ソーシャル デザインについて その ① 日本特有の傾向
2026年8月31日 (月) 投稿者: メディア社会コース
メディアの社会活用の方法の一つに、ソーシャル・デザインが上げられます。ソーシャルデザインとは、社会的な課題を解決するために、新しい価値を生み出すことを目指すアプローチです。従来、この言葉は、利益の追求だけでなく、社会や環境の問題に取り組み、社会変革につながる価値やイノベーションを生み出すための「モノ」や「状況」のデザインを指す概念として用いられてきました。
デザインの基本的な考え方は、解決すべき状況に対して、意味のある秩序を意識的かつ直感的に作り出す営みです。近年、ソーシャルデザインの対象は広がりつつあります。製品のデザインだけでなく、コミュニティづくりのプロセス、さまざまな社会的場面での新技術の活用など、多様な領域が含まれるようになっています。
日本におけるソーシャルデザインは、①「和」の精神を重んじて市民や個人の力を活かすこと、②産業界・大学・行政・NPO・市民の役割を尊重し、協働を重視すること、③法治国家としての各セクターの担い手が社会的責任を重んじていること、すなわち、三方よしに象徴される、経営哲学が現代にも生かされていることを特徴としています。三方よしとは歴史的に江戸時代の近江商人が大切にした経営哲学で、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の3つの利益を追求する考え方であり自分たちの利益だけでなく、顧客の満足、そして地域社会への貢献や発展を同時に実現することが良い商売であるとされてきた概念です。仏教でいうところの三宝である「仏」「法」「僧」を社会が重んじるという文化的特徴にも起因していると考えます。企業の社会的責任(CSR)の取り組みをソーシャルデザインの活動の一環として捉える点は日本特有の傾向でもあります。
(コロナ社 メディア学 キーワード:ソーシャル デザイン 執筆者 飯沼瑞穂 より)
「ソーシャル」カテゴリの記事
- 大学院講義(2019.03.05)
- 卒業論文の発表(2019.02.05)
- WEB3Dと地域振興(2019.01.04)
- 高校生のみなさんがメディア学部から世界へ羽ばたくために!(2019.01.23)
- NHK学生ロボコン2018(2019.01.11)