授業紹介

グローバルメディア論 Room To Read Japan 代表 松丸佳穂氏

2020年2月14日 (金) 投稿者: メディア社会コース

 こんにちは!社会メディアコースの飯沼瑞穂です。私の担当している、グローバルメディア論という授業ではグローバルメディアの歴史や、SDGsに代表されるグローバル課題の解決のためのメディアの役割について取り扱っています。グローバルメディア論のゲストスピーカーとしてルーム・トゥ・リード ジャパン代表の松丸佳穂氏に御登壇をいただきました。松丸さんご自身幼少時代を海外で長く過ごし、本を読むことが大好きな少女だったそうです。

Img_1006

ルーム・トゥ・リード は識字能力の育成と男女の教育格差の是正を目標に、開発途上国を中心に活動を行っている非営利団体です。[子供の教育が世界を変える」の信念のもと、元マイクロソフトの重役だったジョン・ウッドにより設立されました。ルーム・トゥ・リード

今回のお話では、特に女子教育プログラムについて近年の活動をご紹介頂きました。ミャンマーの少数民族の家庭からルーム・トゥ・リードのプログラムに参加し、日本語に興味を持ち、現在では日本の某有名大学に交換留学生として来日している子のお話などしていただきました。開発途上国と言われる国で、家庭でも高等教育を受けた家族が周りにいなく理解を得ることが難しいなか、ルーム・トゥ・リードの女子プログラムに参加し成功した、才能と意欲にあふれた少女達の成長を見ることが何より仕事のやりがいに繋がっているとのことです。メディア学部の学生達からは、識字能力のない大人がまだ世界には多くいることや女子として生まれただけで差別されてしまう社会があることを改めて、知り大変驚いた、何か自分にもできることがあれば参加したいなど意見が上がりました。

 

 

 

 

 

2020年2月14日 (金)

専門講義ソーシャルアントレプレナーシップのゲストスピーカー

2020年2月11日 (火) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、飯沼瑞穂です。社会メディアコースでは、社会やビジネスに関する様々な授業が用意されています。ソーシャル・アントレプレナーシップは3年生後期の専門講義科目ですが社会課題を解決するためのビジネスや起業家精神について学ぶ授業です。近年SDGs持続可能な開発目標が注目されていますが、グローバル課題の解決に向けたソーシャルビジネスや、AIなど新しいテクノロジーを使ったソリューションなどが期待されています。本講義では、ソーシャルビジネスの歴史や、社会起業家の活躍、更には近年のグローバルトレンドなどを取り扱っています。今期は、ゲストスピーカーとして、株式会社 風とつばさ 代表の水谷衣里氏をお招きしました。水谷さんは

Img_0827



インパクト投資と言われる、社会貢献を目的とした投資やソーシャルビジネスを専門にご活躍されています。講義では将来NPOやNGOなど非営利団体などが従来培ってきた社会問題を解決するためのノウハウが、企業でも重要になってくると指摘されていました。更に、日本の社会問題の解決を行ってきた社会起業家の成功事例などの紹介するとともに、学生同士が活発に議論する機会を設けて頂きました。

Img_0828

授業では、全員、立ち上がって近くの人と話し合う機会を設けました。そうすると、隣の人のほかの人とも話がはずみますね。水谷さんが良く企業研修で使う、アイスブレークのテクニックだそうです。楽しい授業で学生達も生き生きしていました。

 

 

2020年2月11日 (火)

プロジェクト演習「IoTプロトタイピング」の紹介

2020年2月 9日 (日) 投稿者: メディア技術コース

寺澤です。

私はいくつかのプロジェクト演習を担当していますが、今日はその一つの「IoTプロトタイピング」について紹介したいと思います。この演習は以前からあった2つの演習を統合リニューアルして2019年度から開始しました。近年はmicro:bitやRaspberry Piなどの安価で小型のコンピューターが登場し、様々な実験や試作、教育に使用されています。これらについてはこちらでも紹介しています。

以前から、Arduinoという一種の小型コンピューターがあり、センサーを接続して計測を行ったり、モーターを制御するなどの用途に使われていましたが、やや、ハードルが高いところがありました。micro:bitは様々なセンサーを搭載しながら、小学生でも扱えるようにコンパクトに作られ、プログラムもScratchに似たビジュアルプログラミングで作ることができます。キット製品も豊富です。また、Raspberry PiはLinuxを動かすことができ、インターネットにそのまま接続することができる一方で、外部にセンサーや他のデバイスを接続することも簡単にできるようになっています。

このような「道具」が容易に安価に入手できるようになったことで、以前ならば電気回路・電子回路の知識がなければ難しかった装置や仕掛けを比較的簡単に実現できるようになりました。つまり、アイディアをすぐに形にして試すことが簡単になったのです。それを受け、このプロジェクト演習では、前半をMESH、micro:bit、Raspberry Piの使い方を中心にレクチャー+実習形式で実施し、その後、受講生各自がどんな道具や仕掛けを実現したいか考えてプレゼンを行います。後半の演習では、各自の目標に従って、TAやSAの助けを借りながら数週間かけて実際にモノを制作します。IFTTTなどのインターネット上のサービスを利用すると、例えば、ネット上の天気予報サービスからデータを取得して動作を変えるとか、モノがある状態になったらTwitterに投稿するなどの連携を実現できます。もちろん、LEDを光らせるとかモーターを制御することもできます。

2019年度後期の受講生は、前期の演習を受講した学生でしたので、後期は最初から、3人グループで少し大掛かりなものを作成することにしました。11月に構想を練り始め、彼らが作ることにしたのは、ネット側からの指示に応じて動き回る「ムービング門松」でした。竹の代わりにアクリルパイプを使い、色を変えられるLEDを使ってやはり外部からの指示で「竹」の色が変わるというものでした。動力系の制御にはmicro:bitを、ネット接続とLEDの制御はRaspberry Piを選択しました。

Img_1967

Img_1974

キットも活用しながら制作を進めましたが、アクリルパイプの切断やLEDの固定、バランスをとって走行できるようにするなどのことに手間取り、残念ながら、ネット側からの制御というところまでは手が回らなかったようです。そこが肝心なのですが...。代わりにBluetoothで接続したもう一つのmicro:bitをリモコン代わりとして、動き回ることだけはできるようになりました。目標通りの完成とはなりませんでしたが、工作の楽しさや工夫の醍醐味を感じてくれたと思います。

寺澤卓也

2020年2月 9日 (日)

「音楽創作論」で作曲しました

2020年1月27日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

皆さん、こんにちは。メディア学部の伊藤(謙)です。

最初に1曲お聴きください。


「Crystal」 作曲:伊藤謙一郎 演奏:伊藤謙一郎


(※アップロードできるファイルサイズの制約で音質を下げています)


今、聴いていただいた曲は、この後期に私が担当した「音楽創作論」(2年次開講)で履修生諸君からメロディのアイデアを各回で募り、それを元に作曲したものです。今回は作曲過程の一端をご紹介しましょう。

まず、「部分動機」と呼ばれる1小節の短いフレーズ(音の並び)を考えてもらい、その中からE君が考案した「ミレミソ」を私が選びました。

__20200127003801

E君にリズムを尋ねると、「ミ」は付点4分音符、「レ」は8分音符、そのあとの「ミ」と「ソ」は4分音符という指定があったため、このフレーズに続く第2小節のフレーズの音符を各自に書いてもらいました。78名から寄せられたフレーズの中から、私のほうでS君、Mさん、K君の3名に絞り、どのフレーズが良いか投票をお願いしたところ、K君が考案したものが圧倒的多数で選ばれました。こうして「動機」が決定しました。

Photo_20200127011801

この2小節からなる最初の「動機」を「第1動機」とした場合、続く「第2動機」をどうするか諸君に尋ねました。第1動機の形態をAとすると、第2動機もほぼ同じ形態であればA、若干の変化を伴うものであればA´、異なる形態であればBと表記されます。投票の結果、Aが4名、A´が38名、Bが42名となり、「小楽節」と呼ばれる4小節のメロディ形態(A−B)が確定しました。

さて、ここから私の出番です。この小楽節の形態となるよう、前半2小節の動機と音楽的にコントラストをもつ後半2小節の動機を考えるわけですが、私は4つの小節それぞれが異なるフレーズをもつ「A(a・b)−B(c・d)」の形態を想定し、次のようなメロディを作りました。「c」の部分は大きな下行跳躍進行と3連符による躍動感、「d」の部分は付点2分音符と4分休符による落ち着きが感じられることでしょう。

Photo_20200127021902

そしてこのあとは、楽曲全体の構成を考えたりメロディにつける和音を考えたりして、冒頭で聴いていただいたような曲に仕上げました。最終回の授業では楽譜を配布して実際にピアノを弾き、何気ない「ミレミソ」のフレーズからも曲作りができることを履修生諸君に体感してもらった次第です。ちなみに曲名の「Crystal」も学生の発案です。

参考までに、この曲の楽譜を掲載いたします。よろしければ楽譜を見ながらもう一度聴いてみてください。最初に聴いたときとは、また違った印象を受けることでしょう。

Crystal_p1 Crystal_p2 Crystal_p3


(文責:伊藤謙一郎)

2020年1月27日 (月)

最終講義のご案内 「コンピュータグラフィックス研究からの学び」

2020年1月12日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

次のように最終講義を行います。学内の学生、教職員、さらには学外の皆さんも聴講可能です。

多くの皆さんのお越しをお待ちしています。

講師: 近藤邦雄教授

題目:「コンピュータグラフィックス研究からの学び」

開催日時:2020年1月20日(月)10:45~12:15

会場:八王子キャンパス メディアホール

「コンテンツディベロッピング論」の15回目の講義の中で行う。履修者以外の学生及び教職員は入室できます。

近藤邦雄の研究紹介ページ

メディア学部近藤邦雄教授 は、2020年3月31日をもちまして御定年を迎えられます。先生は、名古屋工業大学第Ⅱ部を御卒業後、名古屋大学、東京工芸大学、埼玉大学工学部情報システム工学科を経て、現職の東京工科大学に着任され現在に至っています。

その間、コンピュータグラフィックスにおけるNPR(Non Photorealistic Rendering)とスケッチモデリング、感性情報処理に基づくデザイン支援の研究に従事され、それらを展開させたアニメーションやゲーム作品のためのコンテンツ制作支援技術に関する研究テーマを開拓しつつ、多くの優秀な人材を育てられました。

また、画像電子学会会長、Visual Computing研究委員会委員長、芸術科学会会長、Asia Digital Art and Design Association会長、情報処理学会グラフィクスとCAD研究会主査、日本図学会副会長、ISGG理事などを歴任され、国内外のコミュニティーの発展にご尽力されました。これらの貢献により、2014年に画像電子学会フェロー、2019年に情報処理学会フェローの称号を授与されました。



メディア学フロンティアシンポジウムのご案内
 このシンポジウムはどなたでも参加できます。近藤教授のほか4名の講演者と卒業生のパネル討論があります。

2020年3月14日(土)10:00-18:00 (予定)
東京工科大学 蒲田キャンパス
http://www2.teu.ac.jp/lenz/mediafrontier/

メディア学部 兼松 祥央

2020年1月12日 (日)

先端メディア学/ゼミナール(ミュージック・アナリシス&クリエイション)で「打ち込み」に打ち込みました

2019年12月21日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

私の先端メディア学/ゼミナール「ミュージック・アナリシス&クリエイション」では、その名の通り、楽曲分析や音楽制作を軸に、それらに関連したさまざまなトピックを毎回取り上げています。

先日の授業では「打ち込み」をしました。

音楽の分野で「打ち込み」というと、一般的にはシーケンサーやドラムマシンに演奏データを入力する作業や、その作業によって作られた楽曲を指します。メディア学部では、主に専門演習「作曲演習」やプロジェクト演習「DAW演習」で行なっています。

Photo01_20191215150901
「作曲演習」での打ち込みの様子

でも、なぜ「打ち込み」というのでしょうか? コンピュータにデータを入れていくのですから、普通に「入力」で良いですよね?

実は今から40年ほど前は実際に演奏データを「打ち込み」していました。当時はデスクトップPCやシーケンスソフトはもちろん無く、音楽制作専用のディジタルのハードシーケンサーが音楽制作スタジオに設置され始めたころです。

その初期のシーケンサーとして有名なのは、日本の電子楽器メーカーであるRoland社のMC-8(1977年)とMC-4(1981年)です(※MCは「Micro Composer」の略です)。音の「高さ」「長さ」数値化し、その数字を本体のテンキーで一つ一つ入れていたことから「打ち込み」という言葉使われるようになったようです。

さて、今回はMC-4を使って、履修生5名が本来の「打ち込み」を体験しました。MC-4はMC-8と違って鍵盤からも入力できるのですが、ここは敢えて厳しい「いばらの道」を。全ての作業をテンキーのみで行いました。入力したのは、MC-4のマニュアルにサンプルとして掲載されている2小節の簡単なフレーズです。

Photo02_20191215160301
いざ、テンキーを使ってMC-4に「打ち込み」中

まず、「ド[8分音符]ーミ[8分音符]ーソ[8分音符]ーミ[16分音符]ーソ[16分音符]…(続く)…」の音高を数値化したCVデータと呼ばれる「24」「28」「31」「28」「31」…の数字を打ち込みます。次に、音価(音符の種類による音の長さ)を数値化したステップタイムというデータを入力します。ここでは1拍(4分音符)を「120」としているので、「60」「60」「60」「30」「30」…の数字を打ち込んでいきます。最後にテヌートやスタッカートなど、音符の表情付けに関わるゲートタイムのデータを打ち込みます。マニュアルに記載された「40」「40」「50」「10」「10」…の数字をそのまま入れることにしました。

これら一連の作業を5人で分担して行なったのですが、初めての体験ということもあって、マニュアルと睨めっこしながら30分ほどかかったでしょうか。たった2小節で30分…。もちろん、慣れれば5分もかからずに入力できると思います。

Photo03
悪戦苦闘しながら「打ち込み」に打ち込んでいるところ
(※左側に写っている2台もシーケンサーです)


なんとか「打ち込み」が終わったので、再生モードにしてプレイバックしてみると無事に入力できていました! …演奏時間はわずか5秒…。入力30分、演奏時間5秒です。最新の機材やソフトを使えば入力作業は1分もかかりません。

でも、過去の音楽制作を追体験することで、当時このようにして作られていた音楽を聴くときの「意識」は明らかに変わるはずです。それと同時に、音楽を取り巻くテクノロジーの発達や音楽制作の手法を知識としてだけでなく、実感をもって知ることでしょう。音楽に限らず、土台となっている基礎的な部分の理解は先端的な技術や知識の習得にも役立ちます。

Photo04
ようやく音が出てホッと一安心

ところで、無事に入力と再生ができてバンザイ!といきたいところですが、このMC-4は電源を切ると、これまで苦労して打ち込んだデータが消えてしまうのです。では、どのようにデータを残すか?

実はカセットテープにデータ(音ではありません)を記録するのです。上の写真で、MC-4の背面に置かれているのがポータブルカセットレコーダーです。これを使ってカセットテープにデータを記録し、再びMC-4に読み込ませたところ、しっかり再生できました。メデタシメデタシ。


[文責:伊藤謙一郎]

2019年12月21日 (土)

バウハウスを主題にした国際ゲーム開発の様子がCGWorldに掲載

2019年12月 5日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

伊藤彰教です。

三上先生・安原先生と共に継続的に取り組んでいる、学生による国際的なゲーム開発教育プロジェクト「International Game Studio」ですが、今年はバウハウス100周年ということで、バウハウスを主題にしたゲーム開発に取り組んできました。

『3回目のハルツ大学(ドイツ)との国際共同遠隔ゲーム開発』(三上先生)

『ゲーテ インスティトゥート東京での「"Playing Bauhaus" プレイングバウハウス展」を振り返って』(安原先生)

特に今回はアート&デザインがテーマのゲームということで、エンタテインメント系のゲームに興味がある学生だけでなく、プロジェクト演習「クリエイティブ・アプリケーション」を担当する近藤先生および演習講師の渡邊賢悟先生にもご協力をいただき、幅広い分野からの学生が集まった多様性豊かなチームになりました。

そしてこの度、IGDA Japan(国際ゲーム開発者協会日本支部)で重責を担っておられる小野憲史さまに取材をいただき、CGWorldに掲載いただきました。

『バウハウスをテーマにどんなゲームをつくる? 日本とドイツの学生が共同制作で挑んだ「プレイング・バウハウス」発表会レポート』(CG World.jp 2019/12/5公開)

「Playing Bauhaus」は、世界的なバウハウス100周年の記念を世界中で祝う1年がかりの大イベント「100 Jahre Bauhaus」の一環として、ドイツ国際文化交流機関であるゲーテ・インスティテュートが公式のイベントとして企画したものです。いわばドイツ公式のバウハウス記念イベント。これにゲーム開発として参加できたことを非常に光栄に思います。

Img_1218Img_1227

「バウハウスって建築とかビジュアルデザインなんじゃないの?」

今回の展覧会は「バウハウスの理念・手法などを未来に活かすには」という意図でまとめられた「バウハウス・オープンエンド」という一連の企画展の一部であり、今日的な、そして未来に向けたあらゆる意味での「デザイン」の可能性を示すという意味が込められています。「グロピウス、イッテン、カンディンスキーらが2019年のいま生きていたら…ディジタルメディアのデザインやゲームにもきっと興味をもったはず」。ドイツ・日本でこのプロジェクトに関わった教員や学生は、デザインという意味の源流・本質を再確認しつつ、現在に写像する試みにチャレンジしました。

会期中では、これまでオンラインでしかコラボレーションできなかった日独の学生が、ライブでゲームの新しいステージをゲームジャム形式で作ってしまうなど、学生さんたちの目覚ましい伸びは素晴らしかったです。

Img_1248Img_1233

最初はお互い慣れない英語でおどおどと話し合っていましたが、会期が終わる頃には笑顔で仲良くなっていました。ことばの壁を超えてゲームが「メディア」となっていることを実感します。これからを生きる学生さんたちが才能をのびのびと羽ばたかせられる環境を、メディア学部はこれからも整備し続けます。

Img_1225

Img_1241

2019年12月 5日 (木)

ポーランドの美術大学 その3

2019年11月27日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

コンテンツコースの佐々木です。

このシリーズを読んでくださって、
Dziękuję! (ジンクイエ= ありがとうございます!)

今日は、ポーランドのシレジア地方にある、シレジア大学の芸術学部での授業についてお話します。この芸術学部には、ビデオ・ゲーム アンド バーチャル・スペース・デザインというコースがあって、私はいまこのコースの短期教員として滞在しています。

ポーランドの美大生に対して、私の授業内容が受け入れてもらえるかどうかドキドキです。特に今日はワークショップ(メディア学部でいう『演習』ですね)なので、学生さんたちが、ちゃんと作品を作ってくれるのかどうか心配です。

課題は「現代の妖怪をつくる」です。





ゲームキャラクターの「ポケモン」や、アニメの「妖怪ウォッチ」のデザインは、実は江戸時代に遡って「妖怪」が創り出されたプロセスに似ているのです。そこには、いろいろな法則性があって、スライドでは以下のようなカテゴリーに分けてみました。




1番のモノ妖怪というのは、付喪神絵巻に出てくるような「古くなったモノたちが化け物になる」というパターンです。2番の動物妖怪は、江戸時代に河鍋暁斎が描いた浮世絵にでてくるような、化け猫や魚たちのキャラクターです。

3番以降はちょっと難しいですよね。3番の怨霊というのは、たとえば「北野天神絵巻」に登場する菅原道真の怨霊などで、4番は「風神雷神」や「龍神」のようなキャラクターです。5番の例としては、蓮華王院(三十三間堂)の、千手観音の眷属たちなどにインスピレーションを受けたものです。

実は、これに加えてもっとコワいものもあります。江戸時代の奇想の画家、曾我蕭白が描く、狂った人間などなのです。これはほんとにコワいですよ、生きてるんですから。

さて、これらの事例を見てもらって...
ポーランドの美大生のみなさんに、現代の妖怪をデザインしてもらいましょう。
制限時間は2時間です。




おお!君はもう5つも妖怪を作ってしまったの!
速すぎるー。しかも上手ですね。



ええー! あなた、これを30分で描いたんですか。脱帽です。



彼女は、結局2時間で、3枚も作品を仕上げました。びっくりです。



彼は「楽器妖怪」を作成中... すごい集中力で作業しています。



これは「ソーシャル・フォービア」という名前の妖怪だそうです。
つまり、SNS中毒になってひとつの固まりになってしまった人間たちです。
うん、これは新しい妖怪だ!

ところで...
今日ご紹介した学生さんたちは、実はまだ1年生です。
この9月に入学したばかりで、まだ大学生活は1ヶ月ちょっと。
なのに、このスピード、この集中力、このうまさ。
私としては、ほんとにびっくりの結果となりました。


シレジア大学とメディア学部との間では、今後も教育的な提携が続きます。
学生や教員による相互の訪問やゲームジャムなど、交換留学プログラムなどが行われる予定です。
高校生のみなさん。メディア学部に入学して、ぜひ海外留学にも挑戦してみませんか?

それではみなさん、Do widzenia!(ドゥビゼーニャ=さよなら)



この記事は、コンテンツコース・佐々木が担当しました。




2019年11月27日 (水)

ポーランドの美術大学 その2

2019年11月26日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、Dzień dobry!(ジンドブレ=こんにちは)
コンテンツコースの佐々木です。

さて、昨日にひきつづきポーランドのシレジア大学からご報告です。
前回の学部ブログにも書いたように、今回のように2週間ものあいだ外国の大学で授業をするなんて、私にはまるで未経験のことですので、本当にドキドキしながら準備をしてきました。いったいどうなることでしょう?



さて、いよいよ一日目の授業開始です。
さすがに私も緊張気味で、おそるおそる自己紹介などを始めています。

Przedstaw się (プセツダーブ ジェ=自己紹介)
うーん、なんかみんな冷ややかな反応...
いきなり、すべってしまったかも?



それなら、これはどうだ!

ウルトラマンを取り出したら...
おお、一気に受けました!

今回の授業は、日本美術と日本のキャラクターとの関係なので、講義の中でも怪獣やウルトラマンが大活躍します。こちらの学生さんも怪獣は大好きのようです。





それから「鳥獣戯画」!
11世紀の「付喪神絵巻」とならんで、まさに、日本の漫画文化の原点ですよね。
うさぎやカエルが相撲をとったり、みんな可笑しくて笑ってくれてます!

おかげでやっと、みなさん話についてきてくれたので、話を進めることができました。
古代の仏教彫刻のスタイル変遷を紹介したり、日本の絵巻物のいくつかを解説したりしつつ、これらの中からいかにして、現代のアニメやゲームのキャラクターが生み出されてきたかと解説しました。

なんと、みなさん、本当に熱心に聞いてくれました。
初日の午前中の授業をなんとか無事に終えて、私もやっと安心しました。
これならば、ポーランドの大学での授業も進められそうです。




次回は、この授業内容をベースにした、ワークショップの様子を紹介しますね。
学生さんたちが作った作品もご紹介しますので、お楽しみに!



この記事は、
コンテンツコースの佐々木が担当しました。



2019年11月26日 (火)

ポーランドの美術大学 その1

2019年11月25日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさんこんにちは!
コンテンツコースの佐々木です。

私はいま、ポーランドのシレジア地方にある、シレジア大学・カトヴィツェ校の芸術学部来ています。この学部の「ビデオ・ゲーム アンド バーチャル・スペース・デザイン」というコースの学生にむけて、授業やワークショップを行うためです。

この学部とメディア学部は、2017年より教育的な提携を結んでいて、これまでもさまざまな交流が行われています。教育内容もメディア学部のコンテンツコースにとても似ていて、まさに兄弟のような学部だと思います。

普段、私がメディア学部で行なっている教育的な手法が、ここでも活かせるかどうか不安です。教員としての腕試しのようなところもありますので、私自身、ドキドキ緊張しながら準備を進めて来ました。使用する言語はもちろん英語です。ポーランドに滞在していると、街中で英語が通じる確率は30%くらいな感じがします。タクシーやスーパーのレジなどでは、ほとんど通じません。この大学の教室では、一体どれくらい英語で通じるのでしょうか?




シレジア大学カトヴィツェ校の入り口です。
はじめから圧倒されてしまいますね。

今回の授業とワークショップのテーマは、"Quest to Japanese Traditional Game World"としました。こちらの学部は、芸術学部というだけあって、まさに「芸術」が中心なので、私の授業やワークショップも、日本の美術史を基本として、その中で現代のコンテンツデザインに活かせるようなテーマを選んでみました。

今週のテーマは「日本の美術史から生まれた妖怪」です。日本では7世記〜8世紀の古代に仏教の伝来があり、その後日本の彫刻美術は飛躍的な発展をとげました。それがいずれ、11世紀ころから、日本的な解釈が中で絵巻物などの形で生まれ、ジャポニズム的な芸術に引き継がれていきます。「ポケモン」や「妖怪ウォッチ」に登場するキャラクターは、その後江戸時代に花開いた、自由で発想豊かな絵画芸術にそのルーツを見ることができます。

でも、一体こんなにムズカシそうな固い話をしても、ポーランドの学生さんたちに通じるのだろうか? 教える言葉も英語で大丈夫だろうか? 歴史のあるポーランドの美術大学の学生さんって、一体どんな感じなのだろうか...  教えるほうの私が、ドキドキしていてはいけませんよね。

さて、このポーランドでの授業とワークショップ、いったいどんなことになるでしょう?
次回のブログで、続きを報告いたしますので、お楽しみに!



コンテンツコース・佐々木が担当いたしました!





2019年11月25日 (月)

より以前の記事一覧