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第一歩

2026年3月16日 (月) 投稿者: メディア社会コース

いまは、新学期の準備で、新しい方向への第一歩に備える時期だと思います。

そんな時期に思うのは、宇宙への第一歩がどうだったかということです。
なぜなら、それは容易ではなかったはずだからです。

宇宙に出るためには、まず地球の重力に打ち勝たなければならないのですが、
地球のまわりを回るまでに必要な速度を第一宇宙速度といい、秒速8km程度にもなります。
時速3万km近くです。新幹線の最高速度の100倍です。

この速度が出せれば、人工衛星になります。

さらに、地球の引力を振り切って、衛星軌道から離れるためには、その √2 倍の速度が必要です。
これが第二宇宙速度です。

こうした莫大な速度に達するには、巨大な推進力が必要なのは当然ですが、
宇宙ロケットにするための難しさは、例えば、飛行機のエンジンを大きくすればいいというだけにはとどまりません。

なぜなら、宇宙には空気がないからです。
飛行機のエンジンは空気を取り込み、その中の酸素を利用して燃料を燃やしていますが、宇宙ではその方法は使えません。

宇宙ロケットは、燃料だけでなく、酸素を供給するものも自分で積んでいかなければならないのです。酸化剤です。
代表的な液体ロケットでは、燃料と酸化剤を別々のタンクに入れ、エンジンの中で混合して燃焼させ、高温・高圧のガスとして噴き出すことで進みます。構造も操作も大がかりになりやすいのです。

こうした仕組みを実際の技術として実験的に成功させ、宇宙ロケットの可能性を示したのが、アメリカのロバート・H・ゴダードです。
液体燃料ロケットの世界初の打ち上げに成功したのが、ちょうど100年前の今日、1926年3月16日のことでした。

もっとも、現代のロケットを思い浮かべて、同じくらい巨大だったかと思うかもしれませんが、本体も高度も距離もごく小さく、飛行もわずか数秒だったということです。

しかし、この小さな第一歩がなければ、現代の宇宙ロケットもなかったと言えるのです。
みなさんの、この春の第一歩も、こうしたものになることを願っています。

メディア学部の授業では、このように科学技術がその後どう社会に大きな影響を与えたのかもさまざまに取り上げています。

(メディア学部 小林克正)

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