研究紹介

先端メディア学Iを履修していた1年生が外部発表してくれました

2026年4月 1日 (水) 投稿者: メディア技術コース

2026年3月2日(月)に東京工芸大学で開催された映像表現・芸術科学フォーラム2026で以下の研究発表を行いました。

発表してくれたのは、2025年度に大学1年生の春名さんです (2026年度に2年生)。メディア学部には、大学1年生でも履修できる「先端メディア学」という授業があります。これは、早期に研究室のゼミに参加し、半年から1年以上掛けて卒業研究相当の研究活動を行うというものです。優秀であり意欲的である学生による、「早く研究したい」という希望に応えた授業になっています。この活動での研究成果を外部の学会で研究発表することをメディア学部は奨励しています。

学会当日の写真です。

Haruna

春名さんが研究開発したツールとその概要を以下に示します (概要の流れ図をクリックすると、大きい画像を見ることができます)。

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ゲーム開発において必要な素材のリストアップや制作は初心者には簡単ではありません。今回の研究では、テキスト生成AI「Gemma 3」、画像生成AI「Stable Diffusion xl-base-1.0」、3Dモデル生成AI「Hunyuan3D 2.0」を活用して、ゲーム制作の準備をお手伝いするツールを開発しました。このツールを使うと、アイデアレベルの短い文章から、ゲームプロット(簡易ストーリー)、舞台イメージ、登場人物たちの詳細設定、登場人物たちのビジュアルイメージ、登場人物たちの3Dモデルを順に自動生成してくれます。生成AIの組み合わせ使用に関する知識がなくても、ツールのボタンを押していくだけで誰でもこのツールを使用することができます。必要に応じてウィンドウ内の設定テキストを少し修正することで、自分好みに出力を調節できます。

東京工科大学メディア学部には、このように、大学1年生の時から研究室に参加できる授業もあり、研究成果を外部発表することを積極的に奨励しています。本学部に興味をもった方は、ぜひ本学部のホームページを訪れて、本学部の特長やカリキュラムを確認してみてください。

(文責: 松吉俊)

 

2026年4月 1日 (水)

修士1年の学生さんが学会発表してきました

2026年3月11日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の榎本です。

 

こちらの研究室の修士1年生の宮本和哉さんが、社会言語科学会という学会で発表してきました。

第50回大会となる今年は広島大学での開催でした。

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社会言語科学会は、言語・コミュニケーションを,人間・文化・社会との関わりにおいて取り上げ,そこに存在する課題の解明を目指す学会です。

 

宮本さんは、2日目の午後のポスターセッションで、話してもらいました。

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発表タイトルは、「麻雀場面における戦略的コミュニケーション方略の分析」でした。

ご近所麻雀(素人麻雀)でみんながどんな会話をしながら麻雀をしているのか、勝つためにどんなことに言及しているのかを調べたものです。

 

その結果、表1のような内容が麻雀に関わるものとして話されていることが分かりました。

1Cautionラベル概要


ラベル


用語の説明


発話例


聴牌(テンパイ)


和了(ホーラ:手牌を完成させ,得点すること)に

必要な牌が残り1枚となった状態


んなあ 聴牌やな この人


立直(リーチ)


自身の聴牌を開示する行為
和了時の翻(ハン:役のレベル)が1つ上がる


え もう立直


待ち(マち)


聴牌時の和了牌 または,その受け入れの形


誰かポン


役(ヤク)


和了時の手牌の特定形 もしくは,特定の和了方法


出てへんやん 萬子がなぁ


翻(ハン)


各役に与えられているレベル 得点の多寡に関係する


チャンタか三色(サンシキ)や


ドラ


和了時,手牌に含まれていると,その枚数分,

翻が上がる牌


安くないよ


副露(フーロ)


他プレイヤーの打牌を利用し,

面子(メンツ:3枚組)を作る行為


ドラ行った ドラやドラや

 

「待ち」に関する言及が44%,「聴牌」に関する言及が22%であり,約7割が敵プレイヤーの「和了に必要な牌」への言及であることが分かりました。

 

この研究にはまだまだ続きがあるので、気になる方は以下を読んでみてください。

麻雀場面における戦略的コミュニケーション方略の分析. 宮本和弥・榎本美香. 社会言語科学会第50回大会発表論文集. pp. 311-314

2026年3月11日 (水)

映像表現・芸術科学フォーラム2026参加中

2026年3月 2日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の椿です。こんにちは。

今日は、映像表現・芸術科学フォーラム2026に参加しています。

今回は過去最大の発表件数とのことです。メディア学部の学生の方たちも多く参加しています。4年生や修士2年生は、完成させた卒論や修論の内容を発表するのではないかと思います。この時季ですので学生最後の発表の方も多いかもしれません。

私の研究室の院生も発表します。瞳孔径を使って疲労の程度を測ろうとする研究です。私も午後にポスター発表をします。翻訳版の漫画に関するものです。以前にもここで発表したことがありますが、色々とコメントを頂けて、その後の実験方法を考えるときに非常に参考になりました。今日もコメントを頂けることを楽しみにしています。

 

2026年3月 2日 (月)

寺澤研究室2025年度卒業研究の振り返り

2026年2月20日 (金) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の寺澤です。

ネットワークメディアプロジェクト(寺澤研究室)は2026年1月29日に2025年度卒業研究の最終発表会を行いました。11名の最終発表と1名の中間発表を行いました。最終発表したテーマは半数以上の6件がAIを直接利用するテーマとなりました。いくつか3月の学会発表を控えているものもあります。また、これらも含め多くのテーマで、研究の過程で作るシステム等の開発にAIを活用する事例が多くみられました。

従来はプログラムを作る以前に、必要な開発環境を整備することに苦戦する学生が多かったのですが、AIの利用で2025年度はそれは全くありませんでした。最低週1回は全体および個別のミーティングを行っているのですが、研究の進め方についてAIに相談している学生もいました。また、コーディングにAIを利用する場面もみられました。開発環境自体がAIを使ったコーディングを前提としているものもあります。これは一見学生が単に楽をしているように見えるかもしれませんが、そうではありません。また、すべてAIに作らせているわけでもありません。

AIに指示する際には、どのような仕組みをどう実現したいのかを明確に指示しないと、自身の研究の特徴を表現できません。また、生成されたコードが想定通りに動くのかのテストは必ず学生自身にテストケースを作成して実施してもらい、ミーティングではコード内容の説明も求めています。人間である他人が書いたプログラムを読むのも苦労するものですが、学生たちはAIが生成したコードの解読に手間取っていました。

一方、「それなりに動く」段階に早く到達できたことで、これまでより研究の内容を深めることができました。「ここまでできたのなら、これもやってみよう」と、優先順位を下げていたことまで実現できるようになりました。研究の本質的なことに割ける時間が増えたのです。

研究の道具も変化しています。ソフトウェアが中心の開発の場合、研究室に用意しているPCではなく、学生自身が持っているノートPCのみで開発が行われることが多くなりました。これは、数年前からの傾向でもありますが、各種のクラウドサービスを利用したり、開発をGoogle Colabで行ったり、生成AIをAPIで利用したりということが一般化し、また、ノートPCの性能がそのような作業のためには十分高いため研究室のPCがあまり必要なくなっているのです。作ったシステムの実行環境としても需要が少なくなっています。研究室の今のPCは割と最近買い替えたものですが、今後は研究室のPC更新はかなり縮小してもよさそうです。その代わりサービスの利用料の支払いが増えています。私の老眼対策として、モニタは大型の良いものに買い替えています(笑)。各自のノートPCをモニタにつないでもらってミーティングしています。

言い換えれば、研究室まで来なくても進められるテーマが増えたということになります。そのため、学生にとって、研究室に対面で集まり他の学生の研究の進捗発表を聞いたり、自分の研究内容の説明をしたり、あるいは助け合ったりというミーティングの重要性がより高まりました。

なお、卒業論文や発表スライドはもちろん学生が自力で作成しています。添削をしていますからこれは確かです。

(メディア学部 寺澤卓也)

2026年2月20日 (金)

学びが社会につながる瞬間 ― 兵庫県での実証実験から

2026年2月 6日 (金) 投稿者: メディア社会コース

2025年12月13日、兵庫県において、TOA株式会社と共同で

Auracast™とWi-Fiを活用した補聴支援システムの実証実験
を実施しました。

本取り組みについては、大学のプレスリリースでも紹介されています。

https://www.teu.ac.jp/press/2025.html?id=291

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この実証実験に至った背景には、少し個人的で、とても象徴的なストーリーがあります。

実は、私の研究室で聴覚障害や音声情報アクセシビリティについて学んだ学生が、卒業後にTOAへ入社しました。

昨年3月ごろ、その彼と「一緒に何かできないだろうか」という話をしたことが、すべての始まりでした。

彼が社内で上司の方々に丁寧に説明してくれたことで、

大学での研究と企業の技術・フィールドを組み合わせた今回の実証実験へとつながりました。

指導教員として、これほど嬉しい出来事はありません。

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さらに最近では、彼に続く形で、他の卒業生たちも一緒に何かできないかと声をかけてくれています。

今年は、兵庫県での成果を踏まえ、

実際の駅や空港といった公共空間での実証実験を目指し、現在も企業・関係機関と協議を進めています。

大学での学びが、

企業での実践につながり、

さらに社会へと還元されていく。

この実証実験は、そうした循環が現実のものとして動き始めていることを示す、

一つのモデルケースになると考えています。

メディア学部での学びは、教室の中で完結するものではありません。

社会とつながり、人とつながり、未来へと続いていくものです。

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「サイレント・コミュニケーション」、3年次科目「音声情報アクセシビリティ」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。

2026年2月 6日 (金)

オーラキャスト™とWi-Fiが切り拓く、新しい音声情報アクセシビリティ体験

2026年2月 2日 (月) 投稿者: メディア社会コース

昨年度、私たちはAuracast™(オーラキャスト)とWi-Fiを組み合わせた補聴支援システムの体験会を、各地で実施しました。

こちらのの画像は、その取り組みの一部をまとめたものです。

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体験会には、聴覚障害当事者の方々をはじめ、言語聴覚士など支援に関わる専門職の方々、そして音やアクセシビリティに関心を持つ一般の方まで、幅広い参加がありました。

多くの参加者が共通して口にされたのは、「驚くほどクリアに聞こえる」という率直な感想です。

このシステムの特徴は、雑音や反響の少ない非常に明瞭な音声を、個人の補聴器やスマートデバイスに直接届けられる点にあります。

その結果、音声をリアルタイムで字幕に変換する際も誤変換が大幅に減少し、情報の正確性が高まることが確認できました。

私たちはこれを、単なる「聞こえの補助」にとどまらない、

新しい音声情報アクセシビリティの形として捉えています。

交通、教育、文化施設、イベント空間など、音声情報が重要な場面での応用が強く期待されます。

メディア学部では、このように

テクノロジー × 社会課題 × 実証フィールドを横断しながら、

「社会に実装されるメディアとは何か」を実践的に探究しています。

これから大学選びをする高校生の皆さんにとっても、

そして教育・研究に携わる教員にとっても、

メディアの役割をあらためて考える一つの事例になれば幸いです。

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「サイレント・コミュニケーション」、3年次科目「音声情報アクセシビリティ」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

2026年2月 2日 (月)

令和8年度道祖神祭り

2026年1月27日 (火) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の榎本です。

今年も1/15日に行われた野沢温泉道祖神祭りの撮影に行ってきました。

2012年の秋から行き始めたので、14年目に突入です。もはや我々の撮影したビデオが古典的なメディアになりつつあります。

 

道祖神祭りは毎年、必ず(曜日に関係なく)1月15日に行われます。社殿を作り、それを燃やすというお祭りです。20140115_212044a_00470904 

この写真は、その社殿が燃えているシーンです。社殿の上部は正方形で40畳ぐらいあります。

そして、左右にある明かりの付いた飾り物のあるものが「初灯籠」と言われるもので、村人の誰かの家に長男が生まれると、その子の無事の成長を願ってこの初灯籠が奉納されます。1つ作るのにおよそ100万円かかると言われており、その長男の家の負担になります。昔は、一度に7つぐらい奉納されたこともあったのですが、年々、初灯籠を作ってくれるお家が減っており、最近では2つ(のお家)が奉納されることが通常です。奉納というのは、燃えている社殿に灯籠を突っ込ませて、燃やすことです。

私は1/11日に立てられた1方の方の灯籠の撮影から野沢に入りました。お祭りの準備はおよそ1/8ぐらいから始められて、祭り会場となる道祖神場を雪で埋め立てるという作業が行われます。その他、諸々の細かい作業があり、1/13には社殿の柱になる御神木を山から手で引いて下ろしてくるという行事が行われます。

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木を曳くのは42歳と25歳の厄年の男性が中心となります。スキー場の中腹に保管してあった御神木の2本をそれぞれ道祖神場まで曳いて行きます。

雪のある山中では木を引きずっていくのですが、村中のアスファルトの道路があるところは「ゲタソリ」というものを木の下にくくりつけて、木が直接道路にあたらないようにします。

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この図はゲタソリを御神木に縄で括り付けているシーンです。木を曳く主役は42歳厄年なのですが、こういった各所の裏方の仕事は41歳と40歳の見習いの方達が担います。42歳、41歳、40歳の人たちを「三夜講」と呼びます。40歳で三夜講に入った人はまず見習いとして、先輩達から縄の結び方や物事の考え方(どんなことも手を抜かないとか率先して作業にあたるとか)を学びます。41歳も本見習いとして、同じことを学びます。この人たちは見習い2年目になるので、見習いの中では先輩になります。そして42歳になると「本厄」となり、祭りを執行する中心人物となります。

私たちの研究は、見習いが本厄からどのように伝統を受け継いでいくのかを分析することです。縄の結び方や木の切り方、お供物の並べ方など、技術や知識は覚えればいいだけですが、物事の考え方はそうはいきません。長い準備作業を通して、先輩の態度を見ながら、徐々に身体に脳に浸透させていくしかないわけです。それがどういった端端で学ばれていくのか、コミュニケーションの分析を通して明らかにするというのが我々の目的です。

2026年1月27日 (火)

VLMに関する研究発表が自然言語処理研究発表会の若手奨励賞を受賞しました

2026年1月 9日 (金) 投稿者: メディア技術コース

以下の画像をご覧ください。これが何かお分かりになりますでしょうか?

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これらは「1枚謎」と呼ばれるものです。1枚謎は、画像1枚のみで謎の提示から解答までが完結する形態の謎解き問題です。脱出ゲームやテレビのバラエティー番組などで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。上の2つの1枚謎は、学生に作ってもらったものです。答えはこの記事の一番下に書いておきます。

近年、AIが高度に発展し、多くの問題を解けるようになってきました。数学の微積分や幾何学の問題なども高い頻度で正解に辿り着けるまでにAIは賢くなりました。それでは、上に示したような1枚謎はどうでしょうか? このような疑問を持った学生、宮本さんが75問の1枚謎を使ってAIの「謎解き力」を調査してくれました。この調査結果を、2025年12月17日に情報処理学会の第266回自然言語処理研究発表会で研究発表してきました。

ChatGPT、Gemini、Claude、LINE AIの4つのAI (正確には、Vision-Language Model (VLM))に対して調査しました。調査結果を下の画像に示します (クリックすると、大きい画像を見ることができます)。「レベル5での正答」とは「ヒントなしで正答」のことです。「レベル4での正答」は「ちょっとしたヒントをもらっての正答」を意味します。「レベル1での正答」は「ほぼ解答に近いヒントをもらっての正答」です。「レベル0」は、「ヒントをあげても正解に至らなかった」を意味します。

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日常の疑問にいつもスラスラと答えてくれるAIですが、日本語の1枚謎に関して、ノーヒントの正答率は平均5.3%程度でした。現在のAIにも謎解きはまだ難しいようです。(ですので、脱出ゲームの最中に現在のAIを使ってカンニングしても、答えを得ることは難しいだろうと言えます。)

この記事では詳細を述べませんが、1枚謎のカテゴリーごとの分析結果についても研究報告しました。これらの研究成果が学会に評価され、このたび、情報処理学会 第266回自然言語処理研究発表会 若手奨励賞を受賞することができました。

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AIはこれからもどんどん発展していくので、いつの日か1枚謎も簡単に解いてしまうのかもしれません。そのような日が来れば、人間とAIがお互いに1枚謎を出題しあって楽しむようなことができるのかもしれませんね。

 

冒頭の1枚謎の答えは、

「メロン」と「しいたけ」

です。

 

(文責: 松吉俊)

 

2026年1月 9日 (金)

家庭用ゲーム機の保存について

2025年12月17日 (水) 投稿者: メディア技術コース

家庭用ゲーム機は、任天堂の「ファミリーコンピュータ」の登場によって本格的に普及したと言われています。それ以前にも、日米欧のメーカーからテレビに接続して遊ぶゲーム機はいくつか発売されていましたが、ゲームの種類が限られていたことや価格、操作性の問題から、大きく広まることはありませんでした。当時はコンピュータゲームといえばパーソナルコンピュータでやるものでした。

一方、ファミリーコンピュータは家庭用ゲーム機の先駆けとして大ヒットし、日本で1900万台以上、世界では6000万台以上が販売されました。現在の高校生のみなさんの家庭にはもう残っていないかもしれませんが、保護者の方の中には遊んだ経験を持つ方も多いでしょう。続いて、約10年後に発売されたソニーの「プレイステーション」も世界で1億台を超える販売台数を記録し、家庭用ゲーム文化を大きく押し広げました。

しかしながら、こうした家庭用ゲーム機の多くは、現在ではすでに失われつつあります。かつて多くの家庭にあったはずのゲーム機も、引っ越しや大掃除の際に処分されたり、中古店に売却されたりするうちに数が減っていきました。ゲーム機は“遊びの道具”として使われることが多く、長期的な保存を前提としていないため、消耗品的な側面を持っています。

中古ゲームを扱う店舗に行けば、状態の良い古いゲーム機が見つかることもあります。しかし、保存状態の良い機体は年々減少しており、収集家が買い求めることで一般には入手しにくくなっているのが現状です。図書館や博物館などで後世に向けて家庭用ゲーム機を保存していくことを考えると、まとまった数の機器を確保し、適切な保管を行うことが急務だと考えられます。

さらに、こうしたゲーム機は自然に増えることはなく、時間とともに故障や劣化によって数を減らしていきます。もしかすると、皆さんの家の押し入れの奥にしまい込まれている一台が、将来的には貴重な文化財として価値を持つかもしれません。家庭用ゲーム機は、単なる娯楽を超えて、時代の文化や技術を伝える大切な資料となり得るのです。

(羽田久一)

 

2025年12月17日 (水)

NICOGRAPH2025にて学会発表予定

2025年11月26日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

11月30日から広島で開催されるNICOGRAPH2025にて、当研究室より7件の学会発表を予定しています。過去には2021年に開催された映像表現・芸術科学フォーラムでも7件の発表をしたことがありましたが、それと並ぶ研究室最多記録となりました。少しフライング気味ではありますが、既に学会ウェブサイトでもプログラムが発表になっていますので、概要を紹介させていただこうと思います。

発表タイトルは以下の通りです。

  1. 近距離条件におけるParametric Notch-Peak HRTFモデルの性能の検証 (田中涼太さん)
  2. 機械学習を活用したエレキベース奏法の識別 (森田結衣さん)
  3. ゲーム音声による感情データベースの構築と分析 (高子賀さん)
  4. ピアノ演奏における感情の自動分類 (田中悠元さん)
  5. 6種類の異なる手袋を着用した際の拍手音識別 (有賀柊花さん)
  6. 和音進行の自動認識における音響情報と言語情報の統合 (松平暁さん)
  7. ベトナム語音声合成における方言適応の研究 (渡邉南さん)

音響全般の研究が1と5、音楽の研究が2と4と6、人間の声の研究が3と4と7というように、様々な分野に広がっています。扱う対象はそれぞれですが、音をデジタルデータとして扱い、様々なデータを集めた上で、機械学習や信号処理によって新たな知見を得ていこうというアプローチは、すべての研究に共通しています。

この記事を見つけて興味をもってくださった方は、これからでもまだ学会に参加可能です。ぜひ現地でお会いしましょう!

2025年11月26日 (水)

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