続・ポスター優秀発表賞を受賞しました
2026年3月26日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース
メディア学部・特任准教授の安原です。
先日に続いて芸術科学学会にてポスター優秀発表賞を受賞した今年の卒業論文を紹介します。
横山晴也.「知的障がい者と健常者が共に楽しめる協力型ゲームの開発と評価」というテーマの研究です。
先行研究の、「知的障がい者には健常者の友人や知り合いが少ない」という調査結果と、「ゲームは新しい友人を紹介してくれる」という調査結果から、知的障がい者とゲームを結びつけることでこの社会問題の改善に取り組んだ研究です。
この分野の研究を行っている先生に紹介して頂いた地域の障がい者施設の協力を得て、自作ゲームを用いた実証実験を繰り返しました。
表情の反応やアンケートでのフィードバックをもらうことを繰り返し、最終的には障がい者の方々、教員も含めた参加者全員から「一緒にあそんで楽しかった!」という高い評価や感想を得るまで、ゲームにどのような改善を加えていったのかを詳細なレポートにまとめました。
開発の過程では多くの課題に直面しました。「どのような入力操作を行わせるべきか?」から始まり、「身体的に無理のない入力や思い通りに入力ができる機器はどのようなものか?」「ゲームのジャンル、テーマは何が適しているのか?」「シューティングゲームで良いのか?」「健常者との難易度バランスをどう設定すべきか?」などクリアすべき多くの課題にひとつひとつ取り組み解決していきました。良かれと考えて実装したことで一気におもしろくなくなった、という評価に変わったり、と実践を繰り返しゲームを洗練させていきました。
その分析の結果から、全員があそんで「楽しい」という思いを共有できるゲームに大切で不可欠である要素を抽出しました。
・能力を発揮できる入力装置:連射、ため撃ちなどスキルの選択を直感的に可能にする装置
・明確なフィードバック:プレイヤーの行ったアクションに対するエフェクト表示、攻撃が効いているという挙動
・協力の必然性: 協力して戦わないと倒せない敵の存在、撃ち漏らしのカバーが可能な敵の配置
・貢献・評価の可視化: 成績に応じたパーフェクト演出や、自分の貢献に対する報償の明示
これらはインタラクティブコンテンツにおける基本要素ですが、それらも個々の事案に即した緻密な調整こそが重要であることを本研究は示しています。卒業研究という枠組みを超えて、徹底してユーザーに寄り添い続けた姿勢が、このようなすばらしい成果に繋がったことを大変に嬉しく思います。
(安原広和)