ポスター優秀発表賞を受賞しました
2026年3月25日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース
自分の主催する安原研の研究テーマと方針は「インタラクティブコンテンツ」の周辺を取り巻く事象を幅広く調査・研究することです。なぜならそれを知ることからコンテンツの「デザイン(設計)」は始まると考えているからです。
今年は3名の卒業論文を、芸術科学学会にてポスター発表いたしました。いずれの研究も、学生自ら身近な事象からテーマを見出し、調査、実験方針の立案、装置の制作、データ収集、分析・考察を経て、自分なりの結論を導き出したものです。
大変喜ばしいことに、そのうち2つの研究が参加された研究者の皆様に高く評価され、ポスター優秀発表賞の栄誉に浴することができました。学生たちのたゆまぬ努力が認められ、指導教員として心から嬉しく思います。今年の研究を紹介したいと思います。
金澤和.「ゲームBGMの歌詞がプレイヤーに及ぼす影響に関する研究」 本研究は、ゲームBGMの歌詞の内容がネガティブ(例:『ダメだ、お前は弱い、できない』など)な場合と、ポジティ(例:『できる、かっこいい、最高だ』など)な場合で、プレイヤーにどのような影響を与えるかを調査したものです。先行研究では歌詞のある曲を聴かせながら、考えなくてはいけない問題を解かせると、正答率が下がるという報告がされています。
シューティングゲームなどの場合、反射的に攻撃を避けたりはしますが、考えることの負荷は少ない活動と言えます。そのような活動において、歌詞のあるBGMはどう作用するのかを調べることは、とてもおもしろい試みです。
実験の結果、ゲームの成績や上達速度、入力タイミングに明らかな差は見られませんでした。しかし、アンケートの結果から、難易度の高いゲームレベルをプレイした際に「まだやりたい、もう一度やりたい」というリトライへの意欲が、ポジティブな歌詞のBGMを流したゲームの方がネガティブな歌詞より有意に高くなる事が分かりました。無意識か意識しているのか分かりませんが、ヒトは聞こえる歌詞の意味をとらえて、難易度の高い活動にもう一度トライしたい、という挑戦意欲を左右させているようです。
この知見はゲーム分野にはとどまらず、例えば子供の体操教室のBGMにポジティブな歌詞を利用したり、リハビリテーション施設での館内BGMに応用することで、参加者のチャレンジするモチベーション向上に寄与することが期待されます。
インタラクティブコンテンツにおける「褒める効果」の重要性を再認識させてくれる、非常に意義深い卒業研究となりました。
(安原広和)