点群データの問題と見せかけて透視投影の問題
2024年5月29日 (水) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部3年次前期の専門科目「3次元コンピュータグラフィックス論」では毎週の授業で事前に履修生から質問を募り、授業時間ではその回答に時間を割いています。その質問の中で面白いトピックがあったので紹介します。
その日の授業テーマは「モデリングシステム」です。その中で実物を直接計測してCGモデルを作成する技術をいくつか紹介しました。計測した点群情報を直接CG表示する事例として、メディア学部の演習講師でもある渡邉賢悟先生の研究を紹介しました。以下はそのスライドです。
これに対して次のような質問がありました。
『画像を見ると、端の方が中心に比べて点群の間隔が広くなっているように見えるのですが、レーザー計測には近い距離ほど計測しづらいという特徴があるのでしょうか?』
私の回答は以下の通りです。
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いいえ。
計測点から一定間隔でレーザー照射向きの角度を変えながら計測します。むしろ遠くなるほど範囲が拡がり点群の間隔も広くなります。
ではなぜ近い所がまばらになって見えるのか。ちょっと考えてみてください。
これがわかった人は空間把握と分析の感覚が鋭いと思います。
私も考え付くのに少し時間がかかりました。その理由はおそらく「計測した際のレーザー発生点よりも描画の際の視点がより前方にあり視野角も広いから」だと思います。描画時の視点に近い場所はより強く拡大され、結果的にまばらに見えてしまうのでしょう。
授業中に板書で図示して説明します。
この質問は、点群に関する知識や性質を問うというより、透視投影を理解しているかを問うクイズのようなものですね。興味深いです。
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長くなりますのでこれの解説は次回とします。
メディア学部 柿本正憲
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