コンテンツ

画像生成AIのメイキング全部見せます:イラスト DE ゆく年くる年(第3回/全3回)

2026年1月 2日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.


馬のイラストは、こうして生まれました
― 画像生成AIメイキング(くる年編)―

年末に紹介した「蛇のイラスト」に続き,今回は 「馬」をモチーフにしたイラスト のメイキングを紹介します.

2_20251229094201

本企画 「イラスト DE ゆく年くる年」 の締めくくりとして,この馬のイラストには「くる年」への思い を込めています.


「くる年」をどう表現するか

蛇のイラストでは,年末らしい静けさや内省の雰囲気を大切にしました.
それに対して,馬のイラストで意識したのは

・前に進む力
・しなやかさと強さ
・未来へ向かうポジティブな気配

といった要素です.
「走る」「駆け抜ける」といった分かりやすい動きだけでなく,これから始まる一年への期待感 が自然に伝わる表現を目指しました.


主役は「勢い」ではなく「関係性」

今回のイラストでは,馬そのものの迫力を前面に出すよりも 人物と馬の距離感や関係性 を丁寧に描くことを意識しています.
寄り添う構図,穏やかな表情,やわらかい空気感.
そうした要素を通して,「力強さ」と同時に 安心感や信頼感 が感じられるイメージを組み立てていきました.


トーンと雰囲気を整える

画像生成AIを用いた制作では,細かな調整の積み重ねが重要になります.
今回も,

・全体の色調を整える
・光の強さを抑える
・情報量を整理する

といった調整を繰り返しながら,新年らしい 明るさと落ち着きのバランス を探っていきました.
華やかさがありながら,どこか静かで,長く眺めていられる—— そんな一枚を目指しています.


完成したイラストについて

完成した馬のイラストは,蛇のイラストとあわせて 東京工科大学メディア学部公式 Instagram に掲載しています.

https://www.instagram.com/tut_media.official/p/DSzsufikYcW/?img_index=1

年末の蛇のイラストと見比べながら,「ゆく年」と「くる年」の違いを感じてもらえたら嬉しいです.


新しい年へ

画像生成AIは,表現の可能性を広げてくれるツールのひとつです.
しかし,その使い方や方向性を決めるのはやはり人間の側にあります.

今回の「イラスト DE ゆく年くる年」が,表現を考える楽しさや新しい年に向かって何かを作り始めるきっかけとして,少しでも伝われば幸いです.

本年も,メディア表現や制作の現場について,さまざまな形で発信していきたいと思います.

どうぞよろしくお願いいたします.


文責:菊池 司

2026年1月 2日 (金)

画像生成AIのメイキング全部見せます:イラスト DE ゆく年くる年(第2回/全3回)

2025年12月31日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.


蛇のイラストは、こうして生まれました
― 画像生成AIメイキング(ゆく年編)―

前回の記事では,年末年始の企画として制作した「イラスト DE ゆく年くる年」 の全体像を紹介しました.
今回はその続編として,「蛇」をモチーフにしたイラスト がどのような考え方のもとで制作されたのか,そのメイキングを簡単に紹介します.

1_20251229094101


「蛇」というモチーフの捉え方

蛇は,今年の干支です.
古くから,再生や循環,内省といった意味を持つ存在としてさまざまな文化の中で描かれてきました.

今回のイラストでは,干支としての分かりやすさよりも年末という時間が持つ「静けさ」や「振り返り」 をどのように表現できるかを意識しています.
派手さよりもどこか落ち着いた空気感や,見る人が立ち止まって眺めたくなるような雰囲気を大切にしました.


イメージを言葉にするところから始める

画像生成AIを使った制作では,まず 「どんなイメージを作りたいのか」 を言葉として整理するところから始まります.
今回の蛇のイラストでは,

・全体のトーンを抑えること
・視線や佇まいに物語性を持たせること
・爬虫類が苦手な人もいるので,蛇そのものが強く主張しすぎないこと

といった点を軸に,少しずつイメージを組み立てていきました.


調整の多くは「引き算」

制作の過程で意識したのは,要素を増やし続けることではなくどこまで削れるか という点です.
色数を抑える,情報量を整理する,主役以外の存在感を控えめにする.
そうした調整を重ねることで,画面全体の印象が落ち着き,結果として蛇の持つ緊張感や静けさがより伝わるようになります.


完成したイラストについて

完成した蛇のイラストは,すでに 東京工科大学メディア学部公式 Instagram に掲載しています.
完成したイラストはこちら

https://www.instagram.com/tut_media.official/p/DSzsufikYcW/?img_index=1

まずは完成したビジュアルを見ていただき,その上で「どんな考え方が背景にあるのか」を想像しながら,このメイキングを読んでいただければと思います.


表現は「試行錯誤の積み重ね」

画像生成AIは便利なツールですが,一度の操作で完成形が生まれるわけではありません.
イメージを言葉にし,結果を見て考え,また少し調整する——
その繰り返しの中で,表現は少しずつ形になります.

今回の蛇のイラストも,そうした 試行錯誤の積み重ね の中から生まれた一枚です.


次回は「馬」をモチーフにしたイラスト のメイキングを紹介します.
「くる年」を象徴する存在として,蛇とはまったく異なる発想で構成した作品です.

どうぞお楽しみに.


文責:菊池 司

2025年12月31日 (水)

画像生成AIのメイキング全部見せます:イラスト DE ゆく年くる年(第1回/全3回)

2025年12月29日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

年の瀬が近づくと,「今年もあっという間だったな」と感じる方も多いのではないでしょうか.
そして年が明ければ,また新しい一年が始まります.

そんな節目のタイミングに合わせて,今回は少し趣向を変えて「イラスト DE ゆく年くる年」 と題した制作を行ってみました.


蛇と馬で、年末年始を表現する

今回制作したのは,「蛇」と「馬」 をモチーフにした 2 枚のイラストです.

1_20251229094101  2_20251229094201

蛇は,今年の干支.そして馬は,次の年へと勢いよく駆け出していく存在として選びました.

これらのイラストは,すでに東京工科大学メディア学部公式 Instagram にも掲載しています.
https://www.instagram.com/tut_media.official/p/DSzsufikYcW/?img_index=1


まずは完成したビジュアルを見ていただいた上で,「どんな考え方で作られているのか?」を感じてもらえたら嬉しいです.


画像は「結果」,大事なのは「考え方」

今回の制作には,画像生成AI(Midjourney) を用いています.
ただし,出来上がった画像そのものよりも,実はその裏側――

・どんなイメージを言葉にしたのか
・どんな要素を足し,どこを削ったのか
・なぜその表現を選んだのか

といった 「考え方」や「組み立て方」 にこそ,メディア表現としての面白さがあります.


メイキングは,あえて3回に分けて紹介します

そこで今回は,制作のメイキングを3回に分けて紹介していくことにしました.

・本日(12月29日):企画の背景と全体像
・12月31日:蛇のイラストはどのように作られたのか
・1月2日:馬のイラストに込めた考え方と構成

それぞれ,「プロンプトをどう考えたのか」「画像生成AIとのやり取りをどう組み立てたのか」といった部分をできるだけ具体的に紹介する予定です.


表現を“作る”ということ

画像生成AIは,とても便利な道具です.
しかし,それを使って何を作るのか,どう見せるのかは結局のところ人間の側に委ねられています.
年末年始のちょっとした企画ではありますが,「表現を考えるプロセス」 そのものを楽しんでいただけたらと思います.

次回は,「蛇のイラスト」のメイキング を詳しく紹介します.

どうぞお楽しみに.

文責:菊池 司

2025年12月29日 (月)

★東京工科大学でメディア学を学ぼう!★2025年8/3オープンキャンパスレポート★その②(メディア学部藤崎実)

2025年8月12日 (火) 投稿者: メディア社会コース

みなさん、メディア学部の藤崎実です。

2025年8月3日(日)に、夏のオープンキャンパスが開催されました。
今回は、諸事情により蒲田キャンパスでの開催となりました。

当日は学部説明会はもちろん、体験講義、個別相談、東京ゲームショーに出展したゲームの体験コーナーなど、多くのイベントが開催されました。

このブログでは、学部説明会の様子をレポートしますね!
写真をたくさん掲載しますので、当日の雰囲気がよくわかると思います!

Photo_20250811141701

メディア学部の三上浩司学部長から、メディア学部についてのお話が始まりました!

Photo_20250811141702

まず東京工科大学が掲げる「AI University」のお話がありました!

Photo_20250811141801

Photo_20250811141802

Photo_20250811141902

Photo_20250811142101

多くの親子が熱心に耳を傾けてくださいました。ありがとうございます!

Photo_20250811141901

メディア学を学ぶことは、現代に必要なコミュニケーションを学ぶことです!

Photo_20250811141903

在学生も、みなさんの来場をお待ちしています!

Photo_20250811142001

11_20250811142101

オープンキャンパスでは、資料も豊富に用意していますので、いろいろ持ち帰ってくださいね。

#オープンキャンパス #東京工科大学 #メディア学部 #メディア #大学 #八王子 #TUT

★★
次回のオープンキャンパスも蒲田キャンパスにて、8/17(日)に開催します!
オープンキャンパスでは、実際に大学で学んでいる大学生たちから、直接いろいろなお話を聞ける点がメリットです。

少しでも興味のある人はぜひともお越しいただき、実際にご自身の目で見て、いろいろ体験してくださいね。

★お申込みは、こちらまで! 
★当日は2部制(午前コース10:00-12:30、午後コース13:00-15:30 )です
★8/17のプログラムはこちらです!

では、8/17(日)蒲田キャンパスでお待ちしています。
きっと、楽しい体験ができます!

(メディア学部 藤崎実)

2025年8月12日 (火)

6月15日(日)オープンキャンパス報告(4)

2025年7月28日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の栗原です。

少し間が空いてしまいましたが、本日は6月15日(日)に行われましたオープンキャンパスの報告をします。

この記事では片柳研究棟4Fのコンテンツ・テクノロジー・センター(CTC)および5Fのメディア・テクノロジー・センター(MTC)で行われた展示の紹介になります。

 

CTCではプロジェクト演習「インタラクティブ・ゲーム制作」および三上・栗原研究室の展示を行いました。

インタラクティブ・ゲーム制作のエリアでは3月のオープンキャンパスに引き続き、現3年生(当時2年生)が東京ゲームショウ2025への出展に向けて制作中のゲームを展示し、たくさんの来場者にゲームを遊んでいただだけでなく大変ありがたいコメントをいただけました。

出展時はまだまだ途中経過という感じでしたが、いただいたコメントも参考にしながら9月の東京ゲームショウ2025に向けて制作を進めております。

Img_20250615_103242

今年度制作中のゲームは以下のページにまとめてありますので、ぜひご覧ください。

http://mkmlab.net/TGS/2025/index.html

 

さらに、CTCではゲーム展示だけでなく、三上・栗原研究室の研究展示も行いました。

当日は学部4年生が卒業研究で取り組んでいるテーマについて、デモも交えながらプレゼンを行いました。

実のところ普段は研究展示に比べるとゲーム展示の方が賑わっているのですが、ゲーム展示に負けないくらいの盛況でした。

テーマはゲームデザインやインタフェース開発、CGと幅広く、たくさんの方に興味を持っていただきこちらも多くのコメントをいただくことができました。

Img_20250615_103249

4年生は学会発表や卒業研究の最終発表に向けて研究を続けていきます。

 

続いて、5FのMTCでは伊藤彰教先生と学生による先端サウンドクリエイションというテーマの展示がありました。

音楽や音響制作、サウンドデザインについて複数のデモを用いて紹介されており、こちらも盛況でした。

Img_20250615_104149

 

今回の報告は以上になります。

猛暑が続きますがみなさまお身体にお気をつけください。

2025年7月28日 (月)

【学部長Blog005】(報告編)「ベストティーチャー賞」受賞

2025年7月 6日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース


メディア学部長の三上です.
ありがたいことに,先日「ベストティーチャー賞」を受賞しました.
これは全学で実施している,学生による「授業評価アンケート」で,「学生が授業に意欲的に取り組んだか?」,「自分にとって有意義だったか?」,「質疑応答やつまづきに対する対応が充実していたか?」などの点を加重平均して上位の授業を表彰する制度です.
2024年度の授業を対象に評価して,よく2025年に決定,表彰となりました.
履修者80人以下の授業とそれ以上の授業に部門を分けて表彰しています.
2025besttbt2025_800_20250706103401
授賞式の様子

受賞対象となった授業は「ゲーム学入門」という名前の授業で,対象となった2024年にカリキュラム改定により初開講した1年生向けの授業です.
授業準備がギリギリになって,月曜2限の授業なので,毎週土日に慌てて仕上げる感じでした.
いわゆる「ゲーム研究」と「ゲームデザイン」を組み合わせて導入的に1Q(7週)だけで実施するという授業で,「ゲーム研究」は吉田寛先生や小林信重先生の著書を参考書として,ゲームの分析やクリティカルシンキングを早期に実感し,「ゲームデザイン」はカイヨワやホイジンガの遊びに関する研究やMDAフレームワークなどから作成した独自のワークシートから段階的に企画を考えてA4用紙一枚程度にまとめる「ペラコン」をやる感じの授業です.
1年生の月曜2限ということで,大学に入学してすぐの学生なので,とにかく「ユーザー」から「開発者」,「研究者」,「ビジネスパーソン」の視点に切り替えられるようにしたいのと,「答えが一つではない問い」に臨む姿勢や「クリティカルシンキング」を早いうちに身近な題材で体験してもらい,メディア学部生としての土台を作るような授業にしようと設計しました.もともと最初のオリエンテーションが重要と考えていたので機会があればやりたかったので,忙しいのにわざわざ負担を増やしてでも実施したかった授業でした.

ふたを開けたら昨年度は260人が履修(今年は282人)していて,選択授業なのにメディア学部1年生の90~95%が受講する授業になりました.毎回小グループでやってきた課題のディスカッションなどもするのですが,議論に参加できない学生を出さない工夫が必要でした.もともと1年生なのでまだ知り合いが少ないので,近くにいる人と知り合いたい意欲も手伝って,意外とグループが出来るのと,この段階なら一人でいる学生にも「こっちおいで」と呼んであげると意外と素直にグループに交じって話が始まります.
また,全員議論ができるように,あらかじめ提出させた答えがひとつではない課題(ある意味何を提出しても間違いではない)を報告し合って議論させると,心理的安全性が比較的確保出来て議論できるかなとか考えて設計しました.
「ペラコン」は授業の最終回に提出のあった全258作品すべてを匿名で公表&講評しました.もともと本家CEDECのペラコンは「15秒で企画の良さが審査できるようなシートを!」と募集していますし審査員の皆様にもそのように審査をお願いしている手前,私も15秒(とは言いませんが)で企画の良いところとどこ頑張るともっとよくなるかを,矢継ぎ早にコメントする回をやりました.最終課題のフィードバックをインタラクティブに260人分やるのはさすがに聞いたことがありませんが何とかへとへとになりながら乗り越えました.
(実は最終週の時点ではすでに授業アンケートは提出済なんで,評価には影響しないのですが・・・)


これをきっかけに,ゲームに限らず多くのものに,学生が興味を持って自発的に大学の学びを実践してくれればありがたいです.

2025年7月 6日 (日)

【2024年度後期「音楽入門 I」での作曲(3)】演奏動画

2025年6月27日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

シリーズ最終回となる今回は、前回記事で予告した演奏動画をご紹介します。
(※Esの音名表記の一部がレ♯になっているのは、その部分の調性と和音構成音を考慮してのものです)

【演奏動画】『Flow』(2024年度「音楽入門」制作曲)

いつものように、曲名は授業内で演奏を聴いた学生に考えてもらい、158人から寄せられたタイトル案から私が選びました。

タイトルの考案者によると、「フレーズや響きの変化が緩やかに上下しているように感じ、そこから『流れるような曲=流れ(Flow)』をイメージした」とのことです。このコメント通り、低音や内声の随所に半音階的な動きが散りばめられています。

2024年度の後期は新旧カリキュラムの移行に伴い、「音楽入門」とともに2年次生の「音楽創作論」も同時開講となりました。「音楽創作論」で作った曲も、またの機会(2026年2月予定)に当ブログでご紹介しましょう。お楽しみに。

(メディア学部 伊藤謙一郎)

2025年6月27日 (金)

【2024年度後期「音楽入門 I」での作曲(2)】メロディづくり

2025年6月25日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

本日は、前回ご紹介した2つの音列から作ったメロディをご覧いただきましょう。

【音列①】によるメロディは、「イントロ」「サビ」「エンディング」に現れます。


【イントロ】(冒頭)
1_20250624091601

【イントロ】(結尾)
2_20250624092101


【サビ】(冒頭)
3_20250624092901


【エンディング】(結尾)
4_20250624093201


イントロとサビに置かれたメロディは3つとも同じリズム(ただし、イントロ冒頭のメロディは休符を含む)ですが、それぞれ異なるハーモニーがつけられていることがおわかりいただけたと思います。

【音列②】によるメロディは、「Aメロ」と「エンディング」に現れます。


【Aメロ】(冒頭)
1_20250624164001

【エンディング】(冒頭)
2_20250624170701


このメロディは、音列の5〜10番目の音を部分的に変化させて反復したフレーズ(水色で示した音符)と組み合わせて作られています。先ほどのメロディと同様、こちらもセクションによってハーモニーを変えており、それぞれのニュアンスの違いが感じ取れるでしょう。また、エンディングでは、テンポを遅くすることで曲調のコントラストをより際立たせています。

曲の全体構成は、「イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→エンディング」というシンプルなもので、Bメロ以外のセクションで「音列①」「音列②」のいずれかが使われています。

最終回の次回は、完成した楽曲をお聴きいただきましょう。

(メディア学部 伊藤謙一郎)

2025年6月25日 (水)

【2024年度後期「音楽入門 I」での作曲(1)】お題となった音列

2025年6月23日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

昨年度(2024年度)から新カリキュラムとなり、私が担当している1年次科目「音楽入門」も「音楽入門 I」「音楽入門 II」の2つに分かれ、7回ずつの開講となりました。

毎年この科目では履修生の名前をもとに曲を作ってきましたが、音名について触れる「音楽入門 I」の期間では時間的に難しいと考え、新カリキュラムになってからは曲を作らない予定でした。ところが勢いで「曲を作るね!」と授業中に口走ってしまい(苦笑)、例年同様「お題作曲」に取り組むことに・・・。

今週のBlogは、2024年度後期開講の「音楽入門 I」で私が作った曲を3回シリーズでご紹介します。

今回の授業では、162名の名前による音列に151名が投票(複数選択可)した結果、得票数が多かった次の2つの音列が選ばれました。


2024-i_1


2024-i_2



どちらも音数が多く、繰り返される音や似た動きがあるので、ここからそれぞれ異なる印象のメロディを作るには工夫が必要ですね。

次回は、音列をもとに作ったメロディの楽譜をお見せします。

(メディア学部 伊藤謙一郎)

2025年6月23日 (月)

生成AIは音楽をどこまで作れるのか? ー 伊藤謙一郎先生に聞く、Suno AIの実力とは

2025年6月11日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の藤澤です。普段は、機械学習の様々な応用について研究をしていますが、今回は音楽生成AIの話です。私自身は音楽からは縁遠い生活なのですが、昨今の生成AIを用いた楽曲生成を使ってみて、素人目には非常に素晴らしいものができていました。これが専門家から見るとどうなるのかを知りたくなり、同じメディア学部で作曲を専門とする伊藤謙一郎先生にお話を伺いました。

 


 

近年、生成AIの進化が目覚ましく、文章生成AIや画像生成AIをはじめ、さまざまな分野でその活用が進んでいます。中でも、ここ1年ほどで急速に注目を集めているのが音楽生成AIです。Suno AIやUdio AIといったサービスの登場により、誰でも簡単に楽曲を生成できる時代が到来しつつあります。

音楽生成AIとは?

音楽生成AIとは、人工知能を用いて楽曲を自動で作成する技術です。与えられたテキストやスタイル、ジャンルなどの条件に基づき、メロディ、和音、リズム、さらには歌詞や音声までも自動的に生成することが可能です。従来、音楽制作には専門知識と時間を要しましたが、これらのAIによって、より多くの人が音楽制作にアクセスできるようになってきました。

 


 

伊藤先生が見たSuno AIの実力

伊藤先生ご自身は、現在のところSuno AIなどの音楽生成AIを積極的に使用しているわけではありません。しかし、学生が話題にすることも多く、実際に生成された楽曲を耳にする機会は増えているそうです。

その上で、Suno AIの技術的完成度について、以下のような評価をされていました。

 

 

 

  • ジャンルに合わせた作曲が秀逸
    単に指定された楽器を使うだけでなく、スタイルに即した曲調や構成が的確に模倣されている。

  • 作詞の精度も高い
    適切な韻を踏んでおり、自然なリリックとして成立している。

  • リズム感のある裏打ち
    曲中に効果的な裏打ち(バックビート)が挿入されており、音楽的にも説得力がある。

  • 歌詞と旋律の整合性
    単語を1音に凝縮したり、語尾を引き伸ばすなど、メロディに合わせた処理が自然で、感情表現も豊かである。

  • 音質の向上
    バージョンを重ねるごとにミックスや音質が向上しており、商用レベルに近づいている印象がある。

 


 

人間とAIの創作の関係

伊藤先生は、Suno AIのようなツールが「音楽制作を身近にする」という点で大きな可能性を感じつつも、今後の創作活動における人間の役割についても慎重な考察が必要だと語ります。

「AIが生み出す音楽は確かに魅力的です。ただ、創作の本質には“なぜそれを作るのか”という意図が必要です。AIが補完できる部分と、人間にしか担えない部分の境界を、今まさに私たちは探っているのだと思います。」

また伊藤先生は、AIが作った音楽には、明確な違和感とまでは言えないものの、「人が作ったものとは異なる何か」を感じることがあるとおっしゃっています。この話題から、画像生成AIの分野でも見られたように、今後は人間の作曲家がAIのスタイルに寄せて作るという現象が起きる可能性についての話もあがりました。そうなると、「人が作ったもの」と「AIが作ったもの」の境目は次第に曖昧になっていくのかもしれません。

 


 

おわりに

音楽生成AIは、テクノロジーの力で音楽表現の地平を押し広げようとしています。Suno AIはその最前線にある存在であり、メディア学部としてもこの分野の動向を注視していく価値があるでしょう。

 

2025年6月11日 (水)

より以前の記事一覧