動画生成AI:Sora2を使えばAIに授業をさせられるか!?
2025年11月 5日 (水) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の藤澤です。先日、OpenAIから発表された動画生成AI:Sora2を使って授業動画を作れないか試してみました。
Sora2とは?
2025年秋、OpenAIが発表した最新の動画生成AI Sora2 が世界中で大きな注目を集めています。Sora2は、テキストや画像の指示から10〜15秒ほどの高品質な動画を自動生成できるAIモデルで、映像の一貫性や物理的リアリティの高さが特徴です。例えば、登場人物の動き、カメラワーク、照明、背景の連続性まで自然に表現され、まるで実写のような短編映像を作ることができます。
さらに、Cameo機能 を活用すると、実在する人物の3Dアバターを動画内に登場させることも可能です。ユーザー自身の姿をCameoとして登録すれば、まるで自分が演技しているかのような動画をAIが生成してくれます。登場人物同士の会話や表情の変化も自然で、AI俳優が演じる“仮想映像制作” が現実のものとなりつつあります。
Sora2では、以下のような点が特に注目されています:
-
シーン間の整合性:複数カットの中でキャラクターや背景が一貫している。
-
自然な動きと物理法則の再現:風に揺れる髪、重力による落下、歩行などが現実的。
-
多様なカメラアングル:ズームやドリーショットなど映画的な表現も自動生成。
-
音声合成との統合:ナレーションや会話を自然に組み合わせられる。
つまり、これまでの動画生成AIが「断片的な映像」を作る段階にとどまっていたのに対し、Sora2はストーリー性や演出を含んだ“映像作品”を生成するAI へと進化しているのです。
実験:Sora2で授業動画を作ってみました
そこで今回、Sora2を使って短い授業風動画 を生成してみました。Cameo登録したAIが作った私が教壇に立ち、授業を行う映像がどの程度自然に見えるかを検証しました。まずは以下の動画をご覧ください。
一つ目の動画と二つ目の動画では少し声のトーンが変わっていますが、おおむね問題ないようです。
生成してみての印象
Sora2で生成した動画のクオリティは非常に高く、動作も滑らかで、話し方も自然に感じられます。特に注目すべきは、フィラー音(「えーっと」など)が全く入らない こと。コロナ禍のオンデマンド授業では自分の話し声を録音していましたが、どうしても間延びしたり、フィラーが入ったりしてしまいました。Sora2なら、こうした“人間らしい不完全さ”を排除し、スムーズで聴き取りやすい日本語 で授業が進められます。
ただし、いくつかの課題もあります。例えば、動画内に表示される日本語テキストはまだ不自然 な場合が多く、正しい日本語表記にするには調整が必要です。また、適切な内容や演出にするためには試行錯誤が必要 で、生成に時間もかかります。10秒の動画を作るだけなら、自分で喋って撮影した方が早いというのが正直なところです。
今後の可能性
しかし、将来的にSora2が長尺の動画生成 に対応するようになれば状況は変わってくるでしょう。たとえば、自分の著書や授業資料をSora2に読み込ませ、その内容に基づいた完全自動授業動画 が作れる日も遠くないかもしれません。AIが自動で教材を生成し、教師の代わりに授業を行う――そんな未来の入り口に、Sora2は立っているのです。
Sora2は、“AIが話すだけでなく、AIが教える”ことができるようになることを示唆するツール でしょう。教育現場での応用可能性を探るうえで、今後も注目していきたいと思います。
2025年11月 5日 (水)
















