卒業生向け

メタバースの中の音をメタバースの外で聴くために

2023年10月25日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

こんにちは。伊藤彰教です。

VTuberをはじめとして、バーチャル空間内での音楽ライブ配信や声優トークイベントを楽しんでいる方も多くなってきたかと思います。現実空間では未成年だと入れない「クラブ」をVR空間内に作成し、自宅などから安全に音楽を楽しめる空間として、VRchatなどで盛んに制作が試されるようになりました。

当たり前すぎて見過ごされがちですが、こうした音楽や声を楽しむ仮想空間の構築に「音」の存在は欠かせません。音はどうやって仮想空間内に配置し、どのような形で視聴者にお届けすればよいのでしょうか。

ここで、現実空間においての音楽やトークイベントについておさらいをしてみます。

Sound Reinforcement (サウンド・リインフォースメント, SR)は、一般の方から「PA」と呼ばれている作業の専門用語です。イベント会場に巨大な、あるいは多数のスピーカを配置して、マイクや楽器の音量・音質のバランスを調整して、会場に適切な音を届ける仕事です。よく音楽のライブ会場で、観客席のまんなかあたりに機材がたくさん並んでいて、なにやら難しそうな操作をしている方々を見かけると思います。これらの方々のお仕事としては、当日の仕事だけではなく、何か月も前から会場の音響を計算してシステム設計を行い、限られた時間で説明・サウンドチェック・リハーサルをこなします。当日はステージ上の演奏家・実演家とともに「リアルタイムで同じステージを完成させる」ことになりますので、実演家としての素養も必要となります。

SRの責任者は、実演時間はFOHと呼ばれる場所にいて、時々刻々変化する音に対応する操作をします。FOHはFront of House(フロント・オブ・ハウス)の略で、たいていは観客席の中のどこかに陣取ります。こちらは、お客さまの位置から「いま、どんな音がしているのか。調整するとしたらどの音をどのように変化させるか。」を常にチェックするお仕事なので、ファンが音楽に没頭して楽しむのとはまた別の、冷静な判断力が要求されます。

バーチャル空間が「空間」である以上、ライブ空間・トークイベント空間もまた、仮想空間内でのSR、つまり音の調整が必要であるのは自明でしょう。ここで音響制作者としては、いろいろと考え込んでしまいます。

  • 仮想空間内でのFOHってどうすればいいんだ?
  • どこからなにを聴くことで音を調整すればいいんだ?
  • 仮想空間内での聞こえ方をチェックするのは仮想空間外なのだが果たしてそんなシステムがあるのか?

などなどです。

こうした問題を一気に解決するのはまだまだ先になりそうですが、誰かが少しずつ課題を小分けにして、できることから取り組まなければいつまでたっても先にに進みません。伊藤彰教としては、このような課題に取り組むのも、サウンドデザイン研究・オーディオエンジニアリング研究のひとつだと考えています。

exSDプロジェクト所属の大学院生である村上輝さんは、コロナ禍真っただ中の学部生時代からネット配信のシステム構築や番組制作などを多数経験し、大学院生になった現在ではその経験からネット配信企業のインターンにも積極的に参加して、現場経験も深めてきました。その彼が行きついた課題は「バーチャル空間内に多数存在する音源のバランス制御などをするためには、まずそれらの音をバラバラに、現実世界でモニタリングできないと話が始まらない」という点でした。

この課題にアプローチするため、通常の音響機器やアプリだけではなく、メディアアートのためのツールを応用するなど大学らしい先端的な発想と実装力を元に、音声モニタリングツールを開発し、東京ゲームショウ2023の出展に関わる様々な配信でテストを重ねました。ここでえられた知見をもとに日本デジタルゲーム学会2023年夏季研究大会にて研究成果を発表しました。おりしも特集テーマが「eSports」とのこともあり、ゲーム本体・プレイヤーのほかに、eSportsを支える重要な要素のひとつである「ゲームの試合イベントを配信する」という業務の観点から、しかも音の研究ということで注目を集めました。

この研究で、指導する側としても若者らしい興味深い点だと感心したのは、いわゆる「正確な物理シミュレーションだけでは、お客さまは満足しないだろう」という発想を研究に盛り込んでいることです。リアルイベントの会場に足を運んだ時は、様々なブースから漏れ聞こえてくる全体的なざわめきが「ああ、イベントに来たんだなぁ…」という実感を醸し出します。一方で、あるブースでイベントが行われた際には、お客さまは「意図的に他からの音を意識から排除し、お目当てのイベントの音をなんとか拾おうとする」という主観的な聴き方をしてしまう点も考慮して、研究を進めているようです。

また、ディジタルテクノロジーによる仮想空間では、FOHは必ずしも客席のどまんなかに設置する必要はなく、必要に応じて自在に配置できますし、音の大きさも必ずしも距離減衰の公式に当てはめる必要はなく「心情的・主観的に特定の音を選別して聴いている」ような、いわば「演出音響空間」を構築できるのがメリットです。これらをモニタリングするためのシステムとして、発展が期待されます。

メタバース、デジタル・ツインなど、今後も仮想空間での新たなメディア・コンテンツ・イベントが生み出され続けるが予想されます。現実空間だけではなく、仮想空間でも、実演家と視聴者を上手に結び付けられる「メディア」としてのサウンドデザインを担ってくれる、そんな若手研究者がメディア学部・メディアサイエンス専攻(大学院)に在籍していることを、頼もしく、心強く思います。

(画像はVTuberのトークイベントを想定したライブ配信番組の様子です)

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2023年10月25日 (水)

AES学生支部活動へのメディア学部生の取り組み

2023年10月23日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

こんにちは。伊藤彰教です。

今日はAES(オーディオ・エンジニアリング・ソサエティー)という団体と、メディア学部の学生さんの活動についてご紹介したいと思います。

Audio Engineering Societyは、レコーディング、ミキシング、SR(サウンド・リインフォースメント:一般にはPAなどと呼ばれます)など音響制作を行う制作者や、音響機器・ソフトウエア開発などを行う産業界の方々と、音響工学や知覚研究を行う大学や研究所の方々が集う国際的な組織です。本部はニューヨークにあり、2023年の今年で設立75周年とのことです。

グローバルに広がる組織なので、地域や国でローカルチャプター(支部)があり、AES日本支部は世界的にみても活動が盛んな支部として知られています。社会人向けにも多数、世界の音響テクノロジーに関する最先端の潮流や、基礎音響を学ぶセミナーなどを開催しており、近年ではゲームオーディオへの取り組みなども広く紹介しています。これらのセミナーには、音響業界を志す大学生、専門学校生なども多く参加しています。

さらに日本支部の下部組織として、AES日本学生支部があります。こちらは学生主体で年に1回の研究・制作発表会と社会人との交流会を実施しています。こちらは昨年2022年のフォーラム開催の様子です。学校教員や社会人はあくまでサポートにまわり、熱心な学生さんが主体となって自主的に運営されています。

メディア学部としては長いこと、あまりご縁がありませんでしたが、コロナ禍真っ只中の2020年から本格的に発表を行う機会を得ることとなり、オンライン発表という不利な状況のなか、立体音響制作について様々なメディア・テクノロジーを駆使しながら上手に発表していました。メディア学部らしく、ゲームにおける立体音響制作の試みについても2021年に発表をしていますこうしてここ数年で、メディア学部の学生さんたちにとってご縁が深くなってきたAESですが、昨年度から学生支部の運営にも関わるようになり、メディア学部に在籍することで単に音響技術を学ぶだけでなく、他大学の学生さん達と関わることでの社会性も深められる機会をもてるようになりました。

こうした中、2023年の今年、AES日本支部が設立70周年ということもあり、都内某所で記念パーティーが開かれることになりました。幸いなことに学生さんも出席歓迎ということで、本学のみならず、多数の大学や専門学校の学生さんたちもあつまり、賑やかな交流の場となりました。

教員であるわたし自身も、ご縁が深くなったのはコロナ禍以降だったので、他校の学生さんの様子はまったくうかがい知ることができなかったのですが、それは学生さんも同じことだったようです。若い世代が、地域や学校を超えて音について楽しげに語らう時間は本当に見ていても微笑ましく、学生さんたちにもよい刺激になったようです。他大学の先生方からは「東京工科大学さんは、本当に多くの学生さんが会員として活動していて、いまや一大勢力ですね」と称されるほど、音響制作について取り組む大学として知っていただけたようです。

パーティーでは、学生支部企画の「学校紹介ショートプレゼン」が催され、東京工科大学からはメディア学部exSDプロジェクト(伊藤彰教研究室)3年の三浦海響さんが、メディア学部の音楽・音響の研究や演習の紹介を立派につとめていました。特にメディア学部の立体音響制作への取り組みは、出席していた産業界の方々にも注目していただき、学生さんと企業の方との出会いを円滑にしてくれました。現状ではあまり具体的なことは書けませんが、企業の方からのお誘いで、学内ではなかなかできない貴重な体験の機会をいただく学生さんも増えたようです。

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最新情報では、どうやら2023年(今年)の学生・若手フォーラムは11月下旬に開催されるとのこと。会場はどこなのか、どのような発表企画を行うのか…。学生さんのさらなる自主的な取り組みについて、教員としても楽しみにしながら、頼もしい学生主体の活動を見守っていこうと思います。

2023年10月23日 (月)

TGS2023で実施されたe-sports大会で本学サークルが優勝

2023年10月 6日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部の兼松です.

9月21日〜24日に幕張メッセで東京ゲームショウ2023が開催されました.
同イベントのPICOブースで24日に開催された「X8 University Invitational Tournament」の決勝トーナメントに,本学のe-sportsサークルである「A2Z」が出場.見事優勝しました!

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この決勝トーナメントは,10チームの中から予選トーナメントを勝ち抜いた4チームが出場.A2ZのメンバーはVRゲーム自体初プレイのメンバーがほとんどだったそうですが,提供していただいたデバイスを用いて1か月前くらいから練習を始めたそうです.

今回出場したメンバーは監督役含め下記の6名です.

メンバー

工学部4年 釘宮瑞樹
メディア学部1年 Pas
メディア学部2年 Tatry_TRTR
応用生物学部3年 Fancker5.5
コンピュータサイエンス学部1年 ぺぺ

監督役、チーム付き添い
コンピュータサイエンス学部3年 エグゼ

A2Zからのメッセージ
今回の大会の優勝に際し、関わってくださった全ての人に感謝いたします!そして応援のほどありがとうございました!
e-sportsサークルA2Zでは、様々なタイトルでの大会参加、学年や学部の垣根を超えたe-sportsを通しての交流など学生生活を充実させる場を提供しています!
ゲームが好きな人やゲーム初心者でも楽しめるサークルですので、気になった方はぜひご連絡ください!

A2Z公式X/Twitter
https://twitter.com/EsportsA2Z

(文責:兼松祥央)

2023年10月 6日 (金)

インディーゲームの祭典「Bitsumiit」

2023年7月15日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です

7月14日から16日にかけて,インディゲームの祭典「Bitsummit」が京都で開催されました.世界中から多くの開発者が集まり大変なおモア釣りになっていました.

インディーゲームの定義は諸説あってたまにSNSで論戦になることもありますし呼び方も,「インディーゲーム」,「イン ディーズゲーム」,「インディーズ」,「インディ」など,同じイベントでもちょっと表現が違っていたりするので,ここではあまり気にしないでおきたいと思います.

私が足を運ぶ目的は,国内外の先鋭的なゲーム開発者が,実験的で挑戦的で個性的なゲームをたくさん持ってきてくれること.そしてそれらの中でも,まだリリースの予定すらないゲームにいち早く触れることができることです.大規模な予算をかけるパブリッシャーのゲームでは成立しえない挑戦の数々を体験できるのが何よりの刺激です.

今回もたくさん刺激を受けてきました.その中でも,コントローラを手に取るとそのゲームの世界に引き込まれ自然と操作方法に慣れてプレイができてしまうゲームが多いことが素晴らしいと思いました.それなりにルールが複雑なアクションゲームであっても,すんなりとゲームの世界には入れて,5分もすればそのゲームの楽しさに気づき,もっと遊んでいたいと思える感覚になることができます.

これは現在東京ゲームショウ向けのゲームを作っている学生たちにもいつも指導していることでもあります.

個別のゲームをここで紹介するのは大変なので,Twitterのほうでつぶやいた情報をぜひ見てください.

P.S
今年のBitsummitは祇園祭と重なっていたため,京都は大変な混雑になっておりました.連日の猛暑も手伝って大変過酷な夏の旅となりましたw.

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2023年7月15日 (土)

コンテンツ関連の国際連携

2023年7月12日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

メディア学部が「メディア学」の元祖という話は,よく学部紹介などでもされると思います.同じようにメディア学部は「ゲーム開発者育成」でも元祖ですし,コンテンツ制作にかかわる教育と研究でも,設立時から多くの実績を積んできました.

アニメや,ゲーム,CG,漫画といった分野は,日本を代表するPOPカルチャーとして認識されていて,国際会議(SIGGRAPHやDiGRAなど)や国際的なイベント(東京ゲームショウ,Anime Japanなど)での研究成果の発表や国際的なイベントの開催(Global Game Jamなど)などを通じてメディア学部のことを知ってもらい,海外の大学から提携の希望などが多くありました.

実際,海外の大学と提携するのは非常に時間のかかる大変な仕事なのですが,つたない英語でコミュニケーションしながら多くの大学と提携をし,コロナ禍でも対面,オンラインと様々な形で交流してきました.

海外の大学との三上研究室他,コンテンツやゲーム系のプロジェクトに限定してでも,2022年から2023の一年間にこれだけあります.

(1)海外の研究生受入れ
・Upsala大学(スウェーデン)※単位互換制度もアリ
・ISART Digital(フランス)
・Harz大学(ドイツ)
・キングモンクット工科大学トンブリ校(タイ)
・シラパコーン大学(タイ)

(2)サバティカル教員受入れ
・Skovde大学(スウェーデン)※Henrik先生

(3)海外へのメディア学部生,教員参加プログラム
・シレジア大学(ポーランド)他GAME LAB加盟校とのプロジェクト(ポーランド,チェコで開催)
・シラパコーン大学(タイ)

(4)海外との遠隔共同制作プロジェクト
・吉林動画学院(中国)※International Game Jam
・Harz大学(ドイツ)※International Game Project

海外の研究生は,ともに卒業研究や大学院のゼミに参加をするので,自然と多様なコンテンツに対する文化的な違いなどを理解する機会になりますし,日常的に英語でのコミュニケーションの場が産まれます.サバティカルの先生はその分野で先進する先生が来訪することが多く(Henrik先生は産学連携でも著名なSweden Game Arenaの中心的な人物)大変多くの学びを学生や教員たちに与えてくれます.

このほか,三上がキングモンクット工科大学トンブリ校(タイ)のゲームUIやUXの講義(前15回,英語)を担当したり,海外の大学とのコラボレーションはもはや日常的に行われていたりします.

メディア学部に来ると,ちょっと手を伸ばすとゲームやコンテンツを題材に国際交流ができます.ぜひ,世界に名だたるコンテンツ開発者育成に興味を持ったら東京工科大学へ.

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2018年に東京工科大学で開催したISART Digitalの学生とのGame Jamの様子

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2020年のGlobal Game Jamの様子

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2022年のGAME LABプロジェクトのチェコでのイベントの様子

2023年7月12日 (水)

今年も出展します東京ゲームショウ,出展作品のプロトタイプがオープンキャンパスで体験できます

2023年7月10日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

今年も暑い季節がやってきました(まだ梅雨明けていませんが・・・).

暑くなってくるとやってくるのはオープンキャンパスと東京ゲームショウ.昨年に引き続き現地でのリアル出展がかないましたので,学生たちが鋭意制作中です.

出展に際しては,ゲームの開発はもちろん,ブースでゲーム作品を紹介するためのポスターやパネル,プロモーションビデオからWebコンテンツなど,ありとあらゆる販促物の制作もあります.東京工科大学では,これらの規格から制作,プロモーションまでを学生チーム主体で進めていくのが特徴です.

プロジェクト演習インタラクティブ・ゲーム制作には,ゲーム制作に必要な要素技術を学ぶための授業と,そのスキルを終結させてゲームを企画,開発,プロモーションする演習が用意されています.開発のための時間はいくらあっても足りませんが,決められたスケジュールに対して,納得のいくものをチームで作り上げていく過程で,学生にはなかなか身につきにくい,作業スピードの把握や向上,チェックや承認のプロセスといったものも学べます.

学生チームのSNSなどもありますのでぜひ,フォローをお願いします.


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私の手元には,開発のマイルストーン(チェックするタイミング)の時には,山のように素材が積み上がりますが,毎回チェックするたびに改善されていく姿をリアルに見ることができ,学生たちの成長を感じられます.

前回6月18日(日)のオープンキャンパスでも展示しましたが,7月23日(日)のオープンキャンパスでも,さらに進化した形で展示し,来場者に試遊してもらえるようにしています.

実際に,初めてそのゲームに触れたユーザーが,ゲームの世界やルールを理解して楽しんでもらえるか?
これを実現することや,うまくいっていないことを知ること,その理由を探ることは大変重要な学びです.毎年オープンキャンパスでの展示をロケーションテスト(ロケテ)に見立てて,進化していくゲームの様子や,リアルな学生の苦労や努力を知ってもらえたらと思います.

ご来場,お待ちしております!

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6月のOCの様子

 

文責:三上浩司

2023年7月10日 (月)

これから研究成果や授業課題のプレゼンテーションを控えている皆さんへ

2023年6月 2日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

6月に入り,セメスター制の大学では前期も折り返しを迎えている時期になりました.
また,現在日本ではいろいろな学術分野の学会が開催される「春の学会シーズン」を迎えています.
「秋の学会シーズン」に向けてのエントリーも始まっていますね.

前期の授業課題の中間発表はもちろん,今後最終発表であったり,学会での研究発表を控えている学生の皆さんもたくさんいるのではないでしょうか?

そんな若い皆さんに,私の学生時代の「最大の失敗談」を読んでもらって,勇気をもらってほしいと思います(笑).
私の最大の失敗談は,こちらからどうぞ.

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(撮影:2015年)

人間誰でも,必ず失敗談のひとつやふたつはあるものです.
失敗を恐れることなく,しかしながらしっかりと自分が納得できるまでの「120%」の準備をして,プレゼンテーションという「晴れ舞台」に臨みましょう!!!

皆さん,がんばってください!!!

2023年6月 2日 (金)

ISARTデジタルからの研究生の中間報告会

2023年4月21日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

3月は節目の月で,研究生たちも研究期間を満了し帰国したり就職したりする時期になります.

コロナ禍でしばらく日本に留学に来る学生たちも減少していましたが,2022年に入ってからはだいぶ活発になってきており,メディア学部には多くの大学から研究生が来訪するようになりました.(おかげで私の研究室のゼミはマルチリンガル状態です)

その中でもフランスのISART Digitalからは,2021年度に来訪できなかった学生も併せて,12名が滞在していました.

そのうち2名は研究期間を終え,一人は日本国内のゲーム会社に就職,もう一人は帰国ということになりました.

そこで,2名の研究成果最終発表と,6名の学生の中間発表,今年に入ってから参加した4名の学生のイントロダクションを兼ねてイベントを開催しました.

ISART Digitalはディジタルコンテンツにかかわるフランスの総合的な教育機関で,分野もゲームやCGの技術的な領域から,2Dや3Dのアーティスト的な領域までかなり広い領域をカバーしています.

日本ではメディア学部の教員がそれぞれの専門分野に適した学生たちのスーパーバイザーとして,日々の研究指導をしてきました.これまでに,大淵先生,太田先生,渡辺先生,安原先生,伊藤彰教先生,川島先生にご協力いただき,多様な学生との交流を図ることができました.

まだ日本に滞在する10名にはこれからたくさんのことを経験してもらい,研究成果を学会などで報告してもらいたいと思います.

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発表会の様子

2023年4月21日 (金)

4年ぶりの対面開催三鷹インディーズアニメフェスタ

2023年4月19日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

春の学会シーズンが始まり,スケジュールがひっきりなしになっての来ましたが,奇跡的にも日程の調整ができて,学会と学会の合間に海外出張とアニメイベントまで実施できてしまいました.

COVID-19がすこし落ち着いてきて,日本に入国する際の規制も緩和されてきたので,海外出張も出やすくなって来ました.
とはいえ,こんなスケジュールで行動するのに大事なのは体力ですよね.

さて,今回はその中でも4年ぶりに対面開催ができた「三鷹インディーズアニメフェスタ」について紹介します.

このイベントは,三鷹市とNPO法人が中心となって企画,開催してきたイベントで,当初からメディア学部の学生がNPO法人のスタッフとして中心的に活動してきました.

従来はホールに集まり,大画面での上映,登壇して作品の紹介と審査員からの講評など,作者にとっても晴れの場でありましたが,COVID-19の影響で,しばらくは遠隔などで実施してきました.

今年は,4年ぶりに三鷹芸術文化センターにて,人数は少し限定しましたが,観衆も入れて開催することができました.

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やはり,大画面で作品を上映し,観客の反応をダイレクトに受け取り,さらに自分の作品の思いを伝える場というのは,コンテンツを制作する人にとっては重要な機会だなというのを改めて感じました.

メディア学部の学生も,ぜひ自分の作品を制作したらいろいろな場所で発表してフィードバックを得るといいと思います.コンテストのほか,学生団体や個人が参加できる展示会もあります.

このような場を企業の人たちやプロもチェックしているので,就職につながることが大いにあります.

2023年4月19日 (水)

ライトノベルにおける好感度変化をヒロインの性格・特徴ごとに統計調査

2023年3月19日 (日) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア技術コースの松吉です。昨日に続き、本日も私がブログ記事を書きます。

 

2023年3月6日に開催された映像表現・芸術科学フォーラム2023という研究発表会で松吉研究室から発表したもう一つの研究について紹介します。卒研生の塚田さんが以下の研究タイトルで外部発表してくれました。

 

塚田さんの研究テーマは、ライトノベルにおける好感度変化をヒロインの性格・特徴ごとに調査することです。ライトノベルに限らず、主人公とヒロインが登場する作品では、ストーリーが進むにつれ、主人公に対するヒロインの好感度が変化します。既存の人気ライトノベル15作品に登場するヒロインを時間をかけて人手で分析し、ヒロインの性格・特徴ごとに、時系列に沿った好感度変化を統計分析しました。作品全体を対象にすることは研究時間の都合上できませんでしたので、今回は文化祭に絞って研究調査を行いました。

 

この調査結果を見やすく表示するためのシステムも開発しました。このシステムはブラウザー上で動作します。システムのスナップショットを以下に示します。(クリックで大きい画像が表示されます。)

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今回扱ったヒロインの性格・特徴は26種類です。この性格・特徴ごとに分析結果を確認することができます。ブラウザー上部の性格・特徴の単語をマウスでクリックするだけで、分析結果が左上に表示されます。単独の性格・特徴だけでなく、「おとなしい」かつ「やさしい」のような組み合わせでも分析結果を見ることができます。ブラウザー内の領域は横に3つに分かれていますので、3ヒロインの結果を横に並べて確認することができます。このような比較ができるのは実用上便利です。

 

分析結果はヒートマップで可視化されています。ヒートマップの一番上がストーリーの冒頭であり、ヒートマップの一番下がストーリーの結末です。色の濃さを使って、上から順に時系列に沿った好感度変化を可視化しています。赤系列は「好感度上昇」のヒートマップです。赤が濃い所は「好感度上昇」イベントが起きやすかったことを表します。その右の青系列は「好感度下降」のヒートマップです。青が濃い所は「好感度下降」イベントが起きやすかったことを表します。15作品に登場する47人のヒロインを調査することにより、このようなヒートマップを作りました。

 

分析結果のヒートマップは、ライトノベルの制作支援につながると考えています。例えば、登場するヒロインの性格・特徴を決めた後、ヒートマップの色が濃い所に好感度上昇・下降イベントを配置すれば、誰でも手軽に物語のプロットを制作することができます。マンネリのストーリーを避けるために、色が薄い所にわざとイベントを配置するという使い方もできます。

 

松吉研究室に限らず、作品のストーリーについて統計分析を行っている研究室は本学メディア学部に多いです。ストーリー分析に興味がある方はぜひメディア学部の各研究室の研究活動を調べてみてください。

(文責: 松吉俊)

 

2023年3月19日 (日)

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