新しい授業「音声情報アクセシビリティ」がスタートしました
2026年7月 1日 (水) 投稿者: メディア社会コース
2026年度から、東京工科大学メディア学部で新しい専門科目「音声情報アクセシビリティ」を開講しました。
皆さんは、「音声情報アクセシビリティ」という言葉を聞いたことがありますか?
駅や空港のアナウンス、学校や職場での会話、オンライン会議、イベントの司会進行など、私たちの社会には音声による情報があふれています。しかし、聴覚障害のある方や聞き取りに困難を抱える方にとって、それらの情報にアクセスすることが難しい場面が少なくありません。
図1:第1回授業資料より
この授業では、「音声情報をすべての人へ」をテーマに、音声情報アクセシビリティの基礎から最新技術、そして社会実装までを学びます。
▶︎授業の目的
本授業の目的は、音声情報アクセシビリティに関する知識を身につけるだけでなく、テクノロジーやデザイン、制度の視点から課題解決を考えられる人材を育成することです。
音声情報アクセシビリティは、障害のある方だけのためのものではありません。高齢者、外国人、聞き取りに困難を抱える人、騒がしい環境にいる人など、多くの人に関わる社会課題です。
授業では、実際の事例や最新技術を取り上げながら、「誰もが情報にアクセスできる社会」について考えていきます。
▶︎授業内容
前半の授業では、次のようなテーマを扱います。
第1回 アクセシビリティとは何か
第2回 聴覚障害について学ぶ
第3回 補聴器と人工内耳
第4回 手話と情報保障
第5回 補聴支援システムの歴史と最新技術
第6回 リアルタイム文字起こし技術
第7回 音声情報アクセシビリティの未来
授業の一部をご紹介
例えば第5回では、学校や劇場などで使われてきた補聴支援システムについて学びます。赤外線補聴システムや磁気ループ、Roger、そして近年注目されているAuracast™など、それぞれの特徴や活用方法を紹介しています。

図2:第5回授業資料より
また第6回では、音声認識AIを活用したリアルタイム字幕について学びます。近年はスマートフォンやタブレットでも手軽に利用できるようになり、聴覚障害のある方だけでなく、多くの人のコミュニケーションを支える技術として活用されています。

図3:第6回授業資料より
さらに第7回では、今後の社会で音声情報アクセシビリティがどのように発展していくのかを考えます。駅や空港、病院、イベント会場など、さまざまな場所で誰もが情報を受け取れる未来について議論します。
授業では講義だけでなく、実際の機器やアプリを実演しながら学ぶ機会も設けています。
▶︎高校生の皆さんへ
音声情報アクセシビリティは、まだ日本では専門的に学べる機会が多くありません。しかし、これからの社会ではますます重要になる分野です。
東京工科大学では、テクノロジーと社会課題を結びつけながら、実践的に学ぶことができます。
高校生の皆さんも、ぜひ東京工科大学で、日本ではまだ数少ない「音声情報アクセシビリティ」の授業を受講し、一緒に未来の社会について考えてみませんか。
メディア学部 吉岡 英樹
略歴:米国バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業。日本の音楽業界でレコーディングスタッフやプロデューサーのマネージャーを務めた後、CM音楽作曲やモバイルコンテンツのサウンド制作に従事し、現職に着任。娘の難聴をきっかけに聴覚障害支援メディア研究室を設立し、アプリ「Vocagraphy」を開発(15万DL)。同アプリは科学技術振興機構主催「STI for SDGs」アワード優秀賞(2022年度)を受賞。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「サイレント・コミュニケーション」、3年次科目「音声情報アクセシビリティ」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。
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