研究紹介

「映像表現・芸術科学フォーラム」で、様々な音に関連して2件の研究発表

2019年3月22日 (金) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

前回、前々回の記事に続き、「映像表現・芸術科学フォーラム」での研究紹介をします。今回は、音楽でも声でも無い、日常生活の中の音に関する研究です。

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今回紹介する発表を行ったのは、「先端メディアゼミナール」を履修している二人の2年生です。このブログでもいくつか紹介記事がありましたが、低学年のうちから卒業研究に近い内容が学べる「先端メディアゼミナール」では、次々と学会発表をする人が現れています。

大石さん(写真左)は、「機械学習を用いた鉛筆の筆記音識別」というタイトルで発表しました。研究テーマを決めるための議論をしているときに、「靴のかかとのように、すり減るものの音を分析してみたい」というアイディアが出てきて、そこからもうひと捻りして、鉛筆の芯のすり減り具合を、筆記音から識別しようという課題に挑んだ研究です。最初は簡単だと思ったのですが、データを増やすにつれて難しさが明らかになってきて、そうした苦労も含めて丁寧に分析した結果を発表しました。

山本さん(写真右)は、「音響分析と機械学習を用いた揚げ物の調理進行度の推定」という発表を行いました。昨年10月に、「お料理音響学実験:おいしい天ぷらの作り方?」という記事を掲載しましたが、このときに収集したデータの分析が、はやくも学会発表として結実したというわけです。そして山本さんは、この発表で見事に優秀発表賞を受賞しました。天ぷらの音を分析するという切り口が、何と言ってもインパクトを感じてもらえたようですね。

大石さんも山本さんも、4月以降も様々な形で研究を続けていくでしょうから、この先どんな成果が得られるのか、今からとても楽しみです。

2019年3月22日 (金)

「映像表現・芸術科学フォーラム」で、人間の声に関連して2件の研究発表

2019年3月21日 (木) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

前回の記事に引き続き、「映像表現・芸術科学フォーラム」での発表を紹介します。今回紹介するのは、人間の声に関する2件の研究です。もともと私自身が音声認識の研究を長くやっていた関係で、当研究室でも声に関する研究には力を入れているのですが、最近では「何と喋ったか」を認識する音声認識研究よりも、「どんなふうに喋ったか」を研究することの方が増えてきました。

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卒研生の上島さん(写真左)は、「機械学習を用いた漫才音声の解析」というタイトルで発表しました。実は、当研究室では以前から漫才音声の研究をやっていて、ブログ記事で紹介したこともありました。ただ、以前の研究が「漫才音声を作る」側からの研究だったのに対し、上島さんの研究は「漫才音声を聞く」側からの研究だというのが違いです。特に観客の声の盛り上がりに着目して、漫才の面白さを数値化しようと試みています。

もう一人の卒研生の横田さん(写真右)は、「ディープニューラルネットによるラジオ番組音声の分析」という発表を行いました。横田さんは、2年生のときから学会発表をするなど、機械学習については既にベテランですが、今回はあらたにディープニューラルネットを使った分析に挑戦してみました。ディープニューラルネットは、扱うデータ量が多いほど性能を発揮しやすいのですが、丹念に集めたデータの量が結実した研究と言えると思います。

スマホやスマートスピーカーに向かって話しかけるのは当たり前の時代になりましたが、声の研究では、まだまだ未解決の問題がたくさんあり、これからも力を入れていこうと思っています。。

2019年3月21日 (木)

「映像表現・芸術科学フォーラム」で、音楽に関連して3件の研究発表

2019年3月19日 (火) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

このブログにも既にいくつかの記事があるように、「映像表現・芸術科学フォーラム」は、例年メディア学部から多数の発表がある学会ですが、我々の研究室からも、今年は7件の発表を行いました。全部を一度に紹介するのは大変なので、いくつかに分けて紹介したいと思います。我々の研究室では、音に関する様々な研究を行っているのですが、今日紹介するのは、その中でも「音楽」に関連する3つの研究です。

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大学院生の小野さん(写真左)は、「歪みに関する聴覚特性の分析」というタイトルで発表しました。最近の音楽配信やネット動画では、音圧を上げてコンテンツを目立たせることを重視するため、音が歪んでしまっているケースが存在します。そのような歪みを、音楽聴取者がどのように感じているのかということを、実際の聴覚実験により調べようという研究です。

卒研生のマイニッケさん(写真中央)は、「Word2vecを用いた自然言語で操作するシンセサイザー」という発表を行いました。シンセサイザーは多種多様な音を作ることができる便利な装置ですが、できることが多すぎるため、初心者にとってはちょっと扱いにくいところがあります。そこで、今はやりの人工知能を利用して、適当な言葉を入力するとそれに近い音を作ってくれる仕組みを作ってみたというものです。

もう一人の卒研生の松井さん(写真右)は、「機械学習による印象分類結果を可視化するインタラクティブ音楽プレイヤー」という発表を行いました。音楽を分析して、音量や音高などに応じて表示を変える音楽プレイヤーはこれまでにも存在しましたが、この研究では、「明るいか暗いか」とか「古典的か現代的か」など、抽象的な要素を取り出し、なおかつ聴取者の操作に応じてそれらの要素を変化させる音楽プレイヤーを作りました。

このように、理系的な切り口で音楽の芸術性を分析していくというのは、我々の研究室の得意分野の一つです。こういった分野に興味を持つ若い人たちが、どんどん入学してきてくれるのを期待しています。

2019年3月19日 (火)

映像表現・芸術科学フォーラムにて卒研生が優秀発表賞を受賞

2019年3月17日 (日) 投稿者: media_staff

技術コースの羽田です.
先週の13日に行われた映像表現・芸術科学フォーラムでは本研究室は3つの発表を予定していました.そのうちの一つの白須くんの研究である「リアルタイムに味を変えるかき氷」が優秀発表賞を受賞しました.

Jusho

この研究は先述のとおり色と匂いをつかって「かきごおり」の味を変化させるものであり,今回は残念ながら本物の氷を食べてのデモはできなかったのですが,
システム一式を持ち込み,匂いをかいでもらいながらのデモ発表をおこないました .

Happyo

この1年の頑張りのおかげで,卒業研究の最後に優秀発表賞を受賞することができました.これで本研究室においてこのフォーラムでの受賞は3年連続になります.来年度もこの伝統を受け継いで?優秀発表賞をいただけるような研究をすすめていきたいものです.
(羽田久一)

2019年3月17日 (日)

自由な言葉でライブパフォーマンスをアレンジする

2019年3月16日 (土) 投稿者: メディア技術コース

春の学会シーズンということで、このブログにも学会発表の話題が盛りだくさんです。我々の研究室でも多数の発表があったのですが、その中から、インタラクション2019での発表の紹介をしたいと思います。

修士2年の大谷さんは、ギターを使ったライブパフォーマンスに、音声認識を中心としたインタフェース技術を取り入れる研究を行っています。昨年秋にはそれまでの研究を完成させ、論文執筆まで行ったのですが、その成果だけでは飽き足らず、そこに昨今流行りの人工知能技術を取り入れる研究を行いました。具体的には、Word2vecと呼ばれる言語解析技術を利用して、どんな言葉を発しても、それに近い意味のエフェクトを実行してくれるような仕組みを作ったのです。

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大谷さんの研究成果は、これまでデジタルアート関連の学会で発表することが多かったのですが、今回は「新しい自然言語のインタフェースを作った」ということを重視して、インタラクション2019という学会で発表してみました。慣れない学会で発表するのは緊張することでもありますが、新しい発見が得られることも多く、よいチャレンジだったと思います。今回はポスターのみの発表でしたが、インタラクションという学会はデモ展示が充実していたので、我々の研究室でも、次回は面白いデモ持参での発表を目指して頑張ろうと決意を新たにしました。

(大淵 康成)

2019年3月16日 (土)

先端メディア学II(2年生)の学生が人工知能学会の研究会で発表

2019年3月15日 (金) 投稿者: メディア技術コース

先端メディア学II(2年生)の宮崎太我くんが人工知能学会の研究会で発表を行いました。

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前回の初発表(2018/11/20)に続く2度めの発表となります。前回も聴講者の皆さんから「初めてとは思えない!」「本当に2年生なの!?」と褒めていただきましたが、今回も「良かったで~!」との声をかけてもらっていました。

2つの宮崎くんの研究の書誌情報は以下です。

宮崎太我・榎本美香. (2018)「二者間バイアスの間にどう割って入るか」人工知能学会研究会資料 SIG-SLUD-B802, 39-44

宮崎太我・榎本美香. (2018)「二者間バイアス中の相槌・頷き」人工知能学会研究会資料 SIG-SLUD-B803, 31-36

論文本体は以下からダウンロードできます。(人工知能学会の会員じゃないとフリーじゃないみたいです。すみません)

AI書庫

https://jsai.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=9614&item_no=1&page_id=13&block_id=23

https://jsai.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=9706&item_no=1&page_id=13&block_id=23

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2019年3月15日 (金)

映像表現・芸術科学フォーラムでの発表

2019年3月10日 (日) 投稿者: media_staff

技術コースの羽田です.
映像表現・芸術科学フォーラムは,毎年3月に開催される学会で,その名のとおり,映像,表現,芸術といった分野の研究や作品が日本中から集まります.今年は 3/12の火曜日に西早稲田にある早稲田大学にて行われます.
メディア学部からは多くの研究室が発表を行うこの学会,私の研究室でも毎年このフォーラムに参加しており,学生たちが発表を行っています.今までは主に3年生の最初の課題として設定していたのですが最近では卒業論文の内容をもとに4年生も発表するようにしているので,今年は3件の発表があります.
    ファンを用いた煙の揺れの制御 ○十亀雄太・小山竜一・須田慎太郎
    リアルタイムに味を変えるかき氷 ○白須椋介
    UVライトを利用した光るあやとりのためのシステムの提案 ○千住 和・天野瑞希
最初の発表は3年生もので,このフォーラムに出すことを目標として取り組んだものです.ちいさなファンを動かすことで煙を制御するあたらしい表現のためのハードウェアです.
のこりの2つの研究は4年生の卒業研究です.ひとつめのかき氷に関する研究は1月にも石垣島で発表したものですが,さらにハードウェアを進化させたりと研究をすすめています.この研究をおこなっている白須くんは大学院への進学が決まっており,今後も匂い,色と味の関係性について追求していく予定です.
もうひとつのUVライトを用いたあやとりの研究は数年前にも本研究室でおこなっていたもので,前回には写真をとるということを目標としていましたが,今回は舞台などでリアルタイムにあやとりをやっているところを見せるいわゆるパフォーマンスを目的として,それに特化したシステムを構築しています.
この他にも非常に多くの研究が発表されます.東京都心での開催ですので興味があればぜひ足を運んでみてください.
(羽田久一)

2019年3月10日 (日)

ゲームの学会?!

2019年3月 7日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

伊藤彰教です。
この時期は、卒業研究などの成果を学会で発表することが多いのですが、世の中には「ゲーム」を取り扱う学会があることをご存知でしょうか。わたしも先週・今週と立て続けにゲーム関係の学会に参加しますので、ご紹介したいと思います。
 
<情報処理学会:エンタテインメント・コンピューティング研究会>
情報処理学会は、ディジタル分野での幅広い研究を行う学会です。非常に大きな組織であるため、研究の対象によって内部に「研究会」というサブグループがたくさんあります。その中で、エンタテインメント分野の情報処理に関する研究を行うグループ「エンタテインメント・コンピューティング」(通称「SIGEC」)という研究会があります。
去る2/22・23に、兵庫の関西学院大学にて研究会があり、メディア学部4年生1名、大学院修士1年1名が発表を行いました。

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(関西学院大学:三田キャンパス)
このような落ち着いた場所で、ゲームの研究会が開催されているんですね!
なお、私たちメディア学部が行なっている研究のうち、今回は「効果音」と「声」に関係する「エンタテインメントとサウンド」に関する研究が中心でした。音楽ではなく「効果音」と「エンタテインメントの中の声」は他大学ではあまり盛んに研究されておらず、多くの方から強く興味を持って頂けたようです。
なお、研究会では堅苦しい研究発表の他に、産業界などでご活躍されている方にゲスト講演をいただく機会もあり、Webの記事やtwitterなどでは滅多に伺えないようなお話も伺うことができます。今回はバンダイナムコスタジオのサウンド部部長として有名な中西晢一さんに、ゲームサウンド制作の裏側について貴重なお話をいただきました。

Guestlecture

<日本デジタルゲーム学会>
その名の通り、デジタルゲームに関係するあらゆる分野の研究を行う学会です。3/3・4にて、今年度の年次研究発表大会が岡山理科大学で開催されます。情報処理学会が主に理工系の学会であるのに対し、デジタルゲーム学会はまさに「文・理・芸」の全てをカバーする学会です。メディア学部からは…
  • ゲームCGの工学的な研究
  • ゲームデザインの研究
  • VRやホラーゲームの生体情報的研究
  • ゲーム音楽の研究
などなど、メディア学部が研究・教育する広い分野から参加する予定です。
今年の年次大会のページをご覧になった方はお気づきになったかと思いますが、基調講演も旬の話題を取り扱います。

「日本刀とゲームと博物館」と題した講演では、現在人気を集めている「歴史物」「刀剣もの」を、博物館の豊富な資料から支えていらっしゃる方に、昨今のブープについてお話いただきます。

高校生のみなさん、いかがでしょうか。ゲームは大学の研究として、立派な分野のひとつになっています。

「ゲームばっかりやってて…。真面目に勉強しなさい!」

と怒られた経験もあるかと思いますが「ゲームが勉強」になるのがメディア学部です。

「そんな不真面目そうななところ、本当に大丈夫なの?」と心配されたら「学会だってあるんだよ!こんなところで研究してみたい!」と説得してみてはいかがでしょうか?

2019年3月 7日 (木)

ロボットアニメの戦闘シーンに関する研究紹介

2019年3月 6日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部コンテンツコースの兼松です。

今日は留学生の研究「A SUPPORT SYSTEM FOR DESIGNING CAMERA BLOCKING OF BATTLE SCENES IN ROBOT ANIME」を紹介します。

これは修士課程の徐弘毅くんが行った研究で、日本図学会の論文誌「図学研究 第524号」に掲載されました。

この研究はロボットアニメに登場する戦闘シーンのカメラワークとカット割りの支援を目的としています。

ロボットアニメにおいて戦闘シーンは作品の顔とも呼べる見せ場の1つです。作品のストーリーはもちろんですが、様々なロボットがカッコよく戦う様子が魅力の1つですよね?

ロボットアニメファンの方々の中には、戦闘シーンを特に楽しみにしているという方も少なくないと思います。

しかし、一口にカッコよくといっても、様々な要因でロボットの「適した見せ方」は変わります。

そこで、戦闘のシチュエーションやロボットの行動など、様々な切り口から2500以上のカットを分析して、データライブラリにまとめたのがこの研究です。

徐君は卒業研究の頃からこういったテーマで研究を行い、2017年に国際会議で発表しました。その後、論文誌に推薦され、修正を重ねて先日掲載されることになりました。

ロボットアニメは日本人はもちろん、留学生にも人気が高く、特にここ数年は毎年研究テーマに取り上げる学生がいます。過去には、日本のロボットアニメが好きで私達の研究室で研究をおこない、現在ロボットアニメの業界で活躍している留学生もいます。

アニメが好きな学生は多いですが,こういった分野は研究としてはまだまだ未踏の部分が多いですから,是非一緒に研究してみませんか?

(兼松祥央)

2019年3月 6日 (水)

情報処理学会の論文誌に論文が掲載されました.

2019年2月28日 (木) 投稿者: media_staff

技術コースの羽田です.
BLOGでも何度か紹介している,修士課程2年の藤田くんの氷の3Dプリンタの研究が
「Elsa:氷を素材とした3Dプリンタの開発」というタイトルで情報処理学会論文誌に論文が掲載されました.一昨年の11月に学会発表を行い,そこから半年かけて論文を修正して投稿したのが昨年の6月で,そのあと査読と修正を含めて半年をかけた大作です.
今までの氷の3Dプリンタの研究の総まとめ的な内容で,何度も実験を繰り返して氷の造形に最適なパラメータを導き出すことに成功しています.学会の論文誌というのは,研究発表の中でも最も重要かつ大変なもので,これに1年かけてチャレンジした成果は指導教員として,共著者として非常に誇らしいものです.
どの大学の大学院であっても修士課程の2年の間に学会での発表だけではなく論文雑誌に掲載される論文を書くというのはなかなか大変なことですから,本学メディア専攻の大学院生の中でも非常に素晴らしい成果だと言えると思います.この数年で本学の大学院の指導体制も大きく変化しつつあり,より研究にフォーカスした学生生活が送れるようになっているはずです.彼に続いて,多くの学生がたくさんの論文を発表できるような大学院生活になるように,教員側も頑張りたいところです.
(羽田久一)

2019年2月28日 (木)

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