新任教員の山脇です。どうぞ宜しくお願いします。
2024年7月 1日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース
初めまして。4月からメディア学部教員となりました山脇と申します。どうぞ宜しくお願いします。現在は1年生の「フレッシャーズゼミ」と、プロジェクト演習の「インテブロ(intebro)」を担当しています。この3か月、毎日が新しいことの連続です。
3月までは東京の民間放送局で33年勤めておりました。振り返ってみれば、この16年ほどは自宅と東京のオフィスとの往復が主な生活パターンでしたので、自然豊かで(私の研究室からの写真です)広大な八王子キャンパスに来るだけで別世界のような気持ちがしています。
私は長きにわたって報道、情報、ドキュメンタリー、バラエティなどのテレビ番組の制作に携わってきました。8年間担当していた昼の生情報帯番組では、170人近くの番組スタッフと毎日「ああでもない、こうでもない」と切磋琢磨しておりました。
2020年くらいから民放各局は「ファミリーコア個人視聴率」という、放送局によって多少異なりますが、大体13歳〜49歳の視聴者を主なターゲットにするようになっています。番組をどうつくればその年齢層の視聴者に届くのか?20代〜60代の多士済々の番組スタッフたちと熱い議論を交わしながら番組をつくる毎日はスリリングでとても楽しかったのですが、一方で「若者離れ」が激しいテレビ番組が、50歳以上の「テレビファン(?)」を手放していいのか?ジレンマに悩む日々でもありました。
最後の1年半は、番組考査という番組をチェックする仕事も担当しました。「最近のテレビ番組は面白くない」という記事や本を見ると、必ずと言っていいほど出てくる「番組コンプライアンス」の仕事です。「不適切」という言葉が有名になったドラマの台本や、バラエティ番組の企画に問題がないか?事前事後に考える仕事です。
SNSが普及した2010年代以降、「番組を直接見ていない」人たちからのクレーム(ここでは「苦情」ではなく、「主張」という本来の意味で使っています)が急増し、放送局の対応も大きく変化しています。かつては「視聴者対応」といわれた仕事も、現在では、番組を直接見ていない人たちも含めた「カスタマー対応」という言葉に変わっています。
日本では、来年2025年にラジオ放送が始まって100年を迎えます。その中で今の学生の皆さんが生まれた2010年代に起きた「ブロードバンドの拡充」「SNSの普及」「スマートフォンの普及」によって、放送局の置かれている状況も、仕事も、考え方も大きく変化しています。もとい、変化の真っ只中にあります。そのようなマスメディアの現状を研究し、若い学生の皆さんにお伝えできたらいいなと考えています。
どうぞ宜しくお願いします。(メディア学部、山脇伸介)
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