IVEC2024 榎本の発表
2024年5月10日 (金) 投稿者: メディア技術コース
さて、いよいよ発表のお時間となりました。
タイトルは、
Chronological Changes in the Form of Festival Preparation Works and their Influence on the Local Community Bonds
(祭りの準備作業の変遷が地域コミュニティの絆に及ぼす影響)
共著者は千葉大学の伝康晴先生です。
お祭りの作業の簡略化が、コミュニティの結束も揺るがすのではないか?というお話です。
11年間撮りためた膨大なデータを使って分析しますよ。
- 時間と労力のかかる作業
- 辛くてしんどい作業
→ 「率先して自分が動く・手を抜かない・文句を言わない・おっさ(後輩)を慮る」ことをおっさ(後輩)が教わる
→ その後の生活でも、この気質が残る
「祭りを終えて一人前の男」互いを思いやる心
→ 辛い裏方作業をこなした後に、祭りの爆発的な楽しさがある
ところが、
⇨ 作業の簡略化
⇨コミュニティ成員たちの絆や一人一人の心持ちを変えていくかもしれない
というお話でした。
質問1(司会者の方)「virtual miseumを作ると原稿には書いてあるが、それは具体的にはどういうものか?」
答え:11年間のビデオをたとえば自動で3DCG化して展示する、祭りの準備作業の等身大のCGの中に見をおけば、当時の激しさや辛さや人々の気持ちを追体験できる。特に野沢はスキー観光が盛んで、オーストラリア人や中国人や韓国人など海外からの来訪者も多い。そういった人々が祭りの雰囲気を追体験できるようになる。また、いつか祭りが廃れてしまっても、この時代の人々はこうやって生きていたのだという歴史的資料になる。
質問2(大淵先生) 「コミュニティの絆が変化したことをどうやって証拠立てるのか?」
大淵先生の学生さんが同じ部屋で発表していたので、大淵先生にも聞いていただけました。
答え:単に準備作業を撮影しているだけでは精神的な変化を追うのは難しいが、インタビューも併用することで随時内面の状態をモニターする。また、祭りの最後に感動して泣いている人が何人いたかなど数えることでも具体的な証拠になるのではないか。
お二方ともとても的を得た質問をしてくださったので、学会全体から見ればアウェイ感のあったこの発表ですが、なんとか収まりがつきました。ご質問いただいたお二人に感謝です。
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