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専門演習:デジタルファブリケーションの紹介

2026年7月19日 (日) 投稿者: メディア技術コース

技術コースの羽田です。今回は今年度よりはじまった、デジタルファブリケーションという専門演習の科目についてご紹介します。

一人一台の3Dプリンタで、アイデアを形にする

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「デジタルファブリケーション」は、3Dモデリングと3Dプリンタを使い、自分で考えたアイデアを実際の作品として形にする専門演習です。

この授業では、学生一人につき一台の3Dプリンタを使用します。一人一台の環境があるため、印刷の順番を待つ必要がなく、失敗した場合にも、自分のペースで設計を修正して何度でも挑戦できます。授業は、3Dモデルを制作するソフトウェアの基本操作から始まります。その後、作成したモデルを3Dプリンタで出力するための設定や、印刷後の仕上げ・調整まで、一連の制作工程を実践的に学びます。

特に重要なのが、3Dプリンタには「作りやすい形」と「作りにくい形」があることを理解することです。画面上では問題なく見える形でも、実際に印刷すると崩れたり、部品がうまく組み合わさらなかったりすることがあります。こうした失敗も大切な学習の一部です。失敗した作品を観察し、原因を考え、設計や印刷設定を見直すことで、3Dプリンタの特徴をより深く理解できます。

たとえば、これは「失敗するように設計した」ワイングラスの3D印刷です。

画面の中の形が、手に取れるものになる

3Dプリンタは、デジタルデータをもとに、材料となるプラスチックを薄い層として少しずつ積み重ねながら、立体物を作る装置です。画面の中で設計した形が、時間をかけて少しずつ現実の物体になっていく様子は、3Dプリンタならではの魅力です。完成した作品を実際に手に取ることで、寸法や形状だけでなく、持ちやすさや使いやすさ、強度なども確かめることができます。

授業では、決められた形をそのまま作るだけではありません。例えば、自分が使っているスマートフォンの大きさや厚さを測り、その端末に合ったスマートフォンスタンドを設計します。自分の用途はもちろん、スマートフォンを置く角度、充電ケーブルを通す位置、机の上に置いたときの安定性などを考えながら、自分の使い方に合った形へと調整していきます。同じスマートフォンスタンドという課題でも、完成する作品は一人ひとり異なります。

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1ミリの違いが使いやすさを変える

3Dプリントのための3Dモデリングの面白さは、頭の中にあるアイデアを、正確な寸法を持つ具体的な形として設計できることにあります。これは、映像やゲームなどで使用する3DCGのモデリングとは少し異なる点です。3Dプリントでは、画面上で形がきれいに見えるだけでなく、実際に物として成立し、目的どおりに使えることが求められます。

例えば、寸法が1ミリ違うだけでも、部品同士がうまく組み合わさらないことがあります。スマートフォンケースであれば、端末が入らなかったり、反対に緩すぎて外れてしまったりすることもあります。そのため、見た目だけでなく、正確な計測と設計が重要になります。

モデリングでは、最初に平面のスケッチを描き、それを押し出したり、削ったり、穴を開けたりして立体化します。このプロセスを繰り返しながら、少しずつ目的の形状に近づけていきます。設計したものを一度印刷し、実物を確認してから修正することも重要な学習です。試作と改善を繰り返すことで、見た目だけでなく、使いやすさや強度、印刷のしやすさまで考えられるようになります。

3Dプリンタだから作れる形

3Dプリンタには、従来の加工方法では作ることが難しい、複雑な形状を制作できるという特徴があります。例えば、複雑に入り組んだ内部構造や、材料を減らしながら強度を保つ格子状の構造なども、一つの部品として出力できます。また、複数の部品がつながった状態のまま印刷し、印刷後すぐに動かせる形を作ることもできます。このように、組み立てをしなくても可動部分を持つ作品は「プリント・イン・プレイス」と呼ばれています。チェーンや関節、動くおもちゃなど、3Dプリンタだからこそ実現できる形を考えることも、この授業の面白さの一つです。

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アイデアを、試しながら形にする

デジタルファブリケーションは、コンピュータ上での設計と、実際に手で触れられるものづくりを結びつける分野です。学生は作品制作を通して、3Dモデリングや3D印刷の技術を身につけるだけでなく、自分のアイデアを形にし、実際に試し、問題点を見つけて改善するプロセスを学びます。ものづくりに興味がある人はもちろん、これまで3Dモデリングや3Dプリンタを使ったことがない人にも、ぜひ自分のアイデアを形にする面白さを体験してほしいと思います。

画面の中で考えた形が、実際に手に取れる作品として生まれる瞬間には、デジタルファブリケーションならではの驚きと達成感があります。

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