみました。
その際に、「このシーンはどうしよう・・・」という場面がいくつかあったので、そのような作品・場面についてまとめてみました。
例として、次のような場面では絡み情報の抽出で困りました。

・登場人物同士が入れ替わってしまった作品の場合
・登場人物がアバター等別の姿を持ち、アバター同士の絡みがある場合
・スター・ウォーズのストームトルーパー等、同じ姿で複数回登場するが実際には同一人物でない場合
・同行はしているけど一言も会話をしない場合

それぞれ色んな難しさがあります。
最後の例であれば寡黙な登場人物など、集団内にはいるけど孤立しているような描写があると「絡んでる」と言えるのか迷うところです。
そういった状況も含め、可視化のための情報抽出をどううまく行っていくかが課題となっています。
引き続き研究を進め、また進展があれば報告します。

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