ネットは業務に関係ないことだけに使ってください。
2024年12月23日 (月) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の大淵です。
柿本先生の記事を読んで、私もインターネット黎明期のことを思い出したので、紹介してみようと思います。
私が大学を出て最初に就職したのは1992年のことで、勤務先は企業の研究所でした。その頃すでに電子メールなどは使っていたのですが、会社に情報システムの部署というのは存在せず、ネットワーク関連の研究をしている人が、ボランティアでサーバーの管理などをしていました。
その頃、ネットの使用について注意されていたことがあります。
「ネットの使用は、業務に関係ないことだけにしてね」
今だと、業務に関係ないネット使用を禁止している会社は多いと思いますが、その反対です。「明日飲みに行かない?」とか「日本シリーズ盛り上がったねえ」とか、そういう話はOKだけど、仕事の話は駄目ということです。特に、大学生に就職関係のメールを送ることは、固く禁じられていました。
これには日本のインターネットの発展の歴史が関係しています。当時、インターネット(この呼び名もまだあまり普及していませんでしたが)の運営の中心にいたのは、大学や公的研究機関などでした。企業の研究所は、研究プロジェクトに参加するという名目で、その仲間に入れてもらっていたのです。とはいえ、運営には公的資金も使われているので、企業の参加はあくまでも「研究目的」に限られています。メールのやりとりなどは、あくまでもネット使用の実験であり、それで企業が利益をあげてはいけないという理屈だったのです。
その数年後、日本にも"商用のインターネットプロバイダー"というのができ、会社もそうしたところを経由してネットに接続できるようになりました。こうしてようやく、会社の仕事に直接関係するネット使用が可能になったわけです。その後、業務に関係ないネット使用が原因の情報漏洩事故などがあり、ネットの使用について厳しいルールができるようになっていくのは、さらに何年も後の話でした…。
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