インタラクション

研究紹介 - 道案内する風船の犬 (太田・加藤研究室)

2021年9月13日 (月) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部というところは一体どんなことをしているのだろうと思っている高校生の方に向けて、現在、当研究室で行っている卒業研究のいくつかを紹介したいと思います。本学の下級生にも参考にしてもらえるといいなあ。

 

今回の記事で紹介するのは、道案内をする風船の犬を作る研究です。犬などの形をしたバルーンが売られているのはご存知でしょうか?ふわふわと浮いているのですが、浮力がちょうどいい具合に調節されていると紙でできた足が地面について、なんとなく歩いているように見えるおもちゃです。これが先導して道案内をしてくれる、ということを考えているのです。

 

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どうやって実現するのか?というところですが、大きく分けて3つの機能を用意しなければなりません。一つはマップ情報を利用して、現在地から目的地までのルートを割り出すこと。2つ目に、GPSを利用してルート上のどこにいるかを確認し、犬の風船の移動方向を判断すること。3つ目が、犬が歩くように駆動力を与えること、です。

 

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これまでルートを割り出すことはできており、現在、風船の駆動力を与えるために紙を利用したアクチュエーター(動作する部分)を犬の足として採用することを考えているところです。これは、空気圧を使って紙を伸ばしたり縮めたりすることを利用しようとするものですが、はたしてうまくいくか…。例えうまくいかないとしても、色々なことを試してあーだこーだとするのが研究ですね。最終的にうまくいけばいいのですが、試したことの量によってどんどん知見が溜まっていきます。また上で述べたように、複数の要素をいかに上手に組み合わせられるか、ということも重要な部分です。この研究では技術的な要素の組み合わせになりますが、複数の考察要素を組み合わせて一つにまとめるということはどんなテーマの研究にも共通していると思います。

 

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ところで、道案内であれば、Google Mapなど色々便利なアプリがあるのに、なぜわざわざこんなものを考える必要があるのか…、と思われる方も多いかもしれません。学会などでも、そういうことを質問する人はそれなりにいます。しかしながら、機能さえ使えればそれがどのように提供されても同じと考えるでしょうか?例えば、すごく使いにくいものでも、道案内の情報が提示されていればそれでいいと思うかというとそうではないでしょう。したがって、使いやすいインターフェースのアイデアが考えられ、それが他のアプリとの差別化になっています。ところで、人は実用的な目的だけで行動しているかというと、それもそうではないのではないでしょうか?したがって、アプリも実用的な面だけが必要とされるわけではないと思います。人の感情面はサービスや機能の実現を考えるときに往々にして考慮から漏れてしまいがちですが、「楽しい」、「面白い」、「美しい」、「和む」などは人が関わるものをデザインするときには重要な要素になります。この研究は、道案内という実用的な目的に対して、そういった人の感情を考慮した提示方法を追求しているものなのです。

 

さて卒業研究の期間は後半年ですが、なかなかコロナの収束がみえないなかでどこまで実現できるでしょうか。面白い結果が得られることを期待しています。

 

 

 

太田高志

2021年9月13日 (月)

オンラインポスターセッションシステムTeleAgoraの使い方~参加者編~

2021年7月17日 (土) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

昨日一昨日に引き続き、TeleAgora(テレアゴラ)についての紹介です。
今日は参加者として利用する場合の見方を説明します。

昨日の主催者編で書きましたが、発表会への参加はあらかじめ主催者による参加登録が必要です。
参加登録がされていれば、ログインしたトップページに「参加している研究発表会」欄が表示されるため、その中の表示したい発表会をクリックすることでセッション会場へ移動します。

会場内では、各発表のタイトルと著者、サムネイルがずらっと並んでいるような表示をしています。
(実は画面サイズに応じたレスポンシブデザインをしているので、スマホからも閲覧できるようにしています)
芸術科学フォーラムの時の状況を例示します。研究発表のため、ポスター本体にはモザイク処理をしています。

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ポスター下部に、ディスカッションに参加するためのボタンと現在発表者とディスカッションをしている人数を表示しています。
ボタンを押すことで発表者の待機しているGoogleMeetなどのビデオチャットサービスにアクセスし、人数アイコンが追加されます。

現実のポスターセッションでは、発表者と話している、あるいはその話を聞いている参加者が見えるため「混んでいる」発表がすぐにわかります。
オンラインでのポスターセッションで、発表者の数だけルームを用意しただけだとこの様子がわからないので、「混んでいるから後でまた来よう」という判断ができなくなります。
TeleAgoraではディスカッション中の人数を一覧ページに表示することで、これを解決しています。

ページ内をスクロールしてサムネイルを眺めながら、気になる研究があればタイトルまたはサムネイルをクリックすることで詳細表示になります。
詳細表示ではサムネイルではない大きなポスター画像と、ビデオチャット/Googleドライブへのリンク、コメント欄が表示されます。

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ポスターを眺め、ビデオチャットへのリンクから発表者とディスカッションしたり、ディスカッションはせずともコメントを残していくことができます。
ポスターセッションでは混んでいると話せないまま終わってしまうこともありますが、コメントを残していけるのはオンラインならではのメリットですね。

さっきは書きませんでしたが、ポスター一覧の中にお気に入りボタンもあります。
投票機能はこのような形で実装しているので、一通り気になる発表を聞いた後に一覧画面から気に入ったポスターを選んで投票していくことができます。

実際のポスターセッションの様子をなるべく踏襲しながら、オンラインでのWebアプリケーションシステムである利点も取り入れて開発しました。
ポスターセッションで発表する方、主催する方、参加する方それぞれにとって役立てれば幸いです。

2021年7月17日 (土)

オンラインポスターセッションシステムTeleAgoraの使い方~主催者編~

2021年7月16日 (金) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

昨日に引き続き、オンラインポスターセッションシステムTeleAgora(テレアゴラ)の紹介です。
今回は主催者向けにどういうことができるかの説明します。

昨日の記事でも書いた通り、TeleAgoraは基本的に実際のポスターセッションを踏襲する形で開発しています。
ポスターセッションを開催するにあたり必要な内容を機能に落とし込んでいます。具体的には次の各事項です。

  • 発表会の基本情報登録
  • セッション・ポスター情報登録
  • 参加者管理
  • 投票管理

主催している発表会があると、ログインしたトップページに管理画面へのリンクが表示されます。
この中から設定を行いたい発表会をクリックすることで、管理画面へ移動します。

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管理画面ではまずは基本情報が入力できます。
発表会名や主催組織、スケジュールなどを入力します。hsl形式でテーマカラーを指定すれば、全体のデザインに反映されます。

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セッション・ポスター情報登録機能は、実際の学会等でのプログラム検討や会場にパネル・イーゼルなどを配置するといったことに相当します。
プログラムの検討のため、あらかじめ発表者を募集し研究タイトル等を集めていると思います。
セッションやポスターについて必要な数だけ枠を作成し、そこへ情報を入力していく形で開発しました。
情報の入力は改行区切りのテキストデータからできるようにしているので、エクセルなどのスプレッドシートソフトで管理している情報から簡単に転記できるようになっています。
ここで発表者として登録されたユーザーのトップ画面に、昨日の記事で紹介した入力欄が表示されるようになっています。

参加者管理は、実際の学会では事前の参加登録と会場受付での名札配布などに相当します。
研究発表会の性質上、不特定多数の部外者が見に来てしまっては困ると思いますので、発表会にアクセス可能なユーザーを登録します。
参加者のメールアドレスをあらかじめ収集し、ポスター同様改行区切りテキストで入力可能です。
ユーザーの種別として「参加者」「発表者」「審査員」「管理者」を用意しています。これらの用途は次に説明します。

最後に投票機能です。各ポスターについて、参加者に投票をお願いすることができます。
上で紹介したユーザー種別ごとに、投票可能な票数を指定することができます。参加者は一人1票、発表者は投票権なし、審査員は一人5票など、細かく指定できます。
発表会の性質や方針によってさまざまな運用ができますので、活用してみてください。

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全ての機能を説明できたわけではないですが、おおよそのできることをご紹介しました。
現在のところ発表会の新規作成機能は公開していないので、TeleAgoraを利用したポスターセッションの開催を検討したい方は問い合わせ先メールアドレス宛にご連絡ください。

対面で集まっての実際のポスターセッションはまだしばらくは困難と思います。
その間でもTeleAgoraを通してポスターセッションによる研究の発展ができれば幸いです。

2021年7月16日 (金)

オンラインポスターセッションシステムTeleAgoraの使い方~発表者編~

2021年7月15日 (木) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。
今日は私の開発・公開しているオンラインポスターセッションシステムのTeleAgora(テレアゴラ)
について、使い方の紹介をします。

今日は発表者側の使い方、明日は発表会主催者としての使い方の説明をします。
発表者としては、今年三月に行われた芸術科学フォーラムに発表した際のものを例にします。

TeleAgoraはオンラインでポスターセッションをするためのシステムです。発表者は(当然ながら)ポスター発表ができます。
ポスターセッションは、自身の研究をA1などの大きなサイズに印刷し、発表会場に貼り出します。そしてポスターの前に立ち、見に来た方と研究のディスカッションをするのが主な流れです。

TeleAgoraでは基本的に現実のポスターセッションを踏襲し、ポスターを貼り出して参加者とディスカッションできるようにしています。
ユーザー作成をしてログインすると、通常は参加している発表会のリンクが出ますが、発表会で発表する予定の方はトップ画面の一番下に次のような欄が現れます。

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この図の場合は、映像表現・芸術科学フォーラム2021で私が発表者として登録されているのでこのように出てきています。
他にも発表予定のものがあれば、その件数だけ発表会名と発表タイトルが表示されます。
この発表会名と発表タイトルが表示されている部分をクリックすると、詳細な情報入力欄が表示されます。

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入力欄には、サムネイル画像URLとポスター画像URL、ビデオチャットURL、共有フォルダURLがあります。
(発表会申し込み時に確定済みでなければ、タイトルと著者もここで入力します。)

自身の研究内容をポスター形式でまとめて、画像ファイルとしてGoogleドライブ上の自身のフォルダに保存します。
そしてその画像の共有用リンクを作成し、TeleAgoraの上記の欄に入力する事で「ポスターを会場に貼る」ことになります。
ポスターセッション会場では各発表者の指定したサムネイル画像が並び、興味を持った方がクリックするとポスター本体が表示される形です。
発表後はこの欄の入力内容を消すことで、「ポスターを剥がして帰る」こともできます。

オンラインでブラウザ上にたくさんのポスターを並べて貼るため、各ポスターの画像は小さく表示されてしまいます。
ポスター画像そのものをサムネイルにすると小さくて読めないため、サムネイルは別途用意できるようにしています。
重要なワードや結論だけドーンと大きく載せたり、ロゴやわかりやすい成果画像があればそれだけ見せるのもよいかもしれません。
上の発表例でも、成果部分のアップをサムネイル画像に指定しています。

ビデオチャットURLにはGoogleMeetなどのルームURLを入力することで、ポスターに興味を持ってくれた方がディスカッションしたい際にアクセスできるようにします。
セッションの時間中はそのビデオ会議システムにログインしておくことで、「ポスターの前に立っている」ことに相当します。

共有フォルダURLには、GoogleドライブのURLなどを入れておくことでポスター画像以外にも見せたいものを参加者に提供できます。
動画やデモ用プログラムを置いておくなど、活用方法はさまざまです。ご自身の発表内容に合わせて工夫してみてください。

今日はポスターセッション発表者の視点での紹介でした。
明日は発表会を主催する側向けの機能を紹介します。

2021年7月15日 (木)

CHI勉強会 2021

2021年7月13日 (火) 投稿者: メディア技術コース

こんにちは.メディア学部の加藤です.

今日は 2021年6月26日に開催された,CHI勉強会2021について紹介します.

CHI勉強会は,Human-Computer Interaction(HCI)の研究分野における最重要国際会議である CHI Conferenceにて発表された論文を一日で網羅しよう,という勉強会です.

先日のメディア学部のブログでも紹介しましたが,今年 5月に開催された CHI'21は 747本の Full paperが発表されました.
しかしながら 747本もの論文をひとりですべて読むのは非常に労力が必要ですし,時間もかかります.
そこで勉強会参加者で分担し,1論文あたり 30秒で紹介していくことで,効率よく全体を把握したり,自分の興味のある論文を確認しよう!という目的で開催されています.

メディア学部からは,太田研究室の 2名の大学院生が参加しており,合計 12本の論文を紹介してきました.
(加藤は勉強会の幹事団のひとりとして携わっています.)
発表会当日の動画は YouTube上に上がっており,発表で使用されたスライドもアップロードされています.
https://sigchi.jp/seminar/chi2021/

当日参加できなかった人でも,これらを見返すことでも非常に勉強になりますので,
HCIの研究分野に興味のある方は,是非見てみると良いでしょう .

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2021年7月13日 (火)

「クリエイティブ・アプリケーション」の演習講師である渡邉賢悟さんの活躍がengadgetに掲載

2021年6月18日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさんこんにちは。伊藤彰教です。

プロジェクト演習「クリエイティブ・アプリケーション」で演習講師をつとめておられる、メディアサイエンス専攻博士号取得者である渡辺賢悟先生のご活躍の様子が、engadgetに掲載されました。

『iOSアプリ開発者に訊く:10年現役のペイントツール『彩えんぴつ』作者 渡邉賢悟さん』

長年のiOS, MacOSのアプリケーション開発が認められ、Apple開発者会議WWDCの開催のタイミングに合わせて「日本の代表的な開発者のおひとり」ということで取材を受けました。

これをきっかけに「クリエイティブ・アプリケーション」に興味をもってもらい、多くの学生さんに受講してもらえると、わたしも渡邉先生もとてもうれしいです。「どんな人なの?」「どんな演習なの?」はぜひリンク先の記事をご覧ください。わたしがここで書くよりも、プロの記事はさすがの分かりやすさです。ぜひ♪

(画像はコロナ禍の前の演習の様子です:またみんなでこんな風な演習ができるようになるといいですね)

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2021年6月18日 (金)

和風なゲームやアニメに頻繁に登場する「神社」をより効率的に作成するツール

2021年6月17日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

卒業生の卒業研究成果の中で研究発表したものについてのシリーズです.さらにいくつか「映像表現・芸術科学フォーラム(2021年3月8日)」から紹介します.次は,“建築様式を考慮した神社の鳥居と社殿の制作支援システム”の紹介です.

昨年は「Ghost of Tsushima」や「天穂のサクナヒメ」など,日本や和を題材としたゲームが多くありました.そしてそのような作品になくてはならないのが,神社や寺,お城などの日本固有の建築物です.菊池先生の研究室では「日本城郭」のプロシージャル生成の研究が実施されており,大変好評ですが,こちらは「神社」を題材とした制作支援です.

このような歴史的な建築物,独特な様式のある建築物を制作する際には,建築当時の様子やそれぞれの建物の持つ役割などを入念に調査するひつようがあります.この研究では,日本の神社の様式などを調査し,それの様式に沿った神社を容易に生成できるように支援するシステムを開発しました.

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今回の研究では制作者が意図した神社を作るということを目的に,基本的には,制作者が手続きにそって作業していく手法をとっています.将来的に摩完全に自動で敷地に合わせて神社を自動で生成していくことなども考えていきたいです.

文責:三上浩司

2021年6月17日 (木)

ゲームキャラクタエディットなどでウェーブやカールなどの特徴ある髪型を作成する手法

2021年6月16日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

卒業生の卒業研究成果の中で研究発表したものについてのシリーズです.ここからは「映像表現・芸術科学フォーラム(2021年3月8日)」から,“モバイルアプリにおけるアバター髪型のウェーブ,カール編集システム”の紹介です.

最近のゲームではプレイヤーキャラクターを自分の好みにエディットする機能が多く実装されています.数あるパーツの中から自分の好みのものを選び,配置を調整して好みの色に設定するプロセスにあっという間に1時間かかったなんてこともあると思います.

そんな,キャラクターエディット機能なのですが,今回のテーマである髪型に関していうと,用意されている髪の形状を選んで色味を調整する形で作られることがほとんどです.3DCGのモデリングツールを使えば自由な形状は実現可能ですが,家庭用ゲームやスマホゲームなどでは,マウスやキーボードも稀ですので,思い通りの髪型を作るのは容易ではありません.それでも長さや形だけなら思い通りのものも作れますが,ウェーブやカールのかかった髪型となるとそう簡単にはいきません.

そこで,本研究ではスマートフォン上でなぞった形に髪の毛をウェーブ・カールさせる編集システムを考案しました.

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実際にいろいろな人に試してもらったところかなり簡単にカールやウェーブ形状の髪の毛を作成してくれていました.
思い通りの髪型を再現するための手法としてスマホゲームに採択される日も近い(かな?).

文責:三上浩司

2021年6月16日 (水)

絡み可視化システムの公開

2021年6月 6日 (日) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。
先日の記事で紹介した、力学モデルを用いたキャラクター同士の絡みの可視化について、プログラムの公開を行いました。

前回の記事と説明が重複しますが、絡みとは登場人物間で会話をしたり、同一の目的で行動したりといった、俗に「絡みがある」と言われるような行動を指します。
その絡み情報を、力学モデルと呼ばれるグラフ描画アルゴリズムにかけて計算しています。
これにより、ある作品についてその登場人物のリストと登場人物間の絡みを入力することで、その作品の登場人物の関係性をおおまかに可視化できるようにしています。

例として、スタジオジブリの名作『紅の豚』についての可視化結果を表示します。

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主人公の2人を中心に各登場人物が配置されています。カーチス(文字が見えにくいですがポルコの右下です)も中心近くにいますね。
マンマユート団や空賊連合のボス達など、団体で行動している人物は塊になっていることもわかります。
また、各登場人物をクリックすることで、他のどの人物と絡みがあるかを表示しています。(というより、絡みのない人物を薄くします)
意外な結果として、マンマユート・ボスとジーナは実は作中で一度も絡みがないことがわかりました。確かにお店での会合にも欠席してましたね・・・。
こういうことがわかるのも可視化の有効な活用法ですね。

上の図は最終的な全シーンの絡みを合わせた結果ですが、可視化システムのページでは絡みのあるシーンを一つずつ追加しながら力学モデルの計算をしています。
グラフの様子がリアルタイムにぐねぐねと動くので、ぜひ見てみてください。
こちらのリンクから確認可能です。

可視化システムはこちらからアクセス可能です。
https://www2.teu.ac.jp/lenz/karami/

この記事の執筆時点ではまだ1作品の例を表示しているだけですが、好きな作品について絡みの情報を入力できるよう現在プログラムの実装中です。
皆さんの好きな作品が、この絡み可視化システムでどのような結果になるのか気になるようであれば是非入力してみてください。
興味のある方はユーザー登録をお願いします。入力システムができ次第、登録頂いたアドレス宛に連絡します。
入力機能は近日中に公開予定ですが、まずは紅の豚の可視化結果を見て楽しんで頂けると嬉しいです。

2021年6月 6日 (日)

プレイ中の音声で感情を推定してゲームの難易度を調整する研究

2021年5月29日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

卒業生の卒業研究成果の中で研究発表したものについてのシリーズです.3つめも「日本デジタルゲーム学会第11回年次大会(2021年3月13日,14日)」から,“プレイヤーの音声リアクションに基づく動的難易度調整のための音響的特徴量抽出と解析”の紹介です.

この研究は,いわゆる「メタAI」を利用した「動的難易度調整」に関わる研究です.

メタAIとは,ざっくり言うとゲームに利用されるAIをいくつかに大別したときのひとつで,ゲームの世界でプレイヤーの行動によって起きるの様々な変化に関わる情報を検知して,ゲームに反映させるAIのことを指します.(本当にざっくりです)

「動的難易度調整(Dynamic Difficulty Adjustment)」とは,敵の強さやステージにある回復アイテムやコースなどを,プレイヤーの状況に合わせて調整するシステムのことを言います.DDAと略して呼ばれることも多いです.

動的難易度調整には,プレイヤーのダメージ量やスコアなど様々なものを利用するのですが,そうしたデータだけでなく,もっとプレイヤーの感情などをゲームに反映できないかと考えたことに起因します.プレイヤーの中には,熱中すると思わず声が出てしまう人もいると思います.この研究はそうした,プレイ中に発した声の音響的特徴量を検知して,ゲームの難易度を調整してしまうという研究です.

 

Harada02実際にシステムを実装したデモ

この研究はこれからも発展が多く見込まれる研究となっていきそうです.

文責:三上

2021年5月29日 (土)

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