雑感

出会ってほしい映画はコレだ! 連載 最終回

2019年10月13日 (日) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コース着任2年目の森川です。
これまでオススメした映画は以下からどうぞ。
この連載も今日でついに最終回。
最後に何を紹介するか迷いましたが、今年は7月にイギリスの学会で発表して来ましたし、まだイギリス映画を紹介していませんので、スティーブン・ダルドリー監督の出世作『リトル・ダンサー』を取り上げたいと思います。
何度見ても泣いてしまうこの作品。
舞台はイングランド北部の炭鉱町です。
田舎だけあって保守的なお土地柄。
男ならボクシングかサッカーをやるのが当たり前、という環境の中、主人公の少年ビリー・エリオットは音楽に乗って踊る楽しさに目覚め、バレエ・ダンサーになりたいと考えるようになります。
しかし、炭鉱で汗水たらして肉体労働してきた父に、男がバレエをやるというのは到底理解できないことでした。
ビリーは自分がどれだけバレエをやりたいかを示すため、父の前で言葉にならない気持ちをダンスで伝えます。
このシーンのビリーの踊りには、本当に胸を衝かれました。
ビリーの希望は、名門の王立バレエ学校に入ること。
当時、炭鉱ではイギリス史に残る長期のストライキが行われ、ビリーの父も兄も参加しています。
働いていない状態なので、殆ど収入がありません。
とても苦しいのです。
ビリーのダンスを見て、息子がどれだけ真剣にバレエの道に進みたがっているかを理解した父は、スト破りの仲間に加わる決意を固めます。
その時の父の気持ちを思うと……(涙)。
主人公のビリーを演じたジェイミー・ベルは、今や33歳、2児の父になっています。
本作で注目を集め、ハリウッド映画にも出演するようになりました。
最近では、エルトン・ジョンの自伝映画『ロケットマン』で、エルトンの盟友で作詞家のバーニー・トーピン役を好演しています。
監督のスティーブン・ダルドリーは本作でいきなりアカデミー監督賞にノミネート。
その後『めぐりあう時間たち』(2002)と『愛を読むひと』(2008)でも同賞の候補となり、名実ともにイギリスを代表する監督になりました。
『リトル・ダンサー』はミュージカル化もされており、私は5年前にロンドンで鑑賞しました。
舞台版も素晴らしい出来で、ローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作ミュージカル賞など、多くの賞を獲得し、現在もロングラン公演中です。
映画版と舞台版を見比べるのも一興。
ちなみにロンドンで舞台を見る際は、字幕などもちろん出ませんので、予習として映画版を見直して行くことをオススメします。
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※ 画像はイメージです。
【DATA】
『リトル・ダンサー』
原題:Billy Elliot
公開年:2000年
製作国:イギリス
配給(日本):角川ヘラルド映画
上映時間:111分
私の連載は今日で終わりです。
1週間お付き合いくださり、どうもありがとうございました!
また機会がありましたら、今度はもっとディープな作品をご紹介したいと思います。
ではその時まで!!
(メディア学部 森川 美幸)

2019年10月13日 (日)

出会ってほしい映画はコレだ! 連載#6

2019年10月12日 (土) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コース着任2年目の森川です。
これまでオススメした映画は以下からどうぞ。
この連載も残すところあと2回。
第1回から、サスペンス→コメディ→青春映画→アニメ→音楽映画ときて、そろそろ私の大好きなジャンルの映画を取り上げたいと思います。
何を隠そうそれは……ホラーです。
人一倍怖がりなくせにホラー映画が大好きなんですよね。
ゲームはあまりやらないのですが、やるとしたらホラーです。
なぜかは自分でもよくわかりません。
そして今回ご紹介するのは、1996年のアメリカ映画『スクリーム』です。
私は『エルム街の悪夢』シリーズのファンで、『13日の金曜日』シリーズのジェイソンや『チャイルド・プレイ』シリーズのチャッキーなんかと比べても『エルム街~』のフレディが大好き。
そんな『エルム街~』シリーズのウェス・クレイヴン監督が、『エルム街~』の次に生み出した大ヒットシリーズ、それが『スクリーム』シリーズです。
でも1996年に第一作目が公開された時点では、シリーズ化の予定はありませんでした。
どちらかと言うと低予算のニッチな作品として、ワインスタイン・カンパニーの子会社ディメンションフィルムズで公開されています。
しかし蓋を開けてみると世界中で大ヒット。
日本でもアスミック・エースが配給して大きな成功をおさめました。
その結果、シリーズ化されることとなったのです。
カリフォルニアの田舎町ウッズボローで、高校生のカップルが惨殺される事件が発生。
高校生たちは面白がって話題にしますが、事件は連続殺人へと発展し、高校生が次々と殺されていきます。
死神のマスクをつけ、黒いマントに身を包んだ殺人鬼。
一体犯人は誰なのでしょうか。
やがて犯人の魔の手は主人公シドニーにも迫ります。
とにかく犯人が最後までわからない!
結末には誰もが驚愕するはずです。
また、監督のクレイヴン自身がフレディのコスプレをして出演するなど、ホラーファンにはたまらないオマージュやうんちくが随所にちりばめられている点も魅力でした。
主人公のシドニーを演じたのは、この作品で一躍人気女優の仲間入りをしたカナダ出身のネーヴ・キャンベル。
しかし、本シリーズ以外の作品ではあまり評価されず、シリーズの終焉と共に表舞台から姿を消した感があります。
やはりホラーコメディの『ゾンビランド』で注目を集めたエマ・ストーンは、その後『ラ・ラ・ランド』でアカデミー主演女優賞を受賞するまでに成長しますが、ネーヴは大成しなかったですね…。
何が駄目だったのでしょうね。
何はともあれ、超自然的な殺人鬼やゾンビなどが登場しない分、とてもリアルな恐怖が楽しめると思います。1作目が気に入ったら、2作目、3作目も是非見てみてくださいね。
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※ 画像はイメージです。
【DATA】
『スクリーム』
原題:Scream
公開年:1996年
製作国:アメリカ
配給(日本):アスミック・エース
上映時間:111分
明日は最終回!
(メディア学部 森川 美幸)

2019年10月12日 (土)

出会ってほしい映画はコレだ! 連載#5

2019年10月11日 (金) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コース着任2年目の森川です。
これまでオススメした映画は以下からどうぞ。
皆さん、そろそろ私の映画の嗜好がわかりかけたきたのではないかと思うのですが、キーワードは「音楽」なんです。
映画の中の音楽の力って、本当に強烈だと思うんですよね。
というわけで、今日は音楽映画を紹介します。
取り上げたい作品がたくさんあって困るのですが、今回選んだのはキャメロン・クロウ監督の『あの頃、ペニーレインと』です。
15歳のウィリアムは、少しダサいけどロック大好きな優等生。
地元誌に書いた原稿が、かのローリングストーン誌の目に留まり、人気急上昇中のバンド・スティルウォーターの全米ツアーに同行して密着取材することになります。
最初は子犬のようにただただバンドについて行くのが精一杯のウィリアムでしたが、バンドに同行するグルーピー、ペニー・レインとの出会いや、スティル・ウォーターのギタリスト、ラッセルとの友情、日々繰り広げられる刺激的なツアーを経験する中で、次第に人としてもライターとしても成長していきます。
ペニーに恋心を抱き始めた時、ウィリアムはペニーとラッセルが付き合っていることを知ります。
ラッセルには他に長年の恋人がいるのに。
そんな中、ニューヨークからその、ラッセルの恋人がやってきました。
ラッセルはペニーを置き去りにして彼女の元へ。
思い余ったペニーは、自殺を図ってしまいます…。
というお話。
主人公ウィリアムのモデルは、キャメロン・クロウ監督本人です。
何と、彼も15歳の時にライターとしてローリングストーン誌に雇われ、レッド・ツェッペリンやニール・ヤングのインタビューに成功しているんですよね。
若い頃からライティングスキルが高かったようです。
ちなみに本作の脚本ももちろん監督自身が手掛けており、第73回アカデミー賞脚本賞を受賞しています。
この作品で印象的なセリフのひとつは、主人公ウィリアムの姉が、子供の頃のウィリアムに言う、
"One day you will be cool."
(あなたはいつかクールになる)
です。
そのセリフに続くのは、
"Look under your bed, it'll set you free."
(ベッドの下を見て。あなたは自由になる)
ベッドの下にあったのは、姉が集めたロックのレコードのコレクションでした。
映画の中では数々のロック音楽が使われているのですが、最も心に残るのはエルトン・ジョンの『Tiny Dancer(可愛いダンサー)』を、ツアーバスの中で皆で歌うシーン。
DVDを買って、このシーンだけ何度もリピートして見るほど好きでした。
この夏、エルトン・ジョンの伝記映画『ロケットマン』が公開されましたが、その中でも同曲は印象的に使われています。
この曲以外も、是非映画にちりばめられているロックの名曲を楽しんでください。
架空のバンド、スティル・ウォーターの楽曲も素晴らしいですよ!
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※ 画像はイメージです。
【DATA】
『あの頃、ペニー・レインと』
原題:Almost Famous
公開年:2000年
製作国:アメリカ
配給:コロンビア映画
上映時間:122分
それではまた明日!
(メディア学部 森川 美幸)

2019年10月11日 (金)

出会ってほしい映画はコレだ! 連載#4

2019年10月10日 (木) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コース着任2年目の森川です。
これまでオススメした映画は以下からどうぞ。
昨日、日本映画を紹介しましたので、今回は日本映画は日本映画でも、日本のアニメ映画を取り上げたいと思います。
小学生の頃はテレビも映画もアニメばかり見ていました。
その頃に見た1本で、途轍もない衝撃を受けたのが『幻魔大戦』という作品です。
平井和正原作の同名小説を原作とし、当時大人気だった角川映画が作ったアニメーション作品第一作。
簡単に言うと超能力もののSFなのですが、子供心にすごく怖かったんですよね。
「幻魔」と呼ばれる敵が、人間に乗り移ったりするのですが、乗り移られた人間の形相や行動に現れる狂気がものすごくショッキングだった憶があります。
幻魔たちが人間のネガティブな部分に付け込んで取り込んだり、主人公が自分の殻に閉じこもってしまうなど、言わば“大人向け”な要素がたっぷり詰まった作品でした。
今では『エヴァンゲリヲン』を筆頭に、悩む主人公は定番化しつつありますが、当時としては珍しかったんですよね(元祖“悩む主人公”と言えば、ガンダムのアムロ・レイですが)。
ちなみに『幻魔大戦』は『AKIRA』や『スチームボーイ』で世界的な人気を博した大友克洋氏が初めてキャラクターデザインを手がけたアニメ作品なのだそうです。
皆さんにとってはひょっとするとカップヌードルのアニメCMの方が馴染みがあるかも知れません。
主人公である東丈(あずま・じょう)を演じるのは、何と『機動戦士ガンダム』でアムロ・レイを演じた古谷徹さん。角川女優の原田知世さんや、あの美輪明宏さんも声優として参加していました。
脚本には三人の脚本家が関わっていますが、そのうちのひとりは昨日紹介した大林宣彦監督の『ふたり』を手掛けた桂千穂氏。
さらに、イギリスのキーボード奏者キース・エマーソンの音楽と、ローズマリー・バトラーが歌う主題歌『光の天使(CHILDREN OF THE LIGHT)』がとても印象的で、子供心に痺れました。
そして、アニメ制作を手掛けたマッドハウスの丸山プロデューサーとは、その後大人になってから仕事でお目にかかる機会があり、何度か打ち合わせさせていただきました。
『幻魔大戦』はなかなかDVD化されず、廃版状態が続いていましたが、今はDVDで見ることが可能です。
でも今見ると…やはりいろいろ突っ込みたい部分はあるのですが、さて、皆さんはどう思うでしょうか。
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※ 画像はイメージです。
【DATA】
『幻魔大戦』
公開年:1983年
製作国:日本
配給:東宝東和
上映時間:135分
それではまた明日!
(メディア学部 森川 美幸)

2019年10月10日 (木)

出会ってほしい映画はコレだ! 連載#3

2019年10月 9日 (水) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コース着任2年目の森川です。
今週、これまでアメリカ映画『シャレード』とドイツ映画『グッバイ、レーニン!』の2本を紹介してきました。
今回は、いよいよ日本映画を取り上げます。
自分が最も影響を受けた邦画は『ZAZIE』という作品なのですが、DVDになっていないため、オススメしても視聴が難しい…ということで、私の故郷である広島県の、尾道市を舞台にした大林亘彦監督の映画『ふたり』をご紹介します!
自身も尾道出身の大林監督は、尾道を舞台にした数々の作品で世に知られています。
殊に尾道三部作と呼ばれる『転校生』、『時をかける少女』、『さびしんぼう』は有名で、公開されるや若者たちの熱狂的な支持を集め、尾道の観光客数増加にも一役買いました。
『ふたり』は、尾道三部作に続く、新・尾道三部作の第一作目として1991年に公開された、赤川次郎の小説が原作のファンタジー映画です。
主人公の実加は、ドジでのろまな女の子。
実加には、優等生で美人でスポーツも万能な自慢の姉・千津子がいます。
いつも実加は姉に甘え、千津子は実加を守っていました。
しかしある日、千津子は不慮の事故でこの世を去ってしまいます。
実加と両親は悲しみに沈みますが、いつからか実加には姉の声が聞こえるようになったのでした。
死んでも尚、実加を導き続ける姉・千津子。
千津子の力を借りつつも、姉が得意だったピアノやマラソン、演劇で成果を出し、成長していく実加。
そんな中、実加の家族に大事件が起きます。
父の浮気が発覚したのです。
家庭崩壊が迫った時、姉の声が聞こえなくなってしまった実加は…
というお話。
この映画で私が一番見て欲しいのは、主人公・実加のピアノの発表会のシーンです。
緊張しながら自分の順番を待つ実加。
ひとつ前の小学生の男の子が、見事にモーツァルトを弾きこなしたものだから、プレッシャーはさらに高まります。
いよいよ自分の出番。
ピアノの前に着席した実加でしたが、あまりの自信のなさに鍵盤が揺らいで見える始末。
その時、姉の千津子がささやきます。
「深呼吸」
「最初の和音。フォルテ。力強く」
実加は息を止めて弾き始めます。
力強く。
曲はシューマンのノヴェレッテ。
この曲を演奏しているときのカメラワークがすごく印象的なんですよね。
曲の力も相まって、実に胸を打たれます。
客席から娘を見つめる母親が、亡くなった姉と比べて出来の悪い娘で恥ずかしい、と目を伏せているところから、あまりの演奏の素晴らしさにだんだんと顔を上げ、最後には拍手を送るという変化が織り込まれる演出も素晴らしい。
大林作品は好き嫌いが分かれると思うのですが、彼のスタイルがあまり好きではない人も、このシーンだけは是非見てほしいです。
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※ 画像はイメージです。
【DATA】
『ふたり』
製作年:1991年
製作国:日本
配給:松竹
上映時間:155分
それではまた明日!
(メディア学部 森川 美幸)

2019年10月 9日 (水)

出会ってほしい映画はコレだ! 連載#2

2019年10月 8日 (火) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コース着任2年目の森川です。
月曜日から始まった、一週間限定の連載二回目。
今日も映画の話をしていきたいと思います。
今回紹介するのはドイツ映画の『グッバイ、レーニン!』。
私は延べ約2年ほどベルリンに住んでいた経験があるのですが、私がベルリンにいる間に公開され記録的大ヒットをした作品です。
皆さんもご存知のように、かつてドイツは西と東に分断されていました。
西側はアメリカに管理され、資本主義市場を形成。
東側は旧ソ連に管理され、社会主義計画経済を採っていました。
ベルリンは東ドイツ側に位置していましたが、この街だけは特別に西と東で分割統治されました。
西と東は自由な行き来が認められず、殊に西側と東側の経済格差がはっきりと出始めてからは、壁が築かれてドイツ分断の象徴ともなったわけです。
私のドイツ人の友人の中にも、旧東ベルリン出身の人がいましたが、ベルリンの壁崩壊前の子供の頃は、カラー写真もなかったし、バナナを食べたこともなかったと言っていました。
『グッバイ、レーニン!』は、そんな壁があったベルリンが舞台です。
東ベルリンに住むアレックス。
父は家族を置いて西ドイツに亡命してしまい、それがきっかけで母は極端な社会主義者になっていました。
そんな中、アレックスが反体制デモに参加しているのを見た母は、ショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまいます。
時は1989年。
8か月後、母が奇跡的に目を覚ました時、既にベルリンの壁は崩壊し、東ベルリンから社会主義は消え去っていたのです。
しかし、もしその事実を母が知ってしまったら、またショックで心臓発作を起こし、今度こそ目覚めないでしょう。
そう考えたアレックスは、母の命を守るため、周囲を無理矢理巻き込んで、まだ東ドイツは存続していると装い続けます。
窓の外にコカ・コーラの看板が設置されたら、「コカ・コーラは東ドイツの国営企業と業務提携したんだ」などと苦しい言い訳をしたりして。
この映画を見ると、東ベルリンが壁崩壊前と後でいかに劇的な変貌を遂げたのかがわかります。
主人公がどうにかしてその変化を取り繕おうとする姿が、滑稽だけれども、何だか切なく思えてくるんですよね。
アレックスを演じたダニエル・ブリュールは本作が出世作となり、その後ハリウッドに進出しました。
ドイツ映画では、実は私は『バンディッツ』という女囚もの音楽映画の 方が好きなのですが、皆さんにオススメするとしたらこっちかな、ということで今回は本作にした次第です。
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※ 画像はイメージです。
【DATA】
『グッバイ、レーニン!』
原題:Good Bye Lenin!
公開年:2003年
製作国:ドイツ
配給(日本):ギャガ
上映時間:121分
それではまた明日!
(メディア学部 森川 美幸)

2019年10月 8日 (火)

出会ってほしい映画はコレだ! 連載#1

2019年10月 7日 (月) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コース着任2年目の森川です。
今週一週間は私がブログ執筆を担当します。
皆さん、是非お付き合いください。
私は今年度後期から、「映画プロジェクト開発」という専門演習を始めました。
プロデューシングワークの第一歩である、映画の企画立案を体験するクラスです。
前職で映像プロデューサーをしていた経験を生かして授業を行っているわけですが、そもそも映画関連の仕事に就いたのは、もちろん映画が大好きだったから。
というわけで、今回の連載では、私のオススメ映画を紹介していきたいと思います。
連載第一回の今回紹介するのは、オードリー・ヘプバーン主演、スタンリー・ドーネン監督の名作『シャレード』。
今まで見た映画で何が一番好きかと問われると、私は大概『シャレード』と答えていました。
そのくらい好きな作品です。
公開は1963年ですので、私が生まれるずっと前。東京オリンピックの前年ですね。
この作品は、ジャンルから言うとサスペンスに入るのですが、コミカルな部分もありますし、ロマンスも描かれます。
ヘプバーン演じる主人公レジーナは、夫との離婚を決め、フランスのスキー場でスキーを楽しんでいます。
そこに飛び込んできたのは、夫が殺害されたという連絡でした。
実は夫には彼女も知らなかった秘密が山のようにあり、昔の仲間だったという男たちがレジーナに近づいてきて金の在りかを吐けと脅します。
ところが、男たちは次々と殺されていき、最後に残った男が犯人だと思ったら……、という展開。
とにかくストーリーがとても巧みなのです。
当時30代半ばのヘプバーンが美しく可憐で、映画音楽の巨匠ヘンリー・マンシーニのBGMが作品を盛り上げます。
ヘプバーン作品と言えば『ローマの休日』や『ティファニーで朝食を』を挙げる人が圧倒的に多いでしょうが、私にとっては『シャレード』と『暗くなるまで待って』が双璧ですね。
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※Photo:Licensed by Pixaboy
【DATA】
『シャレード』
原題:Charade
公開年:1963年
製作国:アメリカ
配給:ユニヴァーサル
上映時間:113分
それではまた明日!
(メディア学部 森川 美幸)

2019年10月 7日 (月)

デジタル上映の画質

2019年10月 5日 (土) 投稿者: メディア技術コース

先日映画館で、古い日本映画を観てきました。1970年代の「仁義なき戦い」という非情なやくざモノシリーズ、全5作一挙上映という1日がかりの上映です。フィルム上映なので久しぶりに汚れた映写フィルムの質感というのを感じて鑑賞することになりました。

近年の映画館はすっかりデジタル上映に移行しているので、〝今時の若い人〟は、フィルム上映なんてあまり経験ないかもしれません。

デジタルに移行する以前の上映素材はフィルムなので、映画館で上映を何回も行うと傷や汚れがどんどん増えていきます。画面に縦すじがついたり、細かい黒い点が着いたりするのでフィルムがどのくらいの映画館を巡ってきたかという履歴にもなっていました。画面に縦筋が入ることを「雨が降る」と言っていたものです。

Nezumi2

近年、映画のデジタル化が進んで、オンデマンドで昔の映画を鑑賞したり、デジタル上映の映画館でキレイな画面を見ることができますが、映画館でのデジタル上映自体は、そんなに大昔からの話ではなく、2000年代になってからの普及です。導入の最初のころは「あそこの映画館はデジタルだからきれい」という噂で映画館に赴いたこともあります。

 

さて、デジタル上映の画質の話をしておきましょう。2019年現在では映画館では、いわゆる2K~4K上映が主流になってきています。

いわゆる家庭用DVDの画像は、通常のNTSC方式だと、横720×縦480ピクセル・インターレース(480i)が標準です。これがブルーレイディスクになると横1920×縦1080ピクセルになるので、ほぼ縦横倍以上の画素の密度になります。

劇場での上映規格Digital Cinema Initiatives(DCI)の仕様だと、2K(横幅が2000だから)と呼ばれる映像が2048×1080(ほぼブルーレイと同等ですね)=200万画素、近年はやりの4K(横幅が4000に近いから)上映だと4096×2160の画素密度になります(830万画素)。ただし、いわゆる劇場上映の2Kを、ブルーレイディスクと比べると、画像圧縮の方式の違い、色の諧調再現度の違いなどから、上映用のDCP(デジタルシネマパッケージ)の形式の方が画質が良いことになります。(劇場で扱われるDCP形式では35mmフィルムのように動画を1フレームごとに分解した静止画をJPEG2000形式で保有しており、それを展開してスクリーンに投影しています。)

 

表 方式と画素数の対応

方式 画素の縦横
昔のテレビ(NTSC) 走査線数 525本(縦480程度)
DVD 横720×縦480
ブルーレイ 横1920×縦1080
2K 横2048×縦1080 (DCI)
4K 横4096×縦2160 (DCI)
8K 横7680×縦4320 (UHDTV)

 

ところで、フィルム上映とデジタル上映どちらがきれいでしょうか?

通常映画上映に使用される35mmフィルムの解像度には諸説ありますが、1000万画素以上に匹敵するとも言われます。また、明るさの階調の分解レベルがフィルムの方が勝っていますので、きれいなプリントであればフィルム上映に分がありそうです。ただ、フィルムの劣化を考慮すると徐々にデジタルの方が優位になります。

もっとも、画質の善し悪しの見分けが、はっきりつくかどうかはまた別問題で、ある程度以上画像が細かく写されてしまえば、適切な距離離れた鑑賞では観客には見分けがつきません。例えば6mの幅のスクリーンがあるとして、2K映像だと6m÷2048≒約3mmなので、3mmの描画点がスクリーン上にできることになります。視力1.0の人は5m離れて1.5mm程度の幅が見えるので、スクリーンの横幅の2倍の距離から見るとして12m離れて鑑賞すれば、ギリギリ粒子が見えないレベルになるでしょう。つまり、これ以上画像を細かく表示しても、観客には見えないことになります。これが4K以上にまで画質が上がると、視力2.0の人にも描画粒子が見えないことになりそうです。

 

しかし、昔はVHSのぼけぼけした録画画像でもけっこう満足していたんですけどね。

(以上 文責:「視聴覚情報処理の基礎」担当 永田)

2019年10月 5日 (土)

コンピュータに名前をつける

2019年10月 2日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

ネットワークに接続されたコンピュータが沢山ある場合、それぞれを識別する名前をつけないといけませんね。IPアドレスで読んでいる研究室もあるかもしれませんが、それではあまりに味気ないので、私の研究室ではちゃんと名前を付けています。

新しいコンピュータを買うことは割と頻繁にあるので、名づけのポイントは「あまり迷わなくて済むもの」です。なので、お題を決めてシリーズで名前を付けている研究室が多いのではないかと思います。うちの研究室では、安直ですが「アメリカ50州の名前」を使っています。

今のところ、arizonaとかkansasとかfloridaとか、比較的スペルを覚えやすいものを使っているのですが、いつかネタが尽きてきたら、mississippiとかを使う日が来るのかもしれませんね。そんなコンピュータを割り当てられた学生さんは災難でしょうが…。

2019年10月 2日 (水)

それはわかりにくい文ではないかと考えられる

2019年9月14日 (土) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

卒研生や大学院生の研究成果を国際会議に投稿し、英語で学会発表をすることがあります。そういうときは、まず学生さんに原稿を書いてもらって推敲するのですが、そんなときに私が真っ先に削るのが、"It is considered that ..."という表現です。

英語での執筆に慣れていない人が論文を書くと、この表現が本当に良く出てきます。たぶん日本語の論文でも「~と考えられる」という表現を多用していて、それをそのまま英訳しているんでしょうね。しかし、こうした曖昧表現が文末に来る日本語の場合とは違い、英語では文の出だしがいきなり曖昧になり、わかりにくさが倍増してしまいます。

翻訳ソフトの精度向上で、英文論文の執筆そのものの敷居はずいぶん下がった気がします。しかし、上の例のように、わかりやすい論文を書くためには、やはり多少のコツが必要ですね。でも、こういうことに注意してわかりやすい英文を書くよう心掛けていると、ふだん日本語で書く文章もわかりやすくなると考えられます。じゃなくて、わかりやすくなります。

2019年9月14日 (土)

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