卒業生向け

東京ゲームショウ2022展示に向けて開発中のゲームが初お披露目

2022年6月 9日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

今週の日曜日(6月12日)のオープンキャンパスで,東京ゲームショウ2022に向けて学生が開発中のゲームの展示を行います.ここ2年はオンラインでのOCのため,メタバースを制作してのバーチャル展示が続いていましたので,久しぶりのリアル展示となります.

リアル展示となると,PCや展示筐体の準備や誘導など,いろいろと注意することが増えるうえに,COVID-19への感染対策もあり大変なのですが,制作したゲームを多くの人に遊んでもらいたいという学生たちの情熱は,その大変さをはるかに上回るようです.

今年は6チームがTGS出展に向けて開発を続けています.

オープンキャンパスはしばらくは人数制限下での実施ではありますが,ぜひに間さんお越しいただければ幸いです.

来場できない皆様には,各チームのTwitterをご紹介します.ぜひフォローしていただき開発途中の様子なども見ていただければと思います.

ピノストラグル」(ツタを利用したアクションゲーム)

マテルのヘンゲ」(形態変化を活用したアクションゲーム)

Modicter」(文字をモチーフにした謎解きアクション)

HUGE HAND HERO」(ジャイロを利用したハンドアクションゲーム)

サイコロ輪廻」(サイコロをモチーフにしたパズルアクション)

もうひとチームは今回は出展見送り(ちょっと出遅れているので・・・)

 

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こちらは最後にリアル出展したTGS2019のブース設営の様子です.

2022年6月 9日 (木)

メタバースに関する国際会議での講演準備で気が付いたこと

2022年6月 8日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

2022年5月15日にオンラインで,BIDC(Bangkok International Digital Content Festival)というタイの国際会議にてメタバースに関する講演をしてきました.

実は大学を卒業して初めて勤務した総合商社では,取引先だった富士通の「Habitat」というサービスや,自分が担当のひとりであった「Worlds Chat」と,今から25年以上も前にメタバースをお仕事にしていたんです.(こういうこと最近増えてきました)

メタバースというキーワードは最近世間をにぎわせています.特に2021年にFacebook社が社名を「Meta」に変更しメタバースに力を入れることを表明したり,Microsoftがサービスを計画したりなど,強大なIT企業がこぞってシフトすることから大変話題になりました.

日本では2000年代中盤に爆発的に話題になり,急速に収束した「Second Life」の再来?といった見方もあります.一方で,コロナ禍で多くのユーザーがバーチャル空間でのコミュニケーションなどに親しんだという事実もあります.

本学メディア学部の学生が東京ゲームショウ作品をメタバースで発表したように,現在のメタバースサービスを利用すると,以前とは比べ物にならないぐらい容易に自らのメタバースを構築することができます.以前は,バーチャル空間を楽しむことはできるけど,自分から作り出すのは大変でした.しかし,無償の3DCGソフト(Blender)や無償のゲームエンジン(Unity,Unreal),メタバースプラットフォームのClusterなどのおかげで容易に自分たちのメタバースを構築することができるようになりました.

このような流れは,VRのトレンドにも似ているなと思いました.技術として成立し,楽しめる商品も増えてきた中で何度か話題になってはすたれていましたが,現在のVRトレンドは2013年ごろから10年近く継続しています.これは,ユーザー個人がゲームエンジンなどを用いて容易にVR今t年つをる来る環境もできたことが大きいと思います.

さて,そのメタバースですが,いろいろと定義が乱立している中で,何がメタバースなのかという議論も多くあります(「フォートナイト」や「どうぶつの森」はある意味メタバースとして認知されているとも言えます)

様々な書籍や研究者もメタバースの定義については諸説唱えていますが,それら一つ一つを議論するのもいいですが,メタバースは様々な技術の集合体により,今後もリアルな空間とバーチャルな空間を境目なくつなぎ,制御していくということは変わらないものと思います.

メディア学部ではその根幹の技術の多くを研究していますので,今後の発展にも寄与していけるものではと思っています.

20220610久しぶりに訪れた「Second Life」

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学生がClusterを用いて制作した東京ゲームショウバーチャル展示用のメタバース

2022年6月 8日 (水)

学生作品「Gravarior」と開発した学生がメディアに登壇

2022年4月25日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です。昨日に引き続き学生のメディア登壇情報をお知らせします。
(こちらはGW放映予定だからこれからです!)

Gravarior」(チーム「御伽珈琲店」)

プロジェクト演習(インタラクティブ・ゲーム制作)で開発し,東京ゲームショウ2021にメタバース出展したゲームが、としまテレビ「池袋ゲームクリエイター発掘学園」で紹介され、開発に携わった学生が出演します。

放送予定は5月3日(水)です。

※池袋ゲームクリエイター発掘学園は、「ゲームクリエイター甲子園」に応募された学生さんのゲーム作品を紹介していくテレビ番組です。

池袋ゲームクリエイター発掘学園 https://onl.la/sUZkbY5

ゲームクリエイター甲子園「Gravarior」 https://game.creators-guild.com/gck2021/3723/

 

Gravarior」は重力を自由自在に操り、障害物や敵と対峙しゴールを目指すアクションゲームです。諸事情あってちょっと出遅れたチームだったのですが、素晴らしい選択と集中で、限られた時間やリソースを使ってかなり楽しめるゲームに仕上がりました。

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開発したのは以下の学生たちです。

庭山健斗:ゲームデザイナー
田中睦希:ゲームデザイナー
渡辺充 :リードプログラマー
小崎悠平:プログラマー
大貫聖 :サウンドデザイナー
勝田岳人:グラフィックデザイナー

 

プロジェクト演習(インタラクティブ・ゲーム制作)は1年次からゲームに必要な様々な技術をメディア学部の教員が協力して指導し、3年次に東京ゲームショウに出展できるゲームを作り上げる演習です。

担当教員:三上浩司、渡辺大地、安原広和、伊藤彰教、川島基展、兼松祥央

文責:三上浩司

2022年4月25日 (月)

卒業する皆さんへ

2022年3月18日 (金) 投稿者: メディア技術コース

ご卒業おめでとうございます。

卒業生の皆さんは、今どんな気持ちでしょうか。楽しかった学生生活を思い出してしみじみしている人、コロナ禍で十分にできなかったことに後ろ髪を引かれている人、4月からの新生活が楽しみな人と不安な人、それぞれだと思います。

そんな皆さんにどのようなはなむけの言葉を贈ろうかと考えて、古いブログ記事を読み返してみました。4年前の4月、入学直後の皆さんにあてて、柿本前学部長が書かれた記事です。そこには「自分の才能を見つけよう」ということが書かれていました。友達や家族との会話の中で、相手のちょっとした良いところを褒めあえるような関係を築き、そこから自分の得意なことを見つけていこうという内容です。さて、皆さんはこの4年間で、自分の得意なことが見つかったでしょうか。

皆さんはこれから社会に出て、これまでとは違ったコミュニティに属していくことになります。そこで私からのアドバイスは、得意なこと探しをあと数年続けてみてください、ということです。メディア学部にいると当たり前のように誰でもできることであっても、社会の中では意外と褒められることというのは多いものです。面と向かって凄いとか偉いとか言われなくても、一度やった仕事を二度目も頼まれたら、それはその仕事が得意だと認められたということです。どうか自信を持って、その仕事をもっともっと上手にやれるように勉強を続けてください。

皆さんの輝ける前途に期待しています。

(メディア学部長 大淵康成)

2022年3月18日 (金)

卒業研究は何のため?

2022年2月13日 (日) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。
先日の記事で大淵先生が修士論文の意義について語っておられました。今回は大学における卒業研究が何のために行われるかをお話しします。
もちろん実際の意図は大学や研究室によってそれぞれと思いますので、「私はこう考えて学生さんと接している」というお話です。

キャッチーにするためあえて強い言葉を遣いますが、卒業研究の目的は研究をすることではありません。

卒業研究で取り組む内容は大学や学部、研究室によりますが当然それぞれの専門分野になると思います。
そこで行った研究やその成果は、専門的な内容であればあるほど活かす先がないと思います。
活かせる職業に就くことができたり、それこそ研究職になったりすれば別ですが、研究レベルで修めた専門分野が将来直接的に活用できる機会はなかなかないものです。

また、一年間でできることには限界があり、大した成果が期待できず無力感を覚えてしまうこともよくあるように思います。
そもそも大学生が世紀の大発見などできるわけがなく、過去の研究の隅をつつくようなテーマでお茶を濁すのが関の山・・・と、私自身も学部の卒業研究の際には思っていました。
適当に取り組んでいると実際にそのようになってしまいますし、逆に真面目にテーマと向き合うほどにこのような思考に陥りやすいかもしれません。

それでも、卒業研究をすることには大きな意味があります。

先ほど、卒業研究の目的は研究をすることではないと書きましたが、では卒業研究における研究活動が何であるかと言うと、「手段」なのです。
目的ではなく手段です。別の目的が存在し、それを達成するために研究活動を行います。
ではその目的とは何かというと、「教育」です。ごく当たり前のことなのですが、そもそもそれこそが大学の(少なくとも本学の)目的であり、四年生に卒業研究を課す理由です。

研究活動というのは、テーマの種類や大小を問わず、答えのない問題に取り組むことです。その過程で非常に多くの能力を必要とします。
新たなテーマならそもそも問い・テーマを立てる能力、テーマを引き継ぐならば既存のものを正確に把握し取り込む能力。
テーマについて深く調べ、現在できていることとできていない事を分ける能力、その理由や試行錯誤を含めた解決策を探る能力。
得られた解決策を実行する能力、そのスケジュールを立てる能力。一連の活動を網羅した文章化をし、次世代に伝える能力。
とりあえず思いつくままに書いてみましたがそれでもこれだけ思い当たります。

このうち、テーマについて調べることと解決策の実行・成果のあたりが卒業研究の本体として注目されがちで、確かにそこで得られる能力は分野の依存性が高く汎用性が低いかもしれません。
しかし、上で書いた各種能力はたまたま今回は研究テーマが対象であっただけで、他のことにも応用が利きます。
というよりも社会で求められるのはまさしくそういった能力です。テーマを仕事と読み替えても同じことが必要ですね。

これらの修得には独学では難しい事も多いので、一年間かけて何度もディスカッションしながら研究テーマを進めていく形を取ります。
研究活動を通してこれらの能力を一度に鍛え、身につけることができるというわけです。
テーマや成果そのものではなく、研究テーマに取り組む過程で得られる能力こそが卒業研究を行う目的になります。

大学や学部によっては卒業研究ではなく卒業制作であったり、また何か別のものを課していることもあると思います。
しかし、それもまたその大学にとっての目的や身につけてほしい能力を得るための手段として行われているものと思います。

私見ではありますが、これまで指導を受けた先生方や学会等で接した多くの先生方も同様のことを仰っており、今回はそれを自分の言葉で説明してみました。
大学生活の最後に卒業研究をすることの意義に疑問を感じてしまっている方の参考になれば幸いです。

2022年2月13日 (日)

卒業研究発表会(イメージメディア/ビジュアルコンピューティング2021)

2022年2月12日 (土) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

先週木曜に、柿本先生と私の研究室であるイメージメディア/ビジュアルコンピューティングの卒業研究最終発表会がありました。
我々の研究室では多人数の前に立ち発表を行うという点を重視し、対面での口頭発表を行いました。

ただ、昨今の感染者数の増加により、残念ながら見学者は来年度配属予定の学生さん含め全員リモートに変更しました。
卒研生は感染拡大に注意しつつ発表現場の講義実験棟403教室に集合し、教壇に立ちスライドを投影して発表を行いました。
見学者が現場にいないですが、発表形式としては元々の想定の形にできました。

さて、この場合フルリモートと違いハイブリッド(ハイフレックスとも言うようです)なので、機材の準備が必要になります。
フルリモートならば参加者が各自のイヤホンとマイクで参加すればよいですが、現場での発表会をリモート参加者に配信し、かつ参加者からの質疑に答える必要があります。

やり方はいろいろとありますが、今回はiPad miniを主に活用して行いました。
発表者は普通に教壇のPCで発表し、そのスライド画面を発表用PCで入っているZoomのミーティングルームに画面共有します。
iPad miniも同じくZoomに入り、内側カメラとマイクをオンにしています。下は当日の様子の写真です。

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フレキシブルアームを利用し、iPad miniが発表用PCの画面ちょっと上あたりに来るよう調整しました。
(ちなみにこのフレキシブルアームはラテアートシミュレーションの研究用に購入した研究室資産です)
発表者は普通に壇上で発表すれば音声がZoomに流れ、共有されている画面とカメラの映り具合も確認できるようにしています。

質疑については、iPad miniの音量を最大にするだけで教室内で割と問題なく聞こえたため本体スピーカーそのままです。
現場の音声はiPad miniから離れすぎなければ充分拾ってくれたのでこれも本体マイクそのままです。
音量が足りなければラインケーブルで教卓の音声入力に接続するなど、より複雑になるところでしたがとても簡単でした。
あとは、後ろの方にもう一台三脚とiPhoneを配置し、同じくZoomにカメラオンで入ることで会場の様子を伝えることもしました。

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機材やソフトウェアの進歩のおかげで、想定よりもだいぶ楽にハイフレックスな発表会を行うことができました。
小規模な教室で現場の参加人数も少なめならばこれだけで充分そうですね。

発表内容については三月に学会発表を控えているものが多いため本日は割愛し、また改めて報告します。

2022年2月12日 (土)

Global Game Jam 2022(2年目のオンライン開催)

2022年2月 1日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

東京工科大学の冬の風物詩のひとつである,48時間ゲーム開発ハッカソン「Global Game Jam」.今年もCOVID-19の影響から東京工科大学会場は遠隔での開催となりました.当初(12月の中旬)は,開会式と閉会式は対面の実施の予定で準備をしていたのですが,開催の2週間ほど前にオンラインでの開催に変更しました.

昨年は,参加者10名と小規模の会場でしたが,今年は同じオンラインでも46名の参加となり,7チームに分かれてゲームを開発しました.

Global Game Jamは会場に集まったゲーム開発者たちが,チームを結成し,与えられたお題に沿ったゲームを48時間以内に開発するというイベントです.普段大学の授業やプロジェクトで一緒に開発している仲間ではなく,初めて会ったプロや他大学の学生たちとチームを組み,団結していくことは大変な挑戦でもあります.

何より,プロやインディーズの方も参加するので,学生であってもプロと同じスタンスで取り組む必要があります.特にシビアな時間管理やクオリティ管理は普段の授業などでは学べない体験です.

オンラインでの開催に当たり,発表などのイベントは遠隔授業などでも利用している「Zoom」などのテレビ会議システムを利用しました.それ以外の時間は「Discord」というサービスを利用し,他のチームの様子を気軽に身に行けたりする環境を作りました.

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東京工科大学会場のGlobal Game Jamの様子は,インターネットを通じて配信してきました.今年もチーム紹介やα版発表,β版発表,最終発表などの様子をYouTube Live!を通じて配信しております.

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7チームが開発したゲームですが,Global Game Jamの公式サイトからダウンロードして遊ぶことができます

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開発されたゲームの紹介は,また別途行おうと思いますが,興味のある方はぜひアクセスして遊んでみてください.

文責:三上浩司

2022年2月 1日 (火)

初のハイブリット開催となったSIGGRAPH ASIA2021で卒業生が登壇した特別企画

2022年1月13日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です

12月14日(火)から12月17日(金)にかけて,世界最大のコンピュータグラフィックス関連の学会であるSIGGRAPHのアジア版,SIGGRAPH ASIA2021が開催されました.2020年以降,2020年,2021年のSIGGRAPH,2020年のSIGGRAPH ASIAはオンラインで開催されてきましたが,SIGGRAPH ASIA2021は初めてハイブリッドでの開催となり,東京国際フォーラムとオンラインで同時開催しました.

私は,Games Committeeの一員として,日本のゲーム業界ならではのトピックをSIGGRAPH ASIA参加者に伝えるために,ゲーム業界の方たちとともに取り組んできました.

同じく運営委員を務めている国内のゲーム技術カンファレンス「CEDEC」から,世界中の人にも知ってもらいたいトピックをセレクトして特別講演として提供したり,過去の日本のゲームの技術資料を展示したりなど企画しました.

企画したイベントの一つに,卒業生の鈴木卓矢氏に協力をお願いして実現した「Live Drawing」というイベントがあります.このイベントは1時間という限られた時間の中で,ビジュアルアートを完成させていく過程を見せるというもので,紙にイラストを描いていったりするアーティストもいる中で,鈴木氏には,ゲームエンジンであるUnreal Engineを用いて,ゲームやCGのバックグラウンドアートを構築していくプロセスを見せていただきました.

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鈴木氏の絵作りのこだわりに会場にいたプロや学生たちなど大変多くの来場者が感銘を受けていました.なお,鈴木卓矢氏はメディア学部のプロジェクト演習(プロフェッショナル背景CG)にて演習講師も務めてくれています.3年の前期から履修可能ですが,ポートフォリオによる選抜もあるので,誰でも履修できるわけではありませんが,背景美術アーティストとして業界や世界を目指すなら,ぜひ扉をたたいてもらいたいと思います.

2022年1月13日 (木)

2022年: 新しい時代のメディア学部に向けて

2022年1月 1日 (土) 投稿者: メディア技術コース

あけましておめでとうございます。

2020年に続き、2021年も新型コロナウイルスへの対応に追われる1年でした。それでも10月からは大半の授業が対面実施となり、教室にも活気が戻ってきました。まだまだ心配なこともありますが、2022年はもっと良い年になると期待しながら新年を迎えています。

この2年間を振り返ったとき、二つのことが頭をよぎります。一つは、この苦しい状況の中でも、メディア学部の強みを十分に発揮して、何とか乗り切ってくることができたという思いです。情報を伝えることのプロであるメディア学部教員と、情報技術を学ぶことに貪欲なメディア学部生とが力をあわせ、様々なオンラインツールを駆使して学びを続けてきました。巷ではオンライン授業の品質について疑問を呈するような報道もありましたが、メディア学部の教育は一歩たりとも後退することは無かったと自信を持って言うことができます。

もう一つ、それと同時に思うことは、そうしたメディア技術も決して完璧では無かったということです。確かに学びは止まらなかったし、むしろ学習内容の理解度が高まったように見える科目もありました。それでも、10月からの対面授業で、それまでには無かった手応えを感じることがあるのも事実です。それを「ふれあい」とか「親密感」といった言葉で片づけてしまうのは簡単です。しかし、冷静になって科学的な視点に立ち、人と人が同じ空間を共有することの意義を追求していくことも、メディア学の重要な研究テーマではないでしょうか。教室で、みなさんと向かい合ったときに伝えるべき最も大切なことは何なのか、それを考え続けることが、2022年の大事なテーマになるのではないかという気がしています。そしてその先には、単に視覚や聴覚を再現するだけではない、本当の意味のバーチャルリアリティがあるのかもしれません。

2022年のメディア学部が、これまで以上に魅力的な学部になれるよう、みなさんと一緒に新しい挑戦を続けていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い致します。

メディア学部長 大淵康成

2022年1月 1日 (土)

卒業生の活躍とメディア学部のカリキュラム(表現と技術を駆使して『劇場版 呪術廻戦 0』のCGを統括するCGディレクター)

2021年12月26日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

今日は公開から早くも興行収入100億越えの評価を受ける『劇場版 呪術廻戦 0』でCGディレクターという要職で活躍する私の研究室の卒業生「木村謙太郎」氏の話をしたいと思います.

このCGディレクターという仕事は作品におけるCGの統括をする仕事です.作品によって,3DCG監督,CG監督,CGチーフなど様々な呼び名で呼ばれます.監督が作品全体の統括をする立場とすると,CGに関連する領域を監督をサポートしながら統括するという大変重要な仕事です.最近のアニメ作品はCGなしでは成立することは困難です.そのCG表現を一手に引き受け監督と2人3脚で表現していく仕事は,メディア学部の教育の集大成でもあり,実にメディア学部らしい仕事といえます.

大学で学部を作るときに大事とされる3つのポリシー「アドミッションポリシー」(入学者選抜,求める入学者像),「カリキュラムポリシー」(教育の指針),「ディプロマポリシー」(卒業要件,卒業時に求める力)があります.それらを作るときに,ディジタル技術を用いた映像制作におけるプロデューサーやディレクターなど,統括する役職を生み出すことを念頭に議論が進みましたので,まさにそれが具現化された形です.

プロデューサーやディレクターは経験職であり,コンテンツ業界に就職したうえで,さらに経験を積み,周囲の信頼を得てようやくたどり着く役職です.メディア学部のOBでは,劇場公開作品『劇場版 誰が為のアルケミスト』のプロデューサーの木村将人氏や『ガールズ&パンツァー』の劇場版やTVシリーズの3監督の柳野啓一郎氏,劇場版『スタードライバー THE MOVIE』のCGI監督の太田光希氏,『君の名は。』『天気の子』,といった新海誠監督作品の3Dチーフを務める竹内良貴氏などが活躍しています.(ほかにもたくさん活躍している人がいます)

CGディレクターという仕事は,CGに関する表現はもちろん,新しい技術の探求やそれを作品に利用する際の検証などの技術的側面,そしてチームを統括しながら監督や他の部門との調整を図るコミュニケーション力と,まさにメディア学部の各コースの能力が終結したようなスキルが要求される仕事です.メディア学部の学びをある意味具現化してくれる卒業生が数多く生まれていることは大変喜ばしいことですし,元祖メディア学部が今でも最前線のメディア学部であることの証でもあります.

さて,木村君ですが,学部時代からチームでの映像制作やゲーム制作などを通じ作品制作のスキルを高めてきました.作品制作のスキルもさることながら,卒業研究の成果も映像表現・芸術科学フォーラムという学会で「トラックアップに対応した散点透視図法の3DCG表現の提案 」として発表しています.CGは空間を正確に描写しますが,絵画などでは消失点が複数ある複雑なパースを作成して制作することがあります.このような映像をCGで作り出しただけでなく,カメラの動きに対しても破綻なく表現する手法を開発しています.表現と技術の融合によってなせる研究です.

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このようにメディア学部では,コンテンツを作るだけでなく,その表現を高度化するための技術,そしてその技術を多くのスタッフが結集する実際の作品において円滑に実現するためのマネージメント力を手に入れることができます.専門学校や美術大学,理工系大学では学べないこの広がりが重要です.

これこそが東京工科大学メディア学部が数あるメディア学部の中で元祖でもありつつ20年以上も先進し続け,多くの人材を生み出している理由だと思います.

2021年12月26日 (日)

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