授業紹介

グローバルメディアの誕生 3.AIと偽情報

2024年10月11日 (金) 投稿者: メディア社会コース

グローバルメディアの誕生の歴史について紹介してきました。200年近い歴史を持つ世界最大の通信社の数社のもつ影響力は絶大でありました。

現在でも世界各国の新聞社がその信頼性のためにこれらの通信社と提携し対価を支払い情報収集を行っています。

しかし、歴史的信用に基づく信頼もAIの出現により大きく揺らぎつつあります。世界ではAIを使った偽情報をインターネット上に

流すことが容易な時代になりました。現在、2024年11月に行われる、米大統領選に向け中・ロ・イランはAIをつかった偽情報の拡散を画策しているという記事が10月3日付け ロイター記事に掲載されています。このように、戦争の形態もいよいよ、メディアとAIを活用した戦略的な情報戦争が行われるようになったのです。ロイター社も誤報検証システム部門を立ち上げています。しかし、これはいみじくも、ロイター社自身の情報配信の信用も、問われる時代に突入したことの現れに他ありません。ロイター社自体が個人所有企業である限り、バイアスは否めないという視点からそのように言えるでしょう。

文責:飯沼瑞穂

 

 

2024年10月11日 (金)

グローバルメディア誕生の歴史 2.

2024年10月 9日 (水) 投稿者: メディア社会コース

日々我々がマスメディアを通じて目にする、グローバルニュース映像や、新聞に掲載される写真の数々は多くの場合世界最大の通信社を通じて

配信されています。

通信社は、在籍する記者が様々な情報を取材し、それを記事の形にして各媒体や企業、組織などに配信する役割を担います。各媒体に含まれるのは、新聞社、放送局(テレビ・ラジオ)です。通信社は、記事を提供する対価として得るお金が主な収入源となっています。

通信社も新聞社も、様々な分野を取材する記者を擁しているという点は共通しています。通信社と新聞社の決定的な違いは、自社の媒体の有無です。

歴史と権威があるとされる世界最大の通信社、ロイター社、AP通信やAFP通信などが配信するニュースを元に、提携先の世界各国の新聞社などが記事を独自媒体を通じて掲載することにより、情報は消費されています。国内で目にする世界のニュースの多くは、世界大手の通信社を通じて提供されており、提携している各国の新聞社や放送局が、提供された情報を独自の媒体、新聞によって流していることが、グローバルニュースの単一化の原因の一つです。国内の大手新聞の多くに掲載されている、写真の提供元をみると、世界大手通信社の名前が記載されていることを

見たことがあると思います。このように、我々が国内で読む世界ニュースの記事や、そこに掲載されている写真の数々は前回、ブログでお話をした

19世紀後半に設立したヨーロッパの端を発する通信社のものを起用することが慣例となっている例は少なくないのです。

文責:飯沼瑞穂

 

2024年10月 9日 (水)

グローバルメディア誕生の歴史 1.

2024年10月 7日 (月) 投稿者: メディア社会コース

メディアのグローバル化によって現在では、ありとあらゆる情報が様々な形で発信、共有されるようになりました。グローバルメディアとは、地球規模のコミュニケーションとそれを支えるテクノロジーを指します。世界規模の通信産業はグローバルメディアの基盤として存在しており、SNSやインターネットなどは地球規模のコミュニケーションを支える媒体ともいえるでしょう。

メディア学部で開講されているグローバルメディア論は、このようなグローバルメディアを客観的に分析する力を身に着けることを目的とした授業です。

現在のグローバルメディアの基盤が形作られた経緯と、歴史を知ることは、我々が目にするニュースの背景をより正確に理解する上で役立ちます。

グローバルメディアの基盤である世界の通信産業は19世紀後半から20世紀初頭に、形成されました。具体的には、ロイター通信、AP通信、AFP通信などの世界最大の通信社です。その中でもロイター社は1851年にユダヤ系 ドイツ人のロイターが設立しました。ロイター社は1851年に英仏海峡の海底ケーブルを活用し迅速なニュースの集配で信頼を築き、ロンドンを中心に金融情報を各地に配信しました。

現在でも、この時代に築かれた世界各国の通信拠点はグローバルなニュース配信拠点として活用されています。インターネットの海底ケーブルの基盤もこの頃、築かれたインフラストラクチャーを基礎として構築、開発されてきたものです。よって、過去200年の歴史を語ることなしに、グローバルメディアの性質や特性、更にはそのバイアスについて意識することは難しいでしょう。

文責:飯沼瑞穂

 

2024年10月 7日 (月)

これって正しいの?(可視化のお話)

2024年9月25日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

世の中には様々なデータがあります。
そして、それらを効率的に理解するためにグラフがよく用いられます。
皆さんもこれまでたくさんのグラフを目にしてきたと思います。
例えば、算数や数学の授業、社会の気温と降水量の関係のグラフ、ニュース番組の新型コロナウイルス感染者の推移などいろいろな場面で見てきたことでしょう。

次の画像は、アメリカの4大ネットワークの1つ、FOX放送のあるニュースの一場面です。
2009年と2019年のアメリカのクリスチャンの割合を示してます。
このグラフを見て、どういう印象を持ちましたか?

r/dataisugly - Is that a 55% reduction or just 12%?
[出典:https://www.reddit.com/r/dataisugly/comments/uc1lsb/is_that_a_55_reduction_or_just_12/?rdt=52291]

グラフをよーく見てください。
ぱっと見、すごくクリスチャンの割合が減っているように見えますが、縦軸が58%から78%の区間になっており、正確な値よりもより差が広がっているように感じさせています。
このような例は、世の中にたくさん存在しているので、注意が必要です。

3年生後期の「情報可視化」では、授業の最初に、悪い可視化の例を紹介しています。
今回はグラフの悪い例を紹介しましたが、授業では単純なグラフでは表せないような大規模データを解析するためにどのような視覚表現が使われるのかなどについて学んでいきます。

(文責:竹島)

 

2024年9月25日 (水)

後期授業が始まります!

2024年9月23日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

昨日(9/22)は、秋分の日でしたが、まだまだ暑い日が続いていますね。

そのような中、本日(9/23)から後期授業が始まります。
初日から祝日開講というちょっとイレギュラーなスタートです。

メディア学部は今年度から新カリキュラムに変わっています。
後期の主な変更点は、「メディア基礎演習」が完全リニューアルされます。
昨年度までのカリキュラムでは、1年生後期に「メディア基礎演習I」、2年生後期に「メディア基礎演習II」が実施されていましたが、新カリキュラムでは1年生後期の「メディア基礎演習」に集約されます。

内容も次の4テーマに一新されます。
「何が起きているかを知る」、「未知の課題に挑戦する」、「アイデアを映像化する」、「作品集を制作する」

詳細はシラバスを参照してみてください。
学外の方も、下記のサイトからいろいろな授業のシラバスが見れるので、メディア学部でどのような授業が実施されているか、ぜひご覧ください。
https://kyo-web.teu.ac.jp/campussy/

(文責:竹島)

2024年9月23日 (月)

【授業紹介】メディア学部でのグラフィックデザイン系の授業

2024年9月 6日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

東京工科大学にはデザイン学部がありますが,メディア学部でもデザインに関することを学ぶことができる授業が複数あります.
それは当然,「メディア学」と「デザイン学」が密接に関りがあるからです.
たとえば,グラフィックデザインの知識は,映像での画面構成やカメラワーク,ゲームでのユーザインタフェースのデザイン,商品パッケージやポスターのデザインなどに必要となります.

本日のブログでは,「グラフィックデザイン」に関することを学ぶことができる「視覚情報デザイン入門( 1 年次)」と「メディア専門演習:ビジュアルコミュニケーション( 2 年・ 3 年次)」を紹介している過去のブログ記事をご紹介します.

まずは「視覚情報デザイン入門」は,こちらをご覧ください.

次に「メディア専門演習:ビジュアルコミュニケーション」は,こちらをご覧ください.

どちらの授業も,グラフィックデザインに関する理論とスキルを学びながら,実際に作品制作にもチャレンジします.
毎年,素晴らしい作品がたくさん生み出されます.


文責:菊池 司

2024年9月 6日 (金)

「夏休み子どもいちょう塾」を開講しました

2024年9月 2日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆さん,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

2024 年も 9 月に入りました.
本日から学校が再開するという小・中・高校生の皆さんもいらっしゃるかもしれませんね.

7 月の夏休みが始まったころの話になってしまいますが,今年の夏休み期間も八王子市と協力して,「夏休み子どもいちょう塾」にて講座を開講しました.

私が主催した講座は「きみもCG映像作家になれる!~合成映像を作ってみよう!~」というタイトルで,7 月 20 日(土)・21 日(日)の 2 日間開催しました.

本講座では,皆さんがよく見るテレビ、よく遊ぶゲームで利用される CG 合成が実際にどのように制作されるのか?を体験してもらいました.
実際にビデオカメラを使って素材を撮影して,パソコンを使って CG で作ったステージやエフェクト映像と合成して映像を完成させ,最後に全員で鑑賞会を行いました.保護者の方にも参加していただきました.

2 日間で 20 名の小学生に参加していただきました.

こちらにほかの講座の様子も公開されていますので,是非ご覧ください.

来年度も是非また開講したいと思いますので,八王子市内の小学生の皆さんは是非ご参加ください!

文責:菊池 司

2024年9月 2日 (月)

八王子市内のボランティア団体の活動スタートアップを支援するプロジェクト演習「企業・団体のプロモーション技法」による地域活性化

2024年8月19日 (月) 投稿者: メディア技術コース

全国唯一の健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。健康メディアデザイン研究室では、人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインしたり、研究者本人を健康にして、その成果を多くの人たちに役立てて、健康改善するための提案や健康アプリを制作するといった研究を行っています。

今回は、千種が企画実施しているプロジェクト演習に「企業・団体のプロモーション技法」という演習科目について紹介したいと思います。

シラバスはこちらになりますが、
https://kyo-web.teu.ac.jp/syllabus/2024/MS_P022749_ja_JP.html
要約すると

このプロジェクト演習では、営業用名刺やイベント・販売促進用のデザインを通じて、実践的なデザイン手法を学びます。マンパワー不足の企業や団体を対象に、名刺やポスター、SNSデザインを制作し、週に1課題を実施して、毎週PDCAサイクルを実践しながらスキルを向上させます。優秀なデザインは実際に使用されます。

といった感じです。今回の課題は、以下の内容のボランティア団体の活動促進用A4リーフレットのデザイン制作です。

団体名:お互いさま倶楽部
元本郷町周辺の住民同士の話し合いから生まれたボランティア団体です。団体名には、地域の困りごとは地域に住む身近な人に相談できるような「お互いさまの関係、共助と信頼の関係を広げたい」 という思いが込められています。

さらにデザインするイメージとしては「気軽に依頼できそうでやさしい雰囲気 」を希望されていました。この課題について、当該プロジェクト演習の履修者が取り組み、メディア学部2年生の鈴木美優さんが制作したデザインが選出されました。鈴木さんは1年次後期からこのプロジェクト演習を履修し、この科目を履修して1年目です。

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そして、定期試験の終わった8月5日(月)に学内で、表彰式を実施しました。左から2番目が受賞した鈴木さん、右から2番目がボランティア団体代表の穂刈さん、右端が千種になります。この課題に協力していただいた皆様、ありがとうございました。
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2024年8月19日 (月)

【プロジェクト演習インテブロ】NHK交響楽団公演の収録

2024年7月 5日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

76日(土)横浜のみなとみらいホールで行われた、プロジェクト演習「インテブロ(intebro)」の公演収録に立ち会いました。これはNHK交響楽団の第129回オーチャード定期公演の模様を「インテブロ(intebro)」の学生さんたちが収録・編集する演習です。

NHK交響楽団は1942年に活動を始めてから82年の歴史をもつ日本を代表するオーケストラ。この日の指揮は秋山和慶さん(日本指揮者協会会長。83歳、若い!)、そしてピアノはアレクサンダー・ガジェヴさん(イタリア出身の29歳。2021年ショパン国際音楽コンクール第2位)。このすごい公演の収録を「インテブロ(intebro)」の学生さんたちがどのようにこなすのか。立ち会うだけでもドキドキしてしまいます。

当日、学生さんたちは朝早くから、大量の収録機材の搬入、カメラやケーブルなどの会場設置、そして収録コントロール卓の設営などに追われていました。公演開始が午後3時30分、その1時間前までにはスタンバイと収録チェックを終えなければならない。まさに「時間との競争」の作業です。以前の公演収録では、ギリギリまで追い込んだこともあったと聞きましたが、この日は大学院生や4年生の「収録経験者」もしっかりサポートして、午後2時には遅いお昼ご飯(弁当)を摂る余裕がありました。

この写真は公演直前の最終ミーティングの様子です。学生リーダーを中心に収録作業の確認が細かく行われています。私もテレビ局で何度も収録を経験してきましたが、真剣さと緊張感ではプロを上回っていた気がしました。

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そして午後3時30分収録開始。収録コントロール卓では、カメラの映像を選ぶ「スイッチャー」の学生さんの両隣に、「公演進行」と「台本進行」担当の学生さんが陣取ります。「台本進行」の学生さんは、あらかじめ作っておいた曲進行に合わせた「カメラ割り台本」を曲の進行に合わせて読み上げ、スイッチャーとカメラマンに指示します。そして「公演進行」の学生さんは、実際の楽譜とオーケストラの進行を確認し、スイッチャーに指示を与えます。この学生さんは楽譜が読めることはもちろん、今日の公演の曲を完全に暗記していました。

私が後ろで「ひええええ」と感心していると、4年生が「みんな、毎日の厳しい収録の練習で曲は覚えちゃってますよ」と涼しい顔。確かに、撮影している3人の「カメラマン」だって、曲を暗記していなかったら、映像の画角(サイズや動き)を変えることはできません。クラシック音楽の公演収録をしたことがない私は、淡々と収録作業を進めていく学生さんたちのシステマティックな動きに圧倒されていました。休憩で、近くを通られたN響の楽団員の皆さんも、興味深そうにご覧になっていました。

 収録後は「お疲れ様」を言う間もなく、すぐに撤収作業に入ります。重たい機材の運搬はもちろん、カメラ・ケーブルの撤収もテキパキと学生さんたちが中心になって進めます。テレビ局では分業が当たり前で、制作スタッフだった私は撤収作業を手伝おうとして技術スタッフから「事故ったら、誰が弁償するの!?」と怒鳴られた経験がありますが、お見事。「技術スタッフの華」といわれるケーブルの「八の字巻き」も上手にこなしていました(私はうまくできません)。

収録に携わった学生の皆さん、そしてご協力いただいたスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。編集も頑張ってね。(メディア学部、山脇伸介)

2024年7月 5日 (金)

プロジェクト演習「アドバンストCGアニメーション制作」2023年度後期 学生作品の紹介

2024年6月14日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

皆さんこんにちは。メディア学部 特任講師の川島です。
今回は、私の担当する演習授業のうち、「アドバンストCGアニメーション制作」の学生作品を紹介します。
今週はこれまで、「インタラクティブ・ゲーム制作 グラフィックスコース シネマティクスチーム」「インタラクティブ・ゲーム制作 グラフィックスコース Unreal Engineチーム」の学生作品を紹介してきました。これらはゲーム業界におけるビジュアルアーティストやテクニカルアーティストになるための知識とスキルを学習するためのコースですが、今回紹介する「アドバンストCGアニメーション制作」は、テレビ番組や劇場映画のCGアニメーション制作に携わるためのスキルを学ぶコースです。1年次前期には初級クラスである「オリジナルCGアニメーション制作」で基礎を学んだうえで、さらに高度な技術を学びながら、よりレベルの高いアニメーション作品制作をチームで行います。CGを扱うという意味では共通するところもありますが、ゲームビジュアルとアニメーションではその先の応用技術が全く違いますので、両者は異なるコースとしてそれぞれ開講しています。
それでは、作品をどうぞ!


■ アーティファクト / アーキメイジエンターテインメント
凶悪な魔物がはびこる現代、主人公のアキは買い物帰りの地下駐車場にて銃を乱射する魔物に遭遇する。アーティファクトと呼ばれる不思議な道具や武器を使って立ち向かっていく現代風アクションファンタジー。主人公がなんとか敵に近づこうと苦戦し逃げ惑いながらも奮闘するアクションシーンに注目して見て欲しいです。

■ Daily Life / かぼちゃ
この作品は、家庭用ロボットが普及した時代に、
両親から誕生日プレゼントでもらった家庭用ロボットH3と共に、山奥で暮らしている、少女ヒナナが、共に昼食の準備をするという物語です。少しでも穏やかな、心温まる時間を提供したいという思いから、この作品を制作しました。2人の仲睦まじい姿を優しく見守っていただけたら嬉しいです。

■ おまえのせいだ!! / K+α
気ままに旅をしている人外(サミュエル)と人間(ロシュ)の2人。ある日、2人は日銭稼ぎのためドラゴンの卵を採取するクエストを受けた。卵を無事に採取し、帰路についた2人だが、ふとしたことから卵の押し付け合いがはじまる。
魔法が当たり前にある世界観とテンポの良い掛け合いをお楽しみください。

■ フライドシップ / BlueWater
おなかをすかせた海賊たちが船の上で釣りをしていると、船員の一人が釣り竿に引き込まれて海に落ちてしまう。ロープで引き揚げてもらい助かったと思いきや近くに謎の影が…!?突如衝撃音が鳴り響き海からクラーケンが現れる!
海賊たちはクラーケンを倒そうと立ち向かうも全く歯が立たずクラーケンにめちゃくちゃにされてしまう。このままやられてしまうのか?!
海賊たちのドタバタコメディをお楽しみください。

2024年6月14日 (金)

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