社会

若者よ!選挙に行こう!! Part3

2022年7月 8日 (金) 投稿者: メディア技術コース

新しい研究テーマを始めた健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

前回のブログで、若者に選挙に行ってもらうためのポスター制作をしてもらいました。しかし、単に「選挙に行こう」と言って、実際にそれが行動につながるでしょうか?たまたま期日を忘れている人がいた場合には効果があるかもしれません。しかし若者に限らず投票率が低いことには別の理由があるのではないでしょうか?

そこで次に三瓶くんの作品を紹介します。

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まず三瓶くんの作品は前回の参議院選挙の時の投票数(世代ごとの投票総数)を可視化して、それによって、若者世代が非常に影響力が弱いことを的確に示しています。理系タイプの人に訴える効果が高そうです。

そして神田くんの作品も紹介します。
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投票日を明示して、あれ何のことだろうと疑問に思わせて、さらに読まないと理解できない構成です。これは過去から今まで散々言ってきた、選挙に行こう、選挙に行こう、と言っても、実際は言ってないのだから別のアプローチで読ませるアプローチにして制作したポスターとのこと。その気づきと解決策としてのポスターデザインが秀逸でした。



2022年7月 8日 (金)

若者よ!選挙に行こう!! Part1

2022年7月 6日 (水) 投稿者: メディア技術コース

新しい研究テーマを始めた健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

そろそろ参議院選挙も佳境ですが、皆さんは選挙に行きますか?またはもう期日前投票をすませましたか?
ということで今回の話題は選挙です。

ヤフーニュースによると、2017年10月22日に投票・開票が行われた衆議院議員選挙、つまり第48回衆議院議員総選挙における投票者ピラミッドなどを作成し、世代間の意見力について投票率の観点から考察しています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20200706-00186658

まず、よく見る世代別の投票率です。一般的に若者の投票率が低くて、高齢者の投票率が高い、という程度の情報です。しかしよく考えてみてください。これだけで全体を把握できているでしょうか?選挙は得票率で当選が決まりますが、そのベースとなるのは投票数ですよね。

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ということは、世代ごとにどれくらいの人数がいるかわかる情報があるとよいですね。これは総務省が良く提示している人口ピラミッドが役立ちます。そして、上記のサイトでは、投票数も各年齢層の四角い箱の小さい部分(単位:万人)としてプロットしてくれています。


Photo_20220709000102その人口ピラミッドの女性18歳~34歳の17歳の年齢幅の投票数は371万人、男性18歳~34歳の投票者数380万人です。また女性65歳~69歳の5歳の年齢幅の投票数は363万人、男性65歳~69歳の投票数は347万人です。おどろくことにほぼ同じ投票数となっています。

つまり、65歳~69歳の高齢者の投票数は、若者の18歳~34歳の約5分の1以下の年齢幅なのに、投票数がほとんど同じです。つまり若者は少ない人口構成であり、さらにはより低い投票率であるため、自分たちの世代の意見を高齢者に比べて5分の1しか意見反映できていないことになります。

つづく
そして驚くことに、この17年間の幅を持つ若者の投票数と

2022年7月 6日 (水)

【多様性について考える④】当事者が1歩踏み出す勇気が多様性を生み出す

2022年6月23日 (木) 投稿者: メディア社会コース

当事者が1歩踏み出す勇気が多様性を生み出す

バークレーのスロープにしても、娘が地域の小学校に通っていることにしても、当時者が1歩前に踏み出したことにより、それ以外の人が「課題」に気づき、それに対する「行動」に繋がっていることが分かります。もし、1歩踏み出す勇気がなければ、それらの「課題」を多くの人が知る機会が失われていたでしょう。

「課題」に気づくことはとても重要です。例えば、学校の教室にゴミが落ちていたとします。それを拾うか、知らないふりをするかで、学校が清潔に保たれるかどうかが決まるでしょう。学校がゴミだらけになれば、外から来た人は「汚い学校だな」と感じるでしょうし、ゴミがなければ「キレイな学校だな」という印象が残るでしょう。学校全体の印象が、たった一人の気づきで決まるかもしれません。

私は難聴の娘を育てている中で、言葉を覚えることに困難を感じました。日常生活で覚えて欲しいものがあっても、なかなか覚えてくれません。そこで、思い切ってアプリの開発を思い立ったのでした。

Vocagraphy_omote

通常は紙の言葉カードを使ったり、ドリルを見ながらノートに書いたりして言葉を覚えます。もちろん、そのような従来の学習方法は重要ですが、子どもの集中力は長くは続きませんし、いつでもどこでも学習できるわけではありません。しかし、スマホアプリにすることで、子どもは自ら進んで操作をしますし、移動中やちょっとした隙間時間に使えるので、学習する時間が必然的に増えます。

子どもが言語を上達させるには、言葉のシャワーを浴びせることが大切だと言われています。つまり重要なのは従来の学習方法にこだわる事ではなく、子どもが言葉と触れ合う時間を増やすことです。音声で言葉を聞き取れないなら、視覚的な情報を増やして学習すれば良いと考えました。

アプリをリリースすると、難聴児だけではなく、発達障害を持つ保護者の方や大人の方でも失語症でリハビリをしている方などが、このアプリを必要としていることが分かりました。さらに、障害のない人々も、外国語を覚えたり、専門用語を覚えたりするのにも使えることが分かってきました。

私はこのアプリがカーブカットにおける「コンクリートの塊」となり、多くの方々の助けになることを望んでいます。そして、誰もが辛い思いをすることなく、どんな人も言葉を楽しく学べるような社会にしたいと思います。

詳しくはホームページをご覧ください。

Vocagraphy!

 

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

2022年6月23日 (木)

【多様性について考える③】情報の可視化が多様性を生む

2022年6月22日 (水) 投稿者: メディア社会コース

情報の可視化が多様性を生む

娘の学校では情報をなるべく可視化するようにお願いしていますが、それらの配慮は難聴児だけのためでしょうか。最近では多様な発達障害のお子さんもいらっしゃいますし、障害がなくても情報を可視化してもらうと理解が進みます。

音声言語はとても曖昧な情報です。例えば、「かんき」と聞くと、今のご時世では「換気」を思い浮かべるかもしれませんが、「歓喜」「寒気」などもあります。大人になれば前後の文脈から自然と意味を推測しますが、言語が発達途中の子どもや聞こえにくい難聴児は、その1つの単語が分からなくなることで、言っていること全てが理解できなくなることもあります。

本学で私が担当する音楽産業入門では、150人ほどが受講しています。その授業でスマホアプリを使ってリアルタイムに字幕をつける実験をしてみました。難聴の学生は一人もいません。学生に字幕があった方が良いかアンケートをとったところ、8割以上の学生が「字幕があった方が授業をより理解できる」と回答しました。音声で聞いている内容がより明確になることや、聞き逃したところを見返すことができるメリットがあるようです。

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「情報の可視化」は、カーブカットにおける「コンクリートの塊」と同じように、多くの人を助ける鍵になるのかもしれません。すでにスマホアプリで話している言葉を簡単にテキスト化できる時代になりましたし、それを多言語に翻訳することも可能です。聴覚障害の有無だけでなく、言語の壁さえも超えてコミュニケーションを可能にするツールとなるでしょう。

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

2022年6月22日 (水)

【多様性について考える②】聞こえる子どもたちと一緒に学ぶことを選択した娘のケース

2022年6月21日 (火) 投稿者: メディア社会コース

聞こえる子どもたちと一緒に学ぶことを選択した娘のケース

私の娘は難聴で、両耳に人工内耳をつけて聞こえるようになり、地域の小学校に通っています。このように障害児とそうでない子どもたちを一緒に教育することをインクルーシブ教育といいます。

生まれてくる子どもの1000人に1人が先天性難聴児とされています。娘が通う学校はこの地域では児童数が多い方なので1学年に150名ほどいます。同じ規模の学校7校の中に難聴児は1人しかいない計算になります。そのため、聞こえる子どもたちが難聴のある子どもに出会う確率はとても低いことになります。

障害がある子どもは適切な教育を受けるために、入学前に地域の教育委員会に就学相談を申し込む必要があります。難聴児の場合、特別支援学校のいわゆる"ろう学校"、地域の小学校に特別支援学級があればその学級、ない場合は近隣の学校に設置されている特別支援教室に通うという選択肢があります。ちなみに、我が家から一番近いろう学校はバスと電車を乗り継いで45分くらいのところにあります。同じ学年の児童数は2、3名です。丁寧な教育を受けるにはとても良い環境ですが、多様な子どもたちがいることを知るためには、もう少し人数の多い学校に行かせたいという気持ちがありました。

我が家の場合、長女と一緒に学校に通わせたかったのが第1の理由ですが、社会に出た後のことをイメージすると、聞こえる子どもたちと一緒に過ごして欲しいと考え地域の小学校に通うことにしました。娘は人工内耳が有効なタイプの難聴で音が良く聞こえているので、このような選択が出来たのでしょう。とはいえ、難聴であることには変わりませんので、聞こえにくい場面がありますから、学校ではいろいろな配慮をお願いしています。

また娘は週に1回、別の小学校に設置されている「聞こえの教室」に通っています。そこでは、発音の練習、言葉の勉強、音声言語でのやりとりなど、難聴児が苦手なことを個別指導してもらいます。詳しくは先日取材して頂いた「手話を知ろう! (知ろう!あそぼう!楽しもう!はじめての手話①)」で4ページ使って紹介されていますので、学校の図書室などで探してみて下さい。

通常の授業では、席を前から2番目にしてもらったり、なるべく黒板に文字を書いてもらったり、ディスプレイを使って視覚情報を使ってもらったりといった情報保障をお願いしています。複数の人が同時に話していると、いくら人工内耳をしていても聞き取りにくくなります。そのため、発言は一人ずつしてもらうように先生を通じてクラスの子どもたちにも伝えています。

娘も聞こえにくいながらに頑張っており、それを受け取ったのか周りの子どもたちはとても理解を示してくれています。聞こえやすいようにゆっくり話してくれたり、発言を繰り返してくれたり、子どもたちは自然と難聴について学んでくれています。

娘が聞こえる社会に飛び込んだことで、化学反応のように多様性のある環境が生まれているのを肌で感じています。一番仲の良い友だちは娘が教えた指文字を覚えてくれたので、先生の言葉が通じなかった時は指文字を使って通訳してくれることもあるそうです。友だちは毎年増え続け、とても楽しく学校に通っていますから、私たちの選択は間違っていなかったのだと確信しています。

一人がほんの少し勇気を持って一歩前に出ることで、波紋のようにその輪が広がっていくのですね。

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

2022年6月21日 (火)

【多様性について考える①】カーブカット効果から学ぶ

2022年6月20日 (月) 投稿者: メディア社会コース

カーブカット効果から学ぶ

-自ら作ったコンクリートの塊が、世界中に広まり多くの人の助けになった話-

画像

今や車椅子のためのスロープはいたるところにあります。1970年代初頭にはそれらがほとんどなく、車椅子での移動が非常に困難だったことをご存知でしょうか。

多様性を生み出した事例としてすぐに思い浮かぶのが、スタンフォード・ソーシャルイノベーションレビューでも取り上げられているThe Curb-Cut Effect(社会を動かすカーブカット効果)です。

この論文では、カリフォルニア州バークレーのとある歩道の縁石にセメントを流し込んで、簡易的なスロープを勝手に作ってしまった話が紹介されています。本来であれば警察に捕まってしまう行為ですが、このスロープにより車椅子で移動する人々が助かるため見逃してもらったそうです。

当時、全米のあらゆる都市において車椅子での移動は簡単ではなかったようで、車椅子で道路を渡る時は障害物競走のようであったと表現されています。政治活動が盛んなバークレーではこの小さな簡易スロープから車椅子を使う人々の声が広がり、何百ものスロープが作られ、後に全米に広がり何十万ものスロープが作られました。

するとスロープを使ったのは車椅子を使う人々だけではなかったのです。ベビーカーを押す人々、台車やスーツケースを運ぶ人々、そしてスケートボードで楽しむ若者までがその恩恵を受けることになったのです。

最初は困っている当事者が自力で作ったコンクリートの塊が、後に多くの人々を助けることになり、行政や政治が動き、それが世界中に広まっていったという、多様性について考える上で欠かせないストーリーですね。

 


メディア学部 吉岡 英樹

001_20220613213101
略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

2022年6月20日 (月)

【シン・ウルトラマン⑦】空想特撮という憧れと夢とロマン(メディア学部 藤崎実)

2022年6月 5日 (日) 投稿者: メディア社会コース

映画「シン・ウルトラマン」が2022513日に公開され、現在大ヒット中です。

私の知人が、映画「シン・ウルトラマン」の魅力は、つまるところ、空想特撮ということではないか、と言っていました。
私は懐かしい感覚を思い出しました。随分長いこと、聞いていない懐かしい言葉を聞いたためです。
それは、「特撮」であり、「空想」という言葉です。

現在、映像の特殊効果は、SFXSpecial Effectsスペシャル・エフェクツ)と呼ばれるのが一般的になっています。ですが、かつて映像の特殊効果は「特撮」と、日本語で呼ばれていたのです。

日本でSFXという言葉が一般的になったのは、いくつかの節目があると思いますが、中子真治さんの『SFX映画の世界』(1983年)や、『シネフェックス 日本版1号』(1983年)でSFXというコトバが使われたことがきっかけだったと記憶しています。
実は私はSF映画が好きで、当時それらの書籍を購入したので、よく覚えているのです。

さて、話を「シン・ウルトラマン」に戻しましょう。
映画のタイトルには、何と、「空想特撮映画」とはっきり書いてあるではないですか。

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(画像出所)YouTube 東宝MOVIEチャンネル 内『シン・ウルトラマン』予告【2022513日(金)公開】より(https://www.youtube.com/watch?v=2XK23KGM-eA


そこでYouTubeで、かつての「ウルトラマン」のタイトルを探してみると…。
タイトルには、何と「空想特撮シリーズ」と書いてありました。
こうしたサブタイトルがあったことは、すっかり忘れていました。
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(画像出所)YouTube「ウルトラシリーズ タイトル集(Qz)」より(https://www.youtube.com/watch?v=3vmhl2mCP6o

SFXではなく「特撮」。
その言葉に、何とも言えない作家たちの手作り感覚の熱いエネルギーを感じたのです。

そして「空想」という言葉が持っている、何とも言えない青臭い感じに、懐かしさを感じました。
思い出すと、私は空想が好きな子供でした。
いえ、ウルトラマンが放送されていた当時の子供たちは、みんな空想や空想物語、空想世界が大好きだったようです。

それは、今ほどモノや情報が溢れておらず、PCもインターネットもSNSもスマホもなく、空想という世界がとても身近な世界だったからかもしれません。

おおらかで豊かな空想の世界観。正義や夢や愛やロマン、人間の弱さや強さや、善意や、人の気持ちを信じる世界観。

そうした時代に創造された世界観を、今の時代に再生したのが、「シン・ウルトラマン」だったのですね。(メディア学部 藤崎実)

2022年6月 5日 (日)

【シン・ウルトラマン⑥】脚本家、金城哲夫の功績(メディア学部 藤崎実)

2022年6月 4日 (土) 投稿者: メディア社会コース

映画「シン・ウルトラマン」が、現在大ヒット中です。

「エヴァンゲリオン」が好きだという理由で庵野秀明監督に興味を持ち、2016年の「シン・ゴジラ」を観に行ったり、2022年の「シン・ウルトラマン」を観に行った若者は多いのではないでしょうか。
そして、改めて「ウルトラマン」の世界観や、奥深いテーマに興味を持った若者も多いのではないでしょうか。

「シン・ウルトラマン」が誕生した背景にある、言い換えれば、庵野監督を魅了したTV番組「ウルトラQ」や「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」の最大の魅力に、優れた物語性、つまり脚本の素晴らしさがあります。

先日は、デザイナー成田亨氏の功績にスポットを当てましたが、映像作品で最も大切なのは、物語、つまりストーリーです。

20代の若さで「ウルトラQ」や「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」の脚本を担当した金城哲夫氏の功績は、今までも様々な機会で語られてきました。そうしたエピソードで私が最も印象深いのは、金城哲夫氏の生い立ちです。

金城氏は生まれこそ東京ですが、中学までを沖縄で過ごします。
その幼少期は第二次世界大戦にあたるのですが、その際、金城氏はアメリカ軍による攻撃を体験するのです。
そうした戦争体験や、戦争による悲劇が金城氏の原体験にあるのです。

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(画像出所)「円谷プロダクションクリエイティブアワード 金城哲夫賞」より(https://m-78.jp/TCA/

「ウルトラQ」の不思議で不条理な世界観、「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」の正義や愛についての感覚や、底辺に流れる悲しい感じ、人間は本当にこれで良いのだろうか、といった深淵なテーマ設定など、脚本家、金城氏の戦争体験が物語に反映しているのではないかと思えるのです。

このコラムは、評論を書く場でないので、金城氏のご紹介にとどめておきますが、「昭和第1期ウルトラシリーズ」の物語の深みは間違いなく金城氏の功績です。

偉大なる作品はひとりでは創ることができません。
まず最初に良いシナリオありきです。そして、良い役者、良い美術、良い演出、良い技術などの多くの才能が集まって、ひとつの世界観がくっきりと具体化されるのです。

素晴らしい世界観とテーマを私たちに届けてくれた脚本家、金城哲夫氏の功績は今後も輝き続けることでしょう。(メディア学部 藤崎実)

2022年6月 4日 (土)

【シン・ウルトラマン⑤】デザイナー成田亨氏の功績(メディア学部 藤崎実)

2022年6月 3日 (金) 投稿者: メディア社会コース

映画「シン・ウルトラマン」が、現在大ヒット中です。
ウルトラマンの魅力のひとつに、そのデザインや造形美が挙げられます。

現在公開中の映画「シン・ウルトラマン」のヒットをきっかけに、すでにご存知の方も多いと思いますが、1966年オンエア開始の「ウルトラマン」や、1967年オンエア開始「ウルトラセブン」の美術を担当したのはデザイナーの成田亨氏です。

今回、庵野監督・樋口監督によって再生された「シン・ウルトラマン」は、もともと成田亨氏がイメージしていたウルトラマンの原型に最も近いデザインを具現化したとのこと。

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(画像出所)「シン・ウルトラマン」公式サイト内、「シン・ウルトラマンの姿」より(https://shin-ultraman.jp/about/

具体的にはTV放送時にあったカラータイマーがありません。
また、TV放送時は人間が入って演じる都合上、仕方なくつけらていた背中のファスナーや、目の部分の覗き穴などがないのです。
ミニマムな美を目指して考え抜かれた顔の造形。真実と正義と美の化身としてデザインされたウルトラマンの姿が、初めて映像化されたと言っても過言ではないかもしれません。

成田亨氏のデザインはヒーローや怪獣だけではありません。番組に登場するメカや科学特捜隊の制服や流星のマークなどなど。

怪獣のデザインも秀逸なものばかりです。ピグモンやカネゴン、バルタン星人、ベムラー、ジャミラ星人、メフィラス星人、ザラブ星人、ウー、シーボーズ、レッドキングなどなど。それぞれがキャッチーで、かなり個性的な怪獣ばかりです。

映像作品はひとりでは創ることができません。多くの才能が集まって造られます。
「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の独特の世界観を体現させた成田亨氏の功績は大きいのです。(メディア学部 藤崎実)

2022年6月 3日 (金)

【シン・ウルトラマン④】最強の敵、ゼットンの秘密(メディア学部 藤崎実)

2022年6月 2日 (木) 投稿者: メディア社会コース

2022年513日に公開された映画「シン・ウルトラマン」が、現在大ヒット中であることは前回お伝えした通りです。

私は「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」などを子供時代にほぼリアルタイムで見てきた世代です。
当然、思い出深い怪獣がたくさんいるのですが、特にゼットンには何とも言えない思いがあります。

それは最強の敵としての絶望感に近い感情です。
詳しくは語りませんが、あれほど強かったウルトラマンの最後の敵がゼットンでした。

ゼットンの頭部はカブトムシやカミキリムシといった昆虫のような形をしています。
体は人間風ですが、しかし頭部に明確な顔といったものはないので表情は伺えず、とても無機的な印象を与えます。

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(画像出所)「バンダイ公式ウルトラマン玩具情報サイト」ウルトラ怪獣シリーズ 03 ゼットンより(https://toy.bandai.co.jp/series/ultraman/item/detail/3792/

さて、表題であるゼットンの秘密ですが、このコラムでは、ネーミングの秘密をご紹介いたします。

ウルトラマンが戦う究極の敵、最後の怪獣という意味で、
アルファベット最後の文字「Z」と、ひらがな最後の文字の「ん」を合わせて「Z(ゼット)」+「ン」と名付けられたとのこと。

なるほど!という良いネーミングですね!(メディア学部 藤崎実)

2022年6月 2日 (木)

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