おもしろメディア学

[ 映画コラム-その1 ] コメディ映画の結末

2020年4月 5日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース





今週末は、外出をひかえて家で過ごされる方も多いかと思います。大変な時期となりましたが、みなさん体調に気をつけて、無事に健康でお過しください。

家にこもっていると気持ちもくもりがちになりますが、そんな時は、DVDやネット配信で映画鑑賞はいかがですか? このブログシリーズ[映画-コラム]では、こんな時期におすすめしたい映画や、映画のひとくち知識などについてご紹介していきたいと思います。

今日のテーマは「コメディ映画」です。コメディ映画で気分転換はいかがでしょうか?

「ブルース・ブラザーズ」は、私のイチオシ映画の一つです。ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドというギャグの天才ふたりが暴れ回る音楽映画ですが、ストーリーは単純明解です。自分たちが育てられた孤児院が、破産寸前の危機に直面しているので、それをなんとか助けようと、バンドを再結成してチャリティコンサートを開催するのです。

ドタバタの大騒ぎの末に、稼いだ5000ドルを寄附するまでの展開が、ほんとに面白いですよ。「ブルース・ブラザーズ」の監督はジョン・ランディスという方です。ほかにもエディ・マーフィと組んだ「大逆転」や「星の王子様ニューヨークへ」などの作品がありますね。

ジョン・ランディスと並ぶんで、ジェリー・ザッカーも素晴らしいコメディ映画の名手です。「ゴースト」は至高のラブストーリー、「ラットレース」は著名俳優大集合の豪華なコメディ映画です。どちらも人間の愚かさと素晴らしさの両面を表現つくしていると思います。ぜひこちらもリストにいれてください。

実は、これらのコメディ映画には、共通するテーマがあります。

それは「お金」です。
お金に振り回されて、人生がおかしくなるほど奔走する人間たち。
その姿がおかしいのと同時に、見る人に人生の価値観を教えてくれます。

今日紹介した映画は、基本的には欲得づくの人間たちが、巨額の資金をめぐって右往左往する話なのですが、最後にはある決まった「オチ」があるのです。見る人がスカっとした気持ちになる仕掛けなのです。さて、どんな結末でしょうか?

みなさんもご覧になって、これらの映画の結末を確かめてみませんか?
どんな「オチ」なのか、それは次回のブログに書きますね。お楽しみに...


今回は、コンテンツコース・佐々木 が担当しました。


2020年4月 5日 (日)

エクセルとうるう年のお話

2020年2月29日 (土) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

今日は2020年の2月29日、4年に一度のうるう年のうるう日ですね。
せっかくなので、うるう年にまつわるおもしろメディア学です。

うるう年は4年に一度、2月に29日が入るというものですが、実は単に4年に一度ではありません。
西暦の年数が・・・

・4で割り切れるときはうるう年とする
・ただし100でも割り切れるときはうるう年としない
・ただし400でも割り切れるときはうるう年とする
という条件になっています。

条件だけ見ると複雑ですが、後ろ2つは具体的には1900年はうるう年ではなく、2000年はうるう年です。
100年単位で見れば次は2100年・2200年・2300年がうるう年ではなく、2400年がうるう年ということです。

2000年もうるう年だったので、4で割り切れるうるう年でない年は120年間来ていないことになります。

ここまでうるう年自体のお話でしたが、エクセルとはどんな関係があるかというと、実はエクセルの日付計算機能にはうるう年に関するバグがあるのです。
先ほど話した通り、1900年はうるう年ではないのですが、エクセルの機能で日付を見ると1900/2/29が存在しています。
1900年から2400年までの2/26から7日間を表示してみました。

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2100年から2300年は2/28の次が3/1になっていて、2000年、2400年は正しく2/29になっています。
そして、1900年にも2/29が現れています。
つまり、エクセルの日付計算機能上は1900年がうるう年として扱われているのです。一般的に考えて、これはバグですね。

なぜこうなっているかというと、エクセルが開発された当時はLotus 1-2-3というソフトが表計算ソフトの主流でしたが、このソフトに1900年をうるう年とするバグがありました。
マイクロソフトとしてはエクセルを売り出したいので、現在主流のLotus 1-2-3を使っている人が同じデータをそのまま使って乗り換えできるようにする必要がありました。
そのため、Lotus 1-2-3と同じ方式で日付計算を行うように設計し互換性を持たせました。これによってエクセルでも1900年はうるう年という誤った情報のままになっているというわけです。

この、互換性を優先して故意にバグを仕込むというのは大変興味深い判断です。
バグ、つまり誤りは正すのが普通ですが、あえて残すどころかわざわざ発生させています。

しかし、もちろんそれをするに足る合理的な理由があります。もしこれを開発当時に修正すればLotus 1-2-3との互換性がなくなり、厳しいシェア争いが必要になりました。
また、もしも今からこのバグを修正すると、これまでに作られた世界中のエクセルファイル全ての日付が1日ずれてしまうという甚大な問題が発生します。

それに対し、1900年をうるう年のままにした場合に起きる問題は、「1900年の1月1日~2月28日の曜日がズレてしまう」というだけです。
エクセルでは1900年以前をもともと日付として扱えないので、このごくわずかな期間、しかもその期間の曜日を計算するというごくごく限られた場面でのみ問題が生じます。(そんなことする人いるのかな・・・?)
つまり、バグを修正した方がより大きな問題が発生するということになります。
これらを総合的に判断した結果、今でもエクセルには1900年の2月29日が存在しているというわけです。

うるう年にまつわる、表計算ソフトの歴史のお話でした。

2020年2月29日 (土)

サウンド×ヒューマン研究まとめ

2020年2月25日 (火) 投稿者: メディア技術コース

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こんにちは。今回はサウンド研究が中心の大淵・越智研のメンバーが取り組んでいる、または今年度卒業研究・修士論文研究で行った研究課題の概略を図示してみました。これ以外にもサウンドの可視化や画像から音を作る(可聴化)、プログラミングで音楽を奏でるライブコーディングへのAIの導入、音声認識、音声合成など、描ききれない色々な研究テーマがあります。サウンドと一口に言っても色んなことができることがわかりますね。共通するのは、大淵・越智研ではサウンドを芸術的な側面だけではなく技術(機械学習(AI)や統計、音響分析)と結びつけて研究していることです。サウンドを技術的な切り口でとらえてみたい学生の皆さんは是非大淵・越智研で一緒に研究してみませんか?

 メディア技術コース 越智

2020年2月25日 (火)

AIは代わってくれない研究のプロセス

2020年2月24日 (月) 投稿者: メディア技術コース

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研究のプロセス

こんにちは。メディア学部では卒業研究発表と大学院の最終審査がちょうど終わった時期です。ここではメディア学部に限らない研究そのもののプロセスをまとめてゲームマップ風?にまとめてみました。図では単純化していますが、各プロセスは場合によっては前の段階に戻って方針を練り直す必要が生じることが多々あります。卒業研究や大学院の研究活動では、1年(または2年)かけて試行錯誤とチャレンジを繰り返すことそのものが、研究以外においても今後必要となる問題発見や科学的・論理的思考といった力を培うのに役立つことでしょう。これから研究を始める皆さんも、厳しくも楽しい1年を過ごすことにより自分の成長を実感できると思いますのでぜひ頑張ってください。

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夕日を浴びる本部棟   

メディア技術コース 越智

2020年2月24日 (月)

図と説明文の話

2020年2月18日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

鶴田です。

先日、Taylor's Universityのみなさんが来学した際に、日本文化の紹介として折り紙のワークショップを行いました(大学からのお知らせはこちら)。

ワークショップは1時間予定されていたので、折り紙の数学や歴史、技術応用の話をした後、簡単な箱の作品を折ってもらうことにしました。
しかし、手元にあるのは日本語の折り図です。当然みなさん読むことができません。とはいえ図が書いているのだから日本語が読めなくてもおおよそ理解できる気もします...。

迷った結果、全部翻訳するのは手間がかかるので「難しそうな手順だけ英語の訳を付けた」のですが、結局「難しい部分は英訳があっても間違える」という結果になりました笑

さて、折り紙の手順を示した図では下記のような説明文が付いていますね。この「半分に折る」という説明は本当に必要なのでしょうか?例えば、立川とかにある某北欧家具メーカーの組立説明書は、説明文をなくして、図だけで理解できるようにしています(本当に理解できるかは別ですが)。

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いろんな国のいろんな言語を話す人が入り混じる世の中で、翻訳というのは大変なコストになります。私にとっては、図の在り方についてちょっと考えたワークショップになりました。

2020年2月18日 (火)

大学から見える意外なランドマーク(2)

2020年2月 5日 (水) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

先日の記事に続き、学内から見えるもうひとつの意外なランドマークのお話です。
片柳研究所から都心の方を見ると、頭一つ(という表現はちょっと違うかもですが・・・。)抜けた高い高い建造物が見えます。

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流石に遠いのでズームします。

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更に拡大・・・。

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はい。スカイツリーですね。特徴的なシルエットと、何より大変高いのでわかりやすいです。

探してみたら総務省の公開するこのようなデータがありました。関東広域圏東京親局というのですね。
関東平野の広域にテレビ電波を発信できるように建造されているので、山などに遮られない限り非常に広範囲まで電波が届いていることがわかります。

電波は基本的には直進します。つまり、テレビの電波が届くということは間に何もないということになります。
(厳密には回折や反射といった現象や、中継局などがあるので
その限りではないですが・・・。)
そのため、東京工科大学からは44Kmほど離れていますが、高い位置からであれば視認可能なんですね。

そういう意味ではあまり意外ではないのですが、そんなに遠いのに見えるんだという意味で意外なランドマークのお話でした。

2020年2月 5日 (水)

夜景写真を自動的につくる研究

2020年1月17日 (金) 投稿者: メディア技術コース

 大学院メディアサイエンス専攻修士2年の王 旭(おう きょく)さんの学会誌論文が採録されました。
 
 王 旭,渡辺大地,柿本正憲,2019,昼間の都市俯瞰画像からの夜景画像の生成,画像電子学会誌,48(3),375-384
 
 都市の建物群を撮影した写真一枚から、同じアングルの夜景写真を自動計算で生成するという研究です。
 
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 この分野は一般に画像のスタイル変換と呼ばれ、近年盛んに研究されています。AIによる画像認識はすっかり世の中に定着しています。画像のスタイル変換にもAI技術が使われます。
 
 ただ、夜景画像は特殊で、昼間には存在しなかった膨大な数の細かいけど明るい光が現れます。これは一般的なスタイル変換では扱いにくい対象です。今回の研究ではAIの手法は使わず、建物群の遠景画像を徹底的に分析し推定する方法を選びました。
 
 例えば、道路付近の街灯や店の灯りや車のヘッドライトなどが高層ビルを下から照らす効果も入れています。また、最終的に描画する細かい光は、色の種類が現実世界と同じような割合になるように工夫しています。1000枚近い既存の夜景写真を分析した結果です。
 
 現在、このような分析的な手法ではなく、日々進歩しているAIの技法をうまく使えるような手法を研究中です。成果が楽しみです。
 
 メディア学部 柿本正憲

2020年1月17日 (金)

スパゲッティのある風景

2019年12月 7日 (土) 投稿者: メディア技術コース

こんにちは。今回は趣向を変えて、食品サンプルを学内に置いてみつつVRとの関係を考察しました。まずはスパゲッティのあるキャンパスの風景をお楽しみください。

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研究棟C前のスパゲッティ


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片研(片柳研究所)を臨むスパゲッティ

Garden_and_pasta庭園とスパゲッティ

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片研前の噴水とスパゲッティ

さて、食品サンプルですが世の中に役立つ研究にも使われています。ビュッフェ形式で食べ物を選び取る行動の研究で、本物の食品の代わりに使われています。例えば、1種類の野菜より複数種類の野菜から選べるような食事にしておくと、野菜を取る量が増えるということがわかったという研究があります[1]。どうすれば人が野菜をたくさん食べられるかを調べるのに活用されているのです。

さらに、上記のような食事のときの行動を調べる実験で、VRの食品サンプルでもできるということを示した研究もあります[2]。VRの食品を選ぶ行動と現実の食品サンプルを選ぶ行動とを比較すると高い相関がみられたというものです。写真ではなく現実感のあるVRだからこそ実際の食べ物を取るときと同じ感覚になるのかなと思います。レンダリング技術(CG描画技術)がさらにリアルになればなるほど食欲を誘って現実の食品摂取の行動に近づきそうですね。

店先でどういうメニューがあるか選ぶためだけでなく栄養学的な研究という意外なところで食品サンプルとVR食品サンプルが役立てられているというお話でした。

メディア技術コース 越智

参考文献

[1] Bucher, T., van der Horst, K., & Siegrist, M. (2011). Improvement of meal composition by vegetable variety. Public Health Nutrition14(8), 1357-1363.

[2] Ung, C. Y., Menozzi, M., Hartmann, C., & Siegrist, M. (2018). Innovations in consumer research: The virtual food buffet. Food quality and preference63, 12-17.

2019年12月 7日 (土)

【研究紹介】数式で髪を編む技術 - Procedural Hair Styling ー

2019年11月 5日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

本日のブログでは,「数式で髪を編む技術 - Procedural Hair Styling -」について紹介したいと思います.

CG で人型のキャラクターを制作する場合,肌や髪などの質感に加えて,表情や動作も人間そのもののようなリアリティのある表現が求められます.特に髪の表現に関しては様々なスタイルがあり,特定の髪型を制作することによってキャラクターの個性を引き出すことが可能となります.すなわち,ヘアースタイリングはキャラクターモデリングにおいて必要不可欠な要素です.

CG におけるヘアースタイリング技術は,人の写真から髪型の情報を読み取って自動的に生成するものが主流となっています.しかしながらこの手法は,三つ編みやお団子,短髪すぎるものなどの髪の流れる方向を読み取れないものには適していません.

そこで我々の研究室では,ガイドカーブを用いて三つ編みを作る Braid パラメータ,一定のカールを作る Coil パラメータ,およびランダムにカールを作る Curl パラメータの3つによって,複雑に編み込まれたような髪型でもパラメータを調整するだけでスタイリングが可能な技術を開発しました.
三つ編みにはリサージュ曲線を,カールヘアーにはヘリックスをそれぞれ制御関数として用い,上記3つのパラメータの変化でスタイリングを行います(図1参照,動画も公開中です).

Fig_20191102000501
図1.スタイリング例


本研究は,「映像表現・芸術科学フォーラム 2019 [1] 」にて発表を行いました.

[1] 中村史穂,菊池 司,”ヘアーのプロシージャルモデリング”,映像表現・芸術科学フォーラム2019概要集


文責:菊池 司

2019年11月 5日 (火)

おしゃべりAI~音声合成の潮流~(1)

2019年10月 4日 (金) 投稿者: メディア技術コース

こんにちは。最近はスマートフォンやスマートスピーカーなどで話し声を作り出して再生する「音声合成」技術の利用が広がっていますね。今回は最近の音声合成技術について、連載形式でお話します。

音声合成は、任意の文章(テキスト)を音声に変換することです。今日に実用化されている音声合成は、ゼロから音声の波形(音圧の時々刻々の変化)を作り出すのではなく、誰かの声の録音を材料として使って行います。2000年代初めまで主流だったのは、

  1. 音声波形を短く切ってつなぎ合わせるもの(波形接続)
  2. 一度パラメータに変換してからパラメータの系列を生成するもの(例えば隠れマルコフモデルを使った方法)

Blog_hmm002

/k a/の合成のようす

でした。後者は、上図のように、ある確率でいろんな音ののパラメータを発生(出力)する「状態」(図のマルのところ)の系列を仮定して、出したい音に対応したパラメータを出力させていきます。

近年は、いわいるAIの技術のひとつであるディープラーニング(深層学習)が活用されています。ここで、簡単にディープラーニングを用いたニューラルネットを説明します。ニューラルネットは、神経の活動を模した学習モデルです。Neuron

神経細胞(ニューロン)同士が互いに結合して構成されています。基本的なモデルでは、ひとつひとつに何本かの入力(図では頭から延びる枝)と枝分かれしている出力(顔の下から延びる枝)の経路が付いています。

 Activate

入力からは何らかの数値が入ってきます。この合計が小さいと出力がほとんど出ず(ここでは0)、ある値より大きいと「発火」して一気に大きな出力が(ここでは1)出ます。

Weighting

出力された値には、次のニューロンに届くまでに「重み」と呼ばれる係数が掛け算されます。例えば、1に重み2.1をかけると値は2.1になりますね。全ての枝で重みが掛け算された後で次のニューロンの入力に入り、そこでまた合計が大きい場合に次の発火が起こります。

Training_dnn

では、どうやってAIは「学習」されるのでしょうか。教師あり学習といわれる学習では、テキストから取り出した情報(発音やアクセントなど)と実際誰かが発声した音声(=正解の情報)を使います。このデータの組を使ってAIにテキスト情報を入力したときの仮の出力と、実際の音声のデータとの差を計算すると、誤差が求まります。この誤差が小さくなっていくようにニューロンの枝の「重み」を微調整していく作業がニューラルネットの「学習」です。

次回は上記を使った音声合成技術の広がりについてお話しします。

メディア技術コース 越智

2019年10月 4日 (金)

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