おもしろメディア学

研究紹介:視聴履歴の共有によるジェネレーションギャップの可視化

2023年12月 4日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

今回は、以前にも紹介したジェネレーションギャップビューアのお話です。
前回の記事でも最後に少し触れていたのですが、ユーザー登録と視聴作品の登録方法について紹介します。

https://contents-lab.net/ggviewer/
こちらのアドレスからアクセスすると、まずは年表が表示されます。年表上にはデータベース内の各作品がシリーズ別に放映年の位置に表示されています。
ドラッグドロップやマウスホイールで動かしたり拡大・縮小できますので色々操作してみてください。

右上の「ユーザー追加」ボタンから、ログイン・ユーザー登録・年表上への情報追加が可能です。
初めての方はユーザー登録を、登録済みの方はログインをしてユーザーページへ移動できます。

Ggviewer4

 

ユーザーページでは、データベース内の各作品について、あなた自身が視聴したものを選択することができます。
表形式で一覧を出しているので、視聴済みの作品について左端のチェックボックスをチェックにしていただければ入力完了です。

Ggviewer5

 

作品はたくさんあるので、検索欄も準備してあります。図では「プリティー」と入力してみた結果を表示しています。
入力した文字列で各情報を検索するので、プリティーシリーズの各作品と、ウマ娘シリーズがヒットしました。
他にも放送年(2023等)を入れて絞り込むことも可能です。

Ggviewer6

 

こうして入力した情報は、年表上に反映されます。ログイン済みのユーザーであれば、年表ページに戻ると自身の生まれ年からの年表が表示され、視聴済み作品に色が付きます。

Ggviewer7

 

ユーザー追加ボタンから他ユーザーのユーザー名を入力すると、その方の年表と視聴済み作品が色つきで表示されるので、自身の年表・視聴作品と比較ができます。
共通の話題が見つかったり、視聴していたシリーズの他の作品の様子を聞いたりと色んな活用ができると思います。
私自身色々試しましたが、複数人で視聴履歴を持ち寄るだけで結構楽しいです。
「無限にオタクトークができる」という評価を頂いたこともありました。

ユーザー登録は本名である必要なく、半角英数で作成をお願いしているのでSNSのidで作成し、SNSで共有するのも楽しいかも知れません。
私のおすすめ作品リスト!みたいな活用法も考えられますね。是非やってみてください。

2023年12月 4日 (月)

視点のすぐ近くは見えない

2023年11月22日 (水) 投稿者: メディア技術コース

 前回記事は講義「CG数理の基礎」での投影変換の授業紹介でした。まだ読んでいない人は参照してください。
 
 履修生からの以下の質問への回答を今日の記事で紹介します。
 
---
後方クリッピング面があるのは無限に続くのを防ぐ目的であると理解できるのですが、前方クリッピング面はなぜあるのでしょうか? カメラの座標を原点とした四角錐型では不都合があるのでしょうか?
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 投影変換の設定として3次元空間(カメラ座標系)に六面体(四錐台)の視界を設けます。6つの「クリッピング面」で最終表示対象の範囲になるように切り取ることになります。視点から視線方向を向いて上下左右を4つの面で切り取るのは直感的にわかります。
 
 なのに、なぜ目の前の前方クリッピング面と視点から遠くの後方クリッピング面で前後を切り取るのか、確かに理解しがたいですね。特に目の前の場所を前方クリッピング面で範囲外に設定する理由が。
 
 簡単に答えを言うと「0で割り算できないから」です。ここで、前回記事の図を再度掲載します。
 
 Projectionxform
 
 視点から前方クリッピング面までの距離は変数nで示されています。前方クリッピング面の4頂点は変数l, r, t, b, nを使って表されます。冒頭の質問にあるように四角錐の視界を使うということは前方クリッピング面が無限に小さくなり視点(原点)に収斂(しゅうれん)することになります。つまり、l, r, t, b, nは全部0になり、4頂点とも(0,0,0)になります。
 
 この場合、後方クリッピング面の4頂点のxy座標は計算できません。いずれも0分の0になってしまいます。投影変換(透視投影)行列の要素も、16要素のうち4つについて0分の0が生じて設定不能です。
 
 数式の計算ができないから、という理由では納得しづらいでしょう。もう少し直感的な理由として幾何学的な説明をしてみましょう。それは「無限に大きくするという計算はできないから」ということになります。
 
 近くの物は大きく見え、遠くの物は小さく見えるように変換するのが透視投影です。前方クリッピング面を視点に収斂させて四角錐の視界にしてしまうと、限りなく視点に近い物を無限に大きくすることになります。これは不可能だから、ほんの少しでよいので視点から離れた位置に前方クリッピング面を設定するのです。必然的に四角錐ではなく四錐台の視界になります。
 
 実務的には、前方クリッピング面までの距離nと後方クリッピング面までの距離fとの比(f/n)が1万程度を超えない設定ならばその後のCGの計算処理には支障ないです。n=10cmとすればf=1000mと設定できます。これなら大抵のCGの場面で切り取っても大丈夫そうですね。
 
 宇宙空間のように遠い場所は一度に扱えないし、f/nの値が百万とかの設定もNGなのはなぜ、という疑問も生じますが、その話題は別の機会にしましょう。
 
 現実世界でも視点に限りなく近い場所の物を見るということはないですから、四角錐の視界を設定できなくても、四錐台の視界で十分と言えるでしょう。
 
メディア学部 柿本正憲

2023年11月22日 (水)

3次元から2次元への計算

2023年11月20日 (月) 投稿者: メディア技術コース

 2年次後期の講義科目「CG数理の基礎」はCG技術の基本的な概念や手法を理解することを目的にしています。画素を塗りつぶす過程、頂点を変換する過程、など地味な内容です。数少ない3次元CGの話題として、先日の授業では投影変換を取り上げました。
 
 CGの場面を構成する部品(キャラクタ)は多くの場合、多数の三角形(3頂点)の組合せです。制作者の想像上の3次元空間に存在する各頂点が、最終表示に使う現実の2次元平面画面のどの場所に対応するかをコンピュータが計算します。
 
 部品(model)各頂点の(x_m, y_m, z_m)の数値は「ビューイングパイプライン」と呼ばれる4種類の行列の乗算を経て画面(screen)上の点(x_s, y_s)に変換されます。この過程で3次元から2次元に変わる本質的な変換が投影変換です。投影変換としてCGでよく使われる透視投影は次の図のように「カメラ座標系」から「正規化デバイス座標系」に変換します。
 
Projectionxform

 カメラ座標系ではビューボリューム(視界)という六面体をデザイナーが設定します。視界は最終的な表示画面の範囲に対応させる3次元の範囲です。原点から放射状に拡がるこの形状はフラスタム(四錐台)と呼ばれます。視界のことをビューフラスタムと呼ぶこともあります。
 
 カメラ座標系の原点はカメラ位置(視点)で-z方向が視線です。視点から離れると視界が段々拡がるのは直感的にも理解しやすいでしょう。そして変換後の正規化デバイス座標系では視界が立方体に変形します。カメラ座標系の各三角形(図には描いていない)は正規化デバイス座標系の三角形に変換されます。
 
 図aの視点に近い小さな長方形(前方クリッピング面)が図cで同じ向きの一辺が2の正方形に変形します。前方クリッピング面のちょうど反対側の大きな長方形(後方クリッピング面)も図c右奥の一辺2の正方形に縮小されます。これに伴い、視点に近い三角形は拡大され視点から遠い三角形は縮小されます。人間がものを見るときの結果と同じです。
 
 この投影変換により画面で表示される形に近いものになります。その証拠に、投影変換の次の段階「ビューポート変換」にはxy座標だけが送られz座標は無視されます。つまり大まかには投影変換により3次元形状が2次元形状になると思って構わないのです。
 
 この授業で履修生から次のような質問がありました。
 
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後方クリッピング面があるのは無限に続くのを防ぐ目的であると理解できるのですが、前方クリッピング面はなぜあるのでしょうか? カメラの座標を原点とした四角錐型では不都合があるのでしょうか?
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上下左右の範囲を視界として区切るのは直感的です。後方を区切るのはまだしも、手前まで区切るのは確かに人間の視界とは違いますね。この回答は次回紹介します。
 
メディア学部 柿本正憲


2023年11月20日 (月)

研究紹介:ジェネレーションギャップの可視化システム

2023年5月12日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

今回は、私の開発したジェネレーションギャップの可視化システムの紹介です。

日本で幼少期を過ごした場合、多くの方がウルトラマンや仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズ、プリキュアなどの作品群を観たことがあると思います。
しかし、長期間にわたって放映されているシリーズ作品は、年齢の異なる人物同士で話題にした際に、同じシリーズであっても実際に視聴していた作品が異なる場合が多くあります。
また、昔の記憶なので各自が視聴していた作品が何年のものなのか、また別の人が視聴していたというその作品はいつのものなのか想像がしにくいです。

そこで、多くの特撮・アニメ・映画作品などについて、年表上に表示することでいつの作品かを可視化するシステムを開発しました。
タイトルを年表上に配置し、ドラッグやホイールによるズームイン・アウトをすることでより多くの作品群の情報を見ることができます。現在868作品分の情報を掲載しています。

Ggviewer1

 

年表の部分をクリックすることで、その年度(1~3月生まれの方は前年を指定)に生まれた方が各年で何歳だったか(義務教育期間分については何年生だったか)も表示できます。
これによって、例として1986年生まれの私と2004年生まれの今年度新入生の方のジェネレーションギャップが可視化できます。

Ggviewer2

今年度新入生の方は生まれる前からプリキュアシリーズが放映していた・・・ようですね・・・。

・・・。

 

さらに、ユーザー登録していただくことで自身の視聴していた作品群を入力することができるようにしました。
ユーザー登録なしで各自の年齢をクリックし見比べるだけでも楽しいですが、双方の視聴していた作品群が表示されていればより会話が盛り上がると思います。
例として、私と今年度の四年生男女二名の視聴データを並べてみました。視聴していた作品名が各自の色で表示されます。

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私はスーパー戦隊シリーズや仮面ライダーの一部作品と、娘が生まれて以降のプリキュアシリーズをいくつか観ています。
女子学生さんは幼少期にプリキュアシリーズといくつかの仮面ライダー、男子学生さんはプリキュアシリーズは全く観ていないですがスーパー戦隊・仮面ライダー・ガンダムシリーズの作品をかなり多く視聴していた様子が窺えます。

画面右上の「ユーザー追加」ボタンからユーザー登録や視聴作品登録、他の人のユーザー名を入力すればユーザー間の視聴履歴の比較ができます。
これからも改良を続けますが、現時点でもある程度楽しく利用いただけると思いますので、よければ使ってみてください。
https://contents-lab.net/ggviewer/

2023年5月12日 (金)

メディア学部とサクラ:サクラ編

2023年1月30日 (月) 投稿者: メディア技術コース

新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる全国唯一の健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインしたり、多くの人たちに役立つ健康改善するための健康アプリを制作するための研究を行っている研究室です。

大寒波が猛威を振るっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

寒波の後には春がやってきます。春と言ったら桜、桜と言ったら入学式ですが、メディア学部にとって桜(サクラ)とはどのような位置付けにあるでしょうか?画像メディアのひとつとしての桜、映像メディアのひとつとしての桜の散る映像、といったものでしょうか?あとひとつあります。それは江戸時代から続く、面白い仕組みです。

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江戸時代の元禄文化という大衆文化において花開いたものとして芝居小屋を中心とする観劇があります。今でも全国各地に演芸場といった芝居小屋の建物が残っているように日本の誇る文化のひとつとなっています。そして文化として維持するためには経営が必須です。当時だと劇場の入場料が収入、一方、役者・裏方・浮世絵のチラシなどへの出演料・手数料、劇場の使用料などの支出です。一定期間において収入が支出を上回っている必要がありますし、人気ある役者を雇用し続けるには高額な支払いも必要になるでしょう。最初人気がなくても段々と人気が出てくるケースも多々あったことでしょう。

江戸元禄時代1700年代から300年以上持続するための経営とは並大抵の努力では実現できなかったと思われます。そのためには演劇や劇場を宣伝するための多種多様な技術も発達していきました。現代の看板を劇場前に掲げるだけでなく、現代のチラシの相当する「引き札」、そして入場者に安心感を与える心理的な販売法として「現銀掛け値なし」という定価販売、などがあります。看板やチラシの効果はすぐにわかりますが、定価販売が心理的に安心感を与え、結果として売り上げ増につながるのは興味深いとも思えますし、他に競合のない商品やサービス場合には定価販売の安心感は重要ですが、インターネット時代になった現在では、類似の商品やサービスを簡単に検索して見つけることができるので、これだけでは足りない気もします。

そして、そこで、発展したのがこれも人間の心理に訴求する「賑わい」を演出するプロモーション法です。ひとは行列を見たり、店舗がにぎわっていたりするととても気になります。中には行列を見るととりあえず並んでしまう人もいるくらいです。そこにターゲットを絞り「賑わいを」を演出するプロモーション法が「サクラ」です。

Wikipediaによると

サクラ(おとり)
サクラとは、イベント主催者や販売店に雇われて客や行列の中に紛れ込み、特定の場面やイベント全体を盛り上げたり、商品の売れ行きが良い雰囲気を偽装したりする者を指す隠語。当て字で偽客とも書く。

語義の由来
本来は、江戸時代に芝居小屋で歌舞伎を無料で見させてもらうかわりに、芝居の見せ場で役者に掛声を掛けたりしてその場を盛り上げること、またはそれを行う者のことを『サクラ』といった。桜の花見はそもそもタダ見であること、そしてその場限りの盛り上がりを『桜がパッと咲いてサッと散ること』にかけたものだという。サクラの同義語に「トハ」があるが、これは鳩(はと)を逆に言ったもので、同様にぱっと散り去るからだという。

これが明治時代に入ると、露天商や的屋などの売り子とつるんで客の中に入り込み、冷やかしたり、率先して商品を買ったり、わざと高値で買ったりするような仕込み客のことも隠語でサクラと呼ぶようになった。サクラを「偽客」と書くようになったのはこの露天商などが用いた当て字が一般に広まったものである。

今日では、マーケットリサーチや世論調査などにおいても、良好な調査結果をもたらすために主催者側によって動員されたりあらかじめモニターや調査対象者の中に送り込まれた回し者のことを、サクラと呼ぶ。賭博場やオークション会場などで指し値を吊り上げる目的で主催者側の人間が紛れ込むこともそう呼ばれる。

という、江戸時代に堺の堂島※市場で発明された金融業界における先物取引と同様に、今でも世界中で活用されている凄い仕組みですね。

つづく

2023年1月30日 (月)

W杯対ドイツ戦勝利のインパクトは大臣辞任の約145倍(PART2)

2022年11月29日 (火) 投稿者: メディア技術コース

新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる全国唯一の健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインしたり、多くの人たちに役立つ健康改善するための健康アプリを制作するための研究を行っている研究室です。

中学校・高校とずっとサッカー部でひたすらストイックに練習してきた身としては、今カタールで実施しているワールドカップサッカーは4年に一回の眠れない夜・睡眠不足の日々が続きます。2022年11月23日に日本のA代表がドイツのA代表に勝利するという快挙を成し遂げました。シドニーオリンピックで日本代表がブラジルに勝ったのではと記憶されている方もいらっしゃると思いますが、こちらはA代表でなくU22代表なので、世界中の評価は相当に差があります。

試合内容をレビューする報道メディア的なアプローチもありますが、ここでは日本勝利のインパクトをSNSを活用して定量的に調べてみました。そのインパクトとの対比において、先日のブログにて、大臣辞任というバッドニュースは、Yahoo!リアルタイム検索による直近30日間のデータでは、ツイートのピークは11月2日の約2700ツイートで、感情グラフは流石にほぼネガティブで99%もの割合でした。

一方、11月23日深夜の対ドイツ戦の勝利の分析をしてみました。キーワードとして、まず、ドイツ+日本+サッカーとして30日間のツイートグラフを確認したのが以下になります。

ツイートのピークが約2万8千件となっていて、約10倍です。これではタイトルほどのインパクトありませんね。そこでキーワードをいくつか変更してみました。
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次にヒットしたキーワードが「勝った」です。先ほどの2万8千件よりは10倍以上増えて、約28万5千件です。これで105倍です。人間の心理を考えると、ずっと試合を見ていて、試合終了時に出る言葉は、日本を応援している日本人としては素直に「勝った」という言葉がでますよね。でもこれでも145倍までは到達していません。


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そして、最後に最もインパクトが大きかったキーワードを見つけました。それは「ドイツ」です。なんとツイートのピークは39万2千件です。大臣辞任に比べて145倍のインパクトでした。

これまでの3パターンを分析すると、日本がドイツに勝って喜んだ人は、どのような言葉をツイートするでしょうか?「ドイツ」に「勝った」とか、「ドイツ」に「勝利」とか、でしょうか。念のために「勝利」というキーワードも同じツイートのピークのタイミングに18万5千件ものツイートがありました。

こういった試行錯誤することは、データサイエンスという学問分野で今世界中でAIとともにあるいはAI以上に注目されています。

 

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2022年11月29日 (火)

W杯対ドイツ戦勝利のインパクトは大臣辞任の約145倍(PART1)

2022年11月28日 (月) 投稿者: メディア技術コース

新しいメディア学の研究テーマに取り組んでいる全国唯一の健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインしたり、多くの人たちに役立つ健康改善するための健康アプリを制作するための研究を行っている研究室です。

中学校・高校とずっとサッカー部でひたすらストイックに練習してきた身としては、今カタールで実施しているワールドカップサッカーは4年に一回の眠れない夜・睡眠不足の日々が続きます。2022年11月23日に日本のA代表がドイツのA代表に勝利するという快挙を成し遂げました。シドニーオリンピックで日本代表がブラジルに勝ったのではと記憶されている方もいらっしゃると思いますが、こちらはA代表でなくU22代表なので、世界中の評価は相当に差があります。

試合内容をレビューする報道メディア的なアプローチもありますが、ここでは日本勝利のインパクトをSNSを活用して定量的に調べてみました。そのインパクトとの対比において、先日、大臣辞任というバッドニュースがありましたがまずそのインパクトを調べてみました。ツールはtwitterの投稿内容を分析しているYahoo!リアルタイム検索です。直近30日間のデータでは、ツイートのピークは11月2日の約2700ツイートです。それに加えて感情グラフという、ポジティブな内容なのかネガティブな内容なのかもわかります。大臣辞任は流石にほぼネガティブで99%もの割合です。

続いて、本題のワールドカップサッカーの日本対ドイツ戦の結果のツイートを分析してみます。
つづく

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2022年11月28日 (月)

研究紹介:恋愛リアリティショーにおける心理的距離の可視化

2022年11月 6日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

昨日に引き続き、NICOGRAPH2022でのポスター発表の紹介です。
今日は中山和さんの研究の紹介です。
中山さんは初めての学会発表ですが、早いうちにポスター発表のやり方を掴みうまく説明をしてくれていました。

20221105-112356

隣同士だったので昨日と同じ写真ですが、それぞれ学外の方にしっかり説明してくれています。

中山さんの研究は、恋愛リアリティショーにおける心理的距離の可視化というテーマです。
心理的距離、という名称を使っていますが、学術用語ではなく比喩的な表現の意図が近いです。
俗っぽい表現になってしまうので研究タイトルにはしませんでしたが、好感度とか親密度という方が近い表現です。

バチェラージャパンという、Amazonプライムビデオで配信していた恋愛リアリティショー形式の番組についての分析・可視化です。
バチェラージャパンは、一名の男性と多数の女性による恋愛リアリティショーで、基本的に女性が代わる代わるアプローチをしていきます。
それらのアプローチをエクセルにまとめつつ、時折ある男性側からのアプローチなども記録していきます。

この分析で得られたアプローチの種類や回数を使い、力学モデルでのグラフ描画を行ってみました。
女性男性問わず、弾き合う性質を持つ円の形で表現し、アプローチの数だけ間にばねを繋いでいきます。(男性側の行ったアプローチであれば6倍繋いでみています)
登場人物同士は弾き合う力で離れようとしつつ、アプローチ回数分繋がったばねによって引っ張られることで、力同士の釣り合う形で静止するような動きをします。

配信の話数ごとにアプローチの情報を適用し、釣り合った時の登場人物間の距離(男性と女性陣との距離)や配置が実際に配信を観て感じる距離感になるかを検証します。
主観を排した検証方法はまだ実現できていないですが、少なくとも番組を観て、分析をしている中山さん自身の印象としてかなり近いものにできているようです。

今後は分析方法の修正や繋ぐばねの数の再検討、他のシリーズの情報を入力しての比較などすることがいっぱいです。
今後の発展が楽しみです。

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2022年11月 6日 (日)

研究紹介:長編の物語における登場人物の行動と場面の可視化

2022年11月 5日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

昨日の記事で書いた通り、石川県で開催されているNICOGRAPH2022に参加しています。
今回は先端メディアゼミナールⅡを受講していた三名がポスター発表として参加しました。

今日は飯田琴美さんの研究の紹介です。
飯田さんはこれまでに紹介した(記事1記事2)通り、一年後期からずっと受講してそれぞれの成果で毎年度学会発表をしてくれています。
今回で三度目ですが、これまではリモート参加だったので現地での発表は初めてです。
現地は初めてということで緊張している様子もありましたが、発表が始まると見に来た方にしっかり説明してくれました。

20221105-112356

今回の研究は、長期間の連載をしている漫画作品を題材に、登場人物の行動を分析し可視化する方法を検討しました。
連載が長期化すると登場人物の数が多くなり、それぞれの人物の行動を代わる代わる描写していると人物ごとの登場頻度が下がってしまいます。
すると、前回の登場からどれだけ経ったかや、前回登場時にどこで何をしていたかなどの情報が曖昧になってしまうことが起こりえます。

これを整理するため、「ONE PIECE」や「BLEACH」、「名探偵コナン」を題材に、各登場人物の登場時の行動をエクセルで分析しました。
分析にあたり、列方向に時系列(物語の進行)を取り、行方向に登場人物を列挙する形を取りました。
しかし、常に同じ登場人物同士が一緒に行動するわけではないため、ある場面で一緒に行動していた人物同士が遠く情報が把握しにくいという問題が発生しました。

そこで、登場人物について何行目に記載するかを固定せず、物語中で描写される度に一番上の行に移動して表示するという方法を検討しました。
これによって、ある時点で一緒に描写された(同じ行動を取っていた)人物同士が近づき、またこの入れ替えを描写ごとに行うことにより、しばらく登場していない人物が下の方の行に移動していく形になりました。
エクセルではそのような行の並び替えは行いにくいため、エクセルで分析したデータをもとに上記のルールで表示位置の変更を行うシステムの試作を行い、手法の有効性の確認を開始しました。

今回はその分析方法と情報のまとめ方についての発表がメインで、試作プログラムについてはこれから改めて仕様の検討と実装という形です。
今後の発展が楽しみです。

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2022年11月 5日 (土)

出張先での夕暮れ

2022年11月 4日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。
11月に入り、すっかり日が落ちるのが早くなってきました。

本日から開催している芸術科学会の大会、NICOGRAPH2022に参加していますが、今日は発表の話ではありません。
私の関係での発表は、明日土曜日に予定されています。そちらの報告はまた改めてする予定です。

NICOGRAPH2022ですが、今回は石川県にある北陸先端科学技術大学院大学というところでの実施となりました。
コロナ禍以降、遠方の学会には不参加かリモート参加をしてきたのですが、今回は現地で参加しようと思い久々の出張をしています。

学会に参加中の夕方、室内のある展示を見終え、時計を見ながら部屋の出口に向かいました。
16:58分ごろだったかと思います。歩きながら「もう17時か、外は真っ暗だな」と思いました。
本学は5限の授業が17:05から開始しますが、その前の休み時間中くらいに真っ暗になります。
ちょうど先日、5限開始直前に窓の外を見ていたので記憶に新しかったこともあり、時計を見て外の様子を想像したのでした。

ところが、実際に外に出るとまだ明るいのです。もちろん夕方で日は落ちてるのですが、西の空が赤いだけでなく空全体がまだ明るくて驚きました。
その時の空の様子を写真に撮っています。時刻としては17時0分14秒だったようです。

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どうして・・・?と思いましたが、よく考えてみれば普段とは違う場所にいるのでした。
八王子では17時には日は落ち切って真っ暗ですが、石川県はそこよりも約240Km西にあります。
日本は国内で時差をつけるほど広くはないですが、それでも北海道と沖縄では太陽の運行に1時間以上の差があります。
普段よりも遠く西の土地にいるならば、その距離分地球が自転するまではまだ日が落ち切っていないことになるわけです。(正確には日没後の薄明の時間ですが)

ちなみに、その後10分程度ですぐに真っ暗になってしまいました。秋の日はつるべ落としとはよく言ったものです。
ちょうど17時直前に時計を見ながら外に出たことと、つい先日の記憶があったのは運が良かったです。
もしも外に出たのが17:10ごろで、それで外が真っ暗でもこのことには気付けなかったのではないかと思います。

久々の出張で遠方に来ましたが、思わぬ形で遠方にいることを実感できました。

2022年11月 4日 (金)

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