おもしろメディア学

サッカーW杯とテクノロジー②

2026年7月 8日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の栗原です。

前回に続き、サッカーW杯とテクノロジーの話について書いていこうと思います。

 

前回は技術で実現される観戦体験についてでしたが、観戦だけでなく競技そのものにも影響を与えていることにお気付きでしょうか。

例えば、ボールがゴールに入ったかを判別するゴールラインテクノロジー、VARとそこで使われる半自動オフサイドテクノロジー、先日使用されたコネクテッド・ボール・テクノロジーなど、主に人の目では限界のある判定に技術が多く寄与しています(野球でも投球判定が機械化され始めていますね)。

実はこれらは今回のW杯で初登場というわけではないのですが(コネクテッド・ボールはEURO 2024で初めて見て衝撃を受けました)、やはりW杯ということで大きな注目を浴びています。

もちろん賛否はあると思いますが、観戦体験だけでなく競技の公平性にいかに貢献するか、という視点で観てみるのも面白いかもしれません。

 

今回はここまでにしたいと思います。

2026年7月 8日 (水)

サッカーW杯とテクノロジー①

2026年7月 6日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の栗原です。

普段はイベント告知ばかりなので、少し時事ネタで記事を書こうと思います。

 

ネタについてですが、やはり今はサッカーW杯ですね。

私は元々配信サービスに加入しているので全試合を観ること自体は可能なのですが、時差もあってあまり観れていません。

さて、その配信サービスのCMで知ったのですが、新しい観戦体験としていくつかの取り組みがされているようです(私は使っていませんが...)。

例えば、サッカーゲームのように画面下部に選手がピッチ上のどこにいるのか、誰がボールを持っているのか、シュートの速度がどれくらいなのか表示されたり、自分がピッチ上にいるかのような映像が観れたりなど12年前(4年に1度なので...)にはなかったような観戦ができるようになっています。

これらはスタジアム自体の機能はもちろんですが、映像からの画像処理技術(+AI)の賜物と言えると思います。

もちろんそれ以外にもネットワーク技術などたくさんの技術が使われていると思います。

今はまだ難しくても、12年後はどのような観戦ができるようになるのか、優勝国とともに想像してみるのも面白いかもしれません。

私は専門ではないのですが、メディア学部にはこれらの技術の専門の先生方がいらっしゃいます。

将来、メディア学部発の面白い観戦方法が普通になっている未来もあるかもしれません。

 

今回の記事はここまでにしたいと思います。

2026年7月 6日 (月)

テレビ取材で考えたこと

2026年6月15日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

先週土曜日(613日)、テレビ東京のバラエティ番組「※諸説ぜんぶ見せます」で私のインタビュー取材が放送されました。撮影をしたのが4月中旬でしたから2か月前ということになります。当初、5月中旬に放送が予定されていたのですが、1か月延びたのです。

地上波テレビ放送は、スポンサーにコマーシャルを買ってもらう広告収入が主な収入源ですが、土曜と日曜は休日で視聴者数が多いので民放各局は「土日タテ(どにったて)」と言って、時にバラエティ番組、時にスポーツ中継、時にローカル局制作番組など、比較的自由な番組編成をしています。今回の番組も土曜の昼に放送して、評判が良ければレギュラー化したいということでした。

しかし「テレビ離れ」の影響で、このような「番組編成」という考え方が、大きく変わろうとしています。テレビ局の中でも10年前には「編成局」だったエリート部署が、今では「コンテンツ戦略局」と名前が変わっています。テレビ番組は、地上波放送だけでは視聴者数が足りず、放送後TVerなどに配信してさらに視聴者を増やすことが求められているのです。

ただ、番組配信にはリスクもあります。1回で終わる放送と異なり、いつでも見られる配信では、番組内容に間違いがあった場合の炎上リスクがはるかに高まるのです。そのため、各放送局では番組考査(チェック)が重要な作業となっていますが、人出が足りない状況が続いています。

今回の番組も、今のところ番組配信の予定はないようです。これは、レギュラー番組には番組考査がしっかりついているが、単発番組のチェックまで手が回らないということなのかも知れません。私たちはまさにテレビの変革期のど真ん中にいるということを、改めて考えさせられました。

PS) その後、TVerに公開されました。冒頭2分で終わりますのでご興味あれば(笑)

https://tver.jp/episodes/epkh95675t

 

メディア学部 山脇伸介



2026年6月15日 (月)

画像生成AIのメイキング全部見せます:イラスト DE ゆく年くる年(第3回/全3回)

2026年1月 2日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.


馬のイラストは、こうして生まれました
― 画像生成AIメイキング(くる年編)―

年末に紹介した「蛇のイラスト」に続き,今回は 「馬」をモチーフにしたイラスト のメイキングを紹介します.

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本企画 「イラスト DE ゆく年くる年」 の締めくくりとして,この馬のイラストには「くる年」への思い を込めています.


「くる年」をどう表現するか

蛇のイラストでは,年末らしい静けさや内省の雰囲気を大切にしました.
それに対して,馬のイラストで意識したのは

・前に進む力
・しなやかさと強さ
・未来へ向かうポジティブな気配

といった要素です.
「走る」「駆け抜ける」といった分かりやすい動きだけでなく,これから始まる一年への期待感 が自然に伝わる表現を目指しました.


主役は「勢い」ではなく「関係性」

今回のイラストでは,馬そのものの迫力を前面に出すよりも 人物と馬の距離感や関係性 を丁寧に描くことを意識しています.
寄り添う構図,穏やかな表情,やわらかい空気感.
そうした要素を通して,「力強さ」と同時に 安心感や信頼感 が感じられるイメージを組み立てていきました.


トーンと雰囲気を整える

画像生成AIを用いた制作では,細かな調整の積み重ねが重要になります.
今回も,

・全体の色調を整える
・光の強さを抑える
・情報量を整理する

といった調整を繰り返しながら,新年らしい 明るさと落ち着きのバランス を探っていきました.
華やかさがありながら,どこか静かで,長く眺めていられる—— そんな一枚を目指しています.


完成したイラストについて

完成した馬のイラストは,蛇のイラストとあわせて 東京工科大学メディア学部公式 Instagram に掲載しています.

https://www.instagram.com/tut_media.official/p/DSzsufikYcW/?img_index=1

年末の蛇のイラストと見比べながら,「ゆく年」と「くる年」の違いを感じてもらえたら嬉しいです.


新しい年へ

画像生成AIは,表現の可能性を広げてくれるツールのひとつです.
しかし,その使い方や方向性を決めるのはやはり人間の側にあります.

今回の「イラスト DE ゆく年くる年」が,表現を考える楽しさや新しい年に向かって何かを作り始めるきっかけとして,少しでも伝われば幸いです.

本年も,メディア表現や制作の現場について,さまざまな形で発信していきたいと思います.

どうぞよろしくお願いいたします.


文責:菊池 司

2026年1月 2日 (金)

画像生成AIのメイキング全部見せます:イラスト DE ゆく年くる年(第2回/全3回)

2025年12月31日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.


蛇のイラストは、こうして生まれました
― 画像生成AIメイキング(ゆく年編)―

前回の記事では,年末年始の企画として制作した「イラスト DE ゆく年くる年」 の全体像を紹介しました.
今回はその続編として,「蛇」をモチーフにしたイラスト がどのような考え方のもとで制作されたのか,そのメイキングを簡単に紹介します.

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「蛇」というモチーフの捉え方

蛇は,今年の干支です.
古くから,再生や循環,内省といった意味を持つ存在としてさまざまな文化の中で描かれてきました.

今回のイラストでは,干支としての分かりやすさよりも年末という時間が持つ「静けさ」や「振り返り」 をどのように表現できるかを意識しています.
派手さよりもどこか落ち着いた空気感や,見る人が立ち止まって眺めたくなるような雰囲気を大切にしました.


イメージを言葉にするところから始める

画像生成AIを使った制作では,まず 「どんなイメージを作りたいのか」 を言葉として整理するところから始まります.
今回の蛇のイラストでは,

・全体のトーンを抑えること
・視線や佇まいに物語性を持たせること
・爬虫類が苦手な人もいるので,蛇そのものが強く主張しすぎないこと

といった点を軸に,少しずつイメージを組み立てていきました.


調整の多くは「引き算」

制作の過程で意識したのは,要素を増やし続けることではなくどこまで削れるか という点です.
色数を抑える,情報量を整理する,主役以外の存在感を控えめにする.
そうした調整を重ねることで,画面全体の印象が落ち着き,結果として蛇の持つ緊張感や静けさがより伝わるようになります.


完成したイラストについて

完成した蛇のイラストは,すでに 東京工科大学メディア学部公式 Instagram に掲載しています.
完成したイラストはこちら

https://www.instagram.com/tut_media.official/p/DSzsufikYcW/?img_index=1

まずは完成したビジュアルを見ていただき,その上で「どんな考え方が背景にあるのか」を想像しながら,このメイキングを読んでいただければと思います.


表現は「試行錯誤の積み重ね」

画像生成AIは便利なツールですが,一度の操作で完成形が生まれるわけではありません.
イメージを言葉にし,結果を見て考え,また少し調整する——
その繰り返しの中で,表現は少しずつ形になります.

今回の蛇のイラストも,そうした 試行錯誤の積み重ね の中から生まれた一枚です.


次回は「馬」をモチーフにしたイラスト のメイキングを紹介します.
「くる年」を象徴する存在として,蛇とはまったく異なる発想で構成した作品です.

どうぞお楽しみに.


文責:菊池 司

2025年12月31日 (水)

画像生成AIのメイキング全部見せます:イラスト DE ゆく年くる年(第1回/全3回)

2025年12月29日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

年の瀬が近づくと,「今年もあっという間だったな」と感じる方も多いのではないでしょうか.
そして年が明ければ,また新しい一年が始まります.

そんな節目のタイミングに合わせて,今回は少し趣向を変えて「イラスト DE ゆく年くる年」 と題した制作を行ってみました.


蛇と馬で、年末年始を表現する

今回制作したのは,「蛇」と「馬」 をモチーフにした 2 枚のイラストです.

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蛇は,今年の干支.そして馬は,次の年へと勢いよく駆け出していく存在として選びました.

これらのイラストは,すでに東京工科大学メディア学部公式 Instagram にも掲載しています.
https://www.instagram.com/tut_media.official/p/DSzsufikYcW/?img_index=1


まずは完成したビジュアルを見ていただいた上で,「どんな考え方で作られているのか?」を感じてもらえたら嬉しいです.


画像は「結果」,大事なのは「考え方」

今回の制作には,画像生成AI(Midjourney) を用いています.
ただし,出来上がった画像そのものよりも,実はその裏側――

・どんなイメージを言葉にしたのか
・どんな要素を足し,どこを削ったのか
・なぜその表現を選んだのか

といった 「考え方」や「組み立て方」 にこそ,メディア表現としての面白さがあります.


メイキングは,あえて3回に分けて紹介します

そこで今回は,制作のメイキングを3回に分けて紹介していくことにしました.

・本日(12月29日):企画の背景と全体像
・12月31日:蛇のイラストはどのように作られたのか
・1月2日:馬のイラストに込めた考え方と構成

それぞれ,「プロンプトをどう考えたのか」「画像生成AIとのやり取りをどう組み立てたのか」といった部分をできるだけ具体的に紹介する予定です.


表現を“作る”ということ

画像生成AIは,とても便利な道具です.
しかし,それを使って何を作るのか,どう見せるのかは結局のところ人間の側に委ねられています.
年末年始のちょっとした企画ではありますが,「表現を考えるプロセス」 そのものを楽しんでいただけたらと思います.

次回は,「蛇のイラスト」のメイキング を詳しく紹介します.

どうぞお楽しみに.

文責:菊池 司

2025年12月29日 (月)

動画生成AI:Sora2を使えばAIに授業をさせられるか!?

2025年11月 5日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の藤澤です。先日、OpenAIから発表された動画生成AI:Sora2を使って授業動画を作れないか試してみました。

Sora2とは?

2025年秋、OpenAIが発表した最新の動画生成AI Sora2 が世界中で大きな注目を集めています。Sora2は、テキストや画像の指示から10〜15秒ほどの高品質な動画を自動生成できるAIモデルで、映像の一貫性や物理的リアリティの高さが特徴です。例えば、登場人物の動き、カメラワーク、照明、背景の連続性まで自然に表現され、まるで実写のような短編映像を作ることができます。

さらに、Cameo機能 を活用すると、実在する人物の3Dアバターを動画内に登場させることも可能です。ユーザー自身の姿をCameoとして登録すれば、まるで自分が演技しているかのような動画をAIが生成してくれます。登場人物同士の会話や表情の変化も自然で、AI俳優が演じる“仮想映像制作” が現実のものとなりつつあります。

Sora2では、以下のような点が特に注目されています:

 

 

 

  • シーン間の整合性:複数カットの中でキャラクターや背景が一貫している。

  • 自然な動きと物理法則の再現:風に揺れる髪、重力による落下、歩行などが現実的。

  • 多様なカメラアングル:ズームやドリーショットなど映画的な表現も自動生成。

  • 音声合成との統合:ナレーションや会話を自然に組み合わせられる。

つまり、これまでの動画生成AIが「断片的な映像」を作る段階にとどまっていたのに対し、Sora2はストーリー性や演出を含んだ“映像作品”を生成するAI へと進化しているのです。


実験:Sora2で授業動画を作ってみまし

そこで今回、Sora2を使って短い授業風動画 を生成してみました。Cameo登録したAIが作った私が教壇に立ち、授業を行う映像がどの程度自然に見えるかを検証しました。まずは以下の動画をご覧ください。

一つ目の動画と二つ目の動画では少し声のトーンが変わっていますが、おおむね問題ないようです。


生成してみての印象

Sora2で生成した動画のクオリティは非常に高く、動作も滑らかで、話し方も自然に感じられます。特に注目すべきは、フィラー音(「えーっと」など)が全く入らない こと。コロナ禍のオンデマンド授業では自分の話し声を録音していましたが、どうしても間延びしたり、フィラーが入ったりしてしまいました。Sora2なら、こうした“人間らしい不完全さ”を排除し、スムーズで聴き取りやすい日本語 で授業が進められます。

ただし、いくつかの課題もあります。例えば、動画内に表示される日本語テキストはまだ不自然 な場合が多く、正しい日本語表記にするには調整が必要です。また、適切な内容や演出にするためには試行錯誤が必要 で、生成に時間もかかります。10秒の動画を作るだけなら、自分で喋って撮影した方が早いというのが正直なところです。


今後の可能性

しかし、将来的にSora2が長尺の動画生成 に対応するようになれば状況は変わってくるでしょう。たとえば、自分の著書や授業資料をSora2に読み込ませ、その内容に基づいた完全自動授業動画 が作れる日も遠くないかもしれません。AIが自動で教材を生成し、教師の代わりに授業を行う――そんな未来の入り口に、Sora2は立っているのです。

Sora2は、“AIが話すだけでなく、AIが教える”ことができるようになることを示唆するツール でしょう。教育現場での応用可能性を探るうえで、今後も注目していきたいと思います。

2025年11月 5日 (水)

生成AIによるメディア学部オープンキャンパス紹介ツール

2025年9月 5日 (金) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の藤澤です。

今回、今年度のオープンキャンパス向けに作成したGPTsOpenCampus Guide 2025@TUT.MSを紹介します。GPTsとは、OpenAIChatGPTをベースに、ユーザー自身がカスタマイズして作成できる「特化型AIアシスタント」のことを指します。知識や応答スタイル、利用目的に合わせて設定できるため、教育や研究支援、イベント案内など幅広い用途に活用することが可能です。

その一環として、昨年度に引き続き改良を重ねて開発しているGPTsの一つ OpenCampus Guide 2025 を、今年6月と8月に開催されたオープンキャンパスにて紹介しました。本記事では、その概要と活用方法、さらに利用上の注意点についてご紹介します。なお、本ツールは、学部や大学の公式ツールではなく、藤澤研で勝手に作ったものですので、大学や学部への問い合わせはご遠慮ください。

実際のGPTは以下から利用できます。

 

続きを読む "生成AIによるメディア学部オープンキャンパス紹介ツール"

2025年9月 5日 (金)

そもそも、オーラキャストって何?

2025年8月 1日 (金) 投稿者: メディア社会コース

 オーラキャストは、Bluetoothの新しい機能で、音声や音楽を多くの人に同時に届けることができる技術です。これまでのBluetoothは1対1の通信が基本でしたが、オーラキャストではペアリングなしで、複数の人が同じ音をスマートフォンや補聴器、ワイヤレスイヤホンで受け取ることができます。たとえば、駅のアナウンスや学校の授業、映画館などで使われ、聞こえにくい人や騒がしい場所でもはっきりと音を聞くことができます。公共の場での情報伝達がより便利で、誰にとってもやさしい社会の実現に役立つ技術です。

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 前回のブログで書いた通り、このオーラキャストとWi-Fiを用いた音声配信システムを導入し、聴覚障害者にもアナウンスなどの声や音が届く社会基盤の実現を目指します。最新の補聴器や人工内耳にはオーラキャストが搭載されていますが、まだ社会で実装されていないのでその機能はオンになっていません。今後、鉄道・空港・公共施設・ホール・スタジアム・映画館・学校・病院などに導入が進むことで、その威力を発揮することになるでしょう。

 実は、この仕組みにより聞こえる人々も便利になります。

・雑音の多い場所でも、ワイヤレスイヤフォンなどでアナウンスの声が聞こえる

・多言語放送により、日本語以外の言語の観光客などに放送を流すことができる

・大きな音が出せない場所でも、ワイヤレス送信することで音楽イベントを開催することができる

・そのエリアだけの小さなラジオ局を運営できる(避難所などでも使える)

 すでにオーラキャストを搭載したヘッドフォンやイヤフォンが販売されていますが、まだ価格が高いので普及はしていません。しかし、今後スマートフォンに搭載される可能性も示唆されているので、例えばiPhoneに搭載されると一気に普及するでしょう。「オーラキャスト」という言葉を覚えておきましょう。

 


メディア学部 吉岡 英樹

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略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在は聴覚障害支援を専門としており、メディア専門演習「サイレント・コミュニケーション」、3年次科目「音声情報アクセシビリティ」、聴覚障害支援メディア研究室 を担当している。


 

2025年8月 1日 (金)

生成AIは音楽をどこまで作れるのか? ー 伊藤謙一郎先生に聞く、Suno AIの実力とは

2025年6月11日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の藤澤です。普段は、機械学習の様々な応用について研究をしていますが、今回は音楽生成AIの話です。私自身は音楽からは縁遠い生活なのですが、昨今の生成AIを用いた楽曲生成を使ってみて、素人目には非常に素晴らしいものができていました。これが専門家から見るとどうなるのかを知りたくなり、同じメディア学部で作曲を専門とする伊藤謙一郎先生にお話を伺いました。

 


 

近年、生成AIの進化が目覚ましく、文章生成AIや画像生成AIをはじめ、さまざまな分野でその活用が進んでいます。中でも、ここ1年ほどで急速に注目を集めているのが音楽生成AIです。Suno AIやUdio AIといったサービスの登場により、誰でも簡単に楽曲を生成できる時代が到来しつつあります。

音楽生成AIとは?

音楽生成AIとは、人工知能を用いて楽曲を自動で作成する技術です。与えられたテキストやスタイル、ジャンルなどの条件に基づき、メロディ、和音、リズム、さらには歌詞や音声までも自動的に生成することが可能です。従来、音楽制作には専門知識と時間を要しましたが、これらのAIによって、より多くの人が音楽制作にアクセスできるようになってきました。

 


 

伊藤先生が見たSuno AIの実力

伊藤先生ご自身は、現在のところSuno AIなどの音楽生成AIを積極的に使用しているわけではありません。しかし、学生が話題にすることも多く、実際に生成された楽曲を耳にする機会は増えているそうです。

その上で、Suno AIの技術的完成度について、以下のような評価をされていました。

 

 

 

  • ジャンルに合わせた作曲が秀逸
    単に指定された楽器を使うだけでなく、スタイルに即した曲調や構成が的確に模倣されている。

  • 作詞の精度も高い
    適切な韻を踏んでおり、自然なリリックとして成立している。

  • リズム感のある裏打ち
    曲中に効果的な裏打ち(バックビート)が挿入されており、音楽的にも説得力がある。

  • 歌詞と旋律の整合性
    単語を1音に凝縮したり、語尾を引き伸ばすなど、メロディに合わせた処理が自然で、感情表現も豊かである。

  • 音質の向上
    バージョンを重ねるごとにミックスや音質が向上しており、商用レベルに近づいている印象がある。

 


 

人間とAIの創作の関係

伊藤先生は、Suno AIのようなツールが「音楽制作を身近にする」という点で大きな可能性を感じつつも、今後の創作活動における人間の役割についても慎重な考察が必要だと語ります。

「AIが生み出す音楽は確かに魅力的です。ただ、創作の本質には“なぜそれを作るのか”という意図が必要です。AIが補完できる部分と、人間にしか担えない部分の境界を、今まさに私たちは探っているのだと思います。」

また伊藤先生は、AIが作った音楽には、明確な違和感とまでは言えないものの、「人が作ったものとは異なる何か」を感じることがあるとおっしゃっています。この話題から、画像生成AIの分野でも見られたように、今後は人間の作曲家がAIのスタイルに寄せて作るという現象が起きる可能性についての話もあがりました。そうなると、「人が作ったもの」と「AIが作ったもの」の境目は次第に曖昧になっていくのかもしれません。

 


 

おわりに

音楽生成AIは、テクノロジーの力で音楽表現の地平を押し広げようとしています。Suno AIはその最前線にある存在であり、メディア学部としてもこの分野の動向を注視していく価値があるでしょう。

 

2025年6月11日 (水)

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