雑感

言葉の意味が変わってしまう

2023年9月22日 (金) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

寺澤先生の記事を読んで、私もちょっと思ったことがあるので書いてみます。

人は新しい言葉をどんなふうに覚えるのでしょうか。日常生活で聞きなれない言葉に出会ったとき、わざわざ調べる人というのは少数派で、たいていはその場の前後関係などで推測してしまうのではないかと思います。

最近すっかり普及した新語の一つに「ギガ」があります。ギガとはもともと10の9乗を表す言葉で、工学や数理科学のいろんな場面で使われていましたが、それまでこの言葉を聞いたことが無かった人が、スマホのデータ量として初めてこの言葉を聞き、ギガ=スマホのデータ量という意味だと思ってしまったようで、今ではすっかりそちらの意味で使われる言葉になりました。

私はスキーが好きなので、こういう話になると「アイスバーン」という言葉を思い出します。これはドイツ語で「凍った道」を表す言葉ですが、「アイス」が氷で「バーン」が道を表しています。ただ、「アイス」は英語と同じ発音で良く知った言葉なので、「バーン」というところだけに意識が向いて、バーン=凍った道だと思い込んでしまう人が多いようです。雪道を運転していて、「うーんちょっとバーンになってるね」なんて言う人がいると、心の中で「いや凍ってなくても道は道ですけど…」と突っ込んでいる私は、ちょっと性格が悪いですかね。

2023年9月22日 (金)

言葉の使い方

2023年9月20日 (水) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア学部の寺澤です。今日は言葉(日本語)について最近感じていることを書こうと思います。私は大学教員として文章を書くことは仕事の一部ですが、日本語の専門家ではありません。ですから、これは個人的な考えという域を出ない話だとあらかじめご承知おきください。

「日本語の乱れ」というのはたびたび聞く言葉です。言葉は人々が日常使うものですから、新しい単語や表現が生まれたり、元の意味から使われ方や意味自体が変わるものが出てくるのはある意味自然なことです。歴史的にもそのように変化してきた言葉はたくさんあるそうです。

最近の例だと「課金」でしょうか。元の意味は「お金を課する」つまり、お金を徴収する側が使う言葉です。しかし、今ではゲームなどでお金を払うことを課金と呼ぶケースが増えていて、かなり市民権?を得てきているようです。「いいえ」という意味の「大丈夫です」もよく聞きますね。「いいえ」とはっきり言うときつい印象だという考え方なのでしょうか。

ほかにも「ぜんぜん」(ぜんぜん~ない、という否定の使い方が多いですが、「ぜんぜんOKです」でも通じてしまいますね)、「適当」(その場や状況、条件に最も合った、という意味ですが、「テキトーに」つまり、あまり深い考えなしに、という意味合いでも使われますね)など、いろいろあります。「真逆」は正反対という意味で使われますが、これも2000年代以降の表現だそうです(*1)。

*1)https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20230601_8.html (NHK放送文化研究所、文中で三省堂国語辞典第8版に記載があると書かれています)

場や相手、文章の性質などによって適切な言葉使いは異なりますが、これらも崩れてきていますね。原因についてはいろいろな説があるようですが、複合的なものではないでしょうか。ただ、言葉はコミュニケーションの手段である以上、相手に自分の考えや気持ちがちゃんと伝わらなければ意味がないと思います。これまで挙げた例も年代(世代)によって違和感の感じ方が違うようです。相手や場によって使い分けるのがよいのでしょう。また、言葉使いでその人のことが判断されるのは普通のことです。レポートや論文の文章、就職活動の面接での言葉使い、初対面のビジネスの相手との会話などの場面で、相手が期待しているのと違う言葉使いは、落胆につながってしまう可能性があります。お互いさまではありますが、どういうときにはどういう言葉使いというある程度の枠があることは意識しておくとよいと思います。

(メディア学部 寺澤卓也)

2023年9月20日 (水)

大きなモニタ

2023年9月18日 (月) 投稿者: メディア技術コース

夏休みなので、ブログらしく身辺雑記的なことでも書いてみようと思います。

自宅用に大きなモニタを買いました。これまでは23インチのものを使っていましたが、今度は27インチです。微妙な違いですが、いろんな作業をするときのストレスが緩和されたような気がします。

大学の研究室については、自分のものも、学生さんたちのものも、なるべく良い環境を保とうと日頃から意識しているのですが、自宅はどうしても後回しになってしまいがちです。とはいえ、コロナ禍がひどかった頃に比べると自宅で仕事をする頻度は減りましたが、それでもちょっとした作業をする際には、モニタの大きさがとても重要です。資料を見ながらプログラミングをするときなど、左右に2つの画面を開いておけるだけで、作業がずっと楽になりますね。

学生の皆さんはノートPCを使うことが多いので、どうしても小さなモニタで作業することになると思います。でも、研究室の大きなモニタなどが使える環境では、ノートPCの画面を外部モニタに映して作業をするだけでも、結構効率が上がるかもしれませんよ?

(大淵 康成)

2023年9月18日 (月)

メディアのための物理2023

2023年8月23日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

コンテンツコースの椿です。こんにちは。

メディアのための物理という授業を担当しています。2年生向けの講義です。ゲームとVRのための物理、画像・CGのための物理、音響処理のための物理、と3つに分け、メディア学部に関係の深い領域に絞った内容にしています。

毎回、授業中に小レポート課題を出し、授業中に授業専用のページから電子ファイルで提出してもらっています。計算問題や式を変形する問題が多いです。そのため、PCで記述すると手間がかかります。例えば、WordやPowerPointの数式入力のツールを使うと、見やすいきれいな式を書くことができますが、時間も余分にかかります。そこで、書き方やファイル形式は自由にしています。

手書きで紙に書き、スマホで撮影してその写真を提出される方が半分くらいで、タブレットでペン入力される方も少しいます。他の方は、PCで書かれているようです。PCの方は色々な書き方をされていて、例えばxの2乗だと、x2、x^2、POWER(x,2)、x**2があります。私が読めればよいということにしているので、どれでも構わないのですが、読みながら、Excelの書き方に倣っているのか、JavaScriptかな、これはTeXみたいだな、と余計なことも、つい考えています。

ただ、気になっている点は、PCで書かれたレポートの方が計算ミスが多いことです。理由はよく分かりませんが、PCだと計算に集中しにくいのかもしれないと私は思っています。しかし、紙に書くことを強制や推奨するのも時代と合わないように思え、何か良い方法がないかと考え中です。

2023年8月23日 (水)

重要なことは何度でも

2023年7月17日 (月) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

今年度のメディア学部では、音響関係の授業の担当に変更があって、私が担当する科目が少し増えました。1年生の「メディア学入門」でも音響の回があるし、2年前期の「メディア情報処理の基礎」も半分は音の話です。そして2年後期の「音声音響メディア処理論」は全編が音の話です。ついでに言うと、大学院でも「先端音声処理特論」という科目があります。

もちろん、各科目で扱う内容はそれぞれ異なり、学年に応じて専門性が高くなっていくのですが、話の進め方として、どうしても最初は基本的なことから入ることになります。受講生の皆さんの頭をリフレッシュするためにも、最初は「波長と周波数の関係」とか「サンプリング周波数とは」とか、そんな話から入るのが定番です。

そういう内容を話していると、ふと「これって別の授業でも出てくるよな」と思うことがあります。学生さんも同じように感じることがあるかもしれません。あるいは、私自身の授業だけでなく、他の先生の授業と重複している部分もあるかもしれません。

一度出てきた内容は省略すればいいのに、と思う人もいるかもしれませんが、大学の授業は選択科目が多いので、その科目を取っていない人もいるはずです。そう考えると、基本的なことはやはり説明しておかないといけません。また、必修科目で話した内容であっても、忘れてしまった人もいるかもしれません。重要な事柄であればあるほど、忘れてしまった人にもう一度説明してあげることの必要性も高まります。そんなふうに考えて、一度出てきたはずの内容も、なるべく丁寧に説明するようにしています。

同じ内容であっても、どの授業で出てくるかによって、学生さんの受ける印象は変わってくるかもしれません。また、話し手の調子によっても内容は微妙に変化します。2つの授業が互いに矛盾するような内容になってしまうのは論外ですが、そうじゃなければ、少しずつ趣向を変えながら、同じ内容を何度も説明するのも、時には必要なことなのではないかと思いながら授業に臨んでいます。

2023年7月17日 (月)

2023年5月6日:友達を 喜ばせんと 甘精堂

2023年5月17日 (水) 投稿者: メディア技術コース

(この記事は2023年5月6日に執筆しています)

さて、今日は、野沢温泉から1時間ほど地道で車で行ける小布施に行って参りました。

 

葛飾北斎の北斎館で、「東都遊覧~北斎と巡る江戸の町~」という企画展でした。

 

冨嶽三十六景』(ふがくさんじゅうろっけい)は、葛飾北斎による富士図版画集である。1831-34年(天保2-5年)版行。全46図。大判[注釈 1]錦絵版元西村屋与八(永寿堂)。 by wikipedia

 

誰しも知るが、実物をやはり見たい!

 

いやあ、図版や図録、クリアファイル、物販店に大量投資してしまいました。まだ東京でも

 

1.Tインターコミュニケーション・センターギャラリーE 23.4.29-10.01 「生きるが如く描く 北斎肉筆の宇宙」

2. 太田記念美術館 23.4.1-5.28 「江戸にゃんこ」

 

などの展示があるそうです。ぜひ行かねば!

 

 

 

小布施は、栗が名称で、栗羊羹、栗パフェ、栗プリン、など栗付きの聖地です。

 

 

近しい先生方とお茶をするために、こんなお菓子を買ってしまいました。

 

友達を 喜ばせんせんと 甘精堂

2023年5月17日 (水)

2023年5月5日:GWも 終わり近けり 叢雲や

2023年5月15日 (月) 投稿者: メディア技術コース

文責:榎本(この記事は2023年5月5日に執筆しています)

 

みなさま、楽しかったGWもあと少しで終わりですね。どのように過ごされたでしょうか?

 

私は野沢温泉のお祭りの研究が高じて、野沢に別荘を購入しているのですが、そこで晴れた空と共に暮らしていました。

 

今日は、野尻湖に遠征して、ナウマンゾウ博物館小林一茶記念館に行ってきました。

 

ナウマンゾウとマンモスは近いようで種族が違うんですね。ナウマンゾウは、頭にベレー帽を被ったような骨組みがついているのが特徴だそうです。

 

ナウマンゾウ博物館に行ったところ、5月5日は小林一茶の誕生日で、一茶記念館が無料(普段は入館料500円)ということで、そちらにも足を伸ばしました。生家が柏原という野尻湖近くにあり、記念館があります。「痩ガエル 負けるな一茶 ここにあり(痩せた蛙よ負けるな、一茶がここで応援しているぞ)」「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る(雀の子よ、早くそこをどかないと馬に踏み潰されてしまうよ)」なんかが有名ですね。

 

芭蕉が一生によんだのは1千句なのに対し、一茶が生涯によんだ俳句は2万だそうです。記念館では、一茶直筆の句の帳面が展示されており、何年何月何日、天気、何があったか、の下にその日の俳句が書かれていました。多いものでは、ひと月に109とかありました。つまり、一日3句とかですね。非常に多産で几帳面だったんですね。

 

私もこのブログでたくさんの俳句を行こうかなと思いました。

 

 

 

 

これは野沢の別荘の前の道から撮った今夜の月です。

 

さて一句。

 

GWも 終わり近けり 叢雲や

 

「叢雲(むらくも)」は重なり合った雲です。その奥に月の光が透けていて美しいです。しかし、お天気の良かったこの5日間の後に暗雲立ち込める感じもして、少し先行き不安な今宵です。

 

かしこ。

2023年5月15日 (月)

CUMULUS 2023: 学会参加シリーズ #3 発表したり聞いたりもしたよ編

2023年4月28日 (金) 投稿者: メディア技術コース

こいつは学会に行くといってビール飲んで寝てるだけなのか、と思われたかもしれません。それも一面の真実ではありますが、他のセッションにでて質問したり自分の発表をこなしたり、キーノートスピーチを聞いたりという学会本来の活動はもちろんしておりました。ただ、あまり書くほどの面白いことはないかも…

 

発表は一部オンラインで行う人もいて、まだコロナ後の中間的な実施形態のようでした。もしくは、オンラインでもある程度できることがわかった今となってはこれが今後の標準になるのかもしれません。ただネットでの発表は途切れたりすることが頻繁にあって、ハイブリッド環境での実施はまだ快適に行えるということでもなさそうでした。

 

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発表会場の一つ

 

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研究発表の様子(左:オンライン、右:現場での発表)

 

自分の発表はつつがなく終わり、それなりの反応もいただけて良かったと思いますが、General Assemblyという学会を構成する大学等の参加メンバーによる総会が同じ時間帯に配置されていたため、せっかく知り合いになった先生方のほとんどがそちらに行ってしまいました。総会に参加するのは、1団体1名なので、その他の方は発表のセッションにも来るのですが、残念でした。我が大学からも総会に参加する必要があったので、本来は現地に居る私がでるべきですが、そのような事情で日本にいるデザイン学部の松村先生にオンラインで参加いただきました(なんて、いつも松村先生が出席されているのですが…、へへへ)。

 

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発表もいたしましたよ(スライドの表紙)

 

キーノートのレクチャーの一つは、Lean Gorissen先生によるNatural Intelligence というタイトルで、自然や生物の観点や仕組みを取り入れた様々なデザインのアプローチについての話で、非常に印象的でした。是非そうしたコンセプトを今後の研究テーマに取り入れたいと思わせられました。真剣に模索したいです。

 

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キーノートスピーチの様子

 

さて、学会参加の目的は、発表したり発表を聴いたりということだけではないでしょう。学会に参加する多くの研究者と交流し、知り合いになって、今後の連携を模索することも大きな目的です。今回の学会は非常に多くの国から参加者がいて、様々な国からの研究者と出会うことができました。地元ベルギーはもちろんのこと、コーヒーやビールやシャンパンを飲み交わしました方々は英仏独伊瑞芬米伯塞瑞印中…(Facebook, LinkedinのConnection増加…)。ウクライナから参加されている先生ともお会いいたしました…。驚くのは、多くの人が日本(東京)に来たことがあり、そうではない人は来日希望と、日本は人気あるなあと感じました。オンラインの学会だと、発表を通じたコミュニケーションしかありませんが、現地での学会では飲みながらくだらない?話をしつつということがその後の連携に繋がることにもなりそうで、往復の旅程は大変でしたがやはり来る甲斐はあるのだと感じました。

 

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お会いした先生方

 

太田高志

 

 

 

 

2023年4月28日 (金)

CUMULUS 2023: 学会参加シリーズ #2 学会会場はいずこ?編

2023年4月26日 (水) 投稿者: メディア技術コース

いったい会場の大学はどこなのか…?

配布されている地図はスタイリッシュなんだけど、全然分からないっす…

このまま会場につかずに滞在期間を終えてしまうのか(カフカ的な?)。

 

ホテルから会場まで向かおうとすると会場となる大学らしきものは見つかったのですが、学会っぽいパネルとか旗とか全然無いし、人気(ひとけ、と読む)もない(後で聞くと、イースターの休み期間だそうだ)。グーグルで大学名で検索しても、大雑把な位置で案内してくれるだけなので、よくわからないですし、もらった地図の何をGoogleにつっこめばいいのかがよく分からない。落ち着けばなんとかなったかと思うのですが、夕方やっているはずのビールパーティー(ベルギーはビールが有名)に間に合わないのでは?という恐れからか、冷静さを失っていたかも。

 

ということで、既に会場にいるはずの知り合いの先生にメッセージを…、”help! I'm lost, where are you, where I am?”. 現地のネットに繋がるように、今回は eSIMを試してみましたが、ちゃんと機能していて助かりました。折返し、電話が…。”Where are you?”、”How can I know?”、みたいなことを言い合ってしばらくして救出にその先生が来てくれました。その先生とは何年か前からメールやSNSで知り合っていて、共著で学会に投稿したりもしていたのですが、生身でお会いするのは始めて。なのに、初回の出会いが情けないことになってしまいました。もうちょっと颯爽と登場して印象づける予定だったのですが…。

 

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これが会場だ! University of Antwerp

 

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助けてもらったJovic先生と何事もなかったかのようにポーズ

 

ということで、挨拶もそこそこにベルギービールを…

いやあ~、やはりなかなか美味しいですね。日本で買うと高いですからね。まあ飲んでいるだけでなく、あちらこちらでお話しをしつつ会場をうろつきました。非常にインターナショナルな学会で、ヨーロッパの方が多いですが、南アフリカやら南アメリカやら各地から集まっておりました。450名くらいの参加+オンライン、と言っておりましたので、なかなかの規模ですね。一方で、中国からのグループは見かけましたが日本人は全く見かけませんでした。後で、ボードメンバーの方という萩原先生の2年後輩だという千葉大学の先生がいらっしゃいましたが、それ以外はゼロでした。もう少し日本も貢献しないと寂しい限りですね。といっても、私もこの学会に参加するのは始めてなので、継続できるようにしたいところです。

 

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懇親会?ビール片手に

 

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CUMULUS創設者のEija Salmi先生(左の方)と

 

ところで、この時点で丸一日以上、全く寝ておりません。飛行機でなかなか寝付けないタイプなので、寝不足で疲れているところにかけつけのベルギービール。お開きになったところでホテルに戻ると9時あたりでしたが、もうそのまま気絶するように寝てしまいました…(続く?)。

 

 

 

太田高志

2023年4月26日 (水)

CUMULUS 2023: 学会参加シリーズ #1 遥かなるベルギー編

2023年4月24日 (月) 投稿者: メディア技術コース

いやー、遠いですね…

もともと飛行機に長く乗るのは好きではないのですが、ベルギーは乗り継ぎをして飛行機に乗っている時間だけで19時間。ドア・ツー・ドアで丸一日以上かかりました。まずは羽田から真夜中にドバイに向けて出発、ヘロヘロになった12時間後くらいに到着したものの、ドバイを堪能する暇もなく、ブリュッセル行きの飛行機にストレートイン。そのまま7時間強のフライトになりました。ようやくついたときの開放感と疲労感たるや、ですが、今度は電車に乗ってアントワープまでいかなくてはいけません。ようやくホテルに着いたのが、現地の夕方5時過ぎ。長時間で疲れはひどいですが、ただ座っているだけなので、実際に長距離を移動した身体的な感覚は無い感じですね…。多くの旅行記を書いている作家のポールセローが、だから飛行機で移動しないんだ、ということを書いていました。移動して徐々に周辺が変化していく様子を感じることができない、ということでしたが、まさにそんな感じで、理屈では遠くまで来たことは分かっているのですが実感が持てないような気分でした。

 

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ドバイ空港の威容

 

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空港から見えた、おそらくブルジュ・ハリファと思われるビル

 

今回は、CUMULUSという学会に参加するためにはるばるとやってまいりました。ヨーロッパは「どこでもドア」でもあれば喜んで行きたいのですが、この長距離移動が非常に苦手です。また、ここ数年は学会がオンラインとなってしまっており、現地のホテルや航空機の予約までしてあった学会が突如オンラインに切り替わってしまって以来、3年ぶり?くらいで現地での学会参加になりました。ただ、やはりオンラインでの学会参加は非常に味気ないものでした。発表や質問をすることだけネットで代替できますが、その他に付随する海外の研究者との出会いや現地の体験・交流などを再現はできません。そういう意味では、疲弊しながらも現地に辿り着く価値はあったのかと思います。が…、疲れることは疲れました。

 

今回参加したCUMULUSという学会は、広い意味でデザインを扱う学会です。純粋なデザインに関したものから、私が関連するデジタル機能とのインタラクション・デザイン、ユーザーエクスペリエンス、さらにはファッション関連やバイオロジーの応用など、解決を「デザイン」するという観点からの研究分野を大きく包含する会議です。また、デザイン学部とメディア学部が代表して、この学会のメンバーとして登録しております。それが許されるには、既にメンバーとなっている2つの機関から推薦状をもらう必要があります。が、メンバーになっていてもコロナのせいもあって活動がこれまであまりなかったことが気になっておりました。ということで、コロナ明けの活動再開第一回目を兼ねてやってまいりました。

 

さてホテルにチェックインして部屋でベッドに倒れ込んだのは夕方の5時くらいなのですが、ちょうどそのころ初日の夕方のビールセッションが始まっているはず。とにかく、それは行ってみようとフラフラしながら街に出ていきました…(続く)。

 

 

太田高志

 

 

2023年4月24日 (月)

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