おもしろメディア学

使いにくいインターフェース

2022年6月17日 (金) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

1年前期の必修科目「メディア学入門」では、4人の教員が数回ずつを受け持ち、メディア学部で学ぶ様々な分野の基本的なことを紹介していきます。この講義については、以前にもこのブログで紹介しました。

今年も既に第8回までの講義が終わりましたが、私が担当した先日の回では、インターフェースについて話しました。CUIとGUIの違いとか、良いインターフェースが満たすべき条件などについて説明したのですが、具体例があった方がわかりやすいだろうということで、悪いインターフェースの例をいくつか紹介しました。

Fig_20220612105801

そこで紹介したものの一つが、私自身の研究室の照明のスイッチです。下の写真のように、右側に白いスイッチが3つ並んでいて、その左側に黒いロータリースイッチがあります。これを見ると、ほとんどの人は、右側が照明のスイッチで、左側は換気扇とか構内放送とかそんなもののスイッチだろうと思ってしまいます。でも、実際にはこれら4つは全て照明のスイッチで、右の図のように、廊下側の3つのエリアが白いスイッチ、窓際のエリアがロータリースイッチに対応しています。ちょっと想像がつかないですよね。毎年4月に新しい4年生が研究室に来はじめますが、しばらくは窓側エリアの照明を付けずに作業をしてたりします。

こういうインターフェースは、「一貫性」が無いので使いにくいとされます。同じ機能を異なる種類のボタンやスイッチに割り当てると、ユーザーが一見しただけで機能を推測できなくなってしまうという問題があります。私の研究室は、たぶん何らかの歴史的経緯でこうなってしまったのだと思いますが、これからインターフェースを設計する皆さんには、一貫性のことをよく考えて作って欲しいと思います。

 

2022年6月17日 (金)

GW混雑比べ(5/5 12:10版) 池袋vs新宿vs渋谷 とか 自由が丘vs下北沢vs吉祥寺 とか 東京上野ライン沿線

2022年5月 8日 (日) 投稿者: メディア技術コース

新しい研究テーマに取り組んでいる健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

このGWは世の中的には最大10連休となっており、東京工科大学でも学年暦に工夫がされていて9連休になっています。
このブログを読まれている皆さん、工科大メディア学部生の皆さんはどのようなGWを過ごしたでしょうか?場所によっては激混みな場所もあったと思われます。これを24時間前までさかのぼって確認できるアプリがあります。それは以前紹介したYahoo!Mapです。
このアプリの混雑情報という機能を使用して2022/5/7 13:40の首都圏の混雑状況を確認してみると、東京、有楽町、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原、に加えて横浜と水道橋が混雑していることがわかります。水道橋だけが特殊ですがこれは今現在水道橋にある東京ドームでイベントを開催しているからです。こういう情報がリアルタイムにわかるのが、これからどこかに出かけようとするときに混雑を避けたいならば有益な情報になりますね。また一般的に若い人に人気と言われている、吉祥寺・下北沢・自由が丘を比較してみると前述のエリアに比べて混雑度は低いことがわかりますね。

Img_1346

 

2022年5月 8日 (日)

情報メディアによるプラセボ効果と天気痛

2022年5月 1日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

ここ最近、体調を崩しているわけではないのですが、不調というかグロッキー気味です・・・。
学生の皆さんに当てはまるかはわからないですが、今日はその原因についてのお話です。

昨夜~今朝にかけては特に大変でした。頭痛ーるというアプリがあるのですが、そのスクリーンショットを載せておきます。

20220430-213735

そう、気圧がものすごい変化をしていたのです。
1013hPaが標準気圧で、画面外ですが1000を割るくらいの強い低気圧から急上昇、昨夜21時の1021hPaを頂点としての再度急降下・・・。
抗えないほどの強い眠気と、起きた後も何がというわけではないがどことなく具合が悪い、昨日今日とそんな日でした。
その前から、ここ数日はずいぶんと気圧の上下が激しかったです。ログを見るとすごくギザギザしているのではないかと思います。

学生の頃は気圧変化で(というか、普段から特に)具合が悪くなるということはなかったのですが、30歳手前ぐらいから影響を受けるようになったように思います。
気象病とか天気痛と呼ばれ、頭痛が出る方が多いようですね。頭痛ーるもそういった方々に愛用されているようです。
この辺り、医学的根拠があるかまでは確認していないですが、不調自体は多くの方に起きているようです。

さて、頭痛ーるのような情報メディアで、観測結果からかなりリアルタイムに(また予報的に)気圧の変化が見えるようになりました。
すると気になるのはプラセボ効果ですね。「これから気圧が下がるぞ」という情報を得ることによって、体調不良が引き起こされてしまうこともあり得ると思います。

私の場合は、時折「ああ、これは気圧だな」というような不調が起きるのですが、その時に確認するとやはり急上昇か急降下が起きていることがほとんどです。これは知らなかった場合ですね。
先に急降下が起きる事を知っていた場合は、体感でおよそ半々で不調が起きるような印象です。周りの知り合いがグロッキーでも何ともない時もあったりします。
つまり、普段も知らないうちに急降下が起きてるけど不調が現れず、気が付いていないという可能性が考えられますね。知っていた/知らなかったによらず不調が起きたり起きなかったりするようです。

知らずに不調になったけど気圧は何ともなかった、ということもあるならば無関係(というか気のせい)である可能性もあるのですが、その割合は低いのでやはり何らかの影響はあるかなと思います。
不思議なのは、私の場合気圧が急降下する時は急降下が始まる2~3時間前から影響が出始める点です。
急上昇の時は割と開始時に起きるのですが、急降下はなぜか少し早く出ます。一体何を感知しているのか・・・?
実は原因は全く別の何かで、それによって不調と気圧の低下が共に起きる疑似相関のようなものかもしれません。

「〇〇の時は不調になりやすいな」という感覚は個人差や気持ちの問題を多く含むので、他の人と共有しにくいのが難しいところですね。
私自身は月齢の影響もかなり受けているように思います(昨夜は新月と急降下のダブルパンチでした・・・)が、どうやら今のところ科学的根拠は乏しいようです。
ただ、「新月だから具合悪くなりそう」と考えてしまうと実際にそうなりやすいというのも確かにあるので、情報メディアとの付き合い方は気を付けないといけませんね。
実際自分にはどの程度影響するかを確認するのに活用し、未来の情報については「具合悪くなるかもしれないので気を付けよう」くらいにとどめておくのがよいかなと思います。

2022年5月 1日 (日)

クリエイティブ・アプリケーションの機材準備

2022年4月28日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

助教の戀津です。

昨日紹介した、クリエイティブ・アプリケーションで使う機材の準備を先日していました。

演習用にMacBookやiPadなど複数台を準備しており、それぞれについてOSの最新版へのアップデートや開発用ソフトのインストールなどが必要です。
iPad等iOSの機材は、新規のセットアップをするときに「近くの機材」を使って設定を行うことができます。
まず一台の設定を終え、その近くで別のiPadを起動すると、近くに設定済みのiPadがあるようですが引き継ぎしますか?という感じにメッセージが出ます。
もちろん他人の機材とは起きてしまわないよう、確実にそのiPadの持ち主が操作をしていることが確認できるような手順を挟みますが、このようなことができると大変便利ですね。
実際、今回は後から設定を行った二台についてはこの方法を取り、ほとんど放置で(自動で)セットアップが済んでしまいました。

演習機材準備など多数の機材を扱う機会でないとなかなかできない経験ですが、やはりよくできているなと感心しました。
写真はセットアップ作業中の居室のミーティングスペースです。テーブルを埋め尽くす勢いで機材を展開し、並行で操作していますが上記の通り大半は放置の時間だったので一人でも問題なく行えました。

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これらの機材を使って、クリエイティブ・アプリケーションではプログラムの演習も行います。
参加されている皆さんが多くの学びを得て、いいアプリケーションが作れるようになるよう願います。

2022年4月28日 (木)

登場人物間の抱く感情による距離の可視化 ~NICOGRAPH2021発表報告1~

2022年3月 3日 (木) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。
少し間が開いてしまいましたが、11月に行われたNICOGRAPH2021での発表のご報告です。

今回は私の研究を含め、4件の発表をしてきましたのでそれぞれご紹介します。

まずは私の研究からです。以前ご紹介した、絡みの可視化の続きの研究です。
物語における登場人物相関図を作成するために一連の研究を行っていますが、今回は登場人物間がお互いに抱く感情の情報をもとに人物間距離を可視化する試みをしています。
以前の研究では関係の量を扱っていたのに対し、今回は質について扱ってみました。

登場人物が互いに抱く感情は物語の進展に応じて変化していきます。
この研究では、一話ごとに目まぐるしく感情と関係性が変化する作品である『俺を好きなのはお前だけかよ』というアニメについて分析を行いました。
アニメの公式ホームページに各話時点の相関図が公開されているので、その情報を入力して人物間の距離を力学グラフを使って計算しています。
図は第5話と第6話の各登場人物間距離の計算結果です。

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主人公を中心として、好意と嫌悪がそれぞれ向けられており、5話と6話では好意の数が増えています。
結果仲良しの登場人物が集まり、その中でも好意の度合いや他の人物との兼ね合いなどが距離や配置に影響を与えることが確認できました。

最終的に相関図に活かすにはまだまだ課題が多いので、順次取り組んでいきます。
また進展があれば報告します。

2022年3月 3日 (木)

RGB範囲外の色を人工的に再現することは可能でしょうか?

2021年12月27日 (月) 投稿者: メディア技術コース

 RGBの三つの数値(光の三原色の強さ)は、コンピュータのディスプレイで表示する画像の各画素の色を指定するのに使います。数値の範囲は[0,255]の整数ですが、計算時には[0,1]の範囲の実数と想定する場合もあります。
 
 標題の質問は、メディア学部2年生向け講義「CG数理の基礎」での「色の表現」の授業回で履修生から出されたものです。結論から言うとその答えはYesです。
 
 RGBの値は特定のディスプレイが再現できる色です。ということは、ディスプレイ以外の光源であればその範囲外の色が出せる場合があります。もっとも典型的な例はレーザー光です。ほぼ単波長の光と言ってよい、純度の高い特定の1色が出せます。
 
 レーザー光と違い、液晶ディスプレイの光源である蛍光灯やLEDは多くの波長が含まれた光です。そのような光源からRGBを取り出すカラーフィルタは、絞り込んではいるもののやはり多くの波長を通す特性があります。結果的に、ディスプレイが再現できるRGBの範囲はレーザー光を含むことができません。
 
 図に示すxy色度図は、RGB範囲外の色も含め物理的に存在する可視光のすべての色の種類を含む模式図です。もちろん、ディスプレイに描いたxy色度図が本当にすべての色を表示しているわけではないです。だから模式図と呼びました。
 
 Xy
 
 RGBが再現できる色の種類は色度図の中の三角形で示される範囲(sRGBという標準)に限られます。レーザー光のような純粋な単波長の色は色度図の曲線輪郭部分(逆v字型)のスペクトル軌跡と呼ばれる線上に対応する色となります(波長の数値が小さく付してあります。単位nm)。各色がもっとも鮮やかになる部分です。内部に入るほど多くの波長が混じり合い、中央部は多くの色が混じった白となっています。
 
 ということはレーザー光をディスプレイのRGB光源として使えばかなり広い範囲の色を再現できそうですね。検索してみると確かに研究開発事例がありました。
 
[新倉栄二, 2016, RGBレーザーバックライト液晶ディスプレイ, ITUジャーナル, 46(2), 32-35.]
 
 タイトルで検索すればPDFが入手できます。この論文では色度図としてxy色度図ではなく、CIE1976 UCS色度図というのを使って説明しています(下図)。色度図上のどの場所でも距離の違いが人間の感じる色の違いに近い色度図です。
 
 Niikura2016rgblaserbacklight
  上記文献[新倉2016]より引用

 BT.709で示した三角形が前のxy色度図のsRGBの範囲に相当します。この研究で実現したレーザー光を使ったRGB(RGB LD Backlit)がより豊かな色を再現できていることがわかります。BT.2020というのがこのような高色域のRGBの世界標準として定められていて、これに準拠したディスプレイはこの研究以外でも開発されています。
 
 とはいえ、RGBの3原色でディスプレイの色を表現する限りは色度図の全部をカバーすることはできません。純粋なレーザー光(スペクトル軌跡)はほぼすべてRGBの範囲外にあるということになります。
 
メディア学部 柿本正憲

2021年12月27日 (月)

初音ミクのネギとインターネットミームの話

2021年12月12日 (日) 投稿者: メディア技術コース

助教の戀津です。

本日はニコニコ動画がオープンから15周年ということで、色んな所で話題を見かけます。
オープン当時私は大学生で、2007年の初音ミク発売以降の盛り上がりをよく覚えています。
当時ハマった地球防衛軍3が最近Nintendo Switch向けに出たので、当時を懐かしみながら楽しんでいます。

しばらく追いかけられていないので最近の印象はわからないのですが、初音ミクと言えばネギを持っている姿が多く描かれていますね。
発端としてはこちらの動画ですね。初音ミクの発売が2007年の8月31日でこの動画の投稿が9月4日なので、最初期の投稿作です。
この動画が非常に多く再生され、ネギのイメージがついたという様子ですね。

なぜこの動画でネギを持っているかというと、歌われているIevan Polkkaという曲のイメージが引き継がれたためです。
この曲に合わせ、BLEACHの井上織姫というキャラがネギを振り回している動画が海外で流行しており、それに合わせてこの動画でもネギを持たせた形です。

ここで面白いのは、そもそも元の曲にはネギのイメージはもちろんありませんし、井上織姫にも別にネギのイメージはない点です。
ただアニメのある回のある一瞬の動きを切り取ったものが流行した結果、後から曲にイメージがつき、それを引用した動画が流行した結果初音ミク自身にネギのイメージが引き継がれました。

この流れが全て公式あるいは版権元とは無関係に、ネットユーザーによるn次創作の形で形成されています。(後に公式側もこのイメージを使用していたりもするようですが)
このようにインターネット上で文化やイメージが発生し、それが引き継がれていく様子をインターネット・ミームと言います。
文化が遺伝子を持つように変化しながら人から人へ伝播していく様子を指す言葉としてミームがあり、それのインターネット版というわけですね。

ミクといえばネギというイメージは、まさにこのインターネットミームが実感できるわかりやすい例ですね。

2021年12月12日 (日)

丸暗記ではなくつなげて憶える一例

2021年10月 7日 (木) 投稿者: メディア技術コース

 昨日のブログで「CG数理の基礎」での質問と回答を紹介しました。その中で「丸暗記を推奨することがらはあまりない」と言いました。とはいえ、原理あるいは理由を踏まえた上で結果的に暗記状態になるべきことがらならたくさんあります。というか、大学での勉強ってほとんどそれかもしれません。
 
 同じ授業の中での別の質問とその回答を今日は紹介します。RGBは色を表現するディジタルデータとして基本中の基本ですが、HSV(色相Hue・彩度Saturation・明度Value)というのも重要な数値表現の一つです。
 
質問:
 RGBの値を丸暗記するよう書かれていましたが、HSVで覚えておいたほうがいい数字などはありますか? 今までの授業でHSVを使う機会があったので気になりました。
 
回答:
 HSVについて暗記しておきたいこと(人が設定したことなので科学的理由から導けるものではない)は、H(色相)だけは数値の意味が「角度」(0°~360°)であること、「赤」が0°であることです。
 
 あと、強いて言えば、順番に「緑」が120°、「青」が240°ですが、これは私自身は暗記しておらず、自分でこの場で導きました。
 
 イエロー、マゼンタ、シアンのHの値はどうなるか、暗記しなくても導けるようになるといいですね。
 
(質問・回答は以上)
 
 上記回答での「H(色相)だけは数値の意味が角度である」という事項が「原理あるいは理由を踏まえた上で結果的に暗記状態になるべきこと」です。丸暗記(理由を考えずに憶える)すべきことではないです。
 
 「人が設定したことなので科学的理由から導かれるものではない」のに理由を踏まえるというのは少し矛盾めいた感じがします。でもHを角度とした人為的理由はあります。つまり人が考えるのに都合がよい尺度だからです。
 
 ではなぜ角度だと都合がよいのか。
 
 色相の変化は明度や彩度のように一方的に大きくなって最大値まで至るような変化ではなく、色の種類の緩やかな移り変わりです。色の種類の間にはどちらの方が一方的に尺度が大きい、という関係は人間の感覚的にはありません。しかも、赤から黄、緑、シアン、青からマゼンタを経て赤に戻ってくる循環する変化をします。
 
 そのため、色相の尺度としては角度が合理的(科学的というより人間にとって)なわけです。「色相は角度」と丸暗記するのではなく、このように考えて納得して、理由からつなげて憶えれば自然と記憶は定着します。
 
 ここで疑問が生じます。物理的には色は光の波長として数値化されます。確かに赤から青、そしてそのちょっと先の紫(マゼンタのちょっと手前)に至るまでは、波長700nmから380nmという可視光です。
 
 一方向の尺度ですね。
 
 物理的には一方向の尺度なのに、なぜ人間の感覚だと色相は循環するのか。またの機会に考えてみることにします。
 
メディア学部 柿本正憲

2021年10月 7日 (木)

September

2021年9月14日 (火) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

9月に入って、大学はまだしばらく夏休みです。さて、9月をテーマにした名曲のひとつに、Earth, Wind & Fireの"September"がありますが、先日この曲を聴きながらネットを見ていたときに、「Septemberは曲の途中でテンポが変わる」という記事を見つけました。以前から、この曲を聴くと微妙な違和感を覚えることがあったのですが、なるほどそういうことかと思いました。とはいえ、ここは自分でしっかり確かめないと納得できません。客観的な数値を見るために、BPM(1分あたりの拍数)検出のアルゴリズムを適用してみましょう。幸い、今はそういう目的のためのライブラリがすぐに見つかります。さっそくpythonでこんなプログラムを書いてみました。

import librosa
y, sr = librosa.load('SEPTEMBER.wav')
n = len(y) // (sr*20)
for i in range(n):
    z = y[sr*20*i:sr*20*(i+1)]
    onset_env = librosa.onset.onset_strength(z, sr=sr)
    tempo = librosa.beat.tempo(onset_envelope=onset_env, sr=sr)
    print(tempo)

20秒刻みでBPMを調べてみたのですが、オリジナル音源では、確かに最初はBPM=123ぐらいで始まり、後半はBPM=129ぐらいになっているようです。もちろん、あえてそのように演奏しているのでしょうが、念のため別のライブ音源でも調べてみたところ、そちらはずっとBPM=123でした。やはり状況によっていろいろなんですね。

私自身はそんなに音感が良い方ではありませんが、それでもコンピューターを使ってこんなふうに手軽に音楽分析ができるというのも、現代ならではという気がします。

2021年9月14日 (火)

べき乗演算子「^」の謎

2021年8月29日 (日) 投稿者: メディア技術コース

渡辺です。みなさんこんにちは。今回は、冪乗(べきじょう)演算子についてお話ししたいと思います。

冪乗というのは「a の b 乗」という演算のことで、指数演算とか累乗(るいじょう)演算と呼ぶこともあります。(ちなみに、「累乗」は指数が整数の場合のみでしか使えない用語だそうです。) 私の授業では、CG やゲームの基礎理論についてプログラミングによる課題を出すことがあるのですが、その中で頻繁に出てくる処理の一つに「二点間の距離を求める」というものがあります。数学的には三平方の定理で求めることができますが、平方根(√)の計算が必要となります。これは授業資料で事前に提示しているのですが(C#なら「Math.Sqrt()」になります。)、中には「平方根は a の 1/2 乗のこと」という事実を利用し、冪乗演算で求めようとする学生もいます。

これ自体は別に問題ないのですが、そういった学生が書くコードでよくあるのが

a^(1/2)

というものです。つまり、「a^b」で「a の b 乗」を意味すると解釈してのコードです。残念なことに、このコードはうまく動作しません。私が授業で用いているプログラミング言語は C# と呼ばれる言語なのですが、C# での「^」は「論理排他的ORビット演算子」というもので、ここでは本題と外れるので解説はしませんが冪乗とはまったく異なる演算です。しかし、数値同士の演算としては文法的には間違ってないので、普通にビルドはできてしまいます。算出する数値は当然おかしなものになりますので、実行結果はおかしくなるわけです。C# で冪乗演算をするには「Math.Pow(a, b)」を用います。

ちなみに、実は「a^(1/2)」は (1/2) の部分も問題で、両方とも整数として記述しているので 1/2 の演算も整数として処理がなされてしまいます。整数演算での割り算では余りは切り捨てられるので、結果的に「0」になってしまいます。実数演算を行いたい場合は「(1.0/2.0)」と記述すべきところです。

さて、毎年数人の学生が「^」を冪乗演算子として使用してくる(そして間違える)のですが、私は「何故学生は『^』を冪乗演算子と認識しているのか」ということを不思議に思いました。見た目には冪乗を連想するようなものではありませんし、「^」を冪乗演算子として採用しているプログラミング言語はそれほど多くないのです。有名どころな言語の中では Visual Basic, R, Haskell くらいで、今時の一般的な大学1,2年が事前に習得している言語としてはちょっと考えづらいものばかりです。もしこれらの言語を習得しているようなプログラミングマニアな学生であったとしても、そもそも C# で ^ を冪乗と勘違いするようなことはしないと思われます。

という疑問を SNS で呟いてみたところ、数人から意見が寄せられました。まず「LaTeX では?」という人がいました。LaTeX は理系にはお馴染みの文書整形システムで、私の研究室の卒論では Word のかわりに LaTeX を利用するように指導しています。理系分野ではプレーンテキストで冪乗を表すのに「^」を用いることが通例ですが、これも LaTeX が発祥です。ただ、学部1,2年が既に利用していると考えるのはちょっと無理があります。

他に「Excel でも冪乗は ^ でできる」という意見もありました。Excel はちょっと盲点でしたが、確かに上記の各言語に比べれば学生が触れている可能性が高そうです。ただ、学部1,2年の段階で Excel 内で冪乗を扱う場面ってちょっと想像しづらいんですね。

候補は色々とあったものの、どうも納得できずにモヤモヤしているところに、「数学の先生達がプレーンテキスト内で冪乗に ^ を使ってて、それを見たのでは?」という意見がありました。おそらくこれが私の求めていた答えなのだろうと考えています。この発想は自分だけでは絶対に出てこないものだったので、何気なく呟いてみて幸いでした。まあここ数年は SNS を自分から書くことはあまりなくなってしまいましたが...

(メディア学部教授 渡辺大地)

2021年8月29日 (日)

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