社会

デジタル時代のコミュニティ-3

2024年5月17日 (金) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。

今週はデジタル時代のコミュニティについてお話をしていきます。

今回はその3回目です。

今回は,コンテンツファンのコミュニティについて述べます。

コンテンツビジネスを定義するならば,「人間の創作活動の成果,芸術作品として著作者が創作した著作物(たとえば,マンガの原稿,映像,ソフトウェア等)を核に,コンテンツ(たとえば,書籍としてのコミックス,映画,ソトウェア製品等),すなわち製品をコンテンツホルダ(出版社,映画会社など)がつくり,その製品を著作権法上の権利をもとに,戦略的に,様々な形態に変容させ,かつ,物語を拡張させて,多様なメディアに流通させること」ということができると思われます(進藤,2009)。インターネットやソーシャルメディアの発展により,コンテンツファンは受動的で孤立した存在ではなく,能動的で繋がりを持つ人々になりました。そして生活者のコンテンツに対する強い感情的愛着をうながし,そのことによって,さらに売上を増やす方向に考え方が重要になっています(ジェンキンズ,2021)。

<引用・参考文献>

進藤美希(2009)『インターネットマーケティング』白桃書房

ヘンリー・ジェンキンズ,渡部宏樹・北村紗衣・阿部康人訳 (2021)『コンヴァージェンス・カルチャー ファンとメディアがつくる参加型文化』晶文社

2024年5月17日 (金)

デジタル時代のコミュニティ-2

2024年5月15日 (水) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。

今週はデジタル時代のコミュニティについてお話をしていきます。

今回はその2回目です。

今回はプロシューマーのコミュニティについて見ていきましょう。プロシューマー(prosumer)とはproducerとconsumerからなる造語で,生産と消費とを一体化し, 消費するだけでなく創造をも行う生活者のことを意味します(トフラー,1982)。

このプロシューマーのコミュニティの代表例として,フリー/オープンソースソフトウェアのコミュニティがあります。フリー/オープンソースソフトウェアは現代社会の重要なシステムに広く採用されているソフトウェアです。フリー/オープンソースソフトウェアは,企業のなかから生まれたものではありません。個人が生み出したものであり, ハッカーによる自発的な開発活動が,コミュニティを舞台にして行われています(井田・進藤,2006)。

<引用・参考文献>

アルビン・トフラー, 徳岡孝夫訳(1982)『第三の波』中央公論新社

井田昌之,進藤美希(2006)『オープンソースがなぜビジネスになるのか』毎日コミュニケーションズ

2024年5月15日 (水)

デジタル時代のコミュニティ-1

2024年5月13日 (月) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。

今週はデジタル時代のコミュニティについてお話をしていきます。

今回はその1回目です。

コミュニティの形や役割は時代と共に変わってきました。20世紀半ばまでのコミュニティは,地理的に近くにいる人々と共に,食料の生産・獲得活動などを行うために形成するものでした。近くの地域の人々とコミュニティを形成していたのは,個人が自由に使えるメディアが未発達であったために,遠隔地にいる人々と連絡を取り合うことが難しかったためです。

しかし,インターネットの登場は,この状況を大きく変えました。インターネットほど,個人を一対一のみならず一対多,多対多でリアルタイムにつなぎ,多くの人が参加するコミュニティを円滑に運営可能にするメディアはありませんでした。インターネットは,コミュニティから場所の制約や古いしがらみをとりはらい,グローバルな広がりを与えました。

2024年5月13日 (月)

シンガポールとの交流

2024年3月13日 (水) 投稿者: メディア社会コース

平和中島財団アジア重点助成という助成金を平和中島財団からいただいて、今年1年間シンガポールで、遠隔医療の研究をしていました。日本でも弊学と近い西国分寺駅に遠隔医療を行うあおいクリニック-駅ホーム西国分寺がホーム上にできているようにhttps://www.jreast.co.jp/press/2021/20220208_ho01.pdf、遠隔医療はコロナ禍を経て以前よりも身近なものになっています。

シンガポールの遠隔医療を調べてみたところ、日本よりも数段普及していました。患者が支払う価格も遠隔医療ですと少し高いですが、クリニックでずっと待つ必要もなくそれは忙しいシンガポールの生活に向いていると思えます。

ふれあわないことによる誤診の問題は常にあると思いますが、もっとも大きな問題は個人に関わる医療情報をどのように管理するかということだと思います。そしてそれは日本の問題にもなると考えています。医療情報は全て専門機関が管理するのか、そのモデルが変わるのか、今中学生や高校生の皆さんが大学に入学する頃には大きな変化があるかもしれません。

 

      山崎晶子

2024年3月13日 (水)

誰でも楽しめる「インクルーシブな音楽イベント」を目指して

2024年2月23日 (金) 投稿者: メディア社会コース

音が聞こえなかったり、聞こえにくかったりしても、音楽を楽しむことができることは昨年のブログでご紹介しました。

昨年のブログはこちら>
▶️聴覚障害者と音楽イベント

アメリカでは著名なアーティストのステージに、手話通訳者も立って、人によっては音楽に合わせてパフォーマンスをしているかのような素敵な手話を披露しています。「メタリカ」というロックバンドの手話通訳者が有名なので、ぜひネットで検索してみてください。

日本でも音楽イベントに手話通訳者がつくことが増えてきていますが、まだまだ一般的ではありません。では、なぜこのような差が生まれているのでしょうか。もちろん、いくつかの理由があるでしょうが、法律に着目して日米を比較してみます。

アメリカでは、障害を持つアメリカ人法(Americans with Disabilities Act of 1990、略称ADA)が1990年に制定されました。障害者が他の人と同じように生活する機会を保証する法律です。2008年には、このADAの修正法が成立し、保護範囲や障害の定義が広がりました。

日本では、障害者差別解消法が2016年に施行され、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けた取り組みが行われてきました。しかし、この法律は公共施設などでは義務化されていましたが、民間企業や私立学校などでは努力義務に止まっていました。

そして、2024年4月から改正法が施行され、全ての場において義務化されることになります。これについて、まだ大きく報道がされていないという印象がありますが、音楽イベントの場においても当然合理的配慮が必要となるのです。

法律があるから配慮をしようということではなく、社会全体が皆んなで共生していこうという雰囲気になることが重要です。しかし、何をすれば良いかが分からないというケースもあるでしょう。障害のある人と、そうでない人が、うまくコミュニケーションをとって、その場で双方にとってベターな方法を考えていくことが望ましいのではないかと個人的には思います。

私も研究を通じて、誰でも楽しめる「インクルーシブな音楽イベント」を目指していきます。

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メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

2024年2月23日 (金)

サイエンスアゴラ2023に「サイレントコミュニケーション体験」を出展

2024年2月21日 (水) 投稿者: メディア社会コース

昨年11月18日(土)・19日(日)にお台場テレコムセンターで開催されたサイエンスアゴラ2023に吉岡研究室が出展しました。詳細は公式サイトや大学からのリリースをご覧ください。

▶️サイエンスアゴラ2023公式サイト

▶️「サイレント・コミュニケーション体験」展示紹介サイト

大学からのリリースはこちら>
▶️メディア学部の吉岡研究室がサイエンスアゴラ2023に出展

2日間で約200名の来場者に私たちの展示を体験していただきました。聞こえにくい状況をヘッドフォンで体験したり、2つのグループに分かれてジェスチャーゲームをしたり、手話を覚えたりと、家族や友だち同士で楽しく体験していただきました。

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では、なぜこのような取り組みが必要なのでしょうか。

私は5年近く聴覚障害支援に関する取り組みをしてきましたが、聞こえる人に「聴覚障害」について説明をするのがとても難しいと感じています。もちろん、私も最初はそうでした。聞こえる人にとって、音を聞くことはあまりにも日常過ぎて、意識をしたことがありません。むしろ、どこにいても音があふれていて、それらの音を意識してしまうと情報が多過ぎて疲れてしまうため、人間は必要な音だけを意識して生活しているのです。

体験した方は、「聴覚障害について少し分かった気がする」「これまで聴覚障害について考えたことが無かったが、これからは意識したいと思う」と感想を話していました。

そう、私が求めていたのは、これらの反応でした。「ゼロ」から「いち」になることで、社会が少しずつ変わっていくことがあると考えています。社会を変えるための「コンテンツ」を、これからも作り出していきたいと思います。

ここで質問ですが、聴覚障害のある方は音楽を楽しむことができるのでしょうか。聞こえる人には想像するのが難しいかもしれません。

次回に続きます、、、、、

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

2024年2月21日 (水)

高大連携による聴覚障害理解のためのハイブリッド授業

2024年2月19日 (月) 投稿者: メディア社会コース

コロナ禍に活用したWEB会議システムを応用し、高大連携のハイブリッド授業を実施したことを昨年7月にブログでもご紹介しました。

昨年7月にご紹介した記事はこちら>
▶️ハイブリッド配信を活用した中高大連携プロジェクト始動!!

実は、この時は高校生とオンラインでのみ交流していたのですが、その後8月に八王子にあるキャンパスに来ていただくことができました。詳しくは以下のリリースをご覧ください。

大学からのリリースはこちら>
▶️吉岡英樹メディア学部講師が立教女学院とハイブリッド連携授業を実施

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高大連携の一番の難しさはスケジューリングだと感じています。中高生と大学生の時間割は大きく異なりますし、お互いのキャンパスに移動するのには時間も費用もかかります。しかし、オンラインで交流ができれば、お互いの教室をつなぎコミュニケーションをとることができるのです。

今回の取り組みは読売新聞オンラインでも取り上げられました。来年度もさらに発展させる予定です。

読売新聞オンラインの記事はこちら>
▶️【特集】「他者に寄り添う心」を持って有志が続ける障害者支援活動…立教女学院

ところで、今回実施した授業のテーマは「サイレント・コミュニケーション体験と情報工学による聴覚障害支援」でしたが、ここからスピンアウトさせた「サイレント・コミュニケーション体験」を昨年お台場で実施された「サイエンスアゴラ2023」に出展して多くの来場者に体験してもらいました。

次回に続きます、、、、、

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「聴覚障害理解とコミュニケーション支援」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

2024年2月19日 (月)

【広告は生きている】広告は社会を写す鏡である③メディア学部 藤崎実)

2024年2月 2日 (金) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎実です。

コロナ禍に作られた広告は、コロナの状況を反映しているものが多くありました。

例えば、ある飲料メーカーのCMでは、飲食店に入ってくるシーンでは主人公たちはマスクをしていました。
そしてカットが変わって、食事をしているシーンでは、マスクを外して食事をしている、という具合です。

また、緊急事態宣言で、外出が儘ならない状況でも、会社に行かなければならない人たちがいました。
例えば、会社の経理担当です。
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そうした人たちは、書類に印鑑を押すためだけに出社しなければならなかったのです。

そうしたテレワークの課題を捉えて、クラウド人事労務ソフトを手掛けるSmartHRは、「ハンコを押すために出社した。」というコピーを全面に押し出した交通広告を掲出したのです。

社会の動きをよく捉えて、誰もが疑問に思うことを味方にして、自社サービスのアピールに成功した事例です。

この広告もタイムカプセルのような存在ですね。広告は社会を映す鏡といえますね。

(メディア学部 藤崎実)

2024年2月 2日 (金)

【広告は生きている】広告は社会を写す鏡である②メディア学部 藤崎実)

2024年1月31日 (水) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎実です。

広告のコピーは、社会を反映していると言い換えることができます。

例えば、バブル景気で日本中が活気に満ちて、日本中が沸騰しているような1990年代に作られたのがJR東海の「日本を休もう」というシリーズ広告です。

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景気が良いということは、働けば働くだけ経済が前進していきます。その熱気が、新しい熱気を呼び。今から思えば、バブル景気で活動的だった当時の日本は、ちょっと働き過ぎの時代だったのでしょう。

そうした風潮に対して、JR東海は広告を通じて「日本を休もう」という提案をしたのです。

これは、鮮やかな切り返しだと言えますね。
この広告に触れた多くの人は、働き過ぎだった自分たちに、はっと、気づいたのでした。

(メディア学部 藤崎実)

2024年1月31日 (水)

【広告は生きている】広告は社会を写す鏡である①(メディア学部 藤崎実)

2024年1月29日 (月) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部の藤崎実です。

私の授業では「広告は社会を写す鏡である」というキーワードが何度か出てきます。

広告は今という社会で暮らす生活者とのコミュニケーションです。
したがって、今という時代に生きている人たちにピンとこなければ、意味がないのです。

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例えば日本でクルマが普及し始めた戦後のモータリゼーションの時代は、
同時に大衆車の出現や道路の舗装も進んだ時代でした。

クルマの広告も、その時代ならではの訴求の仕方がありました。例えば、クルマは人々の憧れや、最先端の文化の象徴でもあったのです。

広告は今という時代や社会や暮らしを見据えて、考えて、作られています。
その最もわかりやすい象徴がコピーです。

その時代時代に作られたコピーを並べていくと、確かに時代を反映していることに気づきます。そうしたコピーには以下が挙げられます

「男は黙ってサッポロビール」

「モーレツからビューティフルへ」

「想像力と数百円。」

「あなたの夏が、わたしの夏でありますように。」

「好きだから、あげる。」

「夏の記憶は、濃い。」

「諸君。学校出たら、勉強しよう。」

「サラリーマンという仕事はありません。」

「おいしいものは、脂肪と糖でできている。」

「史上最低の遊園地。」

「おじいちゃんにも、セックスを。」

「ぜんぶ雪のせいだ。」

「みんながみんな英雄。」

広告コピーはまるでタイムカプセルのようなものですね。

(メディア学部 藤崎実)

2024年1月29日 (月)

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